ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

週末は三本見ました。1本目は

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を今更見ました。

評価:(80/100点) – 下品w だけど作りはしっかり。


【あらすじ】

結婚式を2日後に控え、新郎のダグは悪友2人と花嫁の弟とともにラスベガスでバチェラーパーティーを決行する。ラスベガスのスィートルームを借りてテンションMAXな4人は、屋上に上がって酒を飲む。
目覚めると、部屋は荒れ放題、トイレにはなぜか虎、そしてクローゼットからは赤ん坊の泣き声がする。そして何より、新郎のダグがいない、、、。
残された3人は、無事新郎を見つけ出し結婚式へと送り届けられるのか!?

【三幕構成】

第1幕 -> ラスベガス旅行。
 ※第1ターニングポイント -> 目を覚ます。
第2幕 -> ダグを探す3人。
 ※第2ターニングポイント -> レスリーに身代金を要求される。
第3幕 -> 結末。


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【感想】

週末は映画三本見ました。といっても一本はインセプションの2回目なので、新作は2本です。
完全に積み残しになっていた「ハングオーバー」ですが、公開からかなり時間が経っているのにほとんど満席でした。やはり口コミで評判が広がっているのでしょうか? 一時はDVDスルーが決定していただけに、安心したというか、ワーナー広報の見る目を疑うというか、、、。
本作はなんにとも言いようがないほど良くできたコメディ映画です。伏線の張り方も絶妙ですし、キャラ立ちも完璧。なによりエンドロールで流れる記憶喪失中のデジカメ写真が本っっっっっ当に頭悪くて最高です。なので、それはそれで置いておいて、今回はちょっぴり関係無いことを書こうかと思います。
仕事柄外国資本の映画会社と良く付き合うんですが、彼らの売り上げ管理に関するメソッドは明快です。
通常、宣伝部とか販売部という部署が予算管理を行います。その際、買い付けにかかる費用に対して宣伝費・広告費、アフターサポート費(お客様窓口の運営費)や権利費(本国に払う費用)を計算し、これを600円で割ると動員目標になります。
皆さんもたまに「あれっ?」と思うかもしれませんが、例えば去年の「パブリック・エネミーズ」や「イングロリアス・バスターズ」は本国ではユニバーサルピクチャーズの作品なのに日本では東宝東和商事が買い付けています。この2作品は東宝東和がジェネオン・ユニバーサルを出し抜いて本国に直接営業を掛けた作品です。ですが、同じルートの「レポゼッション・メン」は、本国で転けたためジェネオン・ユニバーサルがDVDスルーしようとしたところを東宝東和が拾って劇場公開した作品です。なので、「ユニバーサルピクチャーズの作品なのに日本支社のジェネオン・ユニバーサルが配給しない」という面白い現象が起きたりします。
世界同時公開の作品(=ビッグバジェット大作)以外は、必ず「劇場公開するかどうか」の判断が入ります。その際の基準になるのは過去のデータだけなんです。私、一応大手所の販売部の方はある程度知っていますが、あまり映画フリークは居ません。完全にビジネスとして割り切ってやっています。なので試写をして面白いかどうかを決めるよりは、キャストや制作陣で有名な人が居るかどうか、メジャーな映画賞を獲ったかどうか、そして過去に類似の作品がヒットしたかどうかでデータを予測しようとします。彼らはこれをマーケティングといってはばかりません。
結果、スターが出てるだけでゴミみたいな内容の作品がシネコンで大規模公開されやすくなります。一方、本作の様に、「コメディ」「スター不在」というと、どれだけ評価が高くても即DVDスルーが決まってしまいます。ちなみに今日本の外資系配給が即DVDスルーにするジャンルは「コメディ」「ホラー」「アクション」「SF」「ラブコメ」です。これらは日本では売れないという絶対の自信を各配給会社が持っています。
余談ですが、ハリウッドでもこれと似た現象が起きています。ハリウッドは高騰し続ける制作費を払うことがもはや困難であるため、最近は銀行と提携して作品に「保険」を掛けています。この保険というのは、「興収がある一定額に届かなかった場合、そこまでの差額を銀行が穴埋めする」というものです。もちろん「一定額以上に届いた場合」は保険の掛け金が丸々銀行に入ります。で、この掛金(=掛け率)を決めるのが、実は制作者とキャストのネームバリューなんです。「有名な○○が監督だから掛け率このぐらい」という計算が平気でまかり通っています。すると、とりあえずちょい役で有名な人をブッキングしとこうとか、名前の通った作曲家にスコア書かせようとかいう、作品価値とは関係無い判断が入るようになっていきます。近作だと、「運命のボタン」のキャメロン・ディアスとか、「エアベンダー」のシャマラン監督なんかが典型です。「エアベンダー」なんて普通のファンタジーなんだから作品の事を考えたらシャマランは必要ないんです。でも彼は今かなりの掛け率を持っている脚本家&監督なので、転けた時の安全装置としては機能するんです。日本の制作委員会でも良くありますが、酷い話です。
話を戻しますと、本作が劇場公開されるきっかけになったのは、第67回ゴールデングローブ賞を獲ったからです。その前から2009年度全米興収6位というモンスターヒットした実績があったのですが、「どんなにアメリカでヒットしようとコメディは日本では売れない」という判断でDVDスルーが決定していました。「第9地区」もゴールデングローブにノミネートされる前はDVDスルーが決まっていましたし、「シングルマン」に至ってはノミネート前にはDVDすら怪しかったほどです。
ビジネスである以上は、過去の数字を使って裏付けっぽいことをしないといけないのは分かります。これは極端なことを言えば、担当者が責任を回避するための制度なんです。つまり「過去のデータに従って判断したから仕方が無い」というエクスキューズを得るための方法です。でも一方で、もはや名物買い付け人みたいな人がどうこうできる時代でもありません。現に独立系の配給会社はここ数年でほとんど死滅しています。映画ファンにとっては寒い時代なのは間違いありませんが、せめて、アカデミーや三大映画祭、ゴールデングローブやサンダンスにノミネート・出品される作品ぐらいは劇場公開して欲しいものです。

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