息もできない

息もできない

日曜日に渋谷のシネマライズで「息もできない」をみました。

評価:(90/100点) – 見てるだけでも本当に”息もできない”です。


【あらすじ】

ヤクザの下請けをして過ごすチンピラのサンフンは、ある日道端で勝ち気な女子高生・ヨニと出会う。一歩も引かない彼女に好意を感じたサンフンは、次第に甥っ子の遊び相手として、そして自身の話相手として、ヨニに心を開いていく。共に複雑な家庭環境を持っていたサンフンとヨニだったが、やがてヨニの弟ヨンジェがサンフンの部下になったことで運命が捻れていく、、、。


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【感想】

本日は、日曜日に見てきました「息もできない」です。公開から日が経ったこともあり感想はあらかたweb上に出そろっていますから、要点のみを書きたいと思います。
この作品は、暴力でしか自己表現が出来ないサンフンが、もがいて、嫌気がさして、感情を爆発させて、だけど女性によって少しポジティブになれて、けれど結局報いを受けるという、重たい話です。
作品内に出てくる人物で一般的な意味で幸せそうな人間は一人もいません。家庭内暴力もあり、娘を殺す親もあり、友人は殺され、親族が人殺しもやります。だけれども、ヨニとサンフンが一緒に居るときだけお互い馬鹿みたいにくだらない会話が出来るんです。そこでは家庭の事情や仕事の内容なんて関係無く、一対一の不器用で下品な言葉が飛び交う、けれども真に安心できる会話があります。
その一方で、なんと世界の殺伐としたことでしょうか。サンフンという男は報いを受けて当然の酷いことをやってきています。だけれども、その彼が本当に魅力的に描かれています。
作品内では、全員が奇妙にすれ違っていきます。「パレード」の時の話でも書きましたが、人間が全てをさらけ出して会話をすることはまずありません。必ず他人には言わない、他人には見えない部分があります。本作でも、そのすれ違いという部分が肝になってきます。各人が誰に対してどこを隠してどこをさらけ出すのか? それがおぼろげに見えたとき、この映画がとてつもない事を描ききっていることに気付くはずです。
それは暴力の連鎖であり、個々人の幸せの定義の仕方であり、そして感情の折り合いのつけ方です。
こんなとんでもない作品を単館にとどめるのはもってのほかだと思いますが、幸いにして今週末から拡大ロードショーらしいですので是非是非映画館でご鑑賞下さい。


なんか土日は「第9地区」「月に囚われた男」「息もできない」と良品3作しか見なかったので、ちょっと奇妙な罪悪感を感じています(笑)。アリスの前に自制も兼ねてあえて「ダーリンは外国人」を踏みに行こうかと思案してます、、、たぶん明日か明後日にでも。
あんまり良い映画ばっかり見てこれが当たり前になると良くないですから(笑)。
「良い映画を見て感動するには倍の糞映画を見よ!」というのがモットーですんで(苦笑)。

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息もできない」への1件のフィードバック

  1. 「息もできない」を観ていると、サンフンが、「シーバーラマ」を5000回くらい言うので、こちらも口癖になってしまいそうです。
    どういう意味かは何となく想像がつくけど、つい友人の韓国人に言ってしまいそうでおそろしい。
    —-
    こんな本気度の高い映画を観たあとは、ぜひ、制作者の本気度マイナス5000の「ダーリンは~」を観てください!
    そして、ぜひ、どんなにひどい思いをしたか、ご報告をお待ちしてます(笑)。

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