ハンナ

ハンナ

今日も2本見て来ました。1本目は

ハンナ」です。

評価:(65/100点) – ニキータっぽいのかとおもいきや意外と淡々。


【あらすじ】

ハンナは人里離れた雪の森で父親に育てられた。世間から隔離された環境の中で彼女は父から格闘術や暗殺術をしこまれる。ある日、父は無線機を出して「このスイッチをいれればここから出て行ける。そのかわりマリッサを殺すかマリッサに殺されるかしなければ自由はなくなる。」と告げられる。迷った末にスイッチを入れるハンナだったが、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ハンナの森での暮らし。
 ※第1ターニングポイント -> ハンナがCIAに捕まる。
第2幕 -> ハンナのベルリンへの旅。
 ※第2ターニングポイント -> ハンナがベルリンへ到着する。
第3幕 -> ハンナの出生の秘密


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【感想】

今日も今日とて2本見てきました。1本目は少女暗殺者ものの「ハンナ」です。ジャンルとしてはアクション映画だと思うんですが、小箱ながら客席は完全に満員でした。学生の夏休み最後の土日だからなのか作品人気だからなのか、ちょっとビックリしました。
本作品は少女がなんらかの組織に暗殺者として育てられる、、、というある種のジャンル映画です。このジャンルのパイオニアはリュック・ベッソンの「ニキータ(1990)」で、その後似たような設定の作品が映画のみならずアニメや漫画でも溢れかえりました。このジャンルでは「世間知らずだけれども暗殺術・格闘術に関しては超一級」という少女と普通の少年・少女とのカルチャーギャップコメディを混ぜつつも最終的には普通の少女になったりやっぱり暗殺者に戻ったりします。
では本作はどうかといいますと、、、シアーシャ・ローナンもエリック・バナもケイト・ブランシェットも魅力的ではあるんですが、どうにもいまいち淡々とした印象をうけます。一番の理由はハンナがあんまり「普通の女の子」になろうとしないことです。この手のジャンルものですと通常は途中で「普通の女の子」としての楽しみを知ってそれに憧れる過程があるのですが、本作ではずっと無表情でいまいち笑いません。唯一出てくるのが道中で出会うソフィーとの友情物語です。ですが、肝心の場面でハンナが助けにいかなかったりするので、ハンナにとってどこまで重要なのかあんまりわかりません。そうすると、ハンナが本当に不思議ちゃんにしか見えなくなってしまうので微妙に盛り上がりに欠けます。
一応本作のストーリー構造上は、「何も知らなかったハンナがソフィーと出会って友情を知るけど出生の秘密を知ることで再び暗殺者の顔にもどる」という形にはなっています。もっと思い切って中盤でハンナがキャピキャピしちゃっても良かったかなと思います。
そして肝心のアクションシーンですが、こちらはエリック・バナが面白さの大部分を牽引しています。とにかくエリック・バナ演じる父ちゃんが最高に渋くて最高に格好いいです。細身のスーツでビシっと決めながら相手をぶち殺していく姿は本当にキマっています。一方のシアーシャ・ローナンも負けじとかなり頑張っています。1対1で正面きっての戦いこそないものの、結構あいてを”こねる”動きが出来ていてかなり素質を感じました。
ただ、このアクションシーンでも実は一点だけどうしても惜しいところがあります。鉄砲にしても矢にしてもナイフにしても拷問にしても、肝心の「死ぬ瞬間」が映らないんです。相手に当たるところはカメラが別の方向を向いていてその後に死んでいる人だったりが「結果」として映ります。おそらく年齢制限を回避するためだとおもいますが、せっかくのアクション映画で肝心の所を隠してしまうのはちょっと残念でした。これもやっぱり全編通して淡々とした印象をあたえてしまう一因だとおもいます。
とかなんとかいいつつも、Wデートのシーンは本当に最高です。このシーンの腰払いだけで100点!!! そこだけって話もありますけど、、、、。

【まとめ】

シアーシャ・ローナンのアイドル性がいまいち伝わらなかった大変惜しい作品だと思います。でもシアーシャとケイト・ブランシェットが役者のタイプとして本当にそっくりというのは良い発見でした。
あんまり積極的にオススメするほどでもないかなとはおもいますが、ジャンルムービーとしては十分に及第点の出来です。やっぱり最後に天丼ギャグで”ドーン”ってタイトルが出るとテンション上がりますしね。何を見るか迷ったらおすすめです。

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七つまでは神のうち

七つまでは神のうち

先週土曜の2本目は

七つまでは神のうち」を見てきました。

評価:(70/100点) – モンスターホラーかと思いきやサスペンスでやっぱ心霊かと思ったらビジランテ映画だけどオバケ。


【あらすじ】

まゆは父と共に寡黙に教会に通い続けていた。ある日教会からの帰り道、いつものようにビデオレンタル店を出たところでまゆは不審なワゴンとその中に目隠しで縛られた少女を見かけてしまう。犯罪のにおいをかぎつけたまゆは父とともにワゴンを追跡する、、、。
一方、売り出し中の女優・さおりは廃校でのロケの後で一人取り残されてしまう。仕方無く校舎で一夜を過ごそうと中に入るさおりだったが、、、。
 


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【感想】

さて、先週の土曜の2本目は三宅隆太監督の最新作「七つまでは神のうち」です。TOHOシネマズ川崎で舞台挨拶直後の回にいきましたら、あんまり人がいませんでした。本当は舞台挨拶をみようとおもったんですがそちらはほぼ一杯で端っこしか残っていませんでした。スターダストのアイドルパワーおそるべしです。
本作は大変説明に困る作品です。というのも本作は15分に一回くらいジャンルが変わるからです。作品全体はちょっとした短編っぽいエピソードが繋がりながら事件の全貌が徐々にあきらかになるようなサスペンス調の構成をしています。神隠しっぽいエピソードと胡散臭いマメ知識の後、本作は偶然見かけた誘拐犯を追う少女の話になります。かとおもいきや、、、、と言う風に進んで行きます。一見関係の無いように見えるエピソードなのにだんだんに登場人物や地名が重なってきて、そうするとどんどん良い奴と悪い奴がひっくり返っていって、最後はすっごいイヤ~~~~~な気分になって帰るという、、、、、ね(苦笑)。本当後味悪いんですよ。「あれ?あたしゃこの子を応援してたはずじゃ、、、」みたいな。しかも後半はあからさまにスキモノを狙った映画パロディが続きます。「ダークナイト」のハービーデントから「オーメン」の神父のアレにつながり、最後はトリッキーに「リミット」っていうか「新・ヒッチコック劇場」の「最終脱獄計画」に落とすという、、、、ね(苦笑)。
という感じでして、本作は良くも悪くもオタク向けのジャンル映画です。こういったB級ホラーが好きだという前提で、かつそこそこ映画も見ていてある程度文法の知識があって、それでいて「どうせこうなったらこうだろ」みたいなひねた見方に慣れている人向けです。つまり私w
逆に言うとですね、映画の文法であったりお約束であったり過去作の展開であったり、そういう背景を持っていない人が見ると、おそらくこれは物凄くつまらないように見えると思います。というのも、結構その場その場のトリッキーな展開を優先しているため、終わってから振り返ってみるとすごく変なエピソードの繋ぎ方をしているんです。
基本的には「あ~いつものあれか」→「ん?ちがう???」→「え~~!?そっち(苦笑)」という展開の積み重ねなので、この「いつものあれか」が思い浮かぶかどうかが本作の全てです。「いつものあれか」が浮かばないと当然次の「え~~~!?」に行かないので、全然盛り上がらないばかりか訳の分からない方向に場当たり的に向かうヘンテコな映画に見えてしまいます。まぁ、タイトルとポスターとスターダストピクチャーズのロゴで十分に「一見さんお断り」になってるとは思いますが、そうとう人を選ぶというのは念頭に置いて見に行かれた方が良いと思います。

【まとめ】

個人的には久々に当たりなJホラーでした。Jホラーかはよく分からないですけどw 日南響子がホラークイーンとして最高に良かったです。なにより2エピソード目の家庭教師のやつとか本当に嫌w まじで嫌。
ちょろっと後半のパロディの話を書きましたが、後半も後半、というか最後のエンドロールで流れる日南さんが歌うエンディングテーマはGacktの「Metamorphoze~メタモルフォーゼ~」とコード進行が同じです。「Metamorphoze~メタモルフォーゼ~」は2005年公開の映画「機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-」のエンディングテーマです。いちいちパロディする作品がスキモノすぎw
あんまり大きな声では言えませんがオススメです。

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シャンハイ

シャンハイ

先週の土曜日は新作を2本見てきました。一本目は

「シャンハイ」です。

評価:(55/100点) – 歴史ロマンかと思いきやB級ロマンティック・サスペンス


【あらすじ】

太平洋戦争前夜、米海軍・特殊工作員のポールは同僚で親友のコナーが殺された事件を捜査するためシャンハイへと降り立った。コナーは対日本の特殊工作員としてシャンハイに在留する日本軍の捜査をしていたのだ。ポールは捜査をする内にシャンハイの実力者アンソニー・ランティンとその妻アンナと出会う、、、。


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【感想】

先週の木曜日は米映画「シャンハイ」を見てきました。渡辺謙と菊地凛子が宣伝で全面に出ていますが、バリバリのアメリカ映画です。宣伝の割には小箱だったので、そこそこ人は入っていました。客入りの間、ギャガの話題作恒例で宣伝部が大挙して下見に来ていましたが、これだけ入っていれば上等では無いでしょうか。

映画の概要

本作は制作費40億程度で主要登場人物が4人だけの非常に小規模なサスペンス映画です。
舞台は太平洋戦争直前のシャンハイ。話は主人公ポールが親友コナーの殺された事件を捜査するためシャンハイに来る所からはじまり、やがて中国人の破壊工作員と日本軍との抗争に巻き込まれていきます。
基本的にはよくある「エキゾチック・ロマンス」系の作品です。つまり、欧米人が”良く分からない未開の地”を訪れそこでなんとなくそれっぽいエキゾチックな事件に巻き込まれつつ現地の美女とイチャイチャする類の作品です。このジャンルの代表格はもちろんみんなが大好きな「007」シリーズです。今回もやってること自体は「主人公があんまり活躍しない007」です。形式上は「介入型サスペンス(※自主的に主人公が捜査をするサスペンス)」の体裁を使ってはいますが、実際にはジョン・キューザックの困り顔と相まってかなり巻き込まれているような印象を受けます。この巻き込まれる・状況に流される感じが本作に強烈なB級ロマンスっぽさを与えています。捜査官とはいえポールは最初から最後まで後手後手にまわってしまい事件は勝手に解決しますし、何より政治情勢に対してあんまり役にたっていません。というかテロリストに荷担してますけど、、、いいんでしょうか。
歴史ものとしてみると時代考証はかなり適当ですし中国政府が撮影協力してる時点で「お察し下さい」というレベルになっていますが、ロマンス作品としては丁度良い湯加減です。あくまでもロマンス要素がメインでサスペンスはとってつけたようなオマケですのであんまり細かく突っ込んでも仕方がないかなとは思います。「ロシアより愛をこめて」のソ連の描き方とか、「007は2度死ぬ」でタイガー田中はちょっと、、、というのと一緒ですので(苦笑)。まさかこれを見て「シャンハイってこんなだったのか」とか思う人はいないと思うので。興味がある方は上海租界について本がいっぱい出てますので図書館で探してみて下さい。
前半のロマンス部分を牽引していたドイツ人の女友達・レニが中盤以降まったく出て来なくなったり(スパイがバレて別れた?)、かと思いきやそもそもポールが上海に来た根本の理由もよくわからなくなっていきますし、話はどんどん甘い方向に流れていきます。でも、細かい所を気にしないで見ていればそれなりに楽しめるかと思います。このレベルならテレビドラマで十分という話もありますけどw

【まとめ】

本作は「アメリカ人がエキゾチックな国で一夏のバカンスよろしく調子に乗る話」として結構良くできているとおもいます。こういう娯楽に大きく振ったB級サスペンスは話のアレな所も含めて楽しめます。ちょくちょく歴史描写で引っ掛かる部分はあるのですが、概ね楽しい100分でした。この100分っていうのも作品内容にあった丁度良いサイズです。
とりあえず、そこまで見たい作品が無くてフラっと寄るぐらいの感覚が一番合っているのではないでしょうか。オススメです。

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デビルクエスト

デビルクエスト

木曜日はもうすぐ公開終了で滑り込み!

「デビルクエスト(原題:Season of the Witch)」を見ました。

評価:(75/100点) – ニコラス兄貴、相変わらず良い湯加減です!!!


【あらすじ】

時は14世紀。十字軍の歴戦の勇者ベイマンと相方のフェルソンは、神の名の元に女子供を殺すことに嫌気がさして脱走する。
それから2ヶ月。故郷のドイツを目指して旅をする途中、彼らはとある城下町による。そこではペストが蔓延しており、人口の3分の2が命をおとしていた。ひょんなことから脱走兵として捕まってしまった2人は、罪を消すのと引き換えにペストを起こしたとされる魔女の護送を依頼される。こうして神父と道案内役の詐欺師と騎士を加えた5人の珍道中が始まった、、、。

【三幕構成】

第一幕 -> 十字軍での活躍と脱走。
※第1ターニングポイント -> 魔女の護送の依頼を受ける。
第二幕 -> 教会への旅
※第2ターニングポイント -> 教会につき、女の正体が明らかになる。
第三幕 -> 決戦。


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【感想】

先週の木曜日は角川シネマ有楽町で「デビルクエスト」を見て来ました。平日の昼間ですし公開後一ヶ月たっていますが、意外と観客が入っていました。とはいえ明らかにサラリーマンな方が多く、外回り中にサボって涼みに来てるだけじゃないかという気もしましたw
アメリカではボロカスに酷評されてすでに無かったことになっている本作ですが、私は全面的に擁護します。だって、ニコラス兄貴がフサフサで悪魔をぶち殺しまくるなんて、最高じゃないですか!

だって中世オカルトファンタジーって楽しいじゃん。

本作は「魔女を護送するうちに段々価値観がゆらいでくるかも、、、」みたいな所をサスペンスで見せてきます。冒頭からしていきなり魔女狩りのいや~なシーンを見せつつも「え!本当の魔女かよ!!」という転換でどっきりさせてきます。この冒頭5分のシーンで、この作品の世界には魔女が実際にいるんだというのをハッキリと見せてくるんです。ところが、メインストーリーがはじまると、やっぱり魔女だって言われている女の子は明らかに聖職者に虐待を受けていて、そしてどっからどうみても可哀想なわけです。それが話しが進むうちに段々と違和感を感じるようになってきて、遂には、、、、というあたりから、本作は怒涛の大スペクタル・オカルト・アクションになって行きます。「おまえ、最初から一人で行けよ。」みたいな根本的なツッコミだったり、「そもそも聖水ぐらい城にもあるだろ」みたいなツッコミを吹き飛ばすほど、ワクワク楽しい大カルトアクションにテンション最高潮です!!!暑さで頭がヤラれてるだけという話しもありますが(苦笑)
だって、中世ヨーロッパを舞台にするだけでプラス30点でしょ。そんでもって悪魔だ魔女だゾンビだで、これまた20点プラスでしょ。さらにはアクション要素で20点。ほら、これだけで70点じゃん。そんでもってストーリーの5点を足せば、ほら75点。良作!!!!

【まとめ】

多くを期待して行くのはやめたほうが良いですが、オカルトアクションとしては十分に及第点だと思います。フサフサなニコラス兄貴が髪を振り乱して悪魔やゾンビをぶちのめして行くんですよ!!! ほら、見たくなってきたでしょう? テンション上がってきたでしょう!! 男の子なら当たり前!! オススメです!!!

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赤い珊瑚礁 オープンウォーター

赤い珊瑚礁 オープンウォーター

先週の火曜日は

「赤い珊瑚礁 オープンウォーター」を観てきました。

評価:(20/100点) – あれ? サメちゃん一匹だけ?


【あらすじ】

オーストラリアでクルーザーの買い付けをおこなっているルークは、親友のマットとその恋人スージーを夏のバカンスに招待した.。マットの妹でルークの元カノのケイトも一緒だ。初めはぎこちなかったルークとケイトだったが、だんだんと元の関係を取り戻して行く。そんな時、彼らの乗ったクルーザーが珊瑚礁に乗り上げて座礁してしまう。引っくり返ったクルーザーの上でなす術も無い一行は、近くの島を目指して泳ぐことにする。しかし、その海域はサメが出ることで有名だった、、、。

【三幕構成】

第一幕 -> クルーザーでのバカンス
※第1ターニングポイント -> クルーザーが座礁する。
第二幕 -> 終わらない遠泳とサメの出現
※第2ターニングポイント -> 残り二人になる
第三幕 -> 浮島への決死の泳ぎ


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【感想】

さて、先週の火曜日は「赤い珊瑚礁 オープンウォーター」を見てきました。公開直後でしたが、あんまり観客は入っておらず、なんかパニック映画の割には客席の温度は微妙な感じでした。
本作は1983年に実際にあった事件を元にしています。元にはしていますが、基本的には「転覆しかけたボートから泳いで逃げるうちに仲間がサメに襲われる」という大枠だけで、基本は創作ストーリーです。
本作はいわゆるモンスターパニックホラーにあたります。「グリズリー」とか「ジョーズ」とか、それこそ今度公開される「ピラニア3D」とかの同系統です。実在の動物が超大きかったりまたは超大量だったりして人間を襲うジャンルです。今回はそれがサメなわけですが、、、どうにもあんまり歯切れが良く無いと言いますか、ジャンル映画なのにカタルシスがありません。
というのもですね、本作では登場人物たちはずっと海の中で泳いだり浮かんでいるだけで武器もロクにもっていないので、ただただ逃げるしか無いんです。しかも相手は海が主戦場のサメですから、当然泳いで逃げられるわけでもないんです。そうすると、これはただただパニックになっているのを見るだけになってしまって、ものすごい単調になっちゃうんです。
ちょっと泳ぐ→サメの気配がする→パニックになる→気のせいでしたor本当にサメで襲われました
ずっとこれを繰り返しで見せられるわけで、そこには対処も何もあったもんじゃないんです。
じゃあその襲われるシーンが楽しいのかというと、これまた微妙な感じで目が泳いでしまいます。だって普通サイズのサメちゃんが一匹出てくるだけなんですもの。しかも明らかに海洋記録映像を使っていて、サメと人間が同じカメラフレームの中に収まらないんです。かなり低予算です。
実際に実話を元にはしているんですが、あまりにも低予算な雰囲気かつ盛り上がりがないため、すごくテレビの再現映像を見ているような気持ちになってきちゃいます。

【まとめ】

なんと言いますか、消化不良というかあんまり映画を見た気がしなくてちょっと残念でした。せめてなんかしら対処法を発見したりとか、なんかしら殺される順番に因果関係があったりするとよかったんですが、非常に順当かつ面白みもなく話しが進んでしまいました。来たる「ピラニア3D」に向けてテンションを上げるつもりで見に行ったんですが、残念ながら類似商法的な買い付け以上ではなさそうです。
あとですね、どうしてもこれだけは言いたいのです。予告で「その海、サメだらけ!」っていうのは本当だけど嘘。海自体にはサメだらけだけど、映画に登場するのは一匹だけです!!! 紛らわしい、いくない!
オーストラリアに憧れる方に現実を知らしめる意味でおすすめです。海さ、怖いとこだべ。

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ツリー・オブ・ライフ(解説こみ)

ツリー・オブ・ライフ(解説こみ)

先週末の2本目は

ツリー・オブ・ライフ」でした。

評価:(65/100点) – 正論すぎるので賞でもあげとくしかないっす。


【あらすじ】

ジャックは憂鬱の中で出社し、気も虚ろで部下の話も耳に入らない中、母や父や兄弟の事を思い出す、、、。


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【感想】

さて、先週末に見た2本目はカンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞作「ツリー・オブ・ライフ」です。テレビCMや劇場予告でも「親子の確執」みたいなキャッチーな所を大クローズアップしているからなのか、かなりお客さんが入っていました。配給のディズニーとしては「一本釣り大成功!!!」って感じでしょうか、、、。
え~~~ここからはどうしても宗教的な話が出てきますので、未見の方、キリスト教がどうしても嫌な方、爽快なハリウッド映画を見たい方はご遠慮下さい。ネタバレも何もない映画ですが、どうしても話を解説していくと核心部分に触れてしまいます。そこはご容赦を。

本作を読み解くキーワードにあたって。

この作品には分かりやすいノスタルジックな描写にまじって、一見わけの分からない観念的な絵や、なによりいきなり恐竜がでてきたりします。作品自体は肝のところさえ押さえていればそんなに難しい話ではないのですが、監督の嫌がらせみたいな場面転換で混乱してしまう方も居るかと思います。まずは本作で実際に劇中にでてくるキーワードを元に、作品の概要を見ていきましょう。
また本作は全編を通して完全に宗教映画です。キリスト教の価値観ありきで話がすすんでいきますので、以後かなり宗教色が強い読み解きになってしまうことをお詫びします。
ちなみに私の感想だけを書くとたった40文字で終わるので只のブログ記事水増しともいいますw 一応私は無宗教ですのであしからず。

キーワードその1:ヨブ記38章4節~7節

さて、いきなり小難しいキーワードが出てきましたw 「ヨブ記38章4節~7節」。旧約聖書です。このヨブ記38章4節から7節が映画の冒頭でいきなりドカっと表示されます。映画の冒頭にモノローグや有名な格言・本の引用が出てきた場合、それは間違いなく映画のド根本的なテーマです。ただ、そんな何の準備もなくいきなり旧約聖書が表示されたりしたら、困っちゃいます。ということでプレイバックです。

38:4 Where were you when I laid the earth’s foundation? Tell me, if you understand.
38:5 Who marked off its dimensions? Surely you know! Who stretched a measuring line across it?
38:6 On what were its footings set, or who laid its cornerstone
38:7 while the morning stars sang together and all the angels shouted for joy?

わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。あなたに悟ることができるなら、告げてみよ。
あなたは知っているか。だれがその大きさを定め、だれが測りなわをその上に張ったかを。
その台座は何の上にはめ込まれたか。その隅の石はだれが据えたか。
そのとき、明けの星々が共に喜び歌い、神の子たちはみな喜び叫んだ。

ヨブ記は敬虔な信者・ヨブが悪魔からの試練を受けるという話です。そしてその試練の後、「おれどうすっぺ」と迷い始めたヨブに、神は遂に語りかけます。それが上記の38章です。ものすごい乱暴にいうならば、これは「おまえら人間が何をわかってるっていうんじゃ。わしは人間の外の世界もちゃんと知ってるんだぞ。調子に乗るなよ。(by 主)」ってな具合です。敬虔なユダヤ教信者の方々すみません。
つまりここで提示されるテーマというのは、「人間なんてのは所詮ちっぽけであり、大局である神の計画の前には翻弄されるんだ」「だけれども、人間は神の作った世界で神の祝福を受けて生きているんだ」という事です。これは劇中でもう一度別の言葉で表現されます。それは次男の死を悲しむジャックの母が掛けられる言葉です。「神は全てを与え、全てを奪う」。つまり神様の行いっていうのは人間がコントロールできるようなモノではないし不条理だけどそれは仕方無いんだってことです。これが第一のキーワードです。
作中に出てくる地球が出来るところや恐竜のシーンはこの「人間のコントロールの外側の世界」を表現しているわけです。「わたしが地の基を定めたとき、あなたはどこにいたのか。」というのをそのまんまでCG映像化するという、、、律儀です。

キーワードその2:「生き方には二つある。世俗に生きるか、神に委ねるか、どちらか選ばなくては」

さて、つづいてのキーワードはこれまた映画の冒頭にでてくるモノローグです。劇場版予告でも流れていますので印象に残っている方もおおいかとおもいます。これは訳がアレなので、英語のセリフそのままで見てみましょう。

there are two ways through life …
the way of Nature…
and the way of Grace.
You have to choose which one you’ll follow.

直訳:
人生には2通りの生き方がある。
“ネイチャーの生き方”か”グレイスの生き方”か。
どちらに従うかを、あなたは選ばなければいけません。

本作は「the way of Nature」と「the way of Grace」の対立概念の話です。
え~これが非常にめんどくさいです。この「ネイチャー」を「大自然」と訳してしまうと全く正反対なことになってしまいますので。この「ネイチャー」は神学的な意味での「自然な状態」つまり「神様への信仰・神様からの愛を受けていない野蛮な状態」を表しています。そして一方の「グレイス」。これはそのまま「神様の祝福を受けている状態」です。ですので、これはそんなに小難しく考えずに、「キリスト教をあんまり信じていない人生」「キリスト教をちゃんと信じている人生」ぐらいに捉えていただけると大丈夫です。前者はこの世の生活を重視しますので、地位や名誉、金を重要視します。一方の後者は死んだ後で天国に行くことが大切ですから、周りの人に優しくしますし徳高く清貧に生きるわけです。人間の生き方はこの2つの内のどちらかだって言うんです。
こちらが本作の大テーマです。

結局どういう話よ。

とまぁ以上2つのテーマを頭に入れて映画を見ると、この映画は滅茶苦茶分かりやすいです。逆に言うとちゃんとテーマを冒頭で要約してから話が始まるので、大変親切ともいえます。
本作では、まずはフックとして冒頭で子供の頃のちょっとした思い出、そして弟が若いときに死んだことが語られます。そこからショーン・ペンがちょっとだけ出てきて、開始30分で問題の第2幕、つまり地球誕生と恐竜の話が始まります。なんやかんやあって子供の頃の思い出話が終わった後、再びショーン・ペンに画面が戻ってきてすごい晴れやかな顔をしてエレベーターを下りて映画が終わります。

この映画はあくまでも最初と最後に出てくるジャック(ショーン・ペン)の話であり、中盤は彼がひたすら神に語りかけるモノローグと思い出で埋まります。そしてこの思い出を最後まで見ると、つまりこれは信仰についての話だったのだと分かります。

ジャックは(おそらく母が死んだことで)憂鬱に囚われてしまい、頭がぼっーとして超高層ビルのいかにも大会社なオフィスで昔の事を思い出します。その中で彼はいかに母親が信仰心に満ちて優しい人だったか、そしていかに父が金や名誉を重視したことで悲しい人生を歩んでしまったのかを思い出します。彼は母親よりは父親に似ており、自身も信仰よりは金や名誉を重視して社会的な地位を築いてきました。だけれども、妙に空しい。彼は信仰の大切さに気づいて外に出ます。するとそこには晴れやかで明るい世界が待っていたのでした。神様バンザーい!!! 人生は美しい!!!! いぇーい!!!!

感想。

さて私の感想を40文字で書きたいと思います!!!
正しいかどうかで言えば圧倒的に正しいけど、面白いかどうかで言えば面白くは無い。
だって説教臭いし、、、、だって別にキリスト教信者じゃないし、、、っていうかキリスト教的な意味で信心がゼロな今でも十分に人生楽しいですけど、、、。仕事ばっかりの人生に空しくなったんなら趣味でも作れば、、、。

【まとめ】

というわけで、小難しい割には大変分かりやすい教育的で道徳的な内容の映画でした。キリスト教文化圏でなら絶賛されてもいいかなと思いますし、確かにこれを持ってこられたらグランプリぐらいは”差し出して”おかないと後からその筋からの圧力が大変そうです。なので、熱心なキリスト教信者の方は当然見に行くべきですし、なんならミッション系の学校なら神学の時間に授業で流しても良いのではないでしょうか? でもあんまり世間一般にはオススメしません。だって、、、、、、言ってしまえばこれは宗教の勧誘みたいなものですから。「信じる者は救われる」っていう類の映画です。一応メジャーなキリスト教だからギリギリセーフですけど、これがもしカルト系だったりとかしたらいつものアレな映画になっちゃいますし。
そういう意味ではテレンス・マリックが最初メル・ギブソンにオファーを出したのは大正解です。彼なら下手すれば私財を投じてやってくれそうです。
オススメ、、、しないと駄目ですかね、、、駄目ですよね、、、うん。オススメです!!!!!!!!!!
※私は一応幼稚園の時はミッション系で毎週ミサだの聖書読書会だのやらされていましたが、基本はズブのど素人です。軽めの文体でヨブ記をまとめたことで気を悪くされるような事がございましたら、ユダヤ教の方々には謹んでお詫び申し上げます。

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メカニック

メカニック

ようやく追いついてきました。先週末は

「メカニック」を観てきました。

(60/100点) – セガールの後継者はステイサムで決まり!


【あらすじ】

アーサーは凄腕の殺し屋である。彼は証拠を一切残さずに事故死や病死に見せかけるその手腕から、「メカニック」と呼ばれていた。
ある日、彼は依頼人のディーンから旧来の友人でありエージェントでもあるハリーの暗殺を依頼される。なんでもハリーの裏切りによってディーンの部隊が全滅したというのだ。
そんなこんなで泣く泣く親友を殺したアーサーの元に、ハリーの忘れ形見のドラ息子が転がり込んでくる。

【三幕構成】

第一幕 -> ハリーの殺害と息子スティーブ。
※第1ターニングポイント -> スティーブがアーサーの弟子になる。
第二幕 -> スティーブの仕事っぷり。
※第2ターニングポイント -> アーサーが空港で真相を知る。
第三幕 -> 復讐。


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【感想】

さて、先週末の日曜日はジェイソン・ステイサム主演の最新作「メカニック」です。公開二日目の夜の回でしたが結構人が入っていて驚きました。しかも中年ヤンキーっぽいガラの悪いカップルが多く、すごく”ガツガツ”した劇場の空気が印象的でした。
監督はサイモン・ウェスト。アンジーの「トゥームレイダー(2001)」や「コンエアー(1997)」でお馴染みの監督ですが、「エクスペンダブルズ2」を今撮影している人と言った方が収まりが良いかもしれませんw

バカ・アクション映画の到達点はセガールなのか?という疑惑。

本作は盟友であり親友を殺すように嵌められてしまった男の復讐劇です。出会った敵は全員瞬殺。ひたすら敵を倒し続け、爽快かつ危な気なくぶちのめして行く。これだけ聞くと誰がどう見てもテレビ東京の「午後のロードショー」でお馴染みのセガール映画です。そして、本作はモロにセガール映画のフォーマットを使っています。

だいたいのセガールの映画は、仲間が殺されるか知人の娘が誘拐されるかして話しが始まります。そして真相を探るうちに、巨大犯罪組織や裏切り者の陰謀が明らかになり、一直線でラスボスをぶっ殺しに行くというわけです。
これはある種の”型”として成立していまして、例えば「96時間(2009)」や「パリより愛を込めて(2010)」とか、本作と同じジェイソン・ステイサムの「アドレナリン(2006)」シリーズも似たようなものです。おっ、、、挙げたのがヨーロッパ・コープ作品ばっかり(笑)

本作のジェイソン・ステイサムはいままでの作品にあるような下ネタやコメディテイストをほとんど無くして、終始しかめっ面をしながら相手をぶちのめして行くというセガールそのもののキャラを演じています。

話しの破綻? そんなものは小物が気にすることだ!!!。

本作は話しが破綻しまくっています。何故かダメ人間でニートのスティーブは精鋭暗殺者3名を瞬殺するくらい驚異的なコマンドー力を発揮しますし、わりと有名っぽい凄腕の殺し屋も簡単に殺してしまいます。最初から強すぎるんですよ。でもそんなのどうでも良いんです。
そりゃあね、最後なんてツッコミどころしかないですよ。なんでそのレコードを手に取るってわかるんだとか、そもそも音楽かけっぱなしでドライブに行くことを予測できるわけないだろとか。でもそんなのどうでも良いんです。
死んだはずのエージェントを偶然空港で見かけるって、いくらなんでもエージェントが迂闊すぎるだろとか、整形しないのかとか、変なことは一杯あります。でもそんなのどうでも良いんです。
本作は話しの破綻をカバーするぐらいとにかく爽快でとにかく豪快で、そしてとにかく頭が悪いんですw だから、この映画を80年代アクション映画好きの人以外が見に行ったら、間違いなく呆れて口が閉じないと思います。
でも、これはこういうジャンルの映画なんで、勘弁してください。
だって、ジェイソン・ステイサムが格好良いし、爆発いっぱいするし、危な気なく大活躍するし、最高じゃないですか!!!

【まとめ】

これは私たち中学20年生のための夏休み映画です。ありがとうサイモン・ウェスト。ありがとうジェイソン・ステイサム。そしてありがとうショウゲート。もう60点満点中60点です! オススメで~~~~す!!!!!(←適当)

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記事の評価
モールス

モールス

8月の一本目は「ぼくのエリ(原題:Let the Right One In)」のハリウッドリメイク作品、

「モールス」でした。

評価:(40/100点) – まぁ、、、、いつもの完コピ・リメイクですわ、、、。


【あらすじ】

登場人物の名前以外は「ぼくのエリ」とほぼ一緒。
※ 「ぼくのエリ」のあらすじはこちらで


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【感想】

8月の1本目は「モールス」でした。スウェーデンの大傑作ヴァンパイア映画「ぼくのエリ」のハリウッドリメイクです。監督はクローバーフィールドのマット・リーヴス。J・J・エイブラムスの盟友で、どちらかというと手堅くオーダーどおりに忠実かつ無難に仕事をする職人タイプの監督です。
今回は「ぼくのエリ」を直前に見直さずに「モールス」を見に行きました。そうしたらですね、正直な話、あんまり違いが分からなかったんです。違いで気になったのは、所々で人が死んだりする描写がやけに温くなっているというか、隠す方向に演出が向いている部分です。言い方が悪いですが、ものすごいパチモノっぽく感じてしまったんです。オリジナル版が傑作すぎるので仕方が無いのかも知れませんが、ホラームービーとしての要素が減ってより普通のラブストーリーになっちゃたように感じました。
そういや今回のリメイク版にあるトーマス(オリジナルで言うホーカン)が最後に血を集めに行くところのドタバタコメディはオリジナルには無かった気がします。オリジナルって確か夜の学校に忍び込んで殺そうとしたら反撃をくらって更衣室だかに追い込まれちゃってみたいな流れだった記憶が、、、。
後はなんと言っても舞台となったあのスウェーデン特有の重苦しい閉塞感がごっそりなくなって単なるアメリカの片田舎っぽくなってる部分が気になります。
こういったコメディ要素だったり舞台だったりっていうのが積み重なって、本作はオリジナルよりもかなり”軽く”感じてしまいます。
逆に言えば、今回の作品の方が見易いかもしれません。
基本は字幕が苦手なアメリカ人向けの完コピ作品ですので、あんまり見なくてもよいかなと思います。というかおとなしくオリジナル版を見た方が絶対良いです。
オリジナル版をこそ、おすすめします。

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