劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~

劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~

劇場版マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~」をレイトショーで見てきました。
お盆のサマーウォーズ以来のアニメ映画です。

評価:(60/100点) – 3DCGは素晴らしいがドラマパートに難あり。


【あらすじ】

西暦2059年、第25次新マクロス級超長距離移民船団マクロス・フロンティアは、1,000万人規模もの居住民を乗せて銀河の中心を目指す航海をしていた。ある日、近隣宙域を航行中の第21次新マクロス級移民船団マクロス・ギャラクシーより、トップアイドル・シェリル=ノームがコンサートツアーのため来訪する。しかしコンサート中に巨大生物バジュラがマクロス・フロンティアに襲いかかってくる。アクロバット飛行要員としてコンサートに参加していた早乙女アルトは、混乱の中でシェリルと知人のランカ・リーを助けるために可変ロボットVF-25に乗りバジュラを迎え撃つ。この事件をきっかけにシェリルと親交を深めるアルトであったが、シェリルにはスパイ容疑がかけられていた。そんな状況の中マクロス・ギャラクシーがバジュラの大群に襲われる。ギャラクシーのSOS信号を無視するフロンティア政府を尻目に、シェリルは自己資金で民間軍事サービス・S.M.S.を雇いギャラクシーへ派遣、残存艦の救助を命じた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> シェリルのコンサート
 ※第1ターニングポイント -> マクロス・フロンティアがバジュラに襲われる
第2幕 -> アルトとシェリルの交流
 ※第2ターニングポイント -> マクロス・ギャラクシーがバジュラに襲われる
第3幕 -> S.M.Sのギャラクシー救助作戦とフロンティアでの戦い


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【感想】

私は学生時代にものすごい分量のアニメを見てまして、70年代・80年代のクラシック作品も体系立てて見まくっておりました。ところが大学在学中に急に飽きまして、というか正確には萌えアニメの氾濫と作品レベルの低下に嫌気がさしまして、全く見なくなってしまいました。その代わりに映画の比重が上がりまして、いまでは年間三〇〇本とか映画館で見る映画ジャンキーになっております。とはいえアニメが嫌いなわけではなく、話題になった作品については後からレンタルDVDで追いかけています。
そんなこんなでマクロスFについても当然追いかけていました。TV版を見た感想は「イビつな作品だな」という物です。もともとマクロス・シリーズ自体が「男の子の好きな物はアイドルとロボットと飛行機!」という分かりやすいアホ・コンセプトです。それをとことん推し進めたというか、ドラマはどうでも良くてアイドルとロボットが格好良いから全部OK!ってな感じです。TV版は、はっきりとアルトとランカのキャラクターが混乱・崩壊していました。

■ テレビ版と比べて

まず本作のターゲットという部分ですが、順当に考えて9割方がテレビシリーズのファンだと思います。あきらかにテレビ版をミスリードの材料に使っている演出が目立ちます。ストーリーについては、テレビ版の煩雑なソープオペラ要素を極力抑えて、可能な限り最短距離で直進していっています。これは非常に素晴らしいと思います。特にアルトとランカの関係を「昔から知人」で片付けて、その分シェリルとの関係性に当てているのは好感が持てます。ただ正直に言ってストーリーテリングが上手いとは思えません。日本のSFアニメの悪い癖で、台詞で解説している間にストーリーが止まってしまうんですね。それに加えてどうでもいい単語にまで薀蓄がついてくるので、どうしても間延びしてしまいます。本作は120分ですがもう一声で90分程度までスリム化出来たように思います。

■ 3D・CGについて

本作の見所はなんと言ってもシェリルのコンサートシーンとヴァルキリーの戦闘シーンのCGの使い方です。シェリルのコンサートについては、音楽コンサートと言うよりはイリュージョン・ショーでありCGのプロモです。特に序盤のコンサートで歯車と小型ロボットを使った組み立てはとてもよいです。シェリルの歌自体が人を選ぶヘンテコな曲調ですが、映像との組み合わせが本当に良くできていて、単体でも十分に鑑賞に堪えます。
一方の戦闘シーンですが、これがまたとても良くできています。いわゆる「板野サーカス」をCGで再現しているわけですが、良い感じに歪んでいってます。
CGでロボットの映画というとマイケル・ベイのトランスフォーマーがあります。そして間違いなくトランスフォーマーの方がお金は掛かっていますが、演出(見せ方)によって本作の方が映像的にゴージャスに見えます。というのもマイケル・ベイはパン(カメラ視点の横移動)とカットバック(カメラ位置の切り替え)を頻繁に行ってスピード感をあげる方法をとりますが、河森正治は戦闘機やロボットの後ろを追う長回しのカメラフレームを使うことで臨場感をだします。前者は画面上の物体の位置関係が分からなくなるという欠点があり、後者は臨場感を出すために空間を歪ませる必要があります。この歪みというのがモデリングされたCGには難しい点です。そこで本作では爆発エフェクトやロケット軌道を利用して上手く歪む場面(=物理法則を無視した変な場面)を隠しています。この戦闘シーンについては当代随一のクオリティと言って差し支え無いと思います。ここだけでも1,200円の価値があります。

【まとめ】

個人的にはテレビ版よりも良くできていると思います。ストーリーが駄目でCG演出がすごいという点は共通ですが劇場版の方が話が整理されています。なかなか良く風呂敷を広げていますので、これを次作でどうやって上手く畳むかがポイントかなと思います。なんといっても劇場の大音響でロボットの戦闘シーンを見るとテンションがあがりますしね。オススメできる作品だと思います。



でもやっぱりドラマパートが退屈なんですよね~、、、。

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