ツリー・オブ・ライフ(解説こみ)

ツリー・オブ・ライフ(解説こみ)

先週末の2本目は

ツリー・オブ・ライフ」でした。

評価:(65/100点) – 正論すぎるので賞でもあげとくしかないっす。


【あらすじ】

ジャックは憂鬱の中で出社し、気も虚ろで部下の話も耳に入らない中、母や父や兄弟の事を思い出す、、、。


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【感想】

さて、先週末に見た2本目はカンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞作「ツリー・オブ・ライフ」です。テレビCMや劇場予告でも「親子の確執」みたいなキャッチーな所を大クローズアップしているからなのか、かなりお客さんが入っていました。配給のディズニーとしては「一本釣り大成功!!!」って感じでしょうか、、、。
え~~~ここからはどうしても宗教的な話が出てきますので、未見の方、キリスト教がどうしても嫌な方、爽快なハリウッド映画を見たい方はご遠慮下さい。ネタバレも何もない映画ですが、どうしても話を解説していくと核心部分に触れてしまいます。そこはご容赦を。

本作を読み解くキーワードにあたって。

この作品には分かりやすいノスタルジックな描写にまじって、一見わけの分からない観念的な絵や、なによりいきなり恐竜がでてきたりします。作品自体は肝のところさえ押さえていればそんなに難しい話ではないのですが、監督の嫌がらせみたいな場面転換で混乱してしまう方も居るかと思います。まずは本作で実際に劇中にでてくるキーワードを元に、作品の概要を見ていきましょう。
また本作は全編を通して完全に宗教映画です。キリスト教の価値観ありきで話がすすんでいきますので、以後かなり宗教色が強い読み解きになってしまうことをお詫びします。
ちなみに私の感想だけを書くとたった40文字で終わるので只のブログ記事水増しともいいますw 一応私は無宗教ですのであしからず。

キーワードその1:ヨブ記38章4節~7節

さて、いきなり小難しいキーワードが出てきましたw 「ヨブ記38章4節~7節」。旧約聖書です。このヨブ記38章4節から7節が映画の冒頭でいきなりドカっと表示されます。映画の冒頭にモノローグや有名な格言・本の引用が出てきた場合、それは間違いなく映画のド根本的なテーマです。ただ、そんな何の準備もなくいきなり旧約聖書が表示されたりしたら、困っちゃいます。ということでプレイバックです。

38:4 Where were you when I laid the earth’s foundation? Tell me, if you understand.
38:5 Who marked off its dimensions? Surely you know! Who stretched a measuring line across it?
38:6 On what were its footings set, or who laid its cornerstone
38:7 while the morning stars sang together and all the angels shouted for joy?

わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。あなたに悟ることができるなら、告げてみよ。
あなたは知っているか。だれがその大きさを定め、だれが測りなわをその上に張ったかを。
その台座は何の上にはめ込まれたか。その隅の石はだれが据えたか。
そのとき、明けの星々が共に喜び歌い、神の子たちはみな喜び叫んだ。

ヨブ記は敬虔な信者・ヨブが悪魔からの試練を受けるという話です。そしてその試練の後、「おれどうすっぺ」と迷い始めたヨブに、神は遂に語りかけます。それが上記の38章です。ものすごい乱暴にいうならば、これは「おまえら人間が何をわかってるっていうんじゃ。わしは人間の外の世界もちゃんと知ってるんだぞ。調子に乗るなよ。(by 主)」ってな具合です。敬虔なユダヤ教信者の方々すみません。
つまりここで提示されるテーマというのは、「人間なんてのは所詮ちっぽけであり、大局である神の計画の前には翻弄されるんだ」「だけれども、人間は神の作った世界で神の祝福を受けて生きているんだ」という事です。これは劇中でもう一度別の言葉で表現されます。それは次男の死を悲しむジャックの母が掛けられる言葉です。「神は全てを与え、全てを奪う」。つまり神様の行いっていうのは人間がコントロールできるようなモノではないし不条理だけどそれは仕方無いんだってことです。これが第一のキーワードです。
作中に出てくる地球が出来るところや恐竜のシーンはこの「人間のコントロールの外側の世界」を表現しているわけです。「わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。」というのをそのまんまでCG映像化するという、、、律儀です。

キーワードその2:「生き方には二つある。世俗に生きるか、神に委ねるか、どちらか選ばなくては」

さて、つづいてのキーワードはこれまた映画の冒頭にでてくるモノローグです。劇場版予告でも流れていますので印象に残っている方もおおいかとおもいます。これは訳がアレなので、英語のセリフそのままで見てみましょう。

there are two ways through life …
the way of Nature…
and the way of Grace.
You have to choose which one you’ll follow.

直訳:
人生には2通りの生き方がある。
“ネイチャーの生き方”か”グレイスの生き方”か。
どちらに従うかを、あなたは選ばなければいけません。

本作は「the way of Nature」と「the way of Grace」の対立概念の話です。
え~これが非常にめんどくさいです。この「ネイチャー」を「大自然」と訳してしまうと全く正反対なことになってしまいますので。この「ネイチャー」は神学的な意味での「自然な状態」つまり「神様への信仰・神様からの愛を受けていない野蛮な状態」を表しています。そして一方の「グレイス」。これはそのまま「神様の祝福を受けている状態」です。ですので、これはそんなに小難しく考えずに、「キリスト教をあんまり信じていない人生」「キリスト教をちゃんと信じている人生」ぐらいに捉えていただけると大丈夫です。前者はこの世の生活を重視しますので、地位や名誉、金を重要視します。一方の後者は死んだ後で天国に行くことが大切ですから、周りの人に優しくしますし徳高く清貧に生きるわけです。人間の生き方はこの2つの内のどちらかだって言うんです。
こちらが本作の大テーマです。

結局どういう話よ。

とまぁ以上2つのテーマを頭に入れて映画を見ると、この映画は滅茶苦茶分かりやすいです。逆に言うとちゃんとテーマを冒頭で要約してから話が始まるので、大変親切ともいえます。
本作では、まずはフックとして冒頭で子供の頃のちょっとした思い出、そして弟が若いときに死んだことが語られます。そこからショーン・ペンがちょっとだけ出てきて、開始30分で問題の第2幕、つまり地球誕生と恐竜の話が始まります。なんやかんやあって子供の頃の思い出話が終わった後、再びショーン・ペンに画面が戻ってきてすごい晴れやかな顔をしてエレベーターを下りて映画が終わります。

この映画はあくまでも最初と最後に出てくるジャック(ショーン・ペン)の話であり、中盤は彼がひたすら神に語りかけるモノローグと思い出で埋まります。そしてこの思い出を最後まで見ると、つまりこれは信仰についての話だったのだと分かります。

ジャックは(おそらく母が死んだことで)憂鬱に囚われてしまい、頭がぼっーとして超高層ビルのいかにも大会社なオフィスで昔の事を思い出します。その中で彼はいかに母親が信仰心に満ちて優しい人だったか、そしていかに父が金や名誉を重視したことで悲しい人生を歩んでしまったのかを思い出します。彼は母親よりは父親に似ており、自身も信仰よりは金や名誉を重視して社会的な地位を築いてきました。だけれども、妙に空しい。彼は信仰の大切さに気づいて外に出ます。するとそこには晴れやかで明るい世界が待っていたのでした。神様バンザーい!!! 人生は美しい!!!! いぇーい!!!!

感想。

さて私の感想を40文字で書きたいと思います!!!
正しいかどうかで言えば圧倒的に正しいけど、面白いかどうかで言えば面白くは無い。
だって説教臭いし、、、、だって別にキリスト教信者じゃないし、、、っていうかキリスト教的な意味で信心がゼロな今でも十分に人生楽しいですけど、、、。仕事ばっかりの人生に空しくなったんなら趣味でも作れば、、、。

【まとめ】

というわけで、小難しい割には大変分かりやすい教育的で道徳的な内容の映画でした。キリスト教文化圏でなら絶賛されてもいいかなと思いますし、確かにこれを持ってこられたらグランプリぐらいは”差し出して”おかないと後からその筋からの圧力が大変そうです。なので、熱心なキリスト教信者の方は当然見に行くべきですし、なんならミッション系の学校なら神学の時間に授業で流しても良いのではないでしょうか? でもあんまり世間一般にはオススメしません。だって、、、、、、言ってしまえばこれは宗教の勧誘みたいなものですから。「信じる者は救われる」っていう類の映画です。一応メジャーなキリスト教だからギリギリセーフですけど、これがもしカルト系だったりとかしたらいつものアレな映画になっちゃいますし。
そういう意味ではテレンス・マリックが最初メル・ギブソンにオファーを出したのは大正解です。彼なら下手すれば私財を投じてやってくれそうです。
オススメ、、、しないと駄目ですかね、、、駄目ですよね、、、うん。オススメです!!!!!!!!!!
※私は一応幼稚園の時はミッション系で毎週ミサだの聖書読書会だのやらされていましたが、基本はズブのど素人です。軽めの文体でヨブ記をまとめたことで気を悪くされるような事がございましたら、ユダヤ教の方々には謹んでお詫び申し上げます。

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トランスフォーマー: ダークサイド・ムーン

トランスフォーマー: ダークサイド・ムーン

はいはいどんどんいきましょう。続いてはマイケル・ベイの超絶アホ映画。

トランスフォーマー:ダークサイド・ムーン」です。

評価:(75/100点) – 夏だ!一番!マイケル・ベイ祭り!!


【あらすじ】

前作から数年後。オプティマスらのオートボットはアメリカ政府に協力して、世界各地で平和のために戦っていた。
ある日、いつものように敵を探しにチェルノブイリ原発跡に潜入したアメリカ軍とオプティマスは、そこで新たな巨大ディセプトコンと遭遇する。
ディセプトコンをなんとか撃退した彼らが見つけたのはかつてサイバトロン星から最後の希望として脱出した宇宙船アークの運搬物だった。
何故アークの残骸が地球にあるのか?その謎が明かされた時、かつてのアポロ計画の全容が明らかになる、、、。


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【感想】

さてさて、7月最後に見たのはマイケル・ベイのバカ映画シリーズ3作目、「トランスフォーマー:ダークサイド・ムーン」です。3D映像を前面に出したプロモーションをしていまして、いろいろと不安は一杯あったんですがとりあえず行ってみました。初日ということもありお客さんはかなり入っていました。てっきり前作「トランスフォーマー:リベンジ」のあまりの出来でもう飽きられてるかと思ってたんですが、意外や意外。なんというか、、懲りないというか、大作に弱いというか、、、。でも個人的には見て大正解だったと思います。相変わらず脚本はズタボロですが、3Dも相まってお祭り感がとんでもないことになっています。超躁状態。超ハイテンション。そして超頭が悪いw まったく問題無いと思いますw

「好きなものを詰め込む=俺だけの祭り」というサービス

本作にもし自分がサブタイトルをつけるとしたら「マイケル・ベイ リサイタル」です。この作品はとにかく過剰なサービス、つまりドラえもんの「ジャイアン・リサイタル」的な過剰なサービスに溢れていますw
「おまえら女の子は好きだろ。よし、尻とおっぱいを3Dで飛び出しとくぞ!」「おうおう。おまえらロボットも好きだろ。良し。じゃあ今度はもっと細かく書いといてやろう。」「そうかそうか。やっぱりおまえら侵略SFも好きだよな。おれも大好きだ。じゃあ宇宙戦争を入れとくか。」などなど。本当にこんな感じで悪意の無い過剰サービスに涙が止まりませんw
おばぁちゃんもうお腹いっぱいだからおかわりはいいって。え、おはぎもう一個? じゃあ一個だけね。えぇ!?スイカもあるの!?あ、じゃあ後で食べるから置いといて、、、。
気付くとどんどん後回しになっていて、どんどん上映時間が伸びていって、そしてどんどん最初の目的から脱線していきますw
ですから、本作をどう表現するかはすごく難しいんです。いわゆる「映画として良く出来ているか」で言えば
全然ダメです。文字通り話しになってません。でも「面白いか」って聞かれればこんなに面白いお祭りは他にありません。だってロボットがワイワイ活躍して、美女が周りをウロウロしていて、イケすかない奴はみんな痛い目をみるんですよ。こんな爽快でこんなに頭の悪い映画は他にありませんw
そもそもからして、開始早々に某ユダヤ人問題で降板したブルーカラー・セクシーのミーガン・フォックスをいきなりビッチ呼ばわりした挙句に貴族でお嬢様のロージー・ハンティントン・ホワイトリーが代わりの恋人として出てくるわけですよ。この半笑いで悪ふざけのキャスティング。絶対にミーガンはこの当て付けにムカついてると思うんですが(笑)、こういうことをやってくるこの悪ふざけセンスが始終続きます。ですから、なんというか真面目に突っ込んだら負けな気がするんです。どっカーン!ちゅどーん!いぇーい!で、エンディングロールw
100%良いと思います。
そりゃあね、最後に敵を倒すのがあっさりしすぎて雑魚にしか見えないとか、そもそも書き込み過多な上に3Dで雑然としてるからロボットキャラの区別がつかないとか、いろいろ言いたいことはあるんですよ。マルコビッチがなんだったのかもよくわからないですし、なんかパトリック・デンプシーも最後で帳尻を合わせただけみたいに雑ですし。でも良いんです。お祭なんです。だからこっちも乗っかっときましょう。
踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!!!!

【まとめ】

右手にポップコーン、左手にコカコーラを抱えて劇場へダッシュです。あとお祭なので2Dはオススメしません。ぶっちゃけ話しとしては3Dの必要はまったくないのですが、毒を喰らわば皿までです。せっかくじゃんがらラーメン全部のせを頼んだのに、味薄めにしてもしょうがないじゃないですかw 思いっきりニンニクも放り込みましょうw どうせ話しは破綻してますし、全てはその場その場の勢いだけです。でもその勢いがとんでもないレベルの勢いなため、不思議な説得力と満腹感があります。
オススメです!!!

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ハリーポッターと死の秘宝 PartII

ハリーポッターと死の秘宝 PartII

どんどん行きましょうw やっつけ仕事パート4は

ハリーポッターと死の秘宝 PartII」です。

評価:(60/100点) – ヴォルデモートってそもそも弱くね、、、。


【あらすじ】

なんやかんやあってヴォルデモートが魔法省を席巻してからしばらく。ハリー・ポッターと愉快な仲間達はヴォルデモートの分霊箱を探す旅をつづけていた。次なる分霊箱はベラトリックスが金庫に預けている。3人はゴブリンを連れて金庫へと向かう、、、。


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【感想】

さて後半戦で加速していきますw 7月16日に見たのはハリー・ポッターシリーズ完結編、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PartII」です。シリーズ8作目にして堂々の完結編です。いままで10年、7作品、のべ16時間を使って広げまくってきた風呂敷をついに畳む作品ですので、そりゃ盛り上がらないわけはありません。
本作は最初こそいつもの「変装→潜入→見つかっちゃった→脱走」という微妙な展開ですが、中盤以降はヴォルデモート軍vsホグワーツ軍の全面戦争に突入してそれはそれはハイテンションで楽しい展開が待っています。ということで、シリーズファンはニヤニヤしながら楽しめると思います。
ただ見終わって思うのは、やっぱりヴォルデモートが弱すぎるというか、ちょっとお茶目より過ぎるのではないかということです。ヴォルデモートの置かれた状況と小者っぽい立ち振る舞いにアイドル性がありすぎますw
ちょっとネタバレになりますが、今回の作品で明らかになったのは、ヴォルデモートって実は最初から「詰んでた」ってことなんです。ヴォルデモートはハリー・ポッターを驚異として1作目から追い駆けますが、しかしヴォルデモートは構造上ハリーを殺せないんです。だからどう頑張ってもハリーが勝っちゃうんです。そんな圧倒的に不利な状況の中にあって、彼は文字通り命より大事なヘビちゃんと別行動をしてハリーを追いかけてしまいます。
しかも殺したと思ってみんなの前で勝利宣言したあげくに「ワーハッハッハッ!!!!! ナヌっ!? 死んだふりだと!?」というツッコミ所満点のスキを見せてきます。
脇ががら空き過ぎw 萌えキャラかw
一方の主人公ハリーはどうかというと、今度はこちらにはアイドル性がなさ過ぎます。結局今回もハリーは本質的には活躍しません。ピンチからの脱出は全てハーマイオニー任せですし、ラストも結局はオトリをやっていただけで彼が直接ヴォルデモートを倒すわけではありません。しかも彼は努力するというよりはダンブルドア校長やスネイプからプレゼントを貰ってただ使うだけです。終始しかめっ面で事務的に周りからの指示に従って行動するだけなので、すごく”がらんどう”です。
本当のところは分かりませんが、これはおそらくRPGゲームの影響なのかなとは思います。しゃべらない主人公といいますか、主体的に動かずに周りの話を聞いて動く主人公というのは、ゲームとしてプレーするには大変有用です。でも感情移入にはあんまり向きません。なんか今回もハリーがどうこうというよりは、ヴォルデモートのお茶目さとハーマイオニーの強さ、スネイプの不器用な純情さだけが目立ってしまったように思います。あとは美味しい所を全部持って行ったネビルでしょうか。なんにせよ、ちょっと理屈が無理矢理すぎてハリーが勇者様でなおかつヴォルデモートを倒せる(※倒してないですけど)理由が良く分かりませんでした。
とりあえず今まで観てきた方は惰性で観るには十分ですし、最後だけ見ないのも気持ち悪いので仕方無いかと思います。私も文句言いつつもBDは買います。
オススメデス。
ちなみに、、、おそらく映画シリーズファンへの配慮なのか、ハリーの結婚相手はサラっと流されています。これもちょっとどうかと思うんですが、、、あんまり”彼女”との絡みは描かれて居なかったのしょうがないかも知れません。
なんか「しょうがない」とか「仕方無い」とかばっかりになってしまいましたが、、、、まぁ仕方無いですよねw

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アイ・アム・ナンバー4

アイ・アム・ナンバー4

やっつけ仕事パート3は

アイ・アム・ナンバー4」です。

評価:(85 /100点) – ジョックス共よ、帰宅部の本気を見せてやる!!!!


【あらすじ】

宇宙の侵略者モガドリアン達によって故郷をまさに破壊されようとしていたロリアン人たちは、最後の希望を9人の子供達に託し守護者と共に地球に避難させることにした。
それから十数年、ナンバー4と呼ばれるロリアンの少年は、偽名を使いながら父親代わりのヘンリーと逃走生活を送っていた。ある日、いつものように転校してきたオハイオのパラダイス高校でジョン・スミス(=アメリカ人の典型的な偽名。山田太郎みたいな感じ。)と名乗った彼は、学校でカメラマンをするサラと出会う。ミステリアスなジョンの雰囲気に魅かれるサラと良い感じの雰囲気になるものの、彼女にはアメフト部のエースで学園を牛耳る元カレのマークが居たのだ! マークはあまりの傲慢さからサラに振られたにも関わらず、まだまだ未練タラタラでちょっかいを出してくる。やがてジョンがロリアン人としての真の力に目覚めるとき、世を忍ぶ帰宅部員vs学園ナンバーワン・ジョクスの究極の恋愛闘争が始まる!! 果たしてジョンはマークを倒せるのか!? サラとの恋の行方は!? そして蚊帳の外におかれたモガドリアン達のロリアン人狩りは成功するのか!? 今、宇宙を揺るがす戦いがオハイオ州パラダイス高校のアメフト場で切って落とされる!!!!!!


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【感想】

さて、やっつけ仕事の3本目は「アイ・アム・ナンバー4」です。本作は一見すると超能力ヒーローものかと思いますが、実際には正当な学園ラブコメとなっています。あきらかにスーパーマン・クラーク=ケントを意識した設定で登場するナンバー4・ジョン=スミスは、転校早々にちょっと問題児っぽい美人カメラマンのサラ(=これがモロにスーパーマンのヒロイン・ロイス)と陰謀論者兼SFオタクでいじめられっ子のサムと出会います。この3人組とサラの元カレにしてジョックス代表のようなイケ好かないマーク&取り巻きとの戦いが作品の大部分を占めます。すなわち、ナードとジョックスが学園有数のプロム・クイーンを奪い合うという典型的なラブコメものです。ここに宇宙からの侵略者・モガドリアンが入り乱れて、非常に大がかりな大スペクタクル・アホ大戦が始まりますw アメフト野郎は終始情けない醜態を晒し続け父親にまで泣きついたあげくにモガドリアンに一蹴さられてしまいますし、ラストには聖地・アメフト場がジョンの本気によって見るも無惨な大爆発を起こしてしまいます。この作品を書いた人は本当にジョックスが嫌いなのねw
一方のナード軍団はパラダイスです。ジョンはきっちりサラをゲットしますし、なんとオタクのサム君にもスレンダーなのに超強いワイルド系美女・ナンバー6・ジャン・ドー(山田花子的な偽名)が割り当てられます。つまりナード軍団完全勝利!小五月蠅い保護者も居なくなって、ジョックス共はボコって改心、完全なるパラダイスが待っています!!
ということで、ヒーローモノかと思ったら実は頭の悪い童貞バンザイ映画だったわけです。つまり、、、、我々の大好物!!!!!
オススメです!!!! 絶対オススメです!!!!!

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ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

やっつけ仕事の2本目は7月3日に見た

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」です。

評価:(70/100点) – 一作目とやってること一緒じゃん。好きだけどw


【あらすじ】

前作から2年、歯科医のスチュはタイ系の美女ローレンとの結婚を決めナーバスになっていた。ローレンの父はタイでも有数の金持ちで、弟は優秀な研修医。いつもの仲良し3人組+1人でタイへの結婚式へと向かった一行は、またもや前夜祭と称して一杯だけの乾杯をしてしまう。それが、悪夢の始まりだった、、、、。


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【感想】

やっつけ仕事の2本目は「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(原題:The Hangover Part II)」です。ぶっちゃけ書くこと無いくらい1作目と同じで書くこと無いくらい面白いジャンルムービーなので見に行って下さい。オススメです!!!!




だとさすがにやっつけ過ぎるのでちょっとだけw 本作は前作を見ている前提での「天丼ギャグ」的な作品です。前作と同じパターンになるたびに「志村!うしろ!うしろ!」をやり続けるという構造ですので、前作を楽しめて、かつ本作をB級ジャンルムービーと割り切って見に行く分には大変愉快な作品だと思います。一方で、前作がいまいち乗れなかった場合、特にアクの強いアランを筆頭とした下品なギャグの数々に目を細めてしまった場合は厳しいと思います。本作ではトッド・フィリップス監督がサービス精神満点で過剰なご奉仕を連発してきますので(笑)、前作以上に軽くヒく場面が増えています。「歯を抜くぐらいならまだしもそんなの切っちゃうの!?」とか、あまりのことに普通にサスペンスホラーっぽい雰囲気すらしてきます、、、、序盤だけはw
前作がすごかったのは完全に割り切った「カーテンコール落ち」だったという事だと思うんです。つまり、ただでさえ本編は良く出来たドタバタコメディだったのにそれがエンドロールの写真達のあまりのくだらなさとお茶目さによって一気に爆発的な笑いに転換するという、完全な出オチです。本作でもきっちりとその出オチが踏襲されています。前作ファンなら楽しめるサプライズ・ビッグゲストの登場に続いて流れる不謹慎なアホ共の姿に、ニヤニヤしながら引きつつ笑うという最高に楽しい体験が出来る作品です。もう大分客入りも落ちているようなのであんまり劇場で見なくても良いかなとは思いますが、とりあえず押さえておくと楽しめる作品です。オススメです。

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マイティ・ソー

マイティ・ソー

土曜は手始めに

マイティ・ソー」をみました。

評価:(60/100点) – アベンジャーズの前振り第2弾!


【あらすじ】

全知全能の神にしてアスガルドの王・オーディンの息子として生まれたソーは、その奔放な暴れっぷりから父にいまいち信用されていなかった。そんなソーに王位を譲ろうとするまさにその日、霜の巨人・ヨトゥンがアスガルドに侵入してくる。簡単に撃退したものの、怒りの収まらないソーはオーディンの制止を振り切って、仲間を引き連れてヨトゥンハイムに殴り込みをしてしまう。ついにオーディンの怒りに触れてしまったソーは、罰としてミッドガルド(人間界)へと追放されてしまう。
力を奪われて人間となったソーは天文学者のジェーンに拾われる、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ヨトゥンの侵入とソーの殴り込み
 ※第1ターニングポイント -> ソーがミッドガルドに追放される。
第2幕 -> ムジョルニアとS.H.I.E.L.D.とロキの暗躍。
 ※第2ターニングポイント -> ロキがミッドガルドにガーディアンを送り込む。
第3幕 -> ロキの真の目的とソー。


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【感想】

土曜の一本目は「マイティ・ソー」です。「雷神ソー」の名前で有名な古典的アメコミの実写化で、来年のアベンジャーズへの前振り第2弾です。アメコミものとしては劇場が7割ぐらい埋まっていましたので結構入っている方だと思います。
本作は非常に書きにくい作品です。というのも、単体の映画として見た場合、正直なところあんまり出来が良くないんですね。全体的に非常にあっさり話が進んでいきますし、そもそも前提として北欧神話の世界観がある程度分かってないときついです。何の説明も無しに「オーディンの眠り」みたいなネタが普通に登場しますから。
基本的には「やんちゃなマッチョ系神様のソーが地球に下りてきて人間的な心に触れることで思いやりを知る」という成長物語です。なんですが、いまいち盛り上がらないのはその決定的な成長の瞬間がショボイからです。ロキが「親父、死んじゃったよ」って言っただけで改心してしまいますから。それってミッドガルドがあんまり関係ないですし、あまりにも普通すぎてイマイチ成長した感じがありません。そして当たり前なんですが、さすが北欧神話最マッチョの雷神ソーだけあって、最強ハンマー・ムジョルニアを手にするとまったく敵がいません。楽勝で次々と敵を倒していきます。一番盛り上がるはずのソーの復活までに至るカタルシスがちょっと弱くて微妙な雰囲気になります。
一応原作のコミックではソーがミッドガルドに追放された際はドナルド・ブレイクという足の不自由な人間の姿にされるわけですが、本作ではマッチョなまんまで人間界に落とされるため、それはそれで問題無く活躍してしまいます。ここはかなり押しが弱くなっており、ソーがいまいち成長したように見えない原因になっています。
とまぁあんまりな感じなんですが、本作は単体の映画というよりは来年公開の「アベンジャーズ」への前振りなわけで、そう考えると突然面白くなってきます。本作でも相変わらず大ヒーロー本部「S.H,I.E.L.D.」が超常現象に目を付けて調査しに来ます。ここはアベンジャーズ系の前作「アイアンマン2」のエンドロール後にあったシーンから繋がるストーリーです。劇中では「政府系機関」としか語られませんが、アベンジャーズを心待ちにしているアメコミファンからすればS.H,I.E.L.D.の登場は「待ってました!」っていう展開なわけです。
でまぁハッキリといってしまえば、本作での「S.H,I.E.L.D.」の扱いを見れば明らかなように、本作は単体の映画として面白くする気よりはやはり「アベンジャーズ」のための顔見せの色合いが大変強くなっています。なので、多少つまらなかったとしてもそのアベンジャーズへの期待だけで結構ニヤニヤしながら見られてしまいます。ただ、やっぱりその変の事情が飲み込めている前提での映画ですので、アメコミファン以外にはちょっとオススメしづらいです。
もしアベンジャーズが良く分からないと言う方は、とりあえず「アイアンマン」「アイアンマン2」を先にレンタルDVDで見ておくと良いと思います。一応単体でも成立してはいますが、ネタとしてはアイアンマン2からの繋がりになっています。
ちなみに、予告を見る限りだとアベンジャーズ系の次作「キャプテン・アメリカ」は普通に第2次大戦中の話っぽいので、おそらく原作同様に「キャプテン・アメリカ」のラストで主人公スティーブが冷凍催眠に入って時代を超え、ここから一気に現代でトニー・スタークとソーとスティーブと超人ハルク・ブルース・バナーが連合を組む話に繋がっていくはずです。
あくまでも前振りではありますが、アメコミファンはとりあえず押さえておくべき作品だとおもいます。
それにしても、ここまで前振りを大々的にやりまくると「アベンジャーズ」のハードルはガンガン上がっていっていまかなりの所にあります。ジョス・ウェドン監督は大丈夫なんでしょうか? ウェドン監督がマーヴェルに追い込みを掛けられているようにしか見えませんw 「トイ・ストーリー」の脚本家ですので大丈夫だとは思うんですが、、、ちょっと心配になってきます。
ということで、来年のアベンジャーズへの気持ちとハードルを上げるために、とりあえず劇場に駆けつけましょう。オススメです。

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SUPER8

SUPER8

さて2本目のこちらが大本命です。

そう「SUPER8」です。

評価:(89/100点) – スピルバーグ的なパブロフの犬


【あらすじ】

時は1979年オハイオ、田舎の炭鉱町。13歳のジョーは母親を事故で亡くしてしまう。父親とはあまり上手くいかず、唯一の楽しみは大好きな特殊メイクや模型制作の腕を活かした友人達との映画作りであった。
ある日真夜中の停車場で撮影中に、突如通りかかった空軍の輸送列車にトラックが突っ込んで大惨事を起こすところに出くわしてしまう。その日から町には不思議な事が起き始めた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 母の死と映画作り。
 ※第1ターニングポイント -> 空軍輸送列車の脱線事故が起きる。
第2幕 -> ジョーとアリスと列車事故のその後。
 ※第2ターニングポイント -> オペレーション・ウォーキング・ディスタンス開始。
第3幕 -> アリスの救出と結末。


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【感想】

今日の2本目はJ・J・エイブラムスの新作「SUPER 8」です。プロデュースにスピルバーグが名を連ね、エイブラムスのバッドロボットとスピルバーグのアンブリンの共同制作となっています。昨年から予告編が大きく話題になっていた期待作で、平日の昼間の回なのに8割方お客さんが入っていてちょっとびっくりしました。
なお、これ以降、いつもどおりネタバレが含まれます。完全に青春・ヒューマンドラマですのでネタバレがあってもあまり問題はないとは思いますが、未見の方はお気を付け下さい。一部であんまり評判が良くないみたいですが、私個人としては十分に今年のトップ10に入ってくる映画だと思います。懐古主義なだけと言われればそうかもしれませんけどねw

本作の概要

本作はタイトルの「SUPER 8」の通り、8mmで自主制作映画を作る少年少女達の物語です。主人公のジョーは13歳の春に母親を亡くし、以後保安官の父親と二人暮らしです。しかしながら父親とはあまり上手くいきません。いつも母の形見であるペンダントを肌身離さず持っていて、悲しみを引きずっています。そんな彼が、夏休みに起きた一連の事件をきっかけに恋をし、母親の死を受け入れて前向きに生きる決意をするまでをテンポよく描きます。
本作に登場するエイリアンは空軍に監禁・実験台にされた怒りから人間達を襲うようになります。それはまさしく主人公ジョーの心境そのものです。好きな女の子・アリスの駄目親父から「二度と顔を出すな」と言われ、父親からは「友達を選べ」「アリスとはもう会うな」と理不尽に命令され、そんなジョーの鬱屈とリンクするように、エイリアンは暴れまくります。こうして、アメリカ空軍のエイリアン捕獲作戦とジョー達の映画制作が並行して語られていきます。
確かにエイリアンは出てきますが本作はあくまでも青春映画です。母親の死から立ち直れない少年が似たような鬱屈を抱えるエイリアンと向き合うことで自身も前向きに生きる決意をするに至ります。そしてそれはスピルバーグが「E.T.」「ジョーズ」で描いたテーマと同じです。

70年~80年代映画とスピルバーグへの愛

本作にはかつての70年代・80年代映画への愛が溢れています。舞台となる1979年は、5月にロメロの「ソンビ(ドーン・オブ・ザ・デッド)」がアメリカで公開され全米のオタク少年が映画館に忍び込んで熱中していた時代です。この映画でも、ロメロのゾンビを見て夢中になったチャールズ達が自主制作でロメロに捧げるゾンビ映画を制作します。そのラグタイムはわずかに2ヶ月。ドーン・オブ・ザ・デッドを見てすぐにゾンビ映画を作り始めている計算になります。まぁ、、、アホですw
そして画作りやテーマはもろに初期アンブリンの青春・ジュブナイル作品そのものです。「未知との遭遇(1977)」「E.T.(1982)」「グーニーズ(1985)」を中心に、列車事故から逃げ惑う所は「スタンド・バイ・ミー(1986)」、バスがエイリアンに襲われるところは「ジュラシック・パーク(1993)」も入っています。要所要所ではCGを使うものの、全体的にはとても静かで基本的な演出を多用します。そしてそれはまさに70~80年代の、CGをほとんど使わずに特殊効果と役者の間合いで見せていたころの映画です。
髪型や服装が昔っぽいというのもありますが、この演出の古さによって本作は強烈に「アンブリンっぽさ」を感じさせます。それはもう冒頭でジョーが家の外で座っているところを窓越しショットから切り返してバストショットで撮るところから一貫しています。
だから何も劇的な事が起きてないのに、私は冒頭から泣きっぱなしでした。強烈にノスタルジックな映画になっています。
主人公のジョーと同じ1966年生まれのJ・J・エイブラムスがいわばこのジャンルの神様であるスピルバーグの公認の元で本作のようなパスティーシュを作ったことに意味があります。ジョーをはじめとする劇中の映画バカ達はエイブラムスの分身であり、そして自分が少年時代に見た映画を自分の分身を主役にして作り直しているわけです。だから映画内でのノスタルジーとメタレベルでのノスタルジーがぐっちゃぐっちゃに混同されており、それに巻き込まれる観客もまたノスタルジーに取り込まれてしまいます。

【まとめ】

この作品はスピルバーグに捧げるオマージュ/パスティーシュ映画です。ですから、大前提として子供の頃にそれらの元作品に触れたことがあるかどうかが鍵になります。30歳~40歳ぐらいの方ならばど真ん中にノスタルジーを刺激されると思います。一方で、10代~20代前半ぐらいの方であんまり昔の映画を見たことがないと、あんまり盛り上がらない映画に見えるかも知れません。派手なイベントもあるにはありますが、間接的に内面を描写する演出ばかりですので「映画」への慣れは必要かと思います。
ピンと来ない方がいるのは仕方が無いかなとは思いつつ、個人的にはかなり気合いを入れてオススメしたい作品です。とりあえず見て損することは絶対ありませんので、是非是非映画館でご覧下さい。オススメです。

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記事の評価
ロシアン・ルーレット

ロシアン・ルーレット

今日は休みで2本みました。最初は

ロシアン・ルーレット(原題:13)」です。

評価:(40/100点) – 絵面のインパクト勝負。


【あらすじ】

ヴィンスは大怪我をした父親の治療費を捻出するため、家を担保に借金をする。しかしヴィンスはまだ見習いの電気技師で収入もロクにない。
ある日、ヴィンスは仕事先で儲け話を立ち聞きする。家主がオーバードーズで死んだすきに手紙を盗んだ彼は、その手紙の指示に従い秘密のゲーム会場へと向かう、、、。


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【感想】

本日の1本目は「ロシアン・ルーレット(原題:13)」です。2005年のフランス映画「13 Tzameti」のリメイクですが、私はオリジナル版は未見です。平日な上に公開から1週間経っていますので、お客さんは1桁でした。
本作はお金がどうしても欲しい青年が殺人ゲームに巻き込まれるというよくあるソリッド・シチュエーション・スリラーです。ただ、ゲームシーンの絵面はかなり面白いのですが、ゲームが100%運のみで決まってしまうためいわゆるゲーム性がまったくありません。ゲーム性が無いため、あんまりハラハラドキドキもしませんし、主人公が成長することもありません。巻き込まれ型のスリラーで、ひたすら主人公はオロオロとするだけです。そしてついに日常に帰ろうというまさにそのとき、、、、という所がちょっとホステルっぽい雰囲気もありつつ良い感じになっています。
(オリジナル版を見ていないのでなんとも言えないのですが、)どうも絵面の面白さが先行してしまったようで、せっかくジェイソン・ステイサムやミッキー・ロークをキャスティングしているのにあんまりキャラクターが立っていません。フォーマット自体はおもいっきりジャンルムービーですが、そんなにテンションが上がることなくなんとな~く気がついたら終わってましたw
追ってる警察もすごい適当ですし、ゲームの主催者側の監視もザルそのものです。参加者はみな従順でイレギュラーなこともまったくおきません。良くも悪くも安心して見られるB級映画でした。スリラーなので安心して見られちゃだめなんですけどねw
アクションなしのジェイソン・ステイサムは貴重なので彼のファンならば見ておいて損は無いと思いますが、あんまり一般にオススメできる内容ではありません。あんまり語りたくなるような映画でもないので、今回はさらっとこの辺で。

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