本能寺ホテル

本能寺ホテル

今日はもちろんコレです!!!

「本能寺ホテル」じゃ!!!

(75/100点) – 綾瀬はるか史上最高傑作!


【あらすじ】

倉本繭子は現在無職の元OL。教員免許を持っているものの特にやりたいことが見つからず、周りに流される人生を歩んできた。そんな彼女は出会って半年の彼氏・吉岡からプロポーズをされ、なし崩し的に結婚を決める。彼の両親に挨拶をするために京都を訪れた繭子は、ひょんなことから「本能寺ホテル」に宿泊することとなった。そのホテルのエレベーターは、天正10年6月1日、すなわち「本能寺の変」前日に繋がっていた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 繭子の京都旅行
※第1ターニングポイント -> エレベーターに乗る
第2幕 -> 天正10年の世界と信長との交流。
※第2ターニングポイント -> 繭子が信長に警告する
第3幕 -> 本能寺の変と繭子の決意



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【感想】

さて、本日は綾瀬はるか主演の最新作「本能寺ホテル」を見てきました。監督がフジテレビの鈴木雅之。そして主演が綾瀬はるかと堤真一。脚本が相沢友子。ということで、どっからどうみても「プリンセス トヨトミ2」なわけで、かくいう私も予告で完全に続編だと思っていました。万城目氏といろいろ揉めてるみたいですが真相はよくわからんのでどっちがどうかは何とも言えません。ただ少なくとも、「プリンセス トヨトミ」を見ている人には、本作は物凄いハードルが下がった状態だというのは確かです(笑)。

かくいう私も、半笑いで見に行ったわけです。

どうせプリンセス トヨトミ2でしょって(笑)。





で、ですね。実際見てみますと、、、

正直スマンカッタ。

これ滅茶苦茶面白いです!!!!!

マジおもろい。

どのぐらい面白いかって言うと、見てる間中ニヤニヤが止まらなくてハタから見てると「あ、、、変態かな?」って思われるぐらいオモロい。つまり、最高かよ!? これが最高のアイドル映画か!?!?!?

いままで綾瀬はるか主演映画の最高傑作って、黒沢清監督の「リアル〜完全なる首長竜の日〜(2013)」か「僕の彼女はサイボーグ(2008)」だったと思うんですよ。前者は映画的な意味で面白くて、後者はアイドル映画的な意味で綾瀬はるかが可愛すぎるという。

今回の「本能寺ホテル」は、この2作を超えました。作品の内容としても、そして綾瀬はるかの可愛さでも、文句なくダントツに「綾瀬はるか史上最高傑作」です。

以降、この映画を徹底的に褒めちぎります、、、いや、ちょっとだけ貶しますが(笑)、でも全体的に褒めます!ネタバレを多く含みますので、未見の方はご注意ください。いや、マジで見たほうがいいですよ!騙されたと思って、是非!

これは綾瀬はるか版「ブラック・スワン」だ!

皆さん、ダーレン・アロノフスキー監督の「ブラック・スワン(2010)」は見てますよね? もし見ていない方はこれを機にぜひ見てみてください。ブラック・スワンは「強権的な母親によって抑圧された願望・欲望が狂気によって解き放たれる」という所謂「発狂系スリラー」の傑作であり、主演のナタリー・ポートマンそのもののような優等生的キャラクターがまさに劇中で自我を解放していくというカタルシスに溢れる作品です。

本作「本能寺ホテル」は、まさにこの「発狂系スリラー」の系譜に連なる作品です。

主人公の繭子はたぶんもう30歳近くて、それなのにいままでの人生で主体的に「これがしたい!」っていうものを持たないで生きてきました。ちょっと天然が入っていて、押しの強い彼氏の吉岡に流されまくって、なんだかんだで結婚するような雰囲気になってしまっています。教員免許をとったのも「手に職があるとなにかと便利」みたいななんとなくな理由です。そして春先に就職先が倒産して、次の職を探そうにもやりたいことが見つからずに悶々としています。

そんな繭子が、吉岡のお父さんという自分の好きなように生きるイカしたじいちゃんに出会い、問題意識を持つわけです。そして、実際にタイムスリップしたのかどうかは置いといて、本能寺ホテルで不思議な体験をし、自分の好きなことを遂に見つけて解放されるんです。

そう、この映画は、まさに私達が綾瀬はるかに持っているイメージそのものの「押しに弱そうで天然入ってる可愛い女の子」が自我に目覚めて大人の女性として成長する話なんです。まさに正統派の「発狂系スリラー」です。

ですから、この作品で「天正10年の描写が雑すぎ!」とか「信長の思想がおかしい!」とか、そういうのはもうどうでも良いんです。だって天正10年の描写は全て「繭子の内面の発露」なんですから。これは「胡蝶の夢」と同じ原理で、あくまでも繭子が内面的に「本能寺の変の日にタイムスリップして成長する話」であり、それが本当にタイムスリップしたのか彼女が発狂してそう思い込んだだけなのかは重要ではありません。だってタイムスリップ自体が「現実的じゃない」んですから、そこに出てくる信長の思想がおかしかろうが何だろうが、そんなのどうでもいいじゃないですか。これが大真面目なタイムスリップものだったら話は別ですが、あくまでも繭子が「精神的に追い込まれて、本能寺ホテルで不思議な体験をして、そして自己解放する」って話ですから。

実際に、本作を見ていて一番違和感を感じるのは不自然なカメラワークなんです。この作品では、カメラのフレームがすべて道や壁や階段に直角に撮られています。つまり凄く「カキワリ」っぽいんですね。本能寺ホテルのバーのシーンや人物の周りをカメラがぐるぐる回る一部シーンを除いて、映画の9割以上は繭子を「真横」か「真後ろ」か「真正面」から撮っています。いわゆるパース・奥行きがありません。「ブラック・スワン」がひたすらナタリー・ポートマンの肩口からカメラを撮り続けたように、本作では徹底して綾瀬はるかを直角から撮り続けます。アゴが目立っちゃってアレなんですが、これをすることで、画面全体が強烈に「ウソくさく」なるんです。これがまさに主体性の無い繭子の様子を映像的にも表現できていて、とても効果的です。意図してか単に下手なのかはわかりませんけれども(笑)。

テレビギャグも微笑ましく見られる

一応ちょっとだけ苦言を呈しておけば、エレベーターが開くときの天丼ギャグだったり、八嶋智人の一発ネタだったり、いわゆるテレビギャグがちょいちょい入ってきます。でもこういうのも、それこそ三池映画的な意味でのくだらないブッコミだと思えば微笑ましく見られます(笑)。本筋がグダグダな作品でやられると腹立つんですが、本作はメインストーリーが滅茶苦茶しっかりしてますからね。「十三人の刺客(2010)」の伊勢谷友介は腹立たないけど、「愛と誠(2012)」の武井咲は腹立つってのと一緒です(笑)。

この映画って明らかにマズいタイミングでギャグをぶっ込んで台無しにしている場面が無いんですね。だから、「まぁ、なんかクスグりでしょ^^;」ぐらいの感覚で流せます。

たぶん本作があんまりお気に召さない場合って、天正10年の軽すぎるノリが合わないか、または「女の子が好き放題に自分探しをする」っていうスイーツ成分が苦手かっていうパターンだと思います。あとは「タイムトラベルの意味ないじゃん」みたいな。タイムトラベル先と現在のリンクみたいなものは全くないですからね。どの時間帯にタイムスリップするのかっていう設定もよくわからないですし。最初に行ったときから同時並行的に時間が経ってるのかな、、、とかですね。

でも、映画的な見方だと、そもそも本当にタイムトラベルしてるかどうかが怪しいんです。たしかに靴を失くしてきたり着物を貰ってきたりっていう描写で「本当にタイムスリップしてるかな?」ってのは見せてますが、それだって別に繭子が発狂して自分の部屋で着替えて妄想ロールプレイしてるだけかも知れませんしね(笑)。

そういう意味でも、本作ではテーマを「繭子の内面の成長・解放」とした時点で企画的に勝ちなんだと思います。描写の矛盾や不満も「内面描写だから」で全部片付けられますから^^;

そして実際に、映画は繭子がやりたいことを見つけて綺麗に終わるわけです。これだと文句の言いようがありません。

まとめ

ということで、この映画は滅茶苦茶よく出来ています。フジテレビ映画にあるまじき出来の良さ(笑)。ちょっとスタッフが「プリンセス・トヨトミ」と同じというのが信じられないレベルです。これ本当に劇場で見たほうがいいです。邦画の、、、しかもビックバジェット映画で、まさか「ブラック・スワン」のフォロワーをやってくるとは思いませんでした(笑)。是非是非、声を大にしてオススメします!!!

ちなみにツイッターでちょろっと書きましたが、何故か劇場がお年寄りばかりでした。しかもマクドナルドとか持ち込んじゃうタイプの筋金入りの、、、。もしかしたら「八重の桜」とか時代劇ものを期待しちゃったのかも知れません^^; 本作はバリバリの「自分探し映画」であり、「頑張れ、ワタシ♡」っていう例のヤツです。発狂してますけど(笑)。なので、くれぐれもタイムスリップ時代劇を期待して見に行くのは止めたほうがいいです。念のため。

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記事の評価
バイオハザード:ザ・ファイナル

バイオハザード:ザ・ファイナル

本日の2本目はこちら

「バイオハザード:ザ・ファイナル」です。

評価:(30/100点) – 小じんまり、まとまりました。


【あらすじ】

前作までいろいろあって、アリスはワシントンに居た。ワシントンで彼女はレッドクイーンからのメッセージを受け取る。実はアンブレラ社は「エアボーン・アンチTウィルス」を隠し持っているというのだ!すべてのTウィルス感染体を死に至らしめる強力な薬を手に入れるため、アリスは始まりの地・ラクーンシティの「ハイブ」へと向かう。レッドクイーンの示した人類滅亡へのタイムリミットは48時間。果たしてアリスはアンチTウィルスを手に入れることができるのか?

【三幕構成】

第1幕 -> ワシントンでレッドクイーンと遭う
 ※第1ターニングポイント -> アリスがラクーンシティに着く。
第2幕 -> ゾンビ軍団との対決とハイブへの侵入
 ※第2ターニングポイント -> 最深部に着く
第3幕 -> アリスの正体とアイザックスとの決戦


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【感想】

さて、本日はスクリーン・ジェムズ作品が連続となりました。2本目はシリーズ6作目の「バイオハザード:ザ・ファイナル」です。なんだかんだで1作目が2002年ですから、もう14年もやってるんですね。1作目は井筒監督がテレ朝の「こちトラ自腹じゃ」でボロクソに叩いていたのをいまでも覚えています(笑)。1作目はたしかにダメダメではありましたが「走るゾンビ」を発明したエポックメイキングな作品でした。この作品で走り始めたゾンビは、ついに本家シリーズの「ドーン・オブ・ザ・デッド(2004/リメイク版)」でも取り入れられ、市民権を得ます。いまや何の違和感もなく、多くの作品でゾンビたちは元気に人間を走って追いかけています(笑)。

そう、そんな歴史的なシリーズの最後ですから、これはもうファンなら行くしか無いわけです!!!っと気合を入れてみてみますと、これね、ファンサービスしてくれてるのはわかるんですが、結構がっかりポイントがてんこ盛りです(笑)。

せっかく登場したドクター・アイザックスとウェスカーはとんでもなく小者になり、シリーズ全部の意義を吹っ飛ばすレベルです(笑)。しかも1作目を全否定するように「実はTウィルスはアンブレラ社の陰謀でわざと撒かれたのだ!」みたいな話まで飛び出します。いやいや、1作目でレッドクイーンが超慌ててハイブを閉鎖しようとしてたじゃん。っていうか、本作で出てくる陰謀が本当だとすると、そもそもハイブにTウィルスを撒く理由がないじゃん。もっと遠くで撒けよ、、、。とまぁいろいろとアレな事になっております(笑)。これですね、ある意味ヤケクソといいますか、さすがポール・駄目な方・アンダーソン監督(※注)。頑張っているのはわかるのにすごいヘンテコなことになっています。ファンサービスがファンサービスにあんまりなっていません(笑)。

※注 ポール・アンダーソン監督は世界に二人おります。本作の監督・ポール・ウィリアム・スコット・アンダーソン監督は駄目映画ばっかりとっており、一方のポール・トーマス・アンダーソン監督はカンヌ・ベルリン・ベネチアを総なめにしております。このため映画オタクの間では俗称として、ポール・駄目な方・アンダーソン、ポール・出来る方・アンダーソンと呼び分けられます(笑)。

そう、本作ではファンサービスしようという意図は伝わってくるんですね。最終作なので舞台は1作目に戻ります。そして「対ゾンビ戦」ではなくて1作目の醍醐味であった「対殺人トラップ」にフォーカスされる。ちゃんと1作目で出てきた有名なレーザートラップも再登場します。とても気を使ってくれているのがわかります。でもですね、その割にメイン級の悪役の扱いが本当に酷いです。なんかもうキャラ崩壊しているレベルで、あれだけ強かったウェスカーがまさかそんな社畜的な意味で負けるなんて、、、という、、、なんでSFアクションホラー映画を見て私たちはサラリーマンの悲哀を感じなければいけないのかと(笑)。

そんなこんなで、せっかくのシリーズ最終作にも関わらず、シリーズが好きであればあるほどがっかりするという残念な事態になってしまいました。もはや誰向けなのかすらよくわかりません、、、。シリーズ初見では意味がわからないと思いますし、シリーズファンだとあまりに雑な展開に悲しくなってきます。ということで、この映画は無かったことにしましょう(笑)。

もとはといえば、4作目で完結するはずだったものを無理やり続けさせたスクリーン・ジェムが悪いんですから、ポールは悪くない!たぶん、、、きっと、、、いや、6割ぐらいはポールのせいかも(笑)。個人的には動いているアリ・ラーターを久しぶりに見れたのでそれだけでも良しとします!ということで、オススメ、、、しと、、、きま、、、、しょう、、、、、か?しときましょう!ポールも言ってるじゃないですか!

「ジャン・リュック・ゴダールも言っているように、女性と銃だけで映画は成り立つ。このコンセプトはクールでセクシーだよね」
出典:日刊ゲンダイweb 監督インタビューより
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/196257

やっぱダメだこの人(笑)。

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記事の評価
SCOOP!

SCOOP!

今日は

「SCOOP!」を見てきました。

評価:(38/100点) – レオン風アイドルPV映画


【あらすじ】

かつて優秀なカメラマンとして鳴らしていた都城静(みやこのじょう しずか)はいまやフリーの中年パパラッチ。芸能ネタを夜ごと撮り続け、ゴシップ週刊誌へ売って生活していた。ある日、かつての相棒で週刊誌「SCOOP!」の副編集長・定子から若手社員・野火(のび)の教育を頼まれる。いやいやながらも引き受けることになった静と野火のデコボコ・コンビは、スキャンダルを求め夜の街へ消えていく、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 静と野火の出会い
※第1ターニングポイント -> 野火初めての写真
第2幕 -> コンビの活躍と事件カメラマンへの復帰
※第2ターニングポイント -> 静と野火が関係を持つ
第3幕 -> チャラ源の暴走


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【感想】

さて、今日は大根仁監督の最新作「SCOOP!」を見てきました。本作は「モテキの監督最新作」かつ「福山雅治の主演作」と結構なネームバリューでキャパ500の箱でしたが、3組4人しか観客がおらず、さすがにちょっと心配になってしまいました。初日が映画の日だったのでもう見たい人はだいたい見ちゃったのでしょうか。

ここで、いつものお約束です。私、この映画には不満タラタラです。なのでばんばんグチっていきたいと思います(笑)。結末にも普通に触れますので、未見の方はご遠慮ください。また、本作は1985年の「盗写 1/250秒」のリメイクということですが、すみません。私はこの元を見ておりませんのでこちらと絡めてどうこうは語れません。ご容赦ください。

レオンのパロディ

この映画には2本のスト―リーがあります。

1つ目は新人ゴシップ記者の野火の成長の物語です。野火は「この仕事マジ最悪ッスね」が口癖で、完全にパパラッチを見下しています。自分はおしゃれファッション雑誌のライターになりたかったのに、人事異動でゴシップ誌に回されてしまったと不満タラタラです。ところが、ベテランである静と行動を共にすることで、徐々にその「一瞬のチャンスをものにするために頑張り続ける」というパパラッチの仕事にやりがいを見つけていきます。

もう一つはくすぶっているベテラン・静の尊厳回復話です。静はかつて”高尚な”事件担当のカメラマンとして活躍していました。ところが「チャラ源が関係する何らかの事件」のために会社を辞め、フリーの”低俗”パパラッチに身をヤツします。そこに純真な新人の野火がやってくるわけです。静は野火の「私も事件担当をしてみたい」という熱意に押され、”高尚な”事件担当への復帰を決めます。

さて、この2つが組み合わさるということで、これはもうどこからどうみてもリュック・ベッソンの「レオン(1994)」です。「盗写 1/250秒(1985)」をレオン風にアレンジしたのか、たまたま「盗写 1/250秒」がレオンと同じ話だったのかはわかりませんが、意識しているのは間違いありません。ここからは、「でもこれ全然出来てないじゃん」というグチを綴っていこうと思います(笑)。

てんこ盛りのグチ

一番の不満は「芸能パパラッチの扱い」です。上記の2つのストーリー紹介を見ていただくとわかるように、本作における「パパラッチ」の扱いはすごい適当です。一方では「やりがいがあり達成感のある仕事」として描かれ、一方では「低俗で中年になってまでやる価値のない仕事」としても描かれます。特にがっかりくるのが、このアンビバレントに主人公格の静が陥っているからなんですね。そこは嘘でもいいから「パパラッチにだってやりがいがあるんだよ!」っていうのを見せてほしいんです。「ゴキブリかドブネズミ以下なんだよ!」っていうのを本心でいわれちゃ形無しっていうね、、、。

例えば、「レオン」ではジャン・レノ扮するレオンは殺し屋としては超優秀ですが、学がなく文字も読めません。その一方でナタリー・ポートマン扮するマチルダは、文字は読めるが家族の復讐をする力がありません。この2人は完全に相互補完できるんですね。だからこそ、物凄い年齢差がありながらもそこに純愛が生まれるわけです。

では本作はどうかというと、静には写真を撮る経験と策略があり、野火には「高尚なことをしたい」という情熱があります。ここで補完していると言えなくはないのですが、そうすると前述の「結局野火はパパラッチを見下しているのか?」という部分に戻ってしまいます。

これは結構深刻な問題です。劇中でも2人の編集長の「週刊誌SCOOP!はどうあるべきか」という意見対立で表現されています。片や「SCOOP!はゴシップ誌であり、ラーメンやグラビアやスキャンダルなどの低俗なものを載せるんだ」というもの。(※余談ですがラーメンがとばっちりを食らってるのはちょっとカチンときます(笑)。)片や「SCOOP!だって高級雑誌には出来ないゲリラ的な方法で事件のスクープ写真を撮れるんだ」というもの。どっちにしても事件スクープと芸能ゴシップに明確な格差があるように描かれ、そこを否定した馬場が敗れてしまいます。

そして最終的には、静が実は事件カメラマンであり、マスコミの中でもっとも高尚である(とされる)「戦場カメラマン」に憧れていたという話にまで発展します。静自身もはっきりとパパラッチを見下しまくってるんですね。そうすると、そもそも芸能ゴシップの楽しさを理解して良きパートナーとなっていた野火の立場はどうなるんだという話があり、じゃあもう前半の芸能ゴシップ文脈がまるまるいらないんじゃないかと言う話になります。あくまでも「実力のある静が低俗な中年パパラッチに身をやつして己を戒めていた」ってな具合なんですね。そんなの「バットマン・ビギンズ(2005)」だったら開始30分で終わらせてるところじゃねぇかと。たぶん本作でやりたかったのは「露悪的だけど魅力的で実力もあるダークヒーロー」だと思うんですね。文句ばっか言っててゲスいけど、やる時はやる男。それが同一作品の後半で前半を全否定するという、、、さすがにどうなんでしょうね。

さらに言えば、この映画全体が顔のどアップとセリフで全部説明するタイプのテレビドラマ演出であり、しかも三幕というよりは前半後半でガラっと話が変わります。ですから、あきらかに不法なカーチェイスをやってるのにその件が何のお咎めも無いのは良いのかとか、バレバレの大砲を構えてるのに静だけ捕まって野火が逃げられた意味がわからんとか、最後娘だけ助けて自分は残った意味がわからんとか(※結果チャラ源の罪が重くなってるし)、そういうのは「どうせテレビドラマ調の映画だし」で割り切るしかありません。

良かった所:リリー・フランキー

グチばっかりもなんなので良かった所に行きましょう。なにせ一番いいのはリリー・フランキーです。というか全部持って行き過ぎ(笑)。殴り込みしかり最終盤しかり。もともと胡散臭いおっさん役が多いんですが、本作では輪をかけて怪しくなっておりとても魅力的に描かれます。これは大当たりです。一方の福山雅治は、良くも悪くももいつものアイドル要素が消せてません。静はもっとゲスいキャラじゃないとストーリーが成立しないんですが、なんかこうお上品になっちゃうんですね。これも彼のオーラの賜物なのか、それとも単に演技がアレなのか意見が別れる所です。
この映画自体がレオンを通って最終的には「ゲスいけど格好いい男の生き様/みんなが憧れる男の背中」という所に行くので、そういう意味では正しく福山雅治のプロモーションビデオです。ですから、福山雅治さえ格好良ければストーリーはどうでもいいって話はあります。

【まとめ】

穿った見方をすると、本作は福山雅治の「脱・アイドル化」を狙った企画ものです。リアルで結婚したし、もうアイドルって売り方でも無いだろうと。そのイメージチェンジとしての「ゲスいカメラマン」役なわけですが、結果としては「ゲスなはずなのに全然ゲスに見えない」という微妙なところに着地しています(笑)。正直これを見るならオリジナルのレオンを見たほうが手堅いですが、福山雅治ファンなら見ておいたほうが良いと思います。確かにいままでの映画の福山雅治よりは雰囲気が格好いいです。どっちかというとテレビドラマの福山ファンよりはオールナイトニッポンのファンでしょうか(笑)。

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記事の評価
ちはやふる -下の句-

ちはやふる -下の句-

今日は邦画2本です。まず一本目は

「ちはやふる -下の句-」です。

評価:(100/100点) – これがアイドル青春スポ根映画のど真ん中じゃ!


【あらすじ】

都大会制覇の報告に新(あらた)を尋ねた千早と太一は、そこでかるたへの情熱を失った新と出会う。自身の大会出場中に亡くなってしまった祖父に自責の念を持ち、新はかるたができなくなってしまったのだ。新にもう一度かるたへの情熱を取り戻させるため、千早は全国大会個人戦での活躍を土産にしようと決意する。
そのためには、高校生にしてクイーン位に君臨する若宮詩暢(わかみや しのぶ)を倒さなければならない。左利きで変速のクイックを使う詩暢を意識するあまり、千早は徐々に自分のスタイルを見失ってしまう、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 福井への訪問
 ※第1ターニングポイント -> 原田先生にクイーン・詩暢の話を聞く
第2幕 -> 打倒クイーン!千早の焦り。
 ※第2ターニングポイント -> 全国大会で千早が倒れ、団体戦が終わる。
第3幕 -> 全国大会個人戦。


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【感想】

さてさて、本日の一本目は「ちはやふる -下の句-」です。先月末に公開された「ちはやふる -上の句-」の直接的な後編です。都大会を制した瑞沢高校かるた部の全国大会への特訓・いざ決戦というストーリーに並行して、「上の句」でポンコツになってしまった新の復活の話が描かれます。これはですね、結構歴史に残る青春スポ根映画の金字塔だと思います。ここから先は、この作品がいかに凄まじく計算されているか、そして俳優(というかアイドル)達の魅力がいかに存分に発揮されているかをがっつり褒めちぎります。

わたくしは原作・アニメとも未見のため、原作との比較はまったくできません。もしかしたら、いつもな感じで原作ファンの方から見ると「ちはやふるの魅力はそこじゃないだろ!」という不満があるのかも知れません。そういった原作ファンの方たちには申し訳ございません。ただですね、漫画原作でここまでしっかりきっちりとした映画になってるわけですから、これかなり幸せだと思います。いまこの文章はちょうど見終わって直後に映画館のすぐ横のスタバで書いてるんですが、この後2時間後ぐらいには私「テラフォーマーズ」っていう漫画原作の映画を見るんですよ(苦笑)。そんなこんなで、もろもろお察しください。

以下、いつものようにネタバレも含みます。未見の方はご注意ください。絶対映画館に行ったほうがいいですよ!

まずは「上の句」のおさらい

まずは上の句のおさらいです。ちょうど私ブログをお休みしてましたので^^;

「ちはやふる 上の句」はスポ根映画のフォーマットを完璧に踏襲した素晴らしい作品でした。場所は府中(?)あたりのちょい田舎。瑞沢高校の新入生の千早は、一年生ながら「競技かるた部」の結成に動きます。自身の幼馴染でBランクの太一を相棒に、これまた顔なじみに「肉まんくん」=Aランク西田優征を巻き込み、さらには和服の不思議ちゃん奏(かなで)と、頭脳系おたくの「机くん」駒野勉を加えます。物語は新設マイナー部活のメンバー集めというド直球でベタベタな展開にのせて、この「机くん」のアイデンティティクライシスまで描ききります。「自分は所詮は頭数あわせで期待なんてされてない」「人さえ集まればだれでも良かったんだ」。画面を見ている観客の私達も思ったこのド直球な問いかけに対して、映画はこれまたド直球の熱血スポ根でそれを返してきます。「最初は頭数あわせだった」「でも一緒に頑張った修行を通じて、弱かろうがなんだろうがもはや5人はチームなんだ」。この恥ずかしいまでのド直球が、これまた恥ずかしくて当然な青春と組み合わさって、「上の句」はそれこそぐうの音も出ないほど魅力的な青春映画となりました。「上の句」で一番すばらしかったのは、この「ド直球さ」です。邦画にしてはめずらしく、何のひねりもなく、何の小細工もなく、素直な青春スポ根を億面もなく、見せてくるんです。これね、こういう作品にはこちらもド直球で向き合わなければいけないわけで、その志だけでもう100点満点でいいんです。こういうと失礼ですが、「上の句」はまったくROBOT制作らしからぬ素晴らしい作品です。一切CGに頼ること無く、ちゃんと道具としてVFXを使いこなせています。ROBOTの他の連中(っていうか主に山崎某)に小泉監督の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいぐらいです(笑)。

そして下の句へ、、、

そして本作「下の句」です。正直な所、「スポ根映画」としての「ちはやふる」は上の句でほとんど100%描き切っています。そうなると、後は細かいかるたの技術論とか荒唐無稽な新必殺技しかスポ根要素は残されていないわけで、これ結構不安でした。どうやって「下の句」を構成してくるんだろうと。安直にやるなら「上の句」のリメイクみたいな感じで同じ話を繰り返せばいいんですが、それではつまりません。公開間隔も短いですしね(笑)。

そんなこんなで実際に「下の句」を見てみますと、、、これはもう凄いとしか言いようがないです。「上の句」が「青春スポ根映画」の「スポ根」要素を重視したとするならば、「下の句」は「青春」要素を重視した構成になっています。つまり、これは正しく「上の句」「下の句」なんですね。単独でもきちんと成立しているけれども、繋がるとまた違った意味が出て完成度が高くなる。これこそまさに百人一首なわけで、「競技かるた」題材の映画として完璧な構成です。おみそれしました。

本作の主題:挫折した天才へ再生を促す熱血物語

前作・本作を通じ、「メガネ君」新はミステリアスな天才として存在しています。「上の句」では本気を出せば日本一だけど、おじいちゃんの介護のために福井に隠居した達人。そして「下の句」では「おじいちゃんの死に目に立ち会えなかった」ことを後悔するあまり自分に「かるたをやる資格がない」と引きこもってしまった世捨て人。このメガネ君にかるたの情熱をとりもどさせるため、つまりはこの競技かるたの面白さを見せつけるため、本作の千早や太一は奔走します。こういう「挫折した天才もの」って私は大好きです。古くは「ドカベン」の山田太郎(※彼は当初野球を捨てて柔道をやっていました)から脈々と続く王道的スポ根ストーリーですね。しかしこの「情熱」を見せつけようと躍起になるあまり、千早も太一も周りが見えなくなってどんどん深みにハマってしまうわけです。そこから彼女たちを救い出すのは、友人であり、ライバルです。憎まれ口を叩きながらも叱咤激励をし、サポートしてくれる彼らのおかげで、千早たちはまた一歩成長し、そしてその熱血のバトンを新へとつなごうとするわけです。

もうね、おじさんは号泣しちゃうわけですよ(笑)。千早があるライバルから「全国大会攻略法」を託されて目が覚めた次の瞬間、彼女はゆっくりと走りだし、そして全力疾走し、雨の中で泣き出すという超ウエットで超ベタベタで、そして超ムカつく演出が入るわけです。「なんじゃこの監督!甘ったるくて腹立つわ~(怒)」と思いながら、後ろに座って持ち込んだポテトチップを食べてる女子高生コンビなんて気にもせずに、号泣しちゃうんですよ(笑)。こういうね、小細工なしで真っ向勝負してくる監督って本当に貴重です。だって、これにはハリウッド超大作みたいに何十億ものお金はいらないですから。聞いてるかいテラフォーマーズのプロデューサー連中よ!あと1時間でそっちいくから待ってろよ(笑)!

本作の主題その2:スポ根としての打倒クイーン

そして本作ではついに、大ボスであるクイーン詩暢が登場するわけです。この詩暢ですね、原作ファンにはあれなのかもしれませんが、存在感が完璧です。「京都弁をしゃべる意地悪なツンデレ」という超類型的なキャラクターでありながら、松岡茉優のちょっとツリ目でネコっぽい感じの雰囲気が完璧にマッチしてます。千早の広瀬すずも、ガサツでアホっぽくて、でも目をカッぴらいた時が最高に美人で怖いという完璧な立ち振舞でした。総じてキャストたちは最高だと思います。
この詩暢がですね、画面から漏れ出る威圧感が半端無いんですね。これぞクイーンっていう。いつぶぶ漬けだされるかとビクビクしながらも、目を離せなくなると。でまぁこの詩暢は、左利きでかつ「音の出ないかるた」という必殺技を使って淡々と相手をぶちのめしていくわけです。個人的には私もぜひ淡々とぶちのめしてほしいんですが(笑)、これね、スポ根としての要素が完璧なんですね。ストーリー上は千早も「スーパー聴覚」という必殺技を身に着けているわけで、これこそ純粋に「早さと速さ」の戦いじゃないですか。聴いた瞬間の判断が早い千早と、聴いた後のかるたへ向かう動きが速い詩暢。完璧に手がマッチしたライバルに、当然ロクに対策をしていない千早は現時点で勝てるわけがないわけで、でも性質上はいつか千早が必殺技を磨けば必ず勝てるはずの手合わせであるというこの構成。お見事です。

本作の主題その3:かるた競技のキモ=心を落ち着かせること=友情であるという解釈

さらに素晴らしいのは、本作が競技かるたのポイントを「平静を保つことだ」としたうえで、「それは友情/自分が一番楽しかった思い出によってもたらされる」というこの恥ずかしいまでに愚直な発想です。これはですね猛烈に説得力があります。変に声をかけたからとか、変に新を見つけたからとかじゃないんですね。答えは己の中にあって、そしてそれとまっすぐに向き合うことで強くなれるんだというこの「静かな熱血根性論」こそ、まさに本作が成功した最大の要因であり、そして「ちはやふる 上の句/下の句」が傑作邦画として輝きを放つであろう最大の要因です。小手先の技術ではなくて、己の志が大事なんだと。聴いてるかいテラフォーマーズ!!あと20分でそっちいくから待ってろよ(笑)!

【まとめ】

ということで、本作は最高によくできた「青春熱血スポ根映画」です。なんの文句もございません。私はBD買います(笑)。なんなら上の句下の句セットの豪華ボックスをだしてくれるならそっちを買います(笑)。これね、広瀬すずも照明さんとかに文句言ってないでこれで女優として一皮むけてほしいですね。小手先じゃなくて、答えは己の中にあるんだよと。筆で書いて便所に貼っときましょう。

ということで、おすすめです!

あたしゃちょっくら火星に行ってきます(笑)。

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記事の評価
ハンナ

ハンナ

今日も2本見て来ました。1本目は

ハンナ」です。

評価:(65/100点) – ニキータっぽいのかとおもいきや意外と淡々。


【あらすじ】

ハンナは人里離れた雪の森で父親に育てられた。世間から隔離された環境の中で彼女は父から格闘術や暗殺術をしこまれる。ある日、父は無線機を出して「このスイッチをいれればここから出て行ける。そのかわりマリッサを殺すかマリッサに殺されるかしなければ自由はなくなる。」と告げられる。迷った末にスイッチを入れるハンナだったが、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ハンナの森での暮らし。
 ※第1ターニングポイント -> ハンナがCIAに捕まる。
第2幕 -> ハンナのベルリンへの旅。
 ※第2ターニングポイント -> ハンナがベルリンへ到着する。
第3幕 -> ハンナの出生の秘密


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【感想】

今日も今日とて2本見てきました。1本目は少女暗殺者ものの「ハンナ」です。ジャンルとしてはアクション映画だと思うんですが、小箱ながら客席は完全に満員でした。学生の夏休み最後の土日だからなのか作品人気だからなのか、ちょっとビックリしました。
本作品は少女がなんらかの組織に暗殺者として育てられる、、、というある種のジャンル映画です。このジャンルのパイオニアはリュック・ベッソンの「ニキータ(1990)」で、その後似たような設定の作品が映画のみならずアニメや漫画でも溢れかえりました。このジャンルでは「世間知らずだけれども暗殺術・格闘術に関しては超一級」という少女と普通の少年・少女とのカルチャーギャップコメディを混ぜつつも最終的には普通の少女になったりやっぱり暗殺者に戻ったりします。
では本作はどうかといいますと、、、シアーシャ・ローナンもエリック・バナもケイト・ブランシェットも魅力的ではあるんですが、どうにもいまいち淡々とした印象をうけます。一番の理由はハンナがあんまり「普通の女の子」になろうとしないことです。この手のジャンルものですと通常は途中で「普通の女の子」としての楽しみを知ってそれに憧れる過程があるのですが、本作ではずっと無表情でいまいち笑いません。唯一出てくるのが道中で出会うソフィーとの友情物語です。ですが、肝心の場面でハンナが助けにいかなかったりするので、ハンナにとってどこまで重要なのかあんまりわかりません。そうすると、ハンナが本当に不思議ちゃんにしか見えなくなってしまうので微妙に盛り上がりに欠けます。
一応本作のストーリー構造上は、「何も知らなかったハンナがソフィーと出会って友情を知るけど出生の秘密を知ることで再び暗殺者の顔にもどる」という形にはなっています。もっと思い切って中盤でハンナがキャピキャピしちゃっても良かったかなと思います。
そして肝心のアクションシーンですが、こちらはエリック・バナが面白さの大部分を牽引しています。とにかくエリック・バナ演じる父ちゃんが最高に渋くて最高に格好いいです。細身のスーツでビシっと決めながら相手をぶち殺していく姿は本当にキマっています。一方のシアーシャ・ローナンも負けじとかなり頑張っています。1対1で正面きっての戦いこそないものの、結構あいてを”こねる”動きが出来ていてかなり素質を感じました。
ただ、このアクションシーンでも実は一点だけどうしても惜しいところがあります。鉄砲にしても矢にしてもナイフにしても拷問にしても、肝心の「死ぬ瞬間」が映らないんです。相手に当たるところはカメラが別の方向を向いていてその後に死んでいる人だったりが「結果」として映ります。おそらく年齢制限を回避するためだとおもいますが、せっかくのアクション映画で肝心の所を隠してしまうのはちょっと残念でした。これもやっぱり全編通して淡々とした印象をあたえてしまう一因だとおもいます。
とかなんとかいいつつも、Wデートのシーンは本当に最高です。このシーンの腰払いだけで100点!!! そこだけって話もありますけど、、、、。

【まとめ】

シアーシャ・ローナンのアイドル性がいまいち伝わらなかった大変惜しい作品だと思います。でもシアーシャとケイト・ブランシェットが役者のタイプとして本当にそっくりというのは良い発見でした。
あんまり積極的にオススメするほどでもないかなとはおもいますが、ジャンルムービーとしては十分に及第点の出来です。やっぱり最後に天丼ギャグで”ドーン”ってタイトルが出るとテンション上がりますしね。何を見るか迷ったらおすすめです。

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記事の評価
七つまでは神のうち

七つまでは神のうち

先週土曜の2本目は

七つまでは神のうち」を見てきました。

評価:(70/100点) – モンスターホラーかと思いきやサスペンスでやっぱ心霊かと思ったらビジランテ映画だけどオバケ。


【あらすじ】

まゆは父と共に寡黙に教会に通い続けていた。ある日教会からの帰り道、いつものようにビデオレンタル店を出たところでまゆは不審なワゴンとその中に目隠しで縛られた少女を見かけてしまう。犯罪のにおいをかぎつけたまゆは父とともにワゴンを追跡する、、、。
一方、売り出し中の女優・さおりは廃校でのロケの後で一人取り残されてしまう。仕方無く校舎で一夜を過ごそうと中に入るさおりだったが、、、。
 


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【感想】

さて、先週の土曜の2本目は三宅隆太監督の最新作「七つまでは神のうち」です。TOHOシネマズ川崎で舞台挨拶直後の回にいきましたら、あんまり人がいませんでした。本当は舞台挨拶をみようとおもったんですがそちらはほぼ一杯で端っこしか残っていませんでした。スターダストのアイドルパワーおそるべしです。
本作は大変説明に困る作品です。というのも本作は15分に一回くらいジャンルが変わるからです。作品全体はちょっとした短編っぽいエピソードが繋がりながら事件の全貌が徐々にあきらかになるようなサスペンス調の構成をしています。神隠しっぽいエピソードと胡散臭いマメ知識の後、本作は偶然見かけた誘拐犯を追う少女の話になります。かとおもいきや、、、、と言う風に進んで行きます。一見関係の無いように見えるエピソードなのにだんだんに登場人物や地名が重なってきて、そうするとどんどん良い奴と悪い奴がひっくり返っていって、最後はすっごいイヤ~~~~~な気分になって帰るという、、、、、ね(苦笑)。本当後味悪いんですよ。「あれ?あたしゃこの子を応援してたはずじゃ、、、」みたいな。しかも後半はあからさまにスキモノを狙った映画パロディが続きます。「ダークナイト」のハービーデントから「オーメン」の神父のアレにつながり、最後はトリッキーに「リミット」っていうか「新・ヒッチコック劇場」の「最終脱獄計画」に落とすという、、、、ね(苦笑)。
という感じでして、本作は良くも悪くもオタク向けのジャンル映画です。こういったB級ホラーが好きだという前提で、かつそこそこ映画も見ていてある程度文法の知識があって、それでいて「どうせこうなったらこうだろ」みたいなひねた見方に慣れている人向けです。つまり私w
逆に言うとですね、映画の文法であったりお約束であったり過去作の展開であったり、そういう背景を持っていない人が見ると、おそらくこれは物凄くつまらないように見えると思います。というのも、結構その場その場のトリッキーな展開を優先しているため、終わってから振り返ってみるとすごく変なエピソードの繋ぎ方をしているんです。
基本的には「あ~いつものあれか」→「ん?ちがう???」→「え~~!?そっち(苦笑)」という展開の積み重ねなので、この「いつものあれか」が思い浮かぶかどうかが本作の全てです。「いつものあれか」が浮かばないと当然次の「え~~~!?」に行かないので、全然盛り上がらないばかりか訳の分からない方向に場当たり的に向かうヘンテコな映画に見えてしまいます。まぁ、タイトルとポスターとスターダストピクチャーズのロゴで十分に「一見さんお断り」になってるとは思いますが、そうとう人を選ぶというのは念頭に置いて見に行かれた方が良いと思います。

【まとめ】

個人的には久々に当たりなJホラーでした。Jホラーかはよく分からないですけどw 日南響子がホラークイーンとして最高に良かったです。なにより2エピソード目の家庭教師のやつとか本当に嫌w まじで嫌。
ちょろっと後半のパロディの話を書きましたが、後半も後半、というか最後のエンドロールで流れる日南さんが歌うエンディングテーマはGacktの「Metamorphoze~メタモルフォーゼ~」とコード進行が同じです。「Metamorphoze~メタモルフォーゼ~」は2005年公開の映画「機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-」のエンディングテーマです。いちいちパロディする作品がスキモノすぎw
あんまり大きな声では言えませんがオススメです。

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アンダルシア 女神の報復

アンダルシア 女神の報復

今日は当然これしかありません。みんなが待ちに待っていた史上最強のアイドル・コメディ映画

アマルフィ2 「アンダルシア 女神の報復」でどうじゃ!

評価:(30/100点) – マネー・ロンダリングってそういうことじゃないし(´・ω・`)


【あらすじ】

財務大臣の随行でフランスに滞在中の黒田の元に、アンドラ公国行きの指令が下る。アンドラ公国のスキー場のホテルで、現役警視総監の息子・川島直樹の死体が発見されたというのだ。アンドラに着いた黒田を待っていたのは、警視庁からインターポールに出向している神足捜査官と第一発見者の邦人女性・新藤結花だった。
何かから逃げようとする結花を保護して在スペイン日本領事館へと逃げ込む黒田。しかし結花は領事館を抜け出してしまう。果たして結花は何を隠しているのか? そして神足の目的とは?


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【感想】

さて、本日はこれ以外の選択肢は考えられません。全日本人必見の最強アイドル・織田裕二最新作「アマルフィ2 ~アンダルシア 女神の報復~」です。公開初日の昼の回ですが、客入りは3~4割ぐらいでした。とはいえ、前作「アマルフィ 女神の報酬」を見たときは同じ400人入る劇場で完全貸し切りでしたので、前作比で120倍ぐらいの観客です。さすが日本が世界に誇る大娯楽大作です!!!
さて、毎度毎度お馴染みとなりました恒例のお断りです。これ以降、あまりにもオダルフィが好きすぎるあまり話の内容をすべて書いてしまう恐れがあります。未見の方はご注意下さい。また、あまりのつまらなさに気が遠くなっていましたので、特に前半は場面の繋がりが若干前後しているかも知れません。

まずは公式のあらすじに載っているストーリーをプレイバック!

映画はアンドラのスキー場からはじまります。スキーをやっていた男が突如ステッキを投げ捨て、崖から飛び降ります。そして織田裕二映画ではお約束のドコモの携帯電話を取りだし(キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゜Д゜)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゜ω゜)ノ━━━!!!)、なにやら黒木メイサと会話をします。
そんでもって色々ありつつ舞台は夜になり、花火を尻目に黒木メイサが死体のある部屋でパソコンの認証を解除しようとして諦める場面になり、さらに彼女は荷物を窓から投げ捨てて逃げ出します。
このシーンから分かるのは、黒木メイサが殺したか死体を発見しただけかはともかく、なんらかの情報をパソコンから引き出そうとして諦めてパソコンを一旦隠して逃げ出したということです。
さて、舞台はフランスに移ります。ちょっと気の利いたような雰囲気の路地裏レストランの描写がありつつ、いろいろあってサミットが始まります。ここでやっと我らがオダルフィが登場します。なんと今度のオダルフィはフランス語を喋ります。さすが日本が世界に誇る大娯楽大作!
ちなみにサミットでの村上大臣の命題は「マネー・ロンダリングを防止するために、OECDの規定を強化してタックス・ヘイブン化している国に経済制裁をしよう」というものです。これ自体は別にいいんじゃないでしょうか。実際に今回事件の舞台になるアンドラはタックスヘイブン・ブラックリストに載ってますし。ここでは今回の映画が何かマネー・ロンダリングに関わるものであることが示唆されます。
そしてオダルフィがコーヒーポッドと格闘している中、アンドラで警視総監の息子が死体で発見されたという電話が入り、オダルフィはアンドラ行きを命じられます。なんでもアンドラには日本大使館がないので、最寄りで一番暇なオダルフィに白羽の矢が当たったとか。在スペイン大使館がマドリッドにある気もしますが(゚ε゚)キニシナイ。オダルフィも暇扱いされるとか舐められたもんですw コーヒー飲むのに忙しいのに、、、。
一方、現場では髭が超似合うイケメン海難救助隊員がインターポールとして黒木メイサから事情聴取をしています。強盗殺人を疑う形式的な事情聴取ですが、横から入ってきてあまりにもうろつくオダルフィが目障りになったのか突如喧嘩を始めてしまいます。でも、そこはオダルフィ。トイレを我慢した顔で軽くいなしてみせます。芸歴がモノを言う貫禄勝ちです。
やっぱり色々あって結露が~~~とか、物盗りの犯行じゃなくねぇ~~~~とかスルーしまして、夜になります。黒木メイサは防寒着を身につけてパソコンを回収しに行こうとしますが、不自然なドアノックに危険を感じたメイサはベランダから逃げ出します。そこに監視していた伊藤英明とオダルフィも加わり、本日最初の4チーム・チェイスが始まります。ここでもオダルフィは上手いこと先回りをし、見事メイサをゲットして車でバルセロナの日本総領事館へと向かいます。外交官だから国境の検問もフリーパス。さすが世界のオダルフィです。ちなみにこの段階ではメイサはただの第一発見者ですので、オダルフィには誘拐罪こそあれ捜査妨害等の容疑は掛けられません。
さて、バルセロナについて一服した両名は領事館を拠点に別行動を始めます。オダルフィは世界的プレイボーイ・桜坂とコンタクトを取り、彼からメイサが務めるビクトル銀行の詐欺事件の情報を手に入れます。なんでも、ビクトル銀行の行員が架空の投資話で不正に資金を集めていたというのです。なんかマネー・ロンダリングっぽくなってまいりました!
そうこうしてオダルフィが桜坂といちゃついてるスキにメイサがまたしても逃げ出してしまいます。そういやこの間に戸田恵梨香も出てきた気がしますが、全然何の意味もありませんでした。もったいない、、、超可愛いのに、、、。やっぱりストーカー神足とオダルフィとメイサの3チームチェイスがありまして、オダルフィに軍配が上がってしまいます。しかし今回は正式にメイサが重要参考人となり、インターポールの証人保護マンションに移ることになります。これでもう一安心、、、、と思っていると、何の説明も無しに勝手にオダルフィもついてきてしまいます。おまえはストーカーか。っていうかオダルフィは参考人じゃないし事件の第3者なんだからそんな大事な施設の場所を教えたり、あまつさえ中に泊まらせちゃ駄目だと思うんですけど、、、。
そして退屈な日常が戻ってきたある日、保護マンションから警察に移動するタクシーが何者かに襲撃されます。ちゃっちぃカーアクションと銃撃戦があってオダルフィが左腕を負傷したりしつつ、ここでようやっと危機を切り抜けた神足とオダルフィに微妙な友情が芽生え始めます。
オダルフィは独自捜査で川島がビクトル銀行の架空投資詐欺に引っかかっていた事、そして神足がかつて日本の警察で内部告発しようとしてインターポールに左遷されたことを知ります。インターポールに左遷って凄い話です。「東京都の職員が経済産業省に左遷」みたいなw 左遷じゃなくて超エリート出世コースですけど、、、。
神足もまた、オダルフィがただの外交官ではなく「外務省邦人テロ対策室」というスパイ組織のエージェントであることを知ります。
そんなこんなでちょっとオダルフィと神足のバディ感を演出しつつ、ついにオダルフィが最終手段にでます。それは説得です。
オダルフィの「ユー、全部吐いちゃいなYO!」という説得を聞き入れ、メイサがついに川原の担当行員にして詐欺の主犯・ルカスの事をゲロっちゃいます。なんでも、ルカスはアンダルシアにて巨大テロ組織ARMの幹部と取引きをするというのです。
ようやっとタイトルになっているアンダルシアが出てきます。ここまで90分。いや~~~長かったw
しかしここで問題が出てきます。神足は警視庁より直々に今回の事件をうまいこと処理して川島がビクトル銀行に関わっていたことを揉み消すよう命令を受けます。そして一方のオダルフィも鹿賀丈史よりこの件から手を引くよう命令されます。なんでも、川島は暴力団のマネー・ロンダリングを請け負っていた会計士で、その金をビクトルの詐欺で擦ってしまったというスキャンダルが裏にはあると。しかも川島は警視総監の息子なだけでなく現総理の会計士までやってるそうです。総理直々に圧力を掛けられた鹿賀丈史は屈するほかないのです。イヤーニホンノセイジカハクサッテマスネ(棒読み)。総理もわざわざそこまで話さずにただ「何も言わず手を引け」でいいのにね。いい人w
当然のようにこれを断るオダルフィはやっぱり世界的スターです。
その夜、神足はふらっと寄った闘牛練習場でメイサと出会います。メイサに事件の真相を尋ねると、メイサは真実を語り始めます。川島はメイサの「泣き寝入るべきだ」という説得をきかず、目の前で自殺したと。そしてメイサは「自分に何かあったらビクトルと関わった証拠を隠蔽してくれ」と頼まれたと。もうすでに意味がわからないんですが、細かいことは気にしないw
そんなわけで、一行は遂にタイトルの地・アンダルシアへと向かいます、、、。

パッと見はスムーズに見えるけど実は結構適当なストーリー

さて、、、本作は適当に流してみているとなんとなくそれっぽい感じで物語が進んで行きます。ですから、な~~~んにも考えずにメイサやオダルフィにムハムハしていると、あんまり違和感が無いかも知れません。
しかし本作は根っこの部分、、、つまり話の進み方が非常に難解です。あんまり適当に書いていると説得力がなくなるので、ここからはおちょくり無しで真面目にいきますw
まず冒頭から順を追いましょう。
黒田はフランスからアンドラへと向かいます。これはアンドラで事件があったからです。何故黒田かはともかく問題はありません。次に黒田はインターポールに追われる結花を見かけます。彼女を強引に車に乗せ、一路バルセロナの領事館に向かいます。この黒田の行動も倫理的には問題がありますが、しかし彼の独断専行な性格と「邦人保護を任務とする」スパイの設定ですから物語上は問題はありません。ぐちゃぐちゃになるのはこの後、結花がインターポールに保護されてからです。
結花は2つの件で事情聴取を受けます。1つは冒頭の川島直樹殺害事件の第一発見者としての聴取。もう1つはビクトル銀行による架空投資詐欺事件におけるルカスの通訳としての聴取です。
第一発見者としての聴取についてはすでにアンドラで一通り終わっています。結花は領事館から逃げ出して捕まった際に「私を逮捕して下さい」と神足にいいますが、何の容疑で逮捕しろというんでしょう。あくまでもこの時点でも彼女は容疑者ではなく重要参考人止まりです。そしてもう一つの件、つまり架空投資詐欺の主犯と見られるルカスの捜査ですが、こちらでも結花はただの参考人です。結花はルカスと川島の通訳だったという設定のため彼女が何か知っている疑いは強いですが、逮捕できるだけの証拠は何もありません。あくまでも彼女はインターポールに参考人として保護されている形になります。
恐ろしい話なのですがインターポールに保護されて以降、インターポールは川島直輝殺害事件に関しては捜査をしません。つまり謎解きの要素がないんです。そしてひたすら「ルカスを探す」ことに躍起になります。タイトルになっているアンダルシアでのビクトル銀行とARMの会合もルカスの捜査の一貫で、川島の件とはまったく別件です。これは、神足が川島がビクトルに関わったことを揉み消すよう警視庁から依頼をうけていたためと説明されます。つまり神足としては強盗殺人で終わらせるつもりだったので捜査をしなかったというわけです。
ではルカスを探す動機はなんでしょう。国際犯罪である詐欺の容疑者を捜すのは当然ですが、一方で彼が川島の金を預かってマネー・ロンダリングをしようとしたことは揉み消さないといけません。この段にきますと、外交官である黒田は完全に部外者になります。彼は結花の人権を保護することをお題目にして首を突っ込んできましたが、この時点で結花自身がビクトル銀行から命を狙われていてインターポールに保護を求めているため、もはや黒田は不要です。
そう、本作はこの結花がインターポールに保護されたタイミングで話が変わるんです。それまでは殺人事件の話でしたが、ここからは全然話に出ていなかったルカスの詐欺事件がメインになります。川島が死んだ件はどうでもいい扱いになります。ひ、、酷い。
このあたりのルカスがらみは最後までみると分かるんですが、都度都度明らかにはされないため、見ているときには興味の持続がありません。突然殺人事件からルカスの捜索に話がかわって大混乱します。

動機が変

そんなわけで、本作ではクライマックスにアンダルシアでのルカス含めた一網打尽劇が置かれます。置かれるんですが、なんと肝心のインターポールによる突入・逮捕の瞬間は画面で見せてくれません。結花が足を引きづりながらアンダルシアを去っていくシーンの裏でちょっと銃声が聞こえて終わりです。ちなみにこの一網打尽劇の容疑ですが、ルカスと目されるハゲについては詐欺罪、ARMの連中についてはテロにまつわる諸々になります。しかしご存じのとおり、ルカスと思われたハゲはルカスでは無いわけで、そうするとハゲを取り調べると結花/ルカスにまつわる真相は全部インターポールにバれてしまうわけです。これは結花にとって限りなくマズイ事態です。結花の計画はずさんだとしか言いようがありません。
また当然このタイミングでビクトル銀行の全員を逮捕しているわけではありませんので、ビクトルによる結花への制裁が止まるとは思えません。むしろ警察に身内を売ったのですから、よりハードに狙われる危険の方が高いです。最後に結花は悠々とスペイン投資銀行に入っていきますが、ちょっと考えられません。
この結花の動機周りの部分はツッコミどころの宝庫です。
そもそも新聞で報道されている詐欺事件に対して、川島がビクトルを訴えるかどうかで悩んで自殺する意味が良く分かりません。新聞で報道されている時点で詐欺事件は明るみになっているわけで、その詐欺にあった金の出所は当然警察だって調べます。それだったら川島は普通にビクトルを訴えればいいじゃないですか。川島の持っていた金が汚い金かどうかと詐欺事件は別の話でしょう? さらに言えば、マネー・ロンダリングをするのに資金を一括で銀行に任せるのはおかしいです。それはロンダリングになっていません。普通は複数の銀行で大量の別名義口座を使います。じゃないとそもそもの金の出所は何度回したって付いてきますから。どう考えても川島はマネー・ロンダリングに関してはど素人です。
さらに、結花が詐欺をしかけた動機が無茶苦茶です。「家族に迷惑をかけても平気なボンボンが許せなかった」とか語りますが、詐欺自体が新聞で公表されるほどバレちゃってるわけで大失敗です。しかも話のつじつまを考えると他にこの詐欺の被害者が何人かいないとおかしいです。だって川島は詐欺の被害者として届けていないんですから、別のルートで詐欺が明るみになってないといけないんです。ということは、結花がウソの動機を語っているか、または詐欺自体が結花が考えたのではなくビクトル銀行として複数の銀行員がいろいろな人物に仕掛けたかのどちらかです。少なくとも銀行が架空の投資を帳簿上利用してマネー・ロンダリングをしていたわけではありません。もしそうなら川島が文句を言う意味がわかりませんから。
そうなんです。話の流れのなかではあたかもビクトル銀行がタックス・ヘイブンのアンドラ公国を利用してマネー・ロンダリングをしていた様に見えますが、すくなくとも劇中でその事実はないんです。今回の件はあくまでも結花が勝手にやったことなんです。もっとも、一応アンダルシアでの一網打尽劇でビクトル銀行とテロ組織のつながりは明らかになりそうなので、最終的にはそういうことになるんでしょうけど。

そもそもアンダルシアである意味が全く無い

これは大前提の部分ですが、本作は海外を舞台にする理由が一つもありません。「国際テロ組織」が出てくる所でスケール感を出そうとしていますが、話自体は熱海や諏訪で十分成立します。せっかくインターポールなのに国際的なネットワークを活かした捜査をしませんし、アンドラに至っては劇中ではまるでスキー場のホテルの名前のような扱いですw
フラメンコダンスと闘牛場をだしてなんとなくアンダルシアっぽい表現をする演出ですとか、やってることがステレオタイプですごく軽いです。

【まとめ】

とりとめもなく書いてしまいましたが、本作は間違いなく前作の「アマルフィ 女神の報復」よりはマシです。脚本がどうしようもなく下手で演出が限りなくダサいのは相変わらずですが、少なくともやろうとしている意図は本作では伝わってきます。
パソコン内のデータを壊したいだけ(証拠を隠滅するだけ)なのになんで燃やしたり叩いたりしないで持ち出そうとしたのかとか全く意味が分かりませんが、黒木メイサが頑張ってるので全部OKです。1800円払うのはバカらしいので、来週の映画の日なんかに見るにはいいのではないでしょうか。オススメ、、、、、したいようなしたくないような、、、、、でも一応オススメデス。

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赤ずきん

赤ずきん

日曜は1本、

赤ずきん」を見てきました。

評価:(40/100点) – 赤ずきんというか、簡易版ジェヴォーダンの獣。


【あらすじ】

村には、月が赤くなる週には怪物狼が現れて村人を襲うという伝説があった。ここ数十年来は生贄を捧げることで犠牲を回避してきたが、ある日、村に久方ぶりに犠牲者が出てしまう。殺されたのはヴァレリーの姉であった。
すぐに狼ハンダーのソロモン神父を呼ぶことになったが、気が収まらない村の男達は討伐隊を組んで洞窟へと向かってしまう。一人の犠牲者をだしただけで狼の首を持ち帰った討伐隊に対して、訪れたソロモン神父は衝撃の事実を告げる。怪物狼は人狼で、死後は人間の体に戻るという。狼の首があるということはそれは人狼では無く、よって怪物狼は退治されていないのだ、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ルーシーの死と狼討伐隊
 ※第1ターニングポイント -> ソロモン神父の到着
第2幕 -> 狼の襲撃とヴァレリーの拘束
 ※第2ターニングポイント -> ソロモン神父が襲われる
第3幕 -> 解決編。


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【感想】

日曜日はモンスター映画「赤ずきん」を見てきました。公開から1週たっていましたが、カップルを中心に客席は一杯でした。予告をどこからどうみても超B級モンスター映画なんですが、かなり不思議な客層です。「恋をした、大人になった赤ずきん」という嘘まるだしのキャッチコピーに引っかかったんでしょうかw ワーナーのマーケティング勝ちです。
正直な所、あんまり書くことがないくらいよくあるB級ホラーなんですが(苦笑)、一応ちょろっとだけ書きます。
本作がいわゆるグリム童話の「赤ずきん」っぽいのはラストもラスト、3幕目の冒頭だけです。そこまではただひたすら普通のカルト系モンスターホラーのフォーマットをさらっと流しながら使っています。大きな狼による村の襲撃。モンスターハンターとしてでてくる怪しげな神父さん。狼は教会には入れないというお決まりの「宗教観」「モンスターのアンチキリスト精神」。何十回と見たことがあるゴシックモンスターホラーそのものです。直近で一番近いのは、「ジェヴォーダンの獣(2001)」、雰囲気で言えばかのシャマランの「ヴィレッジ(2004)」あたりを彷彿とさせます。
そして、「なんじゃこりゃ。パチモノじゃんか、、、。」とゲンナリしていると、突然3幕でみんなが知っている「赤ずきん」が始まるわけです。「おばあさんの家まで赤ずきんが行く」「でも、おばあさんの家に着くと様子がおかしい、、、、。」という例のアレです。そこまでには物凄い退屈なストレスを食らっていますから(笑)、一気にテンションが上がるわけです。よっしゃキタコレ!!!! と思っていると、案外さらっと終わってモンスターの正体が明らかになって、、、、あっちゃー、、、、、、となるわけです。
なんで「ジェヴォーダンの獣」が面白かったのに「赤ずきん」は微妙かといえば、一番大きいのは構造的に本作が「巻き込まれ型サスペンス」になっているからです。本作はヴァレリーが事件に巻き込まれることでストーリーが展開します。事態に対してヴァレリーは主体的に行動し謎を解く余地がありません。さらに途中からヴァレリーがある事件によって事態の蚊帳の外に置かれてしまい、その後はピーターが主役になります。ストーリー上でヴァレリーが100%安全な立場になってしまうため、あんまりハラハラもしなくなってしまいます。そして唐突に語られる解決編。あらぬ所から急に現れる真犯人に「そういや居たね」ぐらいの感慨しか湧きません。結果として、なんか釈然としない終わり方で微妙な気分が残ってしまいます。
あんまり一般向けにオススメする作品ではありませんが、B級モンスター好きはとりあえず押さえておきましょう。そういやせっかくの怪物狼もあんまり怪物っぽい所がなくてただの大きいワンちゃんでした。でもカワイイからOK。全部OK。物語上はカワイくちゃですけど(苦笑)。オススメです!

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