マチェーテ

マチェーテ

今日は久々のレイトショーで

マチェーテ」を見てきました。

評価:(65/100点) – 頭悪っw


【あらすじ】

メキシコの連邦捜査官・マチェーテは目の前で麻薬王トレホに家族を殺されてしまう。それから三年後、アメリカへと不法入国したマチェーテは、日雇い労働者のスラムでスーツ姿の男から過激右派の上院議員・マクラーレンの暗殺を依頼される。しかしそれはマクラーレンの補佐官の仕掛けた罠だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> マチェーテとトレホと貧民街。
 ※第1ターニングポイント -> 暗殺の失敗。
第2幕 -> マチェーテの逃走。
 ※第2ターニングポイント -> ルースが殺される。
第3幕 -> メキシカンの逆襲。


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【感想】

本日はグラインドハウスの嘘予告から飛び出したスピンオフ作品「マチェーテ」を見て来ました。かなりイかした予告編にも関わらず、お客さんはまったく入っていませんでした。まぁ、ロバート・ロドリゲス監督という時点で、日本アニメとアクション映画とスプラッタ・ホラーの見過ぎな頭悪い中2映画なのは確定なので仕方がありませんw
本作はまさにそのロバート・ロドリゲスの悪ノリが炸裂した内容になっています。支離滅裂としたキャラクター描写の中で、それでも一貫して血しぶきとコスプレ美女に拘る姿勢は大変信頼がおけますw 監督の従兄弟・ダニー・トレホも遺憾なくその悪顔を発揮していますし、何より無敵超人・スティーブン・セガールを遂に悪役として起用したということは悪ノリの最高峰です。なにせラスボスがセガールという時点で、人類に勝ち目があるようには思えませんw
全体を通して大変愉快なバカ映画なのですが、一方でどうしても「お祭り騒ぎ」だけで終わってしまっている感は否めません。というのも、「セガールがボスって面白くない?」「ロバート・デ・ニーロにアホなヘタレ役って無駄使いっぽくて良くない?」「ミシェル・ロドリゲスと言えば眼帯にタンクトップじゃん?」という小学生が授業中にノートの隅に書いた落書きレベルのアイデアを20億円ほど掛けて実現してみたという内容のみだからです。一応ヒスパニックの移民問題みたいなものも入ってはいますが、あくまでもお祭りを盛り上げる御輿程度の感覚です。いうなれば「先生!!真面目なクラブですから活動費を下さい!!!」といっておいて、部費でエロビデオとカンフー映画を買いあさって麻雀してるだけという感じですw
すなわち、これは昨年の「ドゥームズデイ」と同じ種類の作品です。好きな人は大爆笑できますが合わない人には全く意味がわからないと類のものです。もし、あなたが「ゾンビ」「マッチョ美女」「金髪ナース」「セガールの剣術」という単語にビビっと来るのであれば、間違いなく見た方が良いです。
ただし、決して何かのためになったり、何かを得るような作品ではありませんw DVDで友達と酒を飲みながら見るような、そんなタイプの頭の悪い映画です。でも私は大好きなので、結構オススメです!

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リミット

リミット

土曜の二本目は

「リミット」を見ました。

評価:(70/100点) – スペイン発のブラックユーモア・ソリッドシチュエーションスリラー


【あらすじ】

場所は2006年のイラク。食品会社のドライバーをしていたライアン・レイノルズは目覚めると棺の中に居た。棺の中にはライターと携帯電話、ナイフ、ペン、サイリウム、切れかけの懐中電灯のみ。身動きもロクにとれない。果たして彼は脱出できるのか?


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【感想】

土曜の二本目は「リミット」です。公開館はそこまでありませんが、かなり人が入っていました。久々に完全なワンシチュエーションのスリラーです。登場人物(=役者)は一人のみ。あとは電話越しの声やビデオ越しにちらっと見えるだけです。場面も棺の中のみ。最初から最後まで「脱出できるか」という一点のみで100分間引っ張ります。
当然これだけを聞くと「本当に100分間も持つのか?」と不安になりますが、そんな心配は要りません。もちろん途中でどうしても中だるみはしますが、とても上手にイベントを転がして高いテンションを保っていきます。そして全体を通して流れるのはアメリカへの徹底した”おちょくり”と皮肉です。この辺はさすがにスペインというところでしょうかw
ちょっと詳しく書いただけでもネタバレになってしまう内容なのであんまり書けないのですが、もし近くで上映しているのであれば是非見ておいた方が良いと思います。これほど明確にアイデア一発で映画を成立させている意欲作は本当に珍しいです。かなりオススメです。

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エクリプス/トワイライトサーガ

エクリプス/トワイライトサーガ

久々に休日出勤から解放された今日は2本です。1本目は

エクリプス/トワイライトサーガ」を見て来ました。

評価:(30/100点) – 逆輸入的な「日本の少女漫画風アメリカンラノベ」


【あらすじ】

エドワードを取り戻したベラは高校卒業を控え幸せな日々を送っていた。ある日、エドワードの姉アリスがヴィクトリアの気配を予知する。
その頃、ニューブラッドと呼ばれる吸血鬼に成り立ての集団は暴虐の限りを尽くしていた。果たして彼らの黒幕は、ヴィクトリアか、それともヴォルトゥーリ一族か、、、。


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【感想】

本日の一作目は「エクリプス/トワイライトサーガ」です。世界的には大ヒットしているライトノベルですが、劇場はガラガラでした。
概要は前作と同様に「イケメン吸血鬼とイケメン狼男にモテモテ」というだけの物ですので、別にどうと言うことはありませんw ただ、そういった下らない内容であったとしても、さすがはハリウッドという画面のクオリティだけでそれなりに見えてしまうのが恐ろしい所です。本作では前作より一層、ベラが調子に乗っています。なにせ冒頭からエドワードとジェイコブに対して堂々と二股を掛けてきますw しかも2人ともわかっている上でそれでもベラを奪い合います。いいですね、モテモテでw
挙げ句の果てに「私もあなた(ジェイコブ)の事を愛しているけど、エドワードの方が好きなの」と来たもんです。おじさんには若い娘のモラリティは良く分かりません。
面白いと思うのは、こういった「花より男子」的なモテモテ話がキャストが外人になった途端に日本ではヒットしないと言うことです。もしこれで登場人物が日本人だったら、間違いなくこのガラガラっぷりはあり得ません。極端なことを言ってしまえば、こういう妄想系オトメゲー的な物は日本が本場だったりしますから、どうしても「日本のライトノベルっぽいアメリカの小説」という倒錯が日本の女性には中途半端に見えるのかも知れません。
少なくともテレビ局主導で作るマンガ原作邦画よりは確実によく出来ていますので、一見の価値はあるシリーズだと思います。

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隠された日記 母たち、娘たち

隠された日記 母たち、娘たち

二本目は

隠された日記 母たち、娘たち」です。

評価:(65 /100点) – 「FLOWERS -フラワーズ-」がやりたかったはずの理想型。


【あらすじ】

カナダで働くオドレイは、妊娠をきっかけに2週間の休暇を取って故郷のフランスに戻る。祖父が死んだ直後だったため母・マルティーヌはいつもぴりぴりしている。居づらくなったオドレイは、亡き祖父の家に滞在することにする。彼女はそこで、かつて母と叔父を捨てて家を飛び出した、祖母の日記を発見する、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> オドレイの帰郷
 ※第1ターニングポイント -> オドレイが乾燥機の裏で日記を発見する。
第2幕 -> 日記と妊娠。
 ※第2ターニングポイント -> 日記をマルティーヌが見る。
第3幕 -> 結末


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【感想】

本日の2本目はフランス・カナダ合作映画「隠された日記 母たち、娘たち」です。文芸系作品にしてはかなりお客さんが入っていました。
本作はいわゆる「母娘もの」の正当な作りをしています。同性の親子3代でまったく同じ悩みを持ち、同じような結末に向かおうとしていきます。本作では祖母の日記と幻と対話することにより、オドレイが祖母に強烈な共感を感じていきます。そして描かれる悩みは「近代的な女性」についてです。いわゆる”働く女性”、結婚をせずやりたいことをやる女性です。かつての保守的なフランス社会の体現者たる祖父に抑圧されていた祖母が残した教えにしたがい、マルティーヌもオドレイも仕事一筋で生きていきます。ここに「ボルベール〈帰郷〉」のようなサスペンス要素が入ります。
っていうか、この作品はまんま「ボルベール〈帰郷〉」です。ボルベールはカンヌの女優賞と脚本賞を取ってアカデミーにもノミネートされた作品ですので、さすがにジュリーロペス=クルヴァル監督が知らないわけは無いです。とはいえ、この形式自体が一種のジャンルムービーですので、そこまで騒ぐことではないとは思います。
面白いのは、こういった「母娘もの」は海外ではわりと定期的にそこそこのものが作られるにも関わらず、日本ではからっきし作れないという所です。 たぶん「FLOWERS -フラワーズ-」だって仲間由紀恵と小雪でコレがやりたかったはずなんです。全然出来てませんでしたがw
ということで、OLの方々にはオススメです!!!!

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ブロンド少女は過激に美しく

ブロンド少女は過激に美しく

本日は3本です。

1本目は「ブロンド少女は過激に美しく」を見ました。

評価:(80/100点) – これぞ男の悲哀ロマン。


【あらすじ】

リゾートへと向かう長距離列車の中。会計士のマカリオは偶然隣り合わせた老女に自身の身の上話を始める。それはかつて愛した女性との悲しくも愚かしい物語だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 列車での会話。
 ※第1ターニングポイント -> 少女との出会い。
第2幕 -> 少女との恋愛と波乱の人生。。
 ※第2ターニングポイント -> 叔父に結婚を認められる。
第3幕 -> 顛末。


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【感想】

本日の1本目は「ブロンド少女は過激に美しく」です。中高年を中心にかなりお客さんは入っていました。本作はご存じポルトガルの巨匠・マノエル・デ・オリヴェイラ監督の作品です。ここ20年ほどはかなり他作な上に本作撮影中に100歳の誕生日というちょっとどうかと思うほどの健在ぶりに、圧倒されるばかりです。

併映の「シャルロットとジュール」

最初に本作の話に行く前にTOHOシネマズ・シャンテで二本立てになっている「シャルロットとジュール」から書いてしまいましょう。といっても、さすがにジャン=リュック・ゴダール作品にどうこう言う根性は私にはございませんw
このシャルロットとジュールは1961年の作品でゴダールの4作目です。出て行った恋人・シャルロットがふらっと部屋に戻ってきたことで、ジャンが一方的に「いかにシャルロットが馬鹿か」と「いかに自分がシャルロットを愛しているか」をまくし立てるだけの10分くらいのフィルムです。とはいえ、この10分でジャンのマヌけっぷりと愚かしさを通じて恋する男の悲哀をストレートに描いたコメディとなっていまして、今でも十分に楽しめる傑作です。ゴダールの歴史的傑作「勝手にしやがれ」のクライテリオン版DVDに特典で入っていますので、興味のあるかたはこちらも見てみて下さい。
本作とのからみで言いますと、おそらく併映の理由はテーマ部分にあると思います。非常に乱暴に言ってしまえば、この「シャルロットとジュール」と「ブロンド少女は過激に美しく」は同じ話です。共に、恋に盲目的な男が”一方的に女性を理解した気になって”愛してしまった事の愚かしさを描きます。そういった意味ではゴダールが普遍的すぎるとも言えますしオリヴェイラが古風だとも言えるのですが、何にせよヘタレな男なら共感せずには見られないロマン溢れる題材なのは間違いありません。

本題

肝心の「ブロンド少女は過激に美しく」です。本作はフィルムグレインがたっぷり乗った古風な絵作りが真っ先に目を惹きます。音楽もほとんど使われませんし、何より極力セリフを廃した「映画らしい映画表現」のど真ん中を直球で攻めてきます。「映画らしい」という定義は難しいですが、そんな問題も本作を見ればすべて吹き飛ぶこと請け合いです。
ストーリー自体は前述したような悲恋話です。本作はそのストーリー部分もさることながら、風景を使った場面転換の仕方であったり、ほとんど固定カメラのようなかっちりした構図であったり、そういった映画としての圧倒的なまでの説得力=正しさが大変魅力的な作品です。なので、非常に教科書的と言いましょうか、優等生的と言いましょうか、ほとんど文化遺産レベルでの職人芸を堪能することができます。
こういう言い方をすると反発を招くかも知れませんが、本作を見れば映画のすばらしさは全部分かります。もちろん後述する「エクスペンタブルズ」でも全部分かるんですが(笑)、格調ある「文芸系作品」という意味ではほとんど上限レベルの作品ではないかと思います。
小規模な公開のされ方をしている作品ですので見るのは大変かも知れませんが、間違いなく一見の価値はあります。
是非是非映画館でご覧ください。いまどきゴダールを映画館で見られるだけでも駆けつける価値があります。

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ナイト&デイ

ナイト&デイ

連休初日は2本です。1本目は

ナイト&デイ」を見ました。

評価:(40 /100点) – That’s ハリウッド娯楽映画。


【あらすじ】

自動車整備士のジューンはウィチタへパーツの買い出しに来ていた。地元ボストンへと帰るまさにそのとき、ウィチタ空港で彼女はロイと名乗る男と偶然同じ飛行機に乗り合わせる。彼女が手洗いに入ったタイミングを狙って、彼は乗客とパイロットを殺してしまう。畑に飛行機を不時着させたロイは、彼女に自分が組織に追われていることと彼女も追われる可能性があることを警告する。眠り薬を飲まされた彼女が目覚めると、そこはすでにボストンの自宅だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ジューンとロイの出会い。
 ※第1ターニングポイント -> カーチェイス
第2幕 -> サイモンを探す旅。
 ※第2ターニングポイント -> ロイが撃たれる。
第3幕 -> 結末。


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【感想】

3連休初日は新作を2本見てきました。1本目は「ナイト&デイ」です。監督は去年「3時10分、決断のとき」で評価の高かったジェームズ・マンゴールド。トム・クルーズとキャメロン・ディアスの主演ということもあって、観客は中高年の夫婦を中心に結構入ってました。
実は今日見た二本ともあんまり書くことが無くって困ってるんですが(苦笑)、本作を無理矢理まとめるならば「これぞハリウッド。」って感じでしょうか。話の構造自体は「巻き込まれ型サスペンス」を非常にオーソドックスにやっています。「ゼフィー」という永久電池を巡ってロイとフィッツジェラルドとアントニオが奪い合いを展開します。もちろんゼフィーはマクガフィンですので、それ自体に意味はありませんし、なにか科学的根拠があるわけではありません。ここにロイとジューンのラブコメ的な展開が加わります。
決して高尚な事をやっているわけではありませんし、ツッコミ所も満載です。FBIがロクに調べもせずに街中でカーチェイスや銃撃戦を展開するとは考えられませんし、いまどきiPhoneでwebを使っておいて匿名性が維持できるわけがありません。ジューンはTVニュースで顔までバッチリ映って指名手配されているのに平気な顔して街中をうろつけますし、何食わぬ顔で結婚式にも出られています。ロイはロイでヘリコプターやら銃やら秘密の無人島やらやりたい放題ですし、そもそも絶対に隠れられる無人島があるなら最初からサイモンをそこに逃がせば良いわけで、、、、。とまぁ細部はボロボロですが、それでも美男美女が車やバイクで銃をぶっ放してそれっぽい感じを出していれば、これはもう十二分に「ハリウッド娯楽映画」です。
頭をカラッポにして見れば、そしていつもの「ハリウッド娯楽映画」を見るつもりであれば、「面白かった」で片付けてしまえる映画だと思います。正直に言うと、こういう映画は別に新作で映画館で見る必要は無いと思いますが、でもカップルや夫婦で当たり障りのない時間つぶしに見る分には十分な出来だと思います。ということで、オススメかと聞かれればオススメしないこともないくらいのテンションで、オススメDEATH!!!

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ガフールの伝説

ガフールの伝説

土曜の2本目は

ガフールの伝説」です。

評価:(50/100点) – 話は平凡。よくある普通の冒険譚。


【あらすじ】

メンフクロウの兄弟・ソーレンとクラッドは、飛行練習中に純血団なる軍団に誘拐されてしまう。それはかつて世界征服を企んだものの「ガフールのガーディアン」達によって退治されたメタルビークの新勢力であった。ふたたび世界征服を企むメタルビークに兄のクラッドは同調、純血団の戦士として生きることを決意する。一方、弟のソーレンとサボテンフクロウのジルフィーは、純血団の元から脱走することに成功する。彼らの目的地はガフールの神木。かつてメタルビークを倒した伝説の英雄・「キールのライズ」が居るガーディアンの王国である。

【三幕構成】

第1幕 -> ソーレンとクラッドが誘拐される。
 ※第1ターニングポイント -> 純血団からの脱出。
第2幕 -> ガフールの神木への旅。
 ※第2ターニングポイント -> ガフールのガーディアンが戦を決意する。
第3幕 -> 決戦。


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【感想】

土曜日の二本目はザック・スナイダー監督の新作「ガフールの伝説」です。川崎で見たんですがガラガラでした。キャラがフクロウという点で子供向けと思われたのでしょうか。下手すると去年の「ウォッチメン」よりも観客が入っていませんでした。
ざっくりと結論を書きますと、本作はあまり目新しいものや特筆するような部分がありませんでした。「300」「ウォッチメン」でも多用された超スローカメラによる(といってもフルCGですが)マンガの「止め絵」/カブキの「見得」的な演出が多用され、なんかスタイリッシュに見えないこともないような、、、格好付けを多用しすぎて逆にダサイような、、、という微妙な感覚です。話自体も「勇者様ヘルプもの」の王道そのものでして、見ようによっては「スターウォーズ 新たな希望」っぽい感じもあり(特にラストの授与式)、かなり見慣れた展開なので別にどうという感じもありません。至極平凡で、正直に言うと「3Dであること」以外には今2010年にやる必要すら無いような気がします。
ストーリー上もガフールのガーディアン(勇者)達はそこまで活躍せず、どちらかというと新参者のソーレン・パーティ4羽が大活躍してしまいます。なので、そこまで盛り上がりも説得力もありません。
ただ、「キールのライズ」ことエジルリブにはかなりグッときました。「戦争の英雄」=「敵を殺しまくった者」という現実をきちんと見せた上で、空しいけれども「やる時はやるしかない」という展開に持って行くあたりはさすがのザック・スナイダーです。ここで下手に流行のヒューマニズムみたいな方向にいかず、きっちり勧善懲悪でまとめてくるところもさすがです。
こういう単純な勧善懲悪の冒険譚って最近はポリティカル・コレクトネスの視点からやりづらくなっているように思います。悪にも悪の理由があるとか、ついつい悪役のキャラも掘り下げたくなってしまいます。でもそこはグッとこらえて、あくまでも悪い奴は悪いし良い奴は前面的に良いという単純化された対比構造を最後まで通します。
ですので、大変教育上よろしい作品だとおもいます。それこそ文部省推薦マークが付いてても可笑しく無いくらいですw
平凡ではあるんですが、王道を見せてくれるため途中で飽きることもありませんでした。
積極的にオススメするような作品ではないと思いますが、可もなく不可もなくという感じの作品だったと思います。もし時間に余裕があったり、フクロウが好きで好きで仕方がないという方は見に行って損はないと思います。

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メッセージ そして、愛が残る

メッセージ そして、愛が残る

9月最後の映画は

メッセージ そして、愛が残る」です。

評価:(20/100点) – 予告編の前提がドンデン返しのネタバレという衝撃!


【あらすじ】

ネイサンは幼い頃、車に撥ねられ生死の縁を彷徨った。大人になったネイサンは弁護士となり、かつて病院を熱心に見舞ってくれたクレアと結婚し子供を二人持つが、長男を突然死で失ってしまう。それがきっかけで不仲となり離婚したネイサンの元に、謎の男・ケイが現れる。ケイは大学時代の知人のアンナの居所をネイサンに告げ、会いに行くよう勧める、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ネイサンと娘。
 ※第1ターニングポイント -> ネイサンの元にケイが現れる。
第2幕 -> ネイサンとアンナ
 ※第2ターニングポイント -> ネイサンがクレアの元に行く。
第3幕 -> ネイサンとクレアとトレイシー。


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【感想】

昨日は一本、「メッセージ そして、愛が残る」を見ました。レディースデイでしたので、かなりの数のOLで客席が埋まっていました。癒しを求める方の多さに驚きますw
最上段の通り、以下ネタバレが含まれていますのでご容赦ください。っていうか予告をネタバレ前提で作るなっていうツッコミなんですけどねw

いきなりですが、本作で一番のツッコミ所はその「ドンデン返しのネタバレが前提の予告が流れている」点ですw あまりの事に実は見ている間中、ずっと戸惑っていました。というのも、本作の劇場予告では「幼い頃事故にあって生死の境を彷徨ったネイサンは、他人の”死”が見えるようになった、、、。」って言ってるんですね。で、そこにネイサンとクレアが抱き合う映像がながれて「最後に残るのは愛、、、。」見たいなのが出てくるわけです。これを見ると当然「これは、人の死が見えてしまう男が、最愛の人の死を見てしまい悲しみに打ちひしがれながらも愛を貫こうとする話なのだ。」と思うわけです。当たり前ですよね。でも、コレがドンデン返しなんですw はいっ~!????

実際に本編を見てみると「他人の死が見える」のはマルコビッチ扮するケイで、まるでネイサンの死が近いような流れで話が進むんです。まぁ当然予告と違いますので「あれ???」って思いながら見るんですが、1時間20分くらいその流れなので段々と「これは昔よくあった予告詐欺か???」とか思い始めるわけです。で、衝撃のラスト10分を迎えますw いきなり「実は死ぬのは元嫁で、ネイサンはケイの後継者だったのだ!!!!」ってドンデン返しがあるわけです。でも見に来てる人はみんなその前提で来ているわけで(苦笑)、全然ドンデン返しではないというか、むしろ違う意味でショックを覚えますw そしてズッコケます。思わずアゴが外れました。

ストーリー自体は言うなれば「ものすごく甘ったるい”ファイナル・デスティネーション”」です。死ぬ運命にある人は何をやってもその運命からは逃れられず、偶然が積み重なって死んでしまいます。なので私、実はアンナが死ぬ感動の展開で思わず笑ってしまいそうになりましたw 笑いかけて「おっといけね。ホラー・コメディじゃなかった。」と思いとどまりましたが、それくらいB級感漂う愉快な設定です。

でも、そのB級感を徹底的にオシャレでイカした”ラブ・癒し空間”に取り込もうとしてくるため、そのギャップがかなり歪な事になっています。これは言ってみればケイとネイサンの「師弟もの」でもあるわけで、その師弟の修行シーンの一歩手前までを見せられるわけです。ですから必然的に盛り上がりには欠けます。だって本作で一番見せなければいけない「ネイサンが元嫁の死を受け入れ、乗り越え、メッセンジャーとして生きる決意をする」シーンがないんです。その一歩手前の寸止めで映画が終わってしまいます。結果として、成長物語未満の”成長の予兆・雰囲気”だけが残されます。
肝心なところが描かれていない本作は、決して出来の良い映画ではありません。予告で十分ですw。

もし気になっている方が居ましたら、レンタルDVDが出てからでも良いと思います。

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