KING GAME

KING GAME

今日は一本、

「KING GAME」を見てきました。

評価:(2/100点) – アイデア未満のソリッドシチュエーション


【あらすじ】

見知らぬホテルで目が覚めた女性はチェーホフという名札をぶら下げていた。扉をくぐるとそこには10人の男女が居た。そして司会の白兎は10日間の王様ゲームの開始を宣言する。

【三幕構成】

第1幕 -> 王様ゲームが始まる。
 ※第1ターニングポイント -> ドアが開く。
第2幕 -> 王様ゲーム第二ラウンド。
 ※第2ターニングポイント -> 主催者が判明する。
第3幕 -> 最後の王様ゲーム。


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【感想】

今日も新作一本、漫画家の江川達也が監督をした「KING GAME」です。単館の割に人が結構入っていたのはネームバリューからでしょうか? めずらしくK’sシネマで20人ぐらいは見ていました。

ソリッド・シチュエーション・スリラーというもの

さて、今春のライアーゲームあたりからテレビ局系でもソリッド・シチュエーション・スリラーが作られるようなってきました。世界的には5~6年ぐらいは遅れているんですが、それでもそういった環境が出来たのは喜ばしいことだと思います。
このブログでも何回か書いていますが、ソリッド・シチュエーション・スリラーはアイデア勝負のジャンルであり、そして出オチになりがちです。ある固定された環境とルールを設定してそこでの”ゲーム”の面白さで引っ張るわけですから、当然といえば当然です。
で、肝心の本作はどうかと言いますと、これがびっくりすることにノーアイデア戦法ですw 恐ろしい事に本作では王様ゲーム以上の事は起きません。そして王様ゲームも本当に普通の王様ゲームです。脱落したら死ぬとか、「誰々を殺せ」みたいな無茶振りをされることもありません。100%純粋な王様ゲームです。それも最後までw あの~~~~何がしたかったの?
一応最後に「幻覚の虎に襲われる」というしょうもない展開があるにはあるんですが、しかし幻覚なんで何ともしようがありません。っていうか作品自体何ともしようがありません。
残念ですが江川監督は王様ゲームの背景とかそのあたりでぶっ飛んだ設定を考えることに注力してしまったようで、肝心の王様ゲーム自体にアイデアを追加出来なかったようです。でもそこがないとストーリー自体が進んで行かないんです。結果として、その場限りの適当な王様ゲームを見せられることになります。人間関係を入り組ませようとかそういった努力も見られないため、まったくなんの面白みもない作品になってしまいました。根本的な構成ミスだと思います。
昨日の東京島もそうなんですが、こういった適当に上っ面だけ真似た作品が出てきて、その結果観客がジャンル自体に興味を失ってしまうのが一番怖いです。今度また「インシテミル」が日テレ資本で映画化されますが、このレベルにだけは収まって欲しくないと思いつつ、あまりオススメの出来ない作品でした。
芦名星と窪塚俊介が頑張っているだけに、ちょっと可哀想というか、無駄使い感が凄まじかったです。

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キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争

本日は2本です。1本目は

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」です。

評価:(15/100点) – 犬可愛い。猫可愛い。でもそれ以上では、、、。


【あらすじ】

猫の秘密組織「ミャオ」に所属していたキティ・ガロアはミッション中に番犬に襲われて除毛液に落ち全身の毛を失ってしまう。飼い主からも捨てられたガロアは犬への復讐のため、独自の音波を作成、衛星を通じて全世界の犬を狂わせようと計画する。
キティ・ガロアの謀略を阻止するため、今、仇敵であった犬と猫が手を組む、、、。ついでに鳩も、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ディグスの失敗。
 ※第1ターニングポイント -> ディグスが全世界犬司令部に招かれエージェントになる
第2幕 -> シェイマスとガロアの捜索
 ※第2ターニングポイント -> ガロアの居所が分かる。
第3幕 -> 遊園地での決闘。


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【感想】

本日の1本目は「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」です。これもお客さんがほとんど入っていませんで、私以外は子連れ親子が2組居ただけでした。
非常に簡単に言いますと、これは動物を使ったスパイ大作戦のパロディです。のみならず、タイトルはスターウォーズのパロディ(原題の副題がThe Revenge of Kitty Galore = SW ep3の「The Revenge of Sith」)だったり、オープニングが「カジノ・ロワイヤル(2006年版)」以降のボンド映画のパロディだったり、除毛液に落ちるところは「バットマン(1989/ティムバートン版)」でジャック・ニコルソンが漂白液に落ちてジョーカーになる所のパロディです。そのほかにも「羊たちの沈黙」のレクター博士もどきの猫だったり、空中戦はちょっとロボコップorアイアンマンっぽさもあります。
ということで、本作の話自体は行き当たりばったりで下らないのですが、犬や猫が有名作品を再現してくれるという動物好きにはたまらない作品です。逆に言えば、映画として見に行くと痛い目を見ますw あくまでも犬猫が名場面を再現するだけの動画集です。
見も蓋もないことを言いますと、これ要は「親指スターウォーズ」とか「最終絶叫計画」とかと同種の映画で、それの物凄く出来が悪いものです。
なので、犬好きにのみオススメいたします。猫はかなり悪く描かれますので、猫好きには耐えきれないかも知れません。

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ゾンビランド

ゾンビランド

2本目は

ゾンビランド」です。

評価:(95/100点) – 爆笑必至。童貞と筋肉バカとマセガキ・悪女のハートフル珍道中。


【あらすじ】

ゾンビ病によりアメリカ合衆国がもはや「ゾンビランド」と化した世界。童貞元引きこもりのコロンバスは、自身の考えたサバイバル32箇条を忠実に守って生き延びていた。ある日、彼は実家のオハイオに戻る途中でゾンビハンターのタラハシーと出会う。ゾンビを殺すことを生き甲斐とするタラハシーにとって、唯一の休息は大好きなトゥインキーを食べることだった。連れだった2人は途中スーパーマーケットに立ち寄りトゥインキーを探すが、そこで詐欺師の姉妹と出会う。色々あって4人連れとなった一行は、ゾンビが居ないという都市伝説を持つLAパシフィック・プレイランドへと向かう。

【三幕構成】

第1幕 -> タラハシーとの出会い
 ※第1ターニングポイント -> ウィチタとリトル・ロックと合流する。
第2幕 -> LAへの旅とビル・マーレイ
 ※第2ターニングポイント -> 姉妹が居なくなる。
第3幕 -> パシフィック・プレイランド


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【感想】

週末の2作目は「ゾンビランド」です。こちらもハングオーバー同様に昨年公開の映画でアメリカでは大ヒットいたしました。現時点でも興収100億を超えており、ゾンビ映画史上最も売れています。お客さんもホラーにしてはめずらしくかなり入っていました。とはいっても、本作は厳密にはホラーではありません。ジャンルとしてはホラー風コメディです。一番近い感覚は「死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット」でしょうか? 一応ゾンビは出てきますし、バリバリのゴア描写もありますが、怖いというよりは「うわぁ~~~~キモっwww」という感じで笑える描写が多くなっています。しかも「スペル」とは違い脅かそうという気もありません。完全にギャグのみで使われています。
なにをおいても本作が素晴らしいのは、引きこもりの童貞少年が女に惚れてありもしない勇気を奮い立たせるというそのフォーマットに他なりません。それだけで満点でも良いくらいですw 登場人物はリトルロック以外が全部ダメ人間なんです。コロンバスも、タラハシーも、ウィチタも、みんな変人ばっかりです。でも、そこに最終的に信頼が生まれるところがグッとくるんです。ビル・マーレイの酷い(←褒め言葉)使い方も含めて、絶賛せざるを得ません。間違いなく今年屈指の良作です。
ある種の保存食として良くネタにされるトゥインキーという小道具の選び方、最終的には33に増える「サヴァイバルの掟」の説得力、パシフィック・プレイランドという架空の遊園地の微妙なショボさ、完璧です。
とりあえず、悪い事はいいませんから、劇場に行ってください。手抜きじゃなくて(苦笑)、ごちゃごちゃ言うのはヤボですw。
アホ万歳!!! ゾンビ万歳!!! そんでもってカウボーイ万歳!!! みんな万歳!!!! オススメです!!!!!!!

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ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

週末は三本見ました。1本目は

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を今更見ました。

評価:(80/100点) – 下品w だけど作りはしっかり。


【あらすじ】

結婚式を2日後に控え、新郎のダグは悪友2人と花嫁の弟とともにラスベガスでバチェラーパーティーを決行する。ラスベガスのスィートルームを借りてテンションMAXな4人は、屋上に上がって酒を飲む。
目覚めると、部屋は荒れ放題、トイレにはなぜか虎、そしてクローゼットからは赤ん坊の泣き声がする。そして何より、新郎のダグがいない、、、。
残された3人は、無事新郎を見つけ出し結婚式へと送り届けられるのか!?

【三幕構成】

第1幕 -> ラスベガス旅行。
 ※第1ターニングポイント -> 目を覚ます。
第2幕 -> ダグを探す3人。
 ※第2ターニングポイント -> レスリーに身代金を要求される。
第3幕 -> 結末。


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【感想】

週末は映画三本見ました。といっても一本はインセプションの2回目なので、新作は2本です。
完全に積み残しになっていた「ハングオーバー」ですが、公開からかなり時間が経っているのにほとんど満席でした。やはり口コミで評判が広がっているのでしょうか? 一時はDVDスルーが決定していただけに、安心したというか、ワーナー広報の見る目を疑うというか、、、。
本作はなんにとも言いようがないほど良くできたコメディ映画です。伏線の張り方も絶妙ですし、キャラ立ちも完璧。なによりエンドロールで流れる記憶喪失中のデジカメ写真が本っっっっっ当に頭悪くて最高です。なので、それはそれで置いておいて、今回はちょっぴり関係無いことを書こうかと思います。
仕事柄外国資本の映画会社と良く付き合うんですが、彼らの売り上げ管理に関するメソッドは明快です。
通常、宣伝部とか販売部という部署が予算管理を行います。その際、買い付けにかかる費用に対して宣伝費・広告費、アフターサポート費(お客様窓口の運営費)や権利費(本国に払う費用)を計算し、これを600円で割ると動員目標になります。
皆さんもたまに「あれっ?」と思うかもしれませんが、例えば去年の「パブリック・エネミーズ」や「イングロリアス・バスターズ」は本国ではユニバーサルピクチャーズの作品なのに日本では東宝東和商事が買い付けています。この2作品は東宝東和がジェネオン・ユニバーサルを出し抜いて本国に直接営業を掛けた作品です。ですが、同じルートの「レポゼッション・メン」は、本国で転けたためジェネオン・ユニバーサルがDVDスルーしようとしたところを東宝東和が拾って劇場公開した作品です。なので、「ユニバーサルピクチャーズの作品なのに日本支社のジェネオン・ユニバーサルが配給しない」という面白い現象が起きたりします。
世界同時公開の作品(=ビッグバジェット大作)以外は、必ず「劇場公開するかどうか」の判断が入ります。その際の基準になるのは過去のデータだけなんです。私、一応大手所の販売部の方はある程度知っていますが、あまり映画フリークは居ません。完全にビジネスとして割り切ってやっています。なので試写をして面白いかどうかを決めるよりは、キャストや制作陣で有名な人が居るかどうか、メジャーな映画賞を獲ったかどうか、そして過去に類似の作品がヒットしたかどうかでデータを予測しようとします。彼らはこれをマーケティングといってはばかりません。
結果、スターが出てるだけでゴミみたいな内容の作品がシネコンで大規模公開されやすくなります。一方、本作の様に、「コメディ」「スター不在」というと、どれだけ評価が高くても即DVDスルーが決まってしまいます。ちなみに今日本の外資系配給が即DVDスルーにするジャンルは「コメディ」「ホラー」「アクション」「SF」「ラブコメ」です。これらは日本では売れないという絶対の自信を各配給会社が持っています。
余談ですが、ハリウッドでもこれと似た現象が起きています。ハリウッドは高騰し続ける制作費を払うことがもはや困難であるため、最近は銀行と提携して作品に「保険」を掛けています。この保険というのは、「興収がある一定額に届かなかった場合、そこまでの差額を銀行が穴埋めする」というものです。もちろん「一定額以上に届いた場合」は保険の掛け金が丸々銀行に入ります。で、この掛金(=掛け率)を決めるのが、実は制作者とキャストのネームバリューなんです。「有名な○○が監督だから掛け率このぐらい」という計算が平気でまかり通っています。すると、とりあえずちょい役で有名な人をブッキングしとこうとか、名前の通った作曲家にスコア書かせようとかいう、作品価値とは関係無い判断が入るようになっていきます。近作だと、「運命のボタン」のキャメロン・ディアスとか、「エアベンダー」のシャマラン監督なんかが典型です。「エアベンダー」なんて普通のファンタジーなんだから作品の事を考えたらシャマランは必要ないんです。でも彼は今かなりの掛け率を持っている脚本家&監督なので、転けた時の安全装置としては機能するんです。日本の制作委員会でも良くありますが、酷い話です。
話を戻しますと、本作が劇場公開されるきっかけになったのは、第67回ゴールデングローブ賞を獲ったからです。その前から2009年度全米興収6位というモンスターヒットした実績があったのですが、「どんなにアメリカでヒットしようとコメディは日本では売れない」という判断でDVDスルーが決定していました。「第9地区」もゴールデングローブにノミネートされる前はDVDスルーが決まっていましたし、「シングルマン」に至ってはノミネート前にはDVDすら怪しかったほどです。
ビジネスである以上は、過去の数字を使って裏付けっぽいことをしないといけないのは分かります。これは極端なことを言えば、担当者が責任を回避するための制度なんです。つまり「過去のデータに従って判断したから仕方が無い」というエクスキューズを得るための方法です。でも一方で、もはや名物買い付け人みたいな人がどうこうできる時代でもありません。現に独立系の配給会社はここ数年でほとんど死滅しています。映画ファンにとっては寒い時代なのは間違いありませんが、せめて、アカデミーや三大映画祭、ゴールデングローブやサンダンスにノミネート・出品される作品ぐらいは劇場公開して欲しいものです。

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私の優しくない先輩

私の優しくない先輩

本日は一本です。密かに連休公開映画の本命、

私の優しくない先輩」を観てきました。

評価:(95/100点)– アイドル不毛の時代でカウンター・カルチャーとしての王道


【あらすじ】

西表耶麻子は女子高生。あこがれの南愛治先輩に思いを寄せるがなかなか切り出す勇気も無い。ある日耶麻子は、所属部員2名しかいないマット運動部で、先輩・不破風和に愛治宛のラブレターを見られてしまう。すると、暑苦しい不破は勝手に2人をくっつける「たこ焼き大作戦」を始めてしまうのだった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 耶麻子の部活動。
 ※第1ターニングポイント -> 不破がたこ焼き大作戦を提案する。
第2幕 -> たこ焼きの練習と喜久子との仲。
 ※第2ターニングポイント -> 耶麻子が倒れる。
第3幕 -> 祭り。


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【感想】

さて、実は密かに大本命でした、一部で局所的な盛り上がりを見せている「私の優しくない先輩」です。監督はご存じ「涼宮ハルヒ」や「らき☆すた」で知られるアニメ演出家のヤマカンこと山本寛です。正直、お客さんはオタクしか居ないだろうと思っていたんですが、予想に反してティーンエイジの女の子ばっかりでした。なんで!? お笑いはまったく分からないんですが、はんにゃのファンでしょうか?
先に書いておきますが、本作は映画としては駄目駄目です。とにかく耶麻子が性悪なゲスですし、その落とし前もロクにつけません。でもね、、、そんなことはアイドル映画にとってはどうでもいいんですよ!!! 私はここからはアイドル映画としての本作のみを言及します。映画としてはダメって書いたからね? 許してね? そりゃモノローグずっと流して演技もへったくれもないし、登場人物達は下らない一発ギャグみたいなアドリブを繰り返すし、ダメダメですよ。クソ映画すぎてマジで1桁点数です。でもそれは普通の青春映画という視点で見ているからです。本作はZ級アイドル映画なんじゃ(`・ω・´) (不破先輩風)!!!

アイドルという存在

まず「アイドル映画」という特殊な基準を持ち込むからには、それがどういうものなのかを前もって定義する必要があります。
アイドルと一口に言いましても、歌を歌う「アイドル歌手」も居れば、水着写真を撮られる「グラビアアイドル」も居ますし、「アイドル女優」や「アイドル声優」なんて単語もあります。非常に難しいんですが、アイドルを頑張って定義すると「特定のコミュニティに人気があって、ファン達の応援によって実力に見合わない立場で活動できる人」だと思います。後半に若干トゲがありますが悪意はありませんw 要は、ファンが思わず応援したくなるような存在だということです。例えば、今のAKB48は間違いなくアイドルだと思いますが、今のPerfumeはアイドルかと言われるとちょっと微妙です。それは、AKB48が実力を遙かに凌駕するファン達の熱気・投資によって支えられているのに対し、Perfumeは音楽の質が十分に認められているからです。AKB48は大人買いするオタク達なしではオリコン上位に食い込むことは不可能ですが、Perfumeは一人が何十枚も買わなくても普通に上位に入れます。別にどちらが偉いということではなく、アイドルはそういう存在だということです。たまたま極端な例を出してしまいましたが、AKB48に他意はございませんのであしからず。
そういう意味では「アイドル女優」というのが一種の悪口になり得るという問題もあったりするんですが、それを書き始めると長くなるんで止めましょうw 私の基準では新垣結衣はアイドル女優で、宮崎あおいは若手女優ですw

「アイドル映画」というもの

もう大分前になりますが、当ブログを始めた直後に「携帯彼氏」についてちょこっと書きました。あの映画は、普通の映画としてはゴミ以下で、アイドル映画としても完全にB級でした。本作を見て確信したのは、残念ながら川島海荷という素晴らしい素材を「携帯彼氏」はまったく生かせていなかったという事です。
本作は初めから終わりまで完璧なまでに「アイドル映画」として特化した演出がなされています。映画として整合性はほとんど放棄していると言っても過言ではありません。それはどういうことかと言いますと、、、
アイドル映画を撮る際に重要なのは、いかにしてそのアイドルの持つ「応援してあげたくなる力(ぢから)」を発揮させるかという事に掛かっています。前述したようにアイドルはファンからの応援によって成立しています。ですから、そのアイドルの魅力とはすなわち「応援してあげたくなる力(ぢから)」なんです。本作では、冒頭いきなりあからさまなハリボテの中で、あからさまに腰ベルトにワイヤーを着けられて浮遊”させられている”川島海荷から始まります。もうお分かりですね? 本作は完璧に「女優・川島海荷の羞恥プレイ集」なんです。

・ワイヤーで無理矢理吊されているのに笑顔で演技をしようとする
    (でも演技が下手な)川島海荷。
・アドリブ全開のはんにゃ金田を前に笑いをこらえながら一生懸命台本通りの演技をしようとする
    (でも演技が下手な)川島海荷。
・物凄い量のモノローグを必死にアフレコしている
    (でも滑舌が悪くて何を言ってるか分からない)川島海荷。
・やったこともないミュージカルを無理矢理やらされて必死に踊る
    (でもちょっと足がもつれてる)川島海荷。
・土砂降りの中で本格演技派っぽいシーンをやらされる
    (でも全然出来てない)川島海荷。
・そしてエンディングで一生懸命歌って踊ってる
    (でも音痴で踊りもつたない)川島海荷。
・おなじくエンディングで一生懸命踊ってる
    (けど途中で振り付けを忘れて適当に流し始める)高田延彦。
・最後に「MajiでKoiする5秒前」という今最高に恥ずかしく煮詰まったダサイ歌(苦笑)を歌わされる
    (でも世代的に恥ずかしさが分かって無い)川島海荷。

断言しますが、全部わざとです。
だってやろうと思えば何十回でもテイクを重ねればいいんですもん。でもこれで良いんです。というかこれが正解なんです。私は本作を見ている間中ずっと「大林宣彦っぽいな~~」と思っていました。その要因はここにあります。大林監督はロリコンとして知られていますが(苦笑)、それは彼のアイドル映画が例外なく「アイドルに羞恥プレイを強要」しているからですw。極端な話、映画を見ている私たちはロケで監督にいじめられているアイドルを想像して「頑張れ!!!」って応援しているんです。本作でもそうです。

川島海荷という最高の素材

本作がアイドル映画として傑作だと思うもう1つの要因が、川島海荷というとてつもない素材です。皆さん、下の川島海荷さんの顔を良く見て下さい。

川島海荷

気付いていただけますでしょうか?
まず、鼻が横に大きいです。次に眉毛が今時の子にしてはあり得ないほど太く濃いです。そして口が大きすぎます。これ悪口じゃないですよ(苦笑)。100%褒めてます。要は「いわゆるアイドルとしてはあんまり可愛くない」ってことなんです。その代わりものすごい小動物的な愛嬌とちょっと男の子っぽい中性的な雰囲気があります。
つまり、川島海荷さんという存在そのものが「アイドル」として成立できるギリギリの所にいる感じがするんです。これもまた「応援してあげたくなる力(ぢから)」の一種です。この子は応援してあげないとアイドルとしてすら成立しない気がしてくるんです。これは物凄い素質だと思います。本人が聞いてもあんまり褒められてる気がしないでしょうが最高に褒めてます(苦笑)。あなたは間違いなく現代日本で最高のアイドルになる素質をもっています。
余談ですが、AKB48の前田敦子さんもこのタイプの子です。あきらかに顔のパーツが真ん中に集まっていて歌も踊りも下手ですが、そこが逆に「応援してあげないとこいつはダメかも」という母性本能に似た応援を誘発します。最近仕事でアイドル関係の3Dの事をやってるんでそんな事ばっか考えてますw

【まとめ】

本作がアイドル映画として傑作なのは、この川島海荷さんの持つ素質と「羞恥プレイとしてのアイドル映画」という部分を自覚的に演出している点です。でなければ、あのワイヤーは見せません。絶対にCGで消します。とはいえ実はここに一点だけ不満があります。最後にCGで宇宙に浮遊する耶麻子と不破のシーンが出てくるんですが、ワイヤーを消しちゃってるんです。そこはワイヤーを見せないとダメです。地球はCGでもいいから、ワイヤーは残さないといけません。そうしないとこのプレイは完成しないんです。ここで「もしかしてヤマカンは自覚して演出してないのか?」とちょっと疑ってしまいました。でもそんな不満もエンディングの高田延彦が全て吹き飛ばしてくれます。
書いてて自分で自分をちょっとキモイかもとか思ってるんですが(苦笑)、本作はアイドル映画として最高でした。決して新しいことをしているわけではありませんが、アイドル不毛の時代にある種のメタ的な視点(=これがワイヤー/羞恥プレイをしているという露悪的な主張)を取り入れて王道の演出を行ったことに大きな意味があります。
今の時代でも80年代アイドル映画は再生産可能なんです。
冒頭にも書きましたが、青春映画としては耶麻子というクソアマ(失礼)が酷すぎるんでまったくダメです。でもアイドル映画としては文句なく大傑作です。
そのあたりを念頭において見る場合に限り、全力でオススメします。

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踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

遂にやって参りました。

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」です。

評価:(0/100点) – 「死んじゃえば良かったのに。(by 恩田すみれ)」 「同感です!!!!」


【あらすじ】

新社屋への移転を間近に控えた湾岸署。引越対策本部長に任命された青島係長であったが、引っ越しの最中に拳銃三丁が何者かに盗まれてしまう。そして盗難された拳銃による連続殺人事件が発生する。パニックに陥る湾岸署であったが、第2の殺人の被害者宅に爆弾があったことから状況は一転。そこにはかつて青島が捕まえた日向真奈美の影があった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 湾岸署の引っ越し
 ※第1ターニングポイント -> 拳銃が盗まれる。
第2幕 -> 連続殺人事件
 ※第2ターニングポイント -> 犯人宅にて日向の手紙が発見される
第3幕 -> 結末


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【感想】

さぁ、やって参りました。今年一番の注目作にして最恐映画二本を世に送り出したモンスターシリーズ、「踊る大捜査線」最新作です。ちょっと見ようか見まいか迷っていたんですが、意を決してチャレンジしてみました。観客はすごい入り方でして、7~8割は埋まっていたかと思います。「アリス~」と同じくらいの混み方でしたので、間違いなく週末興収ランクではトップに来るでしょう。
またまたテレビ屋映画を書く上でのお約束です。本作は一応サスペンス仕立てですが、以後犯人を含めて多大なネタバレを含みます。っていうかほとんど全部書きます。これはネタバレが目的では無く、あくまでもツッコミを入れようと思うと細部にいかざるを得ないからです。点数を見てお分かりいただけるように、個人的には今年ワースト映画をぶっちぎりで更新しました。ですから酷評いたします。まだ未見でこれから見る予定がある方には、「心して行ってください」とアドバイスした上で、ここまででブラウザを閉じていただけるとよろしいかと思います。
あと申し訳ないのですが、あまりの長さと退屈さでちょっと記憶があいまいです。若干エピソードが前後してしまっているかもしれませんがご了承ください。いや、きつかったのよ、マジでw

順を追っていくぜ!!!

まず冒頭、開始早々に湾岸署の引越し風景が写されます。どうも全社総出で引越しをやっているようで、各部署の代表が集まって引越し対策会議が開かれています、、、、が、、、ちょっとまて!!!。引越し対策本部長で青島が出てくるんですが、彼は現場の人間でしょ? なんで引越しを仕切ってるの? 普通は総務というか警務課がやるんじゃないの? だって事件が起きたら引越しどころじゃないじゃん。、、、、と思っていると、早速事件発生!!! 銀行の金庫破りとバスジャックが同時に発生します。しかし銀行からは何も盗まれておらず、バスジャックのほうもバスと人質を放置して犯人だけ逃走。なんで、、、、、っていうか、待て~~~~~wwwww。
バスジャック側は乗客全員が覆面4人組の犯人グループを見ているわけでしょ。そして運転手だけ目隠しして、乗客は放置ですよね??? なんで乗客達はおとなしく座ってるわけ? 犯人が逃げたら、乗客もすぐに逃げるでしょ、普通。ぜんっっぜん意味が分かりません。
そうこうしていると、引越し先の新社屋で引っ越し業者を装った4人組が拳銃保管庫に侵入して3丁の銃が盗まれます。このシーンは本当につっこみどころの宝庫です。まず、なんで引越し時に拳銃だけ先に保管庫に入れとくんですか? しかもセキュリテイが何もかかっていない保管庫にw鍵ぐらいつけとけってことですし、防犯カメラや防犯センサーをつけとけよ。もし引越し途中でセキュリティがかからないなら置くなよw 君塚さんもふざけた脚本書くなってことですよ。しかも弾丸をこめた状態で拳銃を保管することはありえません。かならず鍵のかかる別々の場所に保管します。そして、なぜ犯人は3丁だけ盗んだんでしょう。どうせなら全部もってけばいいじゃん。
また本筋とは全然関係ないところで青島の肺ガン疑惑が持ち上がりますが、、、、この話題は最後まで引っ張るんですが、早々に医者の診断ミスだとわかるわけです。これは本当に意味が分かりません。そんなすぐに無事だって言っちゃったら、そのあとの青島と恩田のシーンはギャグとして見ればいいんでしょうか? でも演出はシリアス寄りですし、とっても戸惑いました。
そんでもっていろいろあって連続殺人事件が発生するわけですが、まずね、、、つっこみどころは2件目の殺人なんですよ。2件目の被害者を追って秋葉原のジャンク通りにある犯人宅に行くと、いかにもアニオタって感じの部屋がでてきまして、そこに爆弾と爆薬があるわけですね。ってことは、この2件目の被害者は自分で爆弾を作る技術があるわけです。さて、犯人グループは最初5人組で、拳銃で2人殺して最終的に3人組みになるわけです。主犯の須川圭一はいいとして、ほかは頭の悪いギャルとアホ1匹です。誰がどう考えても爆弾作れる奴は最後まで残すでしょ。ほかの2人のほうが遥かに無能なんですから。
ちょっと話は前後しますが、一方で新湾岸署の鉄壁セキュリティのマニュアル本が配られます。そういうのって安易に配るもんじゃないと思うんですが、そこはスルーしましょう。被害者宅のネットゲームのアカウントをつかってチャットをするとすぐに犯人とコンタクトを取れるのは失笑なんですが、なんと犯人はボイスチェンジャーを使いませんw すぐにわりだせよw
しかもよりによって自分の目をドアップでビデオチャットに上げるわけです。本広監督・君塚さんの両名は警察にちゃんと取材してないんでしょうか? 目っていうのはモンタージュを作るうえでもっとも大事な部位ですし、そもそもドアップにしたら網膜チェックで警察はDB照合できちゃうんですよ。 とくに犯人はソーシャルワーカーとして刑務所(精神病棟?)に入ってるわけでしょ?当然警察も顔写真や指紋や経歴は記録してますよ。アホが、、、、。早く指名手配しろw
さらになんと犯人はマニュアルすり替えというアナクロな手口で湾岸署の連中に自らセキュリティシャッターを下ろさせるわけです。が、、、そのときのパスワードが「wangan」ってのはひどいですw 小文字英字6文字w 総当りやっても2分ぐらいでクラックできますw せめて記号とか数字とか大文字小文字混ぜるとかあるでしょ。このあたりに君塚さんのメディアリテラシーの無さが如実に現れています。さらにはそのちょっと前に「プロクシを使ってアクセスしています」「ログは残りません。」という君塚さんにしては精一杯頑張ったセリフがあるんですが、これは間違いです(苦笑)。プロクシには基本的にログは残ります。追跡できるかどうかはログの保管期間次第です。通常、ネットの荒らしやクラッキングで海外プロクシを使うのは、海外だとログの提出依頼がしづらいことと、多段でプロクシを通すと跡を追っている間に保管期間切れでログが消えちゃってるサーバが出てきてそれ以上追えなくなるからです。最初からログをとっていない匿名プロクシなんてまずありませんよw 気取ったつもりが超ダサい凡ミス、、、ご愁傷様です。
なんか書くのが段々面倒になってきたんですが(苦笑)先に進みましょう。この直後から君塚さん特有の気持ち悪い政治メッセージが入り始めます。官僚や体制を悪く書くのはいつものことなんですが、今回はよりによって「国民の命を救うために、凶悪犯を釈放しよう。」というまったく意味不明な論理が登場します。はぁ????? 坊や、、、頭大丈夫??? そういえば「交渉人 The Movie」でも犯人は囚人の解放を求めてましたね、、、、もしかして糞映画業界のトレンドなんでしょうか(苦笑)。とはいえ、そこは元容疑者・室井慎次。唯一常識的な判断で釈放反対を訴えます。
さてさて、一方湾岸署はというと、、、相変わらず閉じ込められつつ、外にいる青島はシュアリー・TAJOMARUとともに犯人宅に向かいます。無防備に突撃しすぎなんですが、いろいろあって日向からの手紙だけ回収して帰ってきます。この後、ついに本作最大の見せ場にして笑劇の展開が待っています。なんと、バーナーでも焼ききれず電動ノコギリでも切れなかったシールドに、青島が木の杭一本と腕力で勝負を挑みます!!!!!

キタ━(Д゚(○=(Д゚(○=(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)=○)Д゚)=○)Д゚)━!!!

見かねた恩田が署内から説教するんですが、それでも収まらないオダルフィのリビドーw もう何が何やら、、、、。ちなみにこのシーンを私は完全に爆笑しながら見てました。
そしてこちらも笑劇の事実が明らかになります。なんと犯人が要求していた釈放対象者9人のうち、すでに5人が刑期満了で出所済みwww 調べとけよw 結局2人だけを釈放することになるんですが、こっからグダグダがピークに達します。99岡村は結局釈放されず、キョンキョンは羽田に行きたいといって見たり、旧湾岸署に行きたいといってみたり支離滅裂です。そしてついに来る本広監督・君塚さん究極コラボの集大成、、、なんと今回は白い服をきて携帯電話で掲示板に書き込むゾンビの群れw 君塚さんは本当にネットが嫌いなんですねw こういうコンプレックスむき出しのことするから笑われるって誰か教えてあげてw
キョンキョンはキョンキョンで実は目的は自殺して教祖として伝説になることだと告げます。だったら舌噛んで死ね。結局この一連の事件はすべて無意味なんですと。お~~~怖っw どうせ身柄確保するなら今度からは最初から確保しようね。なんで奥まで行かせたんだっていう、、、。

【まとめ】

私の2時間半を返せ~~~!!!!!!!!!!!
マジきっつい。
結局、犯人はネットゲーオタクと秋葉原に住むアニオタで、最後はネット喫茶に篭る20代前半の連中なわけですよ。いかにも君塚良一が嫌いそうな若者像そのものです.
最後にこれだけは突っ込まないといけません。これまたいつもどおり、湾岸署の連中は一度も活躍しませんw すべて犯人が勝手にペラペラしゃべってくれます。いいのか、それで、、、。「踊る大捜査線」っていうより「浮き足立つ大捜査線」って感じです。バタバタしてるだけで、結局なんにもやってませんから。
お勧めできる唯一のポイントは、深津絵里と内田有紀の可愛さでぐらいでしょうか。とはいえ、後者はバーニングがらみで水野美紀の代わりにブッキングされているので複雑です。
旧作のファンならば見に行くのは損ではないとは思いますが、正直こんな映画が興行収入で上にくるのはちょっと納得いきません。
ここまでの本年度ワーストは「板尾創路の脱獄王」だったんですが、ぶっちりで本作がエントリーです。おめでとうございますw しかもこれ続編映画の製作が決定してるんですよね、確か。恐ろしい。 なんで本広監督や君塚脚本家に仕事が行くのか理解に苦しみます。人気があるシリーズなんだから、せめて映画としてまともだったら全然問題ないんですけどね、、、。

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彼とわたしの漂流日記

彼とわたしの漂流日記

久々のレイトショーは

「彼とわたしの漂流日記(金氏漂流記)」を見てきました。

評価:(20/100点) – 「で、借金の件どうなった?」「シラネ(´・ω・`)」


【あらすじ】

2億ウォン(=1500万円)の借金を抱えて彼女にも捨てられたキムは、橋から漢江に身投げする。しかし彼は偶然助かり、パム島に打ち上げられてしまう。首を吊る根性もなく、泳げない彼は逃げることも出来ず、結局彼は無人島でのサバイバル生活を始める。
一方、学校を自主退学して引きこもりる”女”は、自室の窓からキムの姿を見て次第に共感を覚えていく、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> キムの身投げ。
 ※第1ターニングポイント -> キムが無人島で生きることを決意し、アヒルボートを寝床にする。
第2幕 -> キムと女とジャージャー麺
 ※第2ターニングポイント -> キムがジャージャー麺を食べる。
第3幕 -> 台風と結末。


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【感想】

今日は「彼とわたしの漂流日記」です。昨年の「韓国映画ショーケース2009」で上映していましたので、半年ぶりの日本公開となります。レディースデイもあってか、かなりおばさんを中心にお客さんが入っていました。
本作はジャンル的にはラブストーリー的な要素が強いコメディという括りになるかと思います。とはいえ非常にハリウッド的な構成をしていまして、ギャグは前半にまとめて叩き込んで置いて後半は比較的シリアスな展開になっていきます。ただ脚本は決して上手いわけではありません。
作中では2つのストーリーが並行して描かれます。一方は自殺しようとしたものの失敗したヘタレが開き直って自分の世界を作っていく話。もう一方は引きこもってネットで現実逃避していた女がサバイバルする男を見て他者とのコミュニケーションに意欲を出し始める話。
見ていて一番気になったのは、前者のキムが借金で自殺を決意しているのに、その件について最後まで解決せず「生きる意欲を取り戻す」というところまで行かないことです。キムは途中から「無人島での自分の城」に固執し始めるわけで、そういった意味では自殺願望はとっくに無くなってるんです。あの勢いなら、最後もやっぱり無人島になんとかして帰ろうとした方がしっくり来ます。ところが実際にはまた自殺願望がでてきて、女の事を気にするも別になにもしないという酷い状態です。本作の展開だと、結局キムはなんにも成長していないヘタレのまんまでしかないわけで、話としてはブレちゃってる様に思います。
女側についてもいわずもがなです。本作のタイトルである「金氏漂流記」というのは当然ダブルミーニングなわけで、話としては女が自分と同じく孤独なキムを見て「孤独な状況を楽しもうとしている逞しさ」に感化されていっているはずなんですが、なんか単に一目惚れしてストーキングしているようにしか見えませんw それというのも、かなり早い段階で女が外に出ちゃうからなんですね。それってクライマックス級にもっと引っ張ってもらわないと、、、。結局、最初っから別に引きこもってるように見えないんです。そもそも引きこもる理由も「顔の傷」以上の説明がないですし、ネット上で彼女がやってることはかなり悪質です。なので全然美談として乗れませんでした。
またこれは根本的な問題なのですが、全体を通してのギャグや起きている奇跡的なことがあまりにも漫画的であるため、リアリティレベルの問題が起きてしまって全体がまったく切迫した状況に思えません。だって台風が来ただけで警備隊が掃除にくるようなところで、夜中に焚き火してたら警察が来るでしょ?なんで三ヶ月もあんな無防備かつ悠々自適に無人島生活を満喫できたのでしょう? 全体が嘘っぽ過ぎます。なにせ、開始10分目くらいでアヒルボートをイカダみたいにして対岸に渡ればいいだけなんですから。

【まとめ】

前半のギャグは下品ながらそこそこ楽しめましたが、後半の携帯小説みたいなノリには正直ついて行けませんでした。とはいえあまり細かいことを気にせずに大枠だけざっくりと見ていればそれなりに楽しめるかも知れません。そこまで数は見ていませんが、日本に入ってくる韓国映画としては結構下の方だと思います。
よく思うんですが、日本映画の質がハリウッドや韓国映画より低いってことは無いです。すくなくとも上の方を見れば結構良い線行く映画はどこにもあります。ただ単に外国の糞映画は買い付けでふるいに掛けられて配給されないってだけです。そう考えると、ここまで微妙な韓国映画の日本配給っていうのも珍しいかも知れませんw

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ランデブー!

ランデブー!

見に行った私が悪いんですが、昨日から

「ランデブー!」で怒髪天を衝きすぎて困ってます。

評価:(1/100点) – あ、うん。エンタメって簡単だよね。キュートだよね。


【あらすじ】

女優志望のめぐるはオーディションに行く途中のお茶の水・聖橋の横で、落ちていた携帯電話を拾う。着信した携帯電話に出ると、相手は矢島という男であった。矢島に頼まれ携帯電話を一時的に預かることになっためぐるだったが、なぜか謎の男達に追われるハメになってしまう。

【三幕構成】

第1幕 -> めぐるが携帯電話を拾う。
 ※第1ターニングポイント -> めぐるが後楽園の事務所で男達に見つかる。
第2幕 -> めぐるの逃走。
 ※第2ターニングポイント -> めぐるがネットのニュースで男達が警察だと知る。
第3幕 -> ドームでの一幕


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【感想】

あまりの出来にシネクイントを出た直後にTwitter!で予告してしまいましたが、昨日は「ランデブー!」を見てきました。上映前に尾崎将也監督と木原浩勝さんのトークショーがありましたが、お客さんは10数名ほどでした。
もうTwitter!で触りの部分を書いてしまったので結論を言います。
この糞映画が!!!!! が! が! が!!!!!
あまりにも酷い出来に終始口あんぐりでした。破綻したストーリー。ダサいカメラワーク。場面のトーンにそぐわない音楽。学芸会という言葉すらヌルい大根役者達。商業映画とは思えないクオリティの低さ。どこをとっても褒めるところが見当たりません。
もし上映前のトークショーが無ければ監督1作目という言い訳に免じて見なかったことにしたんですが、ちょっとトークショーでハードルを上げまくっていたので怒りがこみ上げてきました。言ったこと出来てないし、映画を舐めないでくれますかね!?

前置き:トークショーの内容

まずはこの怒りをこのブログを読んでいただいている方と共有するには、トークショーを体験いただくのが不可欠です。ということで、私の速記によりますトークショーメモをざっとまとめてしまいます(笑)。場所は渋谷シネクイント。2010年5月20日の21時20分上映回の前に行われたトークショーです。興味ない方が多数かと思いますが、少々おつきあい下さい。


【ここからトークショー】
木原: ランデブーの中で船頭役をやった木原です。
尾崎: 木原さんは怪談・新耳袋の小説を書かれていて、新耳袋トークライブに
     客として参加したのが出会いです。
木原: 元々映画が好きなので、尾崎さんには前から映画やるなら出して欲しいと
     言ってました。僕の役って必要な役でしたよね?
尾崎: 元から居た役ですよ。何も言わないとプロデューサがエキストラに毛の生え
     た子を連れてくるので、それならと思って。
木原: 船頭になるために生まれてきたと言われました(笑)。ほぼ半日船の上で撮影
     したんですが、映画ではこんなもん(指をちょい開く)でした。監督は楽しそうでしたね?
尾崎: 映画において乗り物って大事です。この映画は車とか出ないし、映画的な乗り物を
     出したいと思ったらたまたま安く借りられたから、船にしました。
木原: 一番最初の作品に作家のすべてが詰まるとよく言いますが、初監督の尾崎さんは
     どこに「自分らしさ」が出てると思いますか?
尾崎: 一作目は「巻き込まれ型サスペンス」をやりたかったです。お金を掛けなくても
     そこそこ面白くなる
し、キュートな画を撮りたかったんです。
     脚本とかみてもあんまり全体が分からないから、キュートをキーワードにやってみようかなと。
     できたかどうかは映画を見てもらって、、、。
木原: ここがキュートだってポイントはありますか?
尾崎: 時間とお金に余裕があればもっと出来るけど、やってる間にそんな時間ないなって、、、。
     どれくらい出来てるかは見た人に判断してもらって、、、。
木原: 僕は携帯電話を取る時ですね。この音楽じゃないと拾わないなって。
尾崎: 音楽の川井さんには「とにかくピチカートで」って言ったんで。
木原: この映画を見に来てるんだから皆さん映画好きだと思うんですが、観客にとっては
     「私はコレを持って帰る」ってものを発見するのが映画の楽しみだと思います。
     この映画を見ていろいろ発見があったんです。みんな昭和を知らない世代の中で、
     川野君だけが昭和の香りですよね。彼の背負ってるものっていうのが一番興味があります。
     この子がやってることは僕らの焼き直しのようで、
     今の子に無いひたむきさがあって美しかった。
部屋の中の物には嘘をついて無いって感じがね。
尾崎: 川野君の役は30代のオッサンでも成立するんですよね。でもキュートな映画のためには
     若い子の方が良いかと思って。リアリティが無くなるリスクはあるけど、面白いでしょう。
木原: 僕もこの役はこの年齢で良いのかって思ってたけど、見てる内に「いいんだ」って思えてきました。
     お客さんを騙そうとおもって作ったものに自分が騙されてるみたいな「やっちまった」感じがすごい伝わった。
尾崎: ストーリーを追っていくという意味ではエンターテイメントなんで退屈せずに見れると思います。
     後は映画のタッチがどう転がっていくかで、、、。
木原: 映画を見終わった後なら二時間は監督を離さないですよ(笑)。プラモデルが好きな人が
     金型師にはなかなかならないんですが、映画が好きな人が映画の撮り手になることは良くあります。
     映画って長い長い夢の残存率があるのかな。尾崎さんのプロフィールを見ると
     疑問が湧くんですが、これだけテレビの脚本を書いてる人が何故今映画なんですか?
尾崎: たまたまですよ。たまたま脚本家として知名度があったんで、
     映画撮りたいって言ったらプロデューサに良いよって。時期はたまたまです。
木原: この映画は前から撮ろうと思ってました?
尾崎: いや。映画を作るって決まってから「キュート」って決めて考えました。
     予算が少ない中で何をやるかっていう選択で、パッとキュートって思いついたんです。
木原: ランデブーってあんまり使わないですよね?
尾崎: 最近は言わないね。昭和(笑)。
木原: 地道に日常が重なっていって巻き込まれる。スタジオジブリの初期に宮崎がよく
     「映画をつくるなら巻き込まれ型だ」って言ってました。
尾崎: テレビって介入型が多いから、映画ではそうじゃないことをやりたかった。
木原: 介入型って簡単ですもんね。「俺はこういう職業だ」って言えばそれでいいから。
尾崎: そろそろ時間だからまとめろって言われた(笑)。
木原: はい、では(笑)。今回は尾崎さんに巻き込まれて映画に関わったんで、
     今度は僕が関わる作品に尾崎さんを巻き込みます(笑)。
【ここまでトークショー】


本編:私の怒りを聞いてけれ。

え~皆さん上記のトークショーの内容をお読みいただけましたでしょうか? 完全に客観的なメモなので、誤訳・意訳は戸田奈津子さんより少ないと思います(笑)。
で、ですね。まずトークショーから伝わってくるのは、作品への自信のなさとエンタメを舐めきった姿勢です(苦笑)。「この作品は予算も時間も無かったから微妙かも」「見た人が判断してね」っていうのを繰り返してます。この辺りはきちんと自分の作品の酷さを自覚している正常な判断です。ところが、、、、どうしてもスルー出来ないことを言ってます。
「エンターテイメントなんで退屈せずに見れると思います。」
あのさ、、、、退屈しないエンターテイメントってすっごいハードル高いの分かってますか? ハッキリ言いますが、こちとら上映開始5秒後から退屈しっぱなしですよ(笑)!!!
まず、この作品は台詞回しが酷すぎます。全員が独り言を大声でつぶやいてるんですよ。会話シーンなのに会話になってないんです。「機能的な台詞」と言いましょうか、「物語を伝えるために必要な事柄を説明するためだけの台詞」しか出てきません。例えば友達と会話してるシーンでもまったく親しそうに見えません。それは互いに物語の要請からくる言葉しか発しないからです。尾崎さんの本業は脚本家なわけですから、台詞回しなんて最も得意じゃなきゃいけません。この時点ですごい「あれっ?」って感じがし始めました。まだ上映開始から40秒ぐらいです(笑)。
次に、この作品の演出の問題です。要は全部テレビのメソッドなんです。顔のどアップばっかりのカメラフレームや、最低限しかない舞台装置。そして日常世界から確実に浮いた「常識のずれた世界観」。全てがテレビ演出の方法です。映画を撮る以上は映画の文法を使って下さい。タイトルの出方や、そこから地下鉄シーンで流れるオープニングのクレジットダイアログなど、完全に舐め腐ってます。尾崎さんは2時間ドラマが撮りたかったの?
そして音楽のだささも気になります。これは年初の「板尾創路の脱獄王」でもありましたが、明るめなMIDIの打ち込みを暗いトーンの場面で流すってすっごいしょぼくてダサいです。ちなみにこれは川井さんの責任では無いと思います。すくなくとも彼の劇盤をやってらっしゃる他作品は良い音楽を作ってますし、あくまでもオーダーの問題です。
最後に、コレが根幹なんですが、「話の組み立て」がグダグダですしそもそも「巻き込まれ型」になってません。この話はめぐるが携帯電話を拾う所から始まります。でも、彼女にはその携帯を警察に渡すという選択肢もありましたし、そもそも道端に捨てる選択肢もあります。彼女が本当に追い詰められるのは、後楽園遊園地で名前がバレた瞬間だけです。あとは全て自分から巻き込まれに行っています(笑)。だから見ている間中、めぐるがキ○ガイにしか見えません。っていうかワールドクラスのバカ。彼女は、自分で判断したり自分で行動を起こさないため、まったくどうでも良いキャラクターなんです。感情移入がまったくできません。
これ以外の細かい所も本当に酷く、すべてがコメディ風のファンシーイメージで覆い尽くされて粗だらけです。
一応書いておきますと、これらのダメポイントは予算や時間の問題ではなく監督のセンスの問題です。だから事は簡単で、要は尾崎さんは映画にはむいてないってだけですよ。っていうか監督がむいてません。いろんな要素を統括して作品を作る能力の問題です。

【まとめ】

これですね、ちょっと扱いに困る作品なんです。というのも「良い所」が本当に1カ所もないため、やろうと思えば全場面の全台詞に突っ込みが入れられます。そして監督の映画を舐めた姿勢。この怒りをどうすればいいんでしょう(苦笑)。とりあえずですね、もし1800円をドブに捨ててもいい方は一度見てみて下さい。ある意味すごい実験映画だと思います。「見た人が判断して」という尾崎監督のお言葉に次の言葉をお返しいたします。
く・そ・え・い・が・!

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