宇宙戦艦ヤマト 復活篇

宇宙戦艦ヤマト 復活篇

昨日のはしご2作目は「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」です。

評価:(10/100点) – 西崎さんよ、、、言ってることとやってることが違いすぎるぜ。

【三幕構成】

第1幕 -> アマールへの第一次・および第二次移民船団の壊滅と古代の現状。
 ※第1ターニングポイント -> 古代進がニュー・ヤマトの船長として第三次移民船団の護衛に発つ
第2幕 -> ヤマトとエトス星艦隊の戦闘。第三次移民船団がアマールに到着。
 ※第2ターニングポイント -> 古代進がSUSに宣戦布告する。
第3幕 -> 地球・アマール連合軍vsSUS、そしてブラックホールが地球を襲来


【あらすじ】

西暦2220年、古代進が深宇宙貨物船「ゆき」の船長として地球を離れて三年が経過していた。その頃地球は巨大ブラックホールの衝突の危機にさらされており、アマール星への緊急避難を決行していたが、第一次および第二次移民船団は正体不明の艦隊の攻撃で壊滅してしまう。第一次移民船団「ブルーノア」の生き残りである上条を救出した古代は、地球への帰還を決意する。地球連邦科学局長官として移民計画の責任者となった真田より、古代は新生ヤマトの艦長と第三次移民船団の指揮を任される。こうして古代進は再びヤマトに乗り込み、人類の危機を救う旅へと出かけることとなった、、、。


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【感想】

ついに来てしまいました。いままでで一番本音を書きづらい問題作品でございます。なにせ相手は鉄砲持ったヤク中です(笑)。
角川春樹以上の強敵ですが、やってみましょう!!!
まずはヤマトの超書きづらい&説明しづらい「経緯」をざっとおさらいしつつ本作について書いていきたいと思います。覚悟はよろしいでしょうか?(笑)
おそらく超絶長くなると思いますのでご容赦を。

「宇宙戦艦ヤマト」という作品のこれまでの経緯

宇宙戦艦ヤマトは言わずとしれた松本零士の代表作ですが、厳密にはテレビシリーズがオリジナルで、マンガは先行マルチ展開という扱いです。ということで原点は1974年のテレビシリーズ第一作となります。舞台は2199年、ガミラス帝國の侵攻を受けた地球は放射能汚染によって人が住めなくなってしまいます。そんな中で、イスカンダルからメッセージ入りカプセルが届きます。人類は中に入っていた波動エンジンの設計図をもとに戦艦大和を宇宙船としてリニューアルし、イスカンダルへ空気清浄機(=コスモクリーナー)をもらいに行きます。これがテレビ版一作目で、1977年に劇場版として再編集されます。
続いてが1978年の劇場アニメ「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」です。舞台は2201年、謎の救難信号を受け取った人類は、発信源の捜索にヤマトを向かわせます。そしてテレザード星のテレサから白色彗星帝国が地球を侵略しようとしていると告げられます。地球を救うべく奮戦するヤマトですが、乗組員の大半が戦死、艦長となった古代進は数少ない生き残りを救難艇に乗せ、自らは恋人・森雪の遺体を抱いてヤマトで特攻を仕掛けます。
この結末を松本零士が気に食わず、TVシリーズ「宇宙戦艦ヤマト2」が同年に作られます。ここで「さらば~」から結末が変更され、乗組員の戦死と古代の特攻が無くなって白色彗星帝国を普通に倒してハッピーエンドになります。そしてこのテレビシリーズの続編として特番「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」が放送されます。新たな敵は暗黒星団帝國で、ガミラス残党軍とヤマトが共闘するファンサービス的な作品です。
翌年の1980年、新作劇場アニメとして「ヤマトよ永遠に」が公開されます。この作品では「新たなる~」で交戦状態になった暗黒星団帝國が本格的に侵攻してきます。小惑星イカルスにて真田によるパワーアップ改造を受けた宇宙戦艦ヤマトは、ついに暗黒星団帝國の本拠地に殴り込みをかけます。
この続編がテレビシリーズ3作目「宇宙戦艦ヤマトIII」です。ボラー連邦とガルマン・ガミラス帝国との戦争によってダメージを受けた太陽が暴走、太陽の核融合がものすごい加速をはじめ地球が超温暖化の危機に直面します。そこで地球防衛軍司令長官の藤堂の命令を受け、万が一地球が住めなくなったときのためにヤマトは第二の地球探しに出かけます。
最後に1983年公開の劇場版「宇宙戦艦ヤマト 完結編」です。神出鬼没の水惑星「アクエリアス」を鍵として、母星を追われ行き所を無くしたディンギル星人たちが、地球人類を全滅させたあとで地球に移住しようと計画することから人類対ディンギル星人の戦いが始まります。なぞのご都合主義で復活した初代艦長・沖田十三の元で、再びヤマトとオリジナルメンバーの最後の戦いが繰り広げられます。完結編の名にふさわしいフルキャストのお祭り映画で、話はあんまり重要ではありません(笑)。
そしてこの後、「宇宙戦艦ヤマト」の企画立案に参加した西崎義展と松本零士の泥沼の著作権争いが起きます。これがものっすごいゴタゴタでしてこのシリーズのムック本や雑誌の特集が作りづらい環境が長らく続きました。っていうか今でも続いています。
さらに裁判後も西崎が東北新社に一部権利を”勝手に”譲渡したり、覚醒剤で逮捕されたり、さらにその保釈中にグレネードランチャーをフィリピンから持ち込んで再逮捕されたり、面白い話題が目白押しで誰も語りたがりません(笑)。
ハッキリしてるのは、「宇宙戦艦ヤマト」というシリーズが、劇場版2作目の「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」で一度完全終了した.にも関わらず、商業的な理由なのか何なのか、死んだキャラ達がパラレルワールド扱いで次々に生き返って何事もなく続編が作られ続けたと言うことです。そして原案立案者の西崎と松本の権利争いで、その続編すら作られなくなったと、まぁそういう流れです。
ちなみに死んだ人たちが生き返ったのは、私的には「金儲けのため」だと思いますが、公式には「特攻を美化するエンディングが嫌だったから作り直した」となっています。ここを良く覚えておいてください。「特攻を美化するのは嫌」です。ノートにメモって赤線引いてください。「特攻を美化→禁止」です。

本作「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」について

さて、ようやく話の本題です。いや、前項が長くなったのはきちんとした理由がありまして、それは先ほど赤線を引いた点を良くご理解いただくためだったんです。
じゃないと私の怒りが伝わらないので。
ふざけんな西崎さんよ!!!
おまえ特攻美化しまくりじゃねぇか!!!

ゴルイ艦長は武士道精神に則って特攻。
パスカル将軍はヤマトを守るために自ら盾となって名誉の戦死。
大村副艦長はSUS超巨大要塞のバリアを破るために特務艇シナノで特攻。
死ななかったものの古代艦長率いるヤマトは「生き残るべきはヤマトではない。地球である!」の演説の後、死を覚悟して巨大ブラックホールに特攻。
特攻。特攻。特攻。特攻だらけですよ。しかも全部が信念をもった熱い男の生き様を貫いた格好良い「特攻」です。
ねぇ西崎さん、あなた特攻が嫌だったんでしょ?
だから「さらば宇宙戦艦ヤマト」という超傑作を無かったことにしたんでしょ?
なんで今更「復活篇」とか言って特攻を美化する作品を作ったの?
それだけは一番やっちゃ駄目でしょ?
それやったら、「さらば~」以降の作品は全て「金儲けのためでした」って言ってるようなものですよ?
最低です。マジで最低です。
来年に沢尻エリカと木村拓哉で第一作の実写版をやるとか言ってますが、そんなもんの前にすでに破綻してますよ、このヤマト再始動ビジネス。
ちなみに、本作の脚本は単体で見ても穴だらけです。全人類がアマールへ移住するっていってるのに、アマールの女王は迷惑がってて許可取ってないみたいです。さらにSUSが支配する星間国家連合だっていってるのに、アマールとエトス以外の国家が出てきません。連合ってショボ過ぎじゃね?しかもSUSをつぶしたら大ウルップ星間国家連合の議決も無かったことになるっておかしくないですか?他の国は抵抗しないの?ぜ~んぜん意味が分かりません。
しかもラスボスは自ら正体や弱点をベラベラ教えてくれる超良い人(苦笑)。
「全世界が注目」を表現するのが、サバンナで空を見るライオンやキリンと、チベット仏教徒が空を拝むところと、北欧風の老夫婦が羊の横で空を見上げるところ(苦笑)。
古すぎる!
表現が「オヤジくさいダサさ」なんですよ。いま劇場版の1作目や2作目みても、ここまで古くさい感じはしません。あきらかに西崎さんの演出力が落ちてるんです。



いや、あんま言うと怖いんですよ。なにせグレネードランチャー持ってるヤク中なんで(笑)。

【まとめ】

ヤマトのファンなら何も言わなくてもとりあえず行くでしょう。それはたぶん正解です。でも、「ヤマトって有名じゃん。空いてるし観てみよっかな」とか思ってフラっと入るのはオススメ出来ません。まず意味が分からないですし、面白くもないです。それならまだ「劇場版マクロスF」に行くか、レンタルで「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」を観てください。
あと続編の具体的な予定もないのに「第一部完」とか最後に出すのはやめてください。商売根性みえすぎで萎えます。さらにエンディングテロップで言えば、一番大きなフォントで「西崎義展」って何度も出過ぎ(苦笑)。ホント、ナルシストというか老害って怖いですね。

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記事の評価
パブリック・エネミーズ

パブリック・エネミーズ

「パブリック・エネミーズ」を見てきました。
ギャング映画なのかラブストーリーなのか、宣伝方針をハッキリしたほうが、、、。

評価:(65/100点) – ジョニー・デップのアイドル映画なんですが、ちょっとショボイです。

【三幕構成】

第1幕 -> ジョンと仲間と銀行強盗
 ※第1ターニングポイント -> ジョンがビリーと出会う
第2幕 -> ジョンとビリーの関係とジョンの逮捕・脱獄
 ※第2ターニングポイント -> ビリーが逮捕される
第3幕 -> ネルソンとの銀行強盗とジョンの最期


【あらすじ】

ジョン・デリンジャーは銀行強盗である。1930年代、大恐慌後の荒んだアメリカでは数多くのギャングスターが存在していた。そんな中でジョンは「パブリック・エネミー(皆の敵)No.1」として中部を舞台に銀行強盗でその名をとどろかせる義賊であった。ある日シカゴで銀行を襲った打ち上げの席で、彼はビリーという女性に一目惚れする。ビリーを物にした彼は、場所を転々としながら全米各地で銀行強盗を働く。しかしホテルのオーナーからの通報で逮捕され、脱獄したもののギャング仲間から煙たがられてしまう。落ちぶれた彼はネルソンと組み銀行強盗を行うが、その夜ウィスコンシンの隠れ家でFBIの襲撃を受け、側近にして最後の仲間であったハミルトンを失う。
三ヶ月後、彼はシカゴに戻りガールフレンドのポリーと彼女のつとめる売春宿を経営するアンナと3人で映画館へ行く。しかしアンナはFBIと内通していた、、、。


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【感想】

特に近年のジョニー・デップは「頭のおかしい人」役が多かったため、久々に硬派で格好良い役どころとなります。リバティーンで詩人を演じて以来でしょうか。
なんの文句もなく今回のジョニー・デップは格好良いです。ただどうしても伝記物にありがちな地味で興味が続きづらいという欠点があります。
今回は面白い題材として”犯罪者を格好良く描く”事を考えてみたいと思います。

本作におけるジョンとネルヴィンの描き方。

いきなりですが本作の主人公であるジョン・デリンジャーは言わずもがなの極悪人です。人殺しはするは銀行強盗はするは、仲間の脱獄を手引きしたりもします。ごっつい犯罪者です。
一方のネルヴィンは正義感に燃えるFBIの捜査官です。(本当は前身のDOIです。この頃まだFBIはありません。)
しかも優秀な切れ者です。
さて、「正義感に燃える捜査官」と「凶悪なお尋ね者」のどちらが”良い奴”でしょうか?
普通は捜査官ですね。ところが本作の主人公は「凶悪なお尋ね者」です。このために両者の描き方が上手く工夫されています。
それはジョン・デリンジャーの素性や仲間との食事などを多く描く一方で、ネルヴィン捜査官の”私的な時間”を一切描かないことです。ジョンには仲間や恋人が居ますが、ネルヴィンに奥さんや子供がいるかは分かりません。ネルヴィンはいつも渋い顔をしていて、ジョンを捕まえ仕留めるために執念を燃やすシーンしかありません。
ですから観客はデリンジャーを身近に感じる一方で、ネルヴィンをまるで嫌がらせをするストーカーのように感じてしまいます。本当はやってる内容は100%ネルヴィンの方が良いんです。でも、クリスチャン・ベイルの「ちょっとイヤミな感じ」の顔も手伝って(失礼)、まったく正義のヒーローには見えません。
これは非常に上手い演出です。さすがマイケル・マン。男臭さを撮らせれば天下一品です。普通すぎてつまらないという点ではローランド・エメリッヒと一緒ですが、彼のような”やっつけ感”が薄いことがマイケル・マンの何よりの美点です。
良い役者を使ってつまらない内容の話を無難に撮る。まさに職人ですね。

【まとめ】

結構よくできた伝記映画だと思いますが、正直言って、派手さはありません。予告編で映っている部分が派手なシーンの全てです。そしてキャッチコピーにあるようなラブストーリーもそんなに大きなウェイトを占めていません。やはりマイケル・マンの他の作品と同様に、男と男の汗臭い友情と信頼の物語です。
ですから、ジョニー・デップの熱狂的なファン以外の女性には厳しい物があると思います。しかし男性には受けると思います。やっぱり男は銃持ってのし上がってナンボですしね(笑)。
ということで、ジョニー・デップやホモソーシャルが大好きな女性と男性にはお勧めです!
ギャング映画としても結構ヌルいですが、2時間30分が割とあっという間に過ぎると思います。

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インフォーマント!

インフォーマント!

インフォーマント!」を見てきました。
「味の素」とか実名出していいのか心配になってしまいました。

評価:(20/100点) – マット・デイモンじゃね、、、そこだけじゃないですけど、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ウィテカーの工場でウィルス汚染が見られ、日本から脅迫電話を受ける。
 ※第1ターニングポイント -> ブライアン捜査官に価格カルテルをリークし、ウィテカーがスパイになる。
第2幕 -> FBIのスパイとしてのウィテカーの活躍。そしてADMに強制捜査が入り、幹部連中が逮捕される。
 ※第2ターニングポイント -> ウィテカーの裏金作りが判明する。
第3幕 -> ウィテカーの正体と顛末。


【あらすじ】

マーク・ウィテカーはADM社の最年少幹部である。彼の管轄であるコーンからリジンを生成する工場から、ある日ウィルス汚染が検出され生産量が目標に到達しなくなってしまう。そんな彼の元に日本から脅迫電話が掛かってくる。ADM社に産業スパイがおり、その内通者がウィルスを混入したという。事件に発展しFBIから協力を求められるウィテカーは、別件としてADM社が行っている世界を股にかけた価格カルテルの情報をFBIにリークする。興味をもったFBIはウィテカーに証拠集めの協力を指示、ウィテカーはFBIのスパイとしてミーティングの盗聴や書類の横流しに協力していく、、、。


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【感想】

スティーブン・ソダーバーグ監督でマット・デイモン主演、制作ジョージ・クルーニーということでオーシャンズ・シリーズが連想されますが、まぁかなり微妙な出来になっています。というのも、この作品は全体を通して目的地がボケボケだからです。
「ちょ、、、おま、、、話が変わってんじゃねぇか、、、。<30分後> あれ、、、また話変わった、、、どういうこと?」
こんな感じで110分間シリアスな状況の上で笑えないギャグを延々とやってる映像を見せられて辟易するというか、イライラしてきます。
ここからはネタバレ全開となります。もし本作を未見で超楽しみにしている方はご注意ください。

構成の問題

本作は話の構成が煩雑すぎます。上記の「話が変わる」という点なのですが、本作では大きく3つの事件が起こります。はじめにリジン生成工場のウィルス汚染問題。次にADM社の価格カルテルの問題。最後にウィテカーの「双極性障害(=躁鬱病:超気分屋)」と彼の犯罪についてです。
ところが本作をブラック・コメディにしようとしたために、この3つの事件がどれもとっちらかってしまっていて、まったく深く入り込まないんです。実話をもとにした作品であればこそ下手な事は書けないということかもしれませんが、それにしても酷いです。
本作を乱暴にまとめてしまえば「虚言癖の酷いウィテカーがヒーローになろうとして、実際にヒーローになって、そして失脚する話」です。なのでウィテカーがヒーローになるところで観客がカタルシスを得ることが必須な訳です。さもなければ失脚するところに落差が出なくて面白くありません。ですが肝心のヒーローになるところ、すなわちウィテカーが内部告発者として大企業の犯罪を世間に暴くところがまったく盛り上がりません。それはひとえに犯罪全体の重大さとウィテカーの活躍がいまいち描かれないからです。幹部達が逮捕されるシーンは本来ならばクライマックス級に盛り上がらなければなりませんが、実際に逮捕される瞬間ですら手錠掛けや取り調べがなく非常にショボいです。これじゃウィテカーの正体がばれた時も全然すっきりしません。単なるマヌケにしか見えないわけです。

スティーブン・ソダーバーグについて

スティーブン・ソダーバーグというと近年ではオーシャンズ・シリーズで知られていますが、元は職人肌の優等生監督です。非常に手堅い脚本と手堅い撮影で、どんな題材でもそれなりにこなしてしまいます。一方で、この手堅さが面白くない理由にもなってしまっていまして、デビュー作の「セックスと嘘とビデオテープ」でパルム・ドールを獲得した後はそれなりの作品を続けています。アカデミー監督賞なんかも獲ってますが、ファンが付く監督と言うよりは、業界関係者に重宝されるタイプの監督です。
本作「インフォーマント!」もある意味では非常にソダーバーグ監督らしい作品です。つまり、あまり盛り上がらない脚本をそれなりの編集テクニックでそれなりにまとめた佳作といったところです。あしざまに「糞映画!金返せ!」って感じでもありませんが、まぁ別に見なくても良いというか、たぶん来週には存在を忘れてると思いますw

【まとめ】

そんなわけで、本作はマット・デイモンという天才なのに大根役者で童顔なオッサンが醸し出す「とっちゃん坊や感」が悪い方に働いて、こじんまりとした学芸会的空気に包まれています。題材は面白いはずなんです。だって虚言癖全開でヒーローになりたい中年サラリーマンですよ。これをデビッド・リンチが撮ってたらたぶん大爆笑かつドラッギーな気持ちワル~い怪作になったはずです。もったいないな~と思いつつ、レンタルDVDで半額キャンペーン中に見るならオススメです!



余談ですが本作で最も気になっているのは、役作りのために太ったマット・デイモンがきちんとダイエット出来るかです。
もしやワールド・オブ・ライズのラッセル・クロウのように戻らなくなったりして、、、気懸かりですw

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カールじいさんの空飛ぶ家

カールじいさんの空飛ぶ家

「カールじいさんの空飛ぶ家」を見てきました。
3Dで見るか迷いましたが、最初なんで2D字幕にしました。

評価:(90/100点) – 号泣でございます。本当にすみません。


【あらすじ】

冒険好きの少年カールは「スピリッツ・オブ・アドヴェンチャー」号の冒険家チャールズ・F・マンツに憧れていた。カールは同じく冒険好きの少女・エリーと恋をする。彼女の夢は、マンツが行ったという「楽園の滝(Paradise Falls)」の上に家を建てて暮らす事だった。結婚したカールは動物園の風船売りとして子供がいないながらも日々を幸せに暮らしていく。しかし、エリーに先立たれて状況が一変する。地上げ屋に難癖をつけられる形で、彼はエリーとの思い出が詰まった家を離れ老人ホームに入らねばならなくなってしまった。老人ホーム入居の朝、カールは家にたくさんの風船を付けて空の冒険に出ることにした。目的地はマンツが行った「楽園の滝」。亡きエリーを連れて行くと約束した夢の場所だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> カールとエリーの出会いと結婚。そしてエリーの死。
 ※第1ターニングポイント -> カールが旅に出る。
第2幕 -> 楽園の滝への冒険。マンツとの出会い。
 ※第2ターニングポイント -> カールと家が楽園の滝にたどり着く。
第3幕 -> ケヴィンの奪還。


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【感想】

まず最初に言わなければならないことがあります。この年末になって今年のトップ5クラスの映画が出てくるとは正直思っていませんでした。最高です!!!本気で号泣すること2回。ヤバイっす。マジでヤバイっす。今回は様子見で2D版を見ましたが、たぶん3D版も近日中に行きます。本作は幸いなことに3Dかつ字幕の映画館がクリスマスキャロルより増えています。これは大変喜ばしいことです。今後の作品も是非、3D字幕をやっていただければと思います。
本作はごちゃごちゃ言わなくても、素晴らしいストーリーと素晴らしいCGでもう文句なくオススメです!!!
ただ、ブログでピクサー作品を扱うのは初めてですし、せっかくなんでディズニー周りについて考えてみたいと思います。

アシュマンとピクサーとジョン・ラセターとディズニー復活について

ディズニーといえば、ミッキーを筆頭とするアニメーション映画が有名です。私の子供の頃には「宝島」とか「メリー・ポピンズ」とか実写も良く見ましたが、やっぱり柱はアニメーションです。
ここではディズニーのアニメーションの歴史と現状をざっくりと確認したいと思います。

ディズニーは1937年に初の長編アニメ「白雪姫」を世に出して以降、おとぎ話や有名な児童書を次々と映画化してアニメ界の頂点に長いこと君臨しました。しかし1973年の「くまのプーさん」以降は暗黒期に突入します。実写映画でなんとか食いつないでいたディズニーを救ったのは脚本・作詞家のハワード・アシュマンと作曲家アラン・メンケンのコンビでした。この2人によりミュージカル要素を取り入れたディズニーアニメは80年代中盤から再び黄金期を迎えます。
ところが1992年、「アラジン」制作中に41歳の早さでアシュマンが亡くなってしまいます。これだけでもディズニーアニメには大打撃だったのですが、その後決定的な出来事が起こります。70年代~80年代のディズニーを支えた名アニメーターのドン・ブルースとゲイリー・ゴールドマンが20世紀フォックスの出資を受けて対ディズニーで本格的にアニメ映画制作に取り組み始めます。これに同調する形でディズニーのスタッフ達が離脱、ディズニーのアニメ部門は内部崩壊してしまいます。
さらにこれを機にディズニーは既存作品のスピンオフをビデオスルー(映画館でやらない作品)で制作し始めて、崩壊が決定的となります。新しい作品を作れる人がいないから既存のブランドで食べて行こうとした結果、ブランド力がなくなっちゃった訳です。当時ディズニーのCEOだったマイケル・アイズナーの完全に失策でした。こちらのディズニー作品リスト(wikipedia)を見ていただくと分かるように、アラジン以降は本当に悲惨です。
ディズニーに影響を受けた手塚治虫のジャングル大帝をパクリ返した「ライオン・キング」、アメリカ先住民のどうでもいい恋愛を描いた「ポカホンタス」。この辺りまではまだ知名度がありましたが、「ノートルダムの鐘」「ヘラクレス」「ムーラン」「ターザン」なんかは知名度も落ちてますし、見た人も少ないと思います。その一方で「美女と野獣3:ベルのファンタジーワールド」みたいな誰も喜ばないビデオを作ったりしてまして相当にグダグダだったんです。
そういった危機的な状況の中でディズニーを支えたのが、ジョン・ラセターを中心とするピクサー・アニメーション・スタジオです。ピクサーは元々コンピュータ機器の製造・販売会社です。1986年にアップル・コンピュータのカリスマ・スティーブ=ジョブスが買収・CEO就任以降、新規事業として3DCGの制作請負を始めました。
そして1991年にディズニーと3本の劇場用長編作品の制作契約を結びます。4年間の長期制作期間を経て1995年、低迷するディズニーからピクサースタジオ第1作目が公開されます。これが大ヒットとなった「トイ・ストーリー」です。1995年の興行収入第1位となった同作で、ディズニーはピクサーとの長期契約を決めます。以降はヒット作を連発、そのハイレベルな作品と手堅い興行収入により、監督・総制作のジョン・ラセターはアニメ界にその名を轟かせます
しかし2004年、ディズニー以外の可能性を探るピクサーとドル箱を離せないディズニーの間で一触即発の契約抗争が起きます。ピクサーとしては別に配給がディズニーじゃなくても良いわけですが、一方のディズニーはほとんどピクサーに食べさせてもらってる状況だったため何としても引き留めねばなりません。そんなこんなで2006年、ディズニーはピクサーを買収します。
実はこの買収について、多くの映画評論家・アニメ評論家が誤解しています。この買収は面白いことに、買収したディズニーよりも買収されたピクサーの方が立場が上なんです。現にピクサーとの契約抗争の責任を取って、アニメ低迷の原因を作ったCEO・アイズナーは2005年に任期満了目前で引責退任し、株主総会ではピクサーとの関係修復議案まで飛び出ました。2006年5月のピクサー買収直後、ジョン・ラセターはディズニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任します。横文字で分かりにくいですが、日本風に言えば「アニメーション部門 制作統括本部長」でして、要はアニメ部門で社長の直下、一番偉い人です
つまりピクサーの柱で今やディズニー子会社の一社員となったジョン・ラセターは、ついに本丸ディズニー・アニメの船長も任された訳です。ということで、ラセターは名実共にディズニー・アニメの大黒柱となりました。イメージ的にはディズニーがラセターに泣きついたような状況です。これはすごいことです。何せ社員を一人獲得するのに社長が辞任させられちゃうんですから。
そして、ついに来年3月にラセター体制になって復活した初の長編フルアニメーション映画「プリンセスと魔法のキス」が公開されます。これはもう公開初日に見に行くしかないわけですよ!
だって1992年にアシュマンが亡くなって以降まともな長編アニメは作られてないわけです。ディズニーも公式には「5年ぶりの長編アニメ復活」と言ってますが、はっきりいって「18年ぶりの”まともな”長編アニメ復活」です。ラセターの実力とやる気がハンパじゃないのは、「WALL・E」「ボルト」「カールじいさんの空飛ぶ家」と立て続けに3本も傑作を送り出したことからも明らかです。
現代のカリスマ・ジョン=ラセターを獲得したディズニーが再び黄金期を作れるのか?「プリンセスと魔法のキス」はその試金石となる作品です。ということで、今からワクワクしながら待ちわびています。
あ、、、、「カールじいさんの空飛ぶ家」と関係無い長文を書いている、、、、すみません。

【まとめ】

細かいことは良いので、是非映画館に行ってください。悪いこと言わないですから行った方が良いです。大人も子供も楽しめる、笑いあり涙ありの大傑作です。
文句なしで、冬休み、ご家族で一本行くならこの映画です!!!
さすがにイングロリアス・バスターズとかアバターとかパブリック・エネミーとか家族で見られないですからね(苦笑)。

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記事の評価
サバイバル・フィールド

サバイバル・フィールド

12月の1本目は「サバイバル・フィールド」にしてみました。

シアターNは水曜日が男も女も1000円で良いですね。レディースデーって男女差別っすよ。

評価:(40/100点) – 「ゲーム世代の殺戮サバイバルホラー」のキャッチコピーに嘘はない!


【あらすじ】

若い男女8人は「ペイントボールゲーム(=日本ではサバイバルゲーム)」に参加する。チームに分かれて旗印を取り合う陣取り合戦だが、その最中スナイパーのクローディアが実弾での狙撃を受け死亡する。果たして相手チームの罠なのか?疑心暗鬼が広がる中、リーダーのデビッドは生き残るべくエゴを剥き出しにしていく、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 舞台とキャラの紹介。
 ※第1ターニングポイント ->クローディアが射殺される。
第2幕 -> 生き残りをかけた戦い
 ※第2ターニングポイント -> アンナが無線機を拾う
第3幕 -> 解決編。またはアンナvsハンター。


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【感想】

え~最近女性向け映画が続いてたんでイカした映画が見たくなりまして、サバイバル・フィールドを見てきました。実は昨日イングロリアス・バスターズの2回目にも行ったりしてるんですが、まぁそれはそれで(苦笑。
肝心のサバイバル・フィールドについてですが、これがビックリすることにいろいろとがっかりする映画でした。がっかりポイントは大きく2点ありますが、両方ともがまさしく「ゲーム世代」という言葉にぴったりのポイントです。

■ がっかりポイント1:残虐描写を隠すことによる罪悪感の欠如

本作は超簡単にいうと「サバゲー版賭博黙示録カイジ」です。もちろんくだらない劇場版のほうではなく漫画のカイジです。基本プロットは、「金持ちが外野でモニター越しに現場の様子を楽しんでいて力の執行者(=殺し屋)を雇ってイベントを開催している」という、それだけのことなんです。でも本作でハンターが殺しを行う現場は例外なく「サーマルゴーグル越し」の映像となっています。人が死ぬシーンが本当にゲームみたいで、そこには殺しの罪悪感はありません。目をそらしたくなる描写もありません。
「敵にやられた」というレベルの出来事にしか見えません。だから最も悪意性の強いはずの「外野で楽しんでる金持ち連中」がまったく悪く描かれていないんです。ここは納得いきません。だって本来なら人殺しを見せ物にしてる最低最悪な奴らのはずなのに、終盤はむしろ良い奴にすら見えてしまうんです。ちょっとどうかと思います。

■ がっかりポイント2:ゲーム世代は攻略本が必須

ゲーム世代には攻略本や改造が欠かせませんw
ということで、最終盤、第三幕でアンナはこともあろうに主催者と無線で交信して完璧な助言を受けます。これがゲームなら攻略本っていうよりチートのレベルです。審判と結託してるようなものですから。
せっかくのサバイバルゲームでかつパズル的な要素もちょっと入ってるにもかかわらず、解決法は全部教えてくれちゃうんです。これじゃ意味ないというかハラハラ出来ません。そりゃ主催者が助言してくれたら勝つに決まってますよ。

【まとめ】

看板に偽りなし。まさに「ゲーム世代の殺戮サバイバルホラー」そのものです。ただし悪いほうにテレビゲームっぽかったですけど、、、(苦笑
ということで、バトルフィールドとかHALOみたいなゲームを想像した方にはまったくオススメ出来ません。どちらかというとプレデターのようなモンスターパニックものとして見た方が良いかもしれません。それでも少々説得力に欠けます。限りなく凡作に近い佳作ですね。映画館で見るのは厳しいかもしれませんが、是非DVDででも見てみてください。アルコールが入っていれば、そこそこ楽しめそうです。
ということで、本作は自宅でくつろぎながらDVDで適当に流し見するのがオススメです!

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記事の評価
ニュームーン/トワイライト・サーガ

ニュームーン/トワイライト・サーガ

「ニュームーン/トワイライト・サーガ」を見てきました。予想はしてましたが女の子ばっかでした。

評価:(30/100点) – ティーンエイジャーの女の子&腐女子向け”萌えアニメ”映画


【あらすじ】

ベラの誕生日に恋人の吸血鬼エドワードはカレン家に彼女を招待する。しかし、パーティー中にベラが指を切ってしまったことで状況が一転、興奮したジャスパーが彼女を襲おうとしてしまう。危機感をもったエドワードはカレン家全員でベラの元を離れる決意をする。エドワードと離れ傷心のベラを助けたのはジェイコブだった。いつしかジェイコブに惹かれるベラだったが、映画館でのトリプルデートをきっかけに急に音信不通になる。心配するベラは彼の家を訪ねるが、そこには風貌の変わったジェイコブの姿があった。彼の血脈が街にやってきた吸血鬼達に影響され人狼として目覚めたのだ。そんな中カレン家の仇敵ヴィクトリアがベラを襲う。間一髪ジェイコブに救われたベラだったが、その最中にベラが自殺したと誤解したアリスが彼女の元を訪ねてくる。アリスとのテレパシーで事態を知ったエドワードはベラが心配になってとうとう電話をかけてくる。しかし電話に出たジェイコブがベラが死んだと誤解を与えてしまう。絶望したエドワードはイタリアのヴォルトゥーリ家を訪ねて死刑を求める。ベラはアリスと共にイタリアに急行しなんとか事なきを得、ついに2人は再会する。吸血鬼へ変身してエドワードと共に生きることを求めるベラに、彼は一つの条件をつける。それは彼との結婚だった、、、。


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【感想】

■はじめに

本作品は「トワイライト・サーガ」全4作の映画化第2弾です。1作目は「トワイライト~初恋~」の題で今年の春公開、本作「ニュームーン(新月)」を挟んで3作目「エクリプス(日蝕)」が来春に公開されます。そして最後の「ブレイキング・ドーン(夜明け)」が来冬と2011年春に前・後編で公開予定です。
なんでこんなに映画化されるかというと、早い話が「トワイライト・サーガ」はアメリカの10代女子と30代オタク女子に絶大な人気をもつ「ライトノベル」なんですね。日本ではいまいちマイナーですが、アメリカでは各作品が500万部以上売れてる大ベストセラーでして、日本でいうとドラゴンボールとかガラスの仮面ぐらいの感覚の知名度です。ということで「トワイライト~初恋~」は日本では見事に転けましたが、本作はアメリカで公開初日興収で歴代3位に入った大ヒットでした。
なんですが、、、ぶっちゃけた話、オタク向けの作品なので何回も見に行くリピーターが多いのも事実でして、そこまで評判良い「名作!」って感じの空気ではありません。
というのを前提として、以下の感想を読んでいただければと思います。。

■ 感想

本作は、なんやかや言わずとも冒頭に書いた一文が全てです。「ティーンエイジャーの女の子&腐女子向け”萌えアニメ”映画」。
要はベラという「いたって普通で特別な才能も無い女の子」が実は「吸血鬼に取って特別魅力的な血を持っている」という先天的な要因ゆえにイケメンな優男の吸血鬼にモテモテになるという話です。さらには吸血鬼の天敵の人狼まで出てきて、やっぱり肉体派のイケメン人狼にモテモテ。違ったタイプのイケメン2人にモテモテ。終盤で「わたしのために争わないで~~~~!!!」というギャグを大まじめにやってきて失笑ものなんですが、まぁその一言が全てです。
すっごい俗な事を言ってしまえば、女性向けの「ギャルゲー」です。だから男の性格付けなんかは割と適当です。大事なのはベラにベタ惚れしている点です。あとはフレキシブルに(笑)脳内補完でカバーする感じです。
ただ一点だけ気になるというか頭にくる点があります。あくまで個人的な考えだという断り付きですが、どうも「吸血鬼」「人狼」というのを「恋の障害」としてだけ描いているように見えるんですね。本作では作中で吸血鬼が人間を襲う様子は直接描かれません。人狼も同様です。恋愛における女性心理の一つに「私だけが知っているor許せる彼の欠点」というのがありますが、それに使われてるんです。だから人ならざる者の悲哀とか狂気は描かれません。それがエスカレートしてしまったのか、ベラは終始「吸血鬼になりたい」を繰り返します。カレン家の人間が吸血鬼の「呪い性」を説いてもまったく聞きません。
別にこの程度のラノベに怒ることでも無いんですが、「アンダーワールド・ビギンズ(Underworld: Rise of the Lycans)」という吸血鬼と人狼の良作ラブ・ストーリーを今年見たばかりだったので、本作の薄っぺらい感じがどうも気になるんです。
ま、でもティーンエイジャー向けファンタジーとしては全然OKです。

【まとめ】

やはり二日連続で女性向け映画を見るのはキツいです(笑)。本作は意外とCGも悪くないですし、演出とストーリーのショボさを無視すればそれなりに楽しめます。ただし、初日興収で全米歴代3位というのは少々納得いきません。たしかに本作の男達は上半身裸が基本ですから、女性向けのソフト・ポルノと思えば分からんでも無いんですが、、、どうなんでしょう(苦笑)。
あと男達の一途さとは裏腹に主役の女の子が浮気性ってのも基本ですね。たぶん「花より男子」で喜べる人なら問題無くハマれると思います。なんだかんだで僕も残り三作品を劇場で見ると思いますし、、、中学生とおばちゃんの横で肩身狭くですが(笑)。
ということで、夢見る10代の女性と夢に逃げたい30代の女性にオススメです!!!

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記事の評価
理想の彼氏

理想の彼氏

理想の彼氏」を見てきました。

評価:(1/100点) – モテない女性のための自己満足映画


【あらすじ】

サンディは郊外で子供2人に囲まれ優雅な生活を送っていた。しかしある日、夫の浮気に気付き離婚する。子供を連れてニューヨークに出てきた彼女は、コーヒーショップの二階に住むことにする。そこでコーヒーショップで働くアラムに子供の世話を頼んだことから、彼との恋愛が始まる、、、。


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【感想】

いきなりですが男が一人で見る作品じゃないです。というか本作は中年でブサイクな独身のくせに自意識が高い「さびしくないもん」的な「いつか王子様が迎えに来てくれる」型のキモい女性が見るための映画です。はっきりいってアラムのキャラが酷すぎるんです。だって、頭が超よくて人付き合いも抜群なのに、女にがっついてなくて自分だけを一途に思ってくれて、超一流企業から熱烈に誘われていていつでもエリートになれる純朴なイケメンフリーターですよ。意味が分かりません。どんだけスーパーマンだよ。っていうかそれってフリーター枠にいれて良いのでしょうか?
公式サイトは40歳バツイチが恋に落ちたのは、24歳フリーターだった。ですよ。見終わった後に中年の女性2人組が「よかったね」と言ってるのを聞きましたが、おそらく本作の男女を入れ替えていただければ酷さが良く分かると思います。
40歳バツイチの男が恋に落ちたのは、頭が良くて超可愛いのに、自分以外の男には興味のない、アイドル事務所に誘われてるけど断っている超お金持ちの純真な美少女だった。



死○ばいいのに。マジで○ねばいいのに。酷すぎて舌打ち連発ですよ。チッ、チッ、チッ。
なに考えてるんですか!?
っていうか美談でもなんでも無いんですけど、、、。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズも普通のラテン系おばちゃんだし、、、。



チッ、チッ、チッ。

【まとめ】

見に行った僕が悪いんですが本当に酷いです。物語構成もご都合主義の極みですし、なんと突っ込んで良いのか分かりません。実は収容人数800人越えの大きなシアターで見たんですが、20人程度しか観客が居ませんでした。
大きな劇場でゆったりとポップコーンを食べたり昼寝がしたい人には、オススメです!!!
こんなん見るなら「イングロリアス・バスターズ」「マクロスF」でも、もう一回見れば良かったです。
チッ、チッ、チッ。

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劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~

劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~

劇場版マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~」をレイトショーで見てきました。
お盆のサマーウォーズ以来のアニメ映画です。

評価:(60/100点) – 3DCGは素晴らしいがドラマパートに難あり。


【あらすじ】

西暦2059年、第25次新マクロス級超長距離移民船団マクロス・フロンティアは、1,000万人規模もの居住民を乗せて銀河の中心を目指す航海をしていた。ある日、近隣宙域を航行中の第21次新マクロス級移民船団マクロス・ギャラクシーより、トップアイドル・シェリル=ノームがコンサートツアーのため来訪する。しかしコンサート中に巨大生物バジュラがマクロス・フロンティアに襲いかかってくる。アクロバット飛行要員としてコンサートに参加していた早乙女アルトは、混乱の中でシェリルと知人のランカ・リーを助けるために可変ロボットVF-25に乗りバジュラを迎え撃つ。この事件をきっかけにシェリルと親交を深めるアルトであったが、シェリルにはスパイ容疑がかけられていた。そんな状況の中マクロス・ギャラクシーがバジュラの大群に襲われる。ギャラクシーのSOS信号を無視するフロンティア政府を尻目に、シェリルは自己資金で民間軍事サービス・S.M.S.を雇いギャラクシーへ派遣、残存艦の救助を命じた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> シェリルのコンサート
 ※第1ターニングポイント -> マクロス・フロンティアがバジュラに襲われる
第2幕 -> アルトとシェリルの交流
 ※第2ターニングポイント -> マクロス・ギャラクシーがバジュラに襲われる
第3幕 -> S.M.Sのギャラクシー救助作戦とフロンティアでの戦い


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【感想】

私は学生時代にものすごい分量のアニメを見てまして、70年代・80年代のクラシック作品も体系立てて見まくっておりました。ところが大学在学中に急に飽きまして、というか正確には萌えアニメの氾濫と作品レベルの低下に嫌気がさしまして、全く見なくなってしまいました。その代わりに映画の比重が上がりまして、いまでは年間三〇〇本とか映画館で見る映画ジャンキーになっております。とはいえアニメが嫌いなわけではなく、話題になった作品については後からレンタルDVDで追いかけています。
そんなこんなでマクロスFについても当然追いかけていました。TV版を見た感想は「イビつな作品だな」という物です。もともとマクロス・シリーズ自体が「男の子の好きな物はアイドルとロボットと飛行機!」という分かりやすいアホ・コンセプトです。それをとことん推し進めたというか、ドラマはどうでも良くてアイドルとロボットが格好良いから全部OK!ってな感じです。TV版は、はっきりとアルトとランカのキャラクターが混乱・崩壊していました。

■ テレビ版と比べて

まず本作のターゲットという部分ですが、順当に考えて9割方がテレビシリーズのファンだと思います。あきらかにテレビ版をミスリードの材料に使っている演出が目立ちます。ストーリーについては、テレビ版の煩雑なソープオペラ要素を極力抑えて、可能な限り最短距離で直進していっています。これは非常に素晴らしいと思います。特にアルトとランカの関係を「昔から知人」で片付けて、その分シェリルとの関係性に当てているのは好感が持てます。ただ正直に言ってストーリーテリングが上手いとは思えません。日本のSFアニメの悪い癖で、台詞で解説している間にストーリーが止まってしまうんですね。それに加えてどうでもいい単語にまで薀蓄がついてくるので、どうしても間延びしてしまいます。本作は120分ですがもう一声で90分程度までスリム化出来たように思います。

■ 3D・CGについて

本作の見所はなんと言ってもシェリルのコンサートシーンとヴァルキリーの戦闘シーンのCGの使い方です。シェリルのコンサートについては、音楽コンサートと言うよりはイリュージョン・ショーでありCGのプロモです。特に序盤のコンサートで歯車と小型ロボットを使った組み立てはとてもよいです。シェリルの歌自体が人を選ぶヘンテコな曲調ですが、映像との組み合わせが本当に良くできていて、単体でも十分に鑑賞に堪えます。
一方の戦闘シーンですが、これがまたとても良くできています。いわゆる「板野サーカス」をCGで再現しているわけですが、良い感じに歪んでいってます。
CGでロボットの映画というとマイケル・ベイのトランスフォーマーがあります。そして間違いなくトランスフォーマーの方がお金は掛かっていますが、演出(見せ方)によって本作の方が映像的にゴージャスに見えます。というのもマイケル・ベイはパン(カメラ視点の横移動)とカットバック(カメラ位置の切り替え)を頻繁に行ってスピード感をあげる方法をとりますが、河森正治は戦闘機やロボットの後ろを追う長回しのカメラフレームを使うことで臨場感をだします。前者は画面上の物体の位置関係が分からなくなるという欠点があり、後者は臨場感を出すために空間を歪ませる必要があります。この歪みというのがモデリングされたCGには難しい点です。そこで本作では爆発エフェクトやロケット軌道を利用して上手く歪む場面(=物理法則を無視した変な場面)を隠しています。この戦闘シーンについては当代随一のクオリティと言って差し支え無いと思います。ここだけでも1,200円の価値があります。

【まとめ】

個人的にはテレビ版よりも良くできていると思います。ストーリーが駄目でCG演出がすごいという点は共通ですが劇場版の方が話が整理されています。なかなか良く風呂敷を広げていますので、これを次作でどうやって上手く畳むかがポイントかなと思います。なんといっても劇場の大音響でロボットの戦闘シーンを見るとテンションがあがりますしね。オススメできる作品だと思います。



でもやっぱりドラマパートが退屈なんですよね~、、、。

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