花のあと

花のあと

今日も二本見てきました。一本目は

「花のあと」です。

評価:(70/100点) – 時代劇というよりは現代劇でありアイドル映画。若い人の方が乗れるかも。


【あらすじ】

父である寺井甚左衛門に剣術の手ほどきを受けて育った以登は、ある日花見中に江口孫四郎に声を掛けられる。羽賀道場の筆頭・孫四郎が気になった以登は、父に頼んで手合わせの機会を設けるが、自身を真っ向から打ちのめした孫四郎に惚れてしまう。しかし自身には許嫁がおり、孫四郎にも婚姻の話があった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 以登と孫四郎が出会い、決闘する。
 ※第1ターニングポイント -> 以登が孫四郎に惚れる。
第2幕 -> 孫四郎の結婚と勘解由(かげゆ)の罠。
 ※第2ターニングポイント ->孫四郎が切腹する。
第3幕 -> 以登の敵討ち。


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【感想】

一本目は藤沢周平原作の時代劇「花のあと」です。私は勉強不足にして、監督の中西健二さんを存じ上げておりませんでした。彼の作品を見るのは初めてだと思います。昼の回で見ましたが、年配の方を中心に結構観客が入っていました。
本作は全体として中々良いまとまり方をしていまして、見た後の満足感はかなり高いです。が、、、実は二本目に見た作品で全部吹っ飛んじゃいました(笑)。それはそれとして、まずはストーリーから行ってみましょう。

本作のストーリーについて

本作品のストーリーはかなり良いです。要は男に興味の無かった女性が初めて惚れた男の仇を討つ話しです。シンプルな「女戦士の仇討ちもの」でして梶芽衣子の得意分野です(笑)。とどのつまりは昔の東映・大映に良くあった映画です。まず前半は以登が初恋にとまどいながらも悶々とする話。そして後半はサスペンス仕立ての仇討ち話です。この繋がりが結構面白くなかなかエンターテインメイントとして優れていると思います。
ただ、サスペンス部分に関してはかなり残念な事になっています。第一に、以登は孫四郎がハメられるまさにその場にニアミスするんですが、一方でそれが後半まったく生きてきません。第二に、捜査は全て才助が行ってしまい主役の筈の以登が全然仕事をしないことです(苦笑)。第三に、そしてコレが一番まずいのですが、観客に最初から犯人がハメる場面を見せてしまっていることです。だから謎解きには全く乗れません。以登にとっては謎でも、観客にとってはついさっきスクリーンに映ってたことですから(笑)。なのであんまり盛り上がれません。でも、サスペンス要素はあくまでも蛇足みたいなものです。根幹はあくまでも以登が恋心に悶々とする様子をニヤニヤ見るというアイドル映画です(笑)。
そんなわけで、以登が初恋を追いかけていく内に頼れる才助に惚れていく様子はかなり丁寧に描いています。作品の全編通じて仏頂面をしている以登ですが、最後の最後で、本当に最後で一回だけ笑うんです。そこまでの仏頂面にタメがあるからこそ最後のちょっとした微笑みがとても効果的です。

本作の演出について

演出についてですが、役者の顔のアップがかなり多いために時代劇というよりは現代劇に見えます。それ以上に北川景子と佐藤めぐみが完全に「いまどきの女の子」の顔なので全然江戸時代に見えません(笑)。また、宮尾俊太郎の棒読みもちょっとビックリするレベルです。役者さんでは無いので仕方がないんですが、いくら甲本雅裕や市川亀治郎が超頑張って好演していても全部帳消しになってしまいます。
かくいう以登のキャラ描写にも惜しいところがあります。というのも彼女が「男に興味が無い」という直接的な描写が無いために、孫四郎にちょっとナンパされただけでホイホイ引っ掛かったギャルに見えてしまうんです。冒頭の花見シーンで「別の男に話しかけられても無視した」という描写が欲しかったです。以登は面食いでは無く、あくまでも男勝りの自分を受け入れた初めての男に惚れたはずですから。
その「以登の剣術」についてですが、北川さんは相当頑張ってます。私も剣道を少し囓っていたんですが、映画で俳優さんが素振りをしたときにキチンと左手が鳩尾の高さで止まって右手が絞れているケースはほとんどありません。冒頭の稽古シーンでかなり綺麗な形で左右面の素振りをしているのはグッと来ました。ですが、、、これは仕方がないのかも知れませんが、やはり映画の時代劇で血しぶきの一つも出ないのは納得出来ません。人が切られたら血が出るのは当たり前でしょう? いくらアイドル映画とは言え、「汚いモノは見せない」というのはどうなんでしょう。別にR15+になるまで血糊を使えとは言いません。でもせめて切られた敵の服が赤くなったり、ちょっと返り血を受けるぐらいは当然だと思います。殺陣で血糊が無いと、それだけでショボくて幼稚に見えてしまいます。
最後に最もがっかりする部分を。まさしく最後の最後、以登が初めて笑顔を見せて完全に北川景子の魅力にヤラれたまさにその瞬間に、なぜか一青窈の「J-Popでござい!!!」っていう主題歌が流れ始めます(苦笑)。余韻ゼロ。そして作品のトーンと全くあってない軽快な音楽。それでもエンドロールならまだ諦めはつくんですが、桜並木を才助と以登が歩いていく作品上一番の見せ場が流れてるんですね。挙げ句の果てに間奏部分でナレーションまで入りやがります。タイアップが大事なのは分かるんですが、せめてもう5分待って、エンドロールが始まってからにしてください(苦笑)。これのおかげでせっかくジーンとくる場面が台無しです。

【まとめ】

ストーリーは面白いですし、北川景子さんのアイドル映画としてもバッチりです。ですがちょっと演出がノイズになって結構評価を落としてしまっています。全体のトーンも時代劇というよりは昼ドラっぽいですが、とても良く出来た作品だと思います。時代劇が好きな方よりも、恋愛ドラマが好きな方にマッチするかも知れません。
また、北川景子のファンであれば本作品は鑑賞必須です。義務です。絶対に見に行きましょう。

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