シャンハイ

シャンハイ

先週の土曜日は新作を2本見てきました。一本目は

「シャンハイ」です。

評価:(55/100点) – 歴史ロマンかと思いきやB級ロマンティック・サスペンス


【あらすじ】

太平洋戦争前夜、米海軍・特殊工作員のポールは同僚で親友のコナーが殺された事件を捜査するためシャンハイへと降り立った。コナーは対日本の特殊工作員としてシャンハイに在留する日本軍の捜査をしていたのだ。ポールは捜査をする内にシャンハイの実力者アンソニー・ランティンとその妻アンナと出会う、、、。


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【感想】

先週の木曜日は米映画「シャンハイ」を見てきました。渡辺謙と菊地凛子が宣伝で全面に出ていますが、バリバリのアメリカ映画です。宣伝の割には小箱だったので、そこそこ人は入っていました。客入りの間、ギャガの話題作恒例で宣伝部が大挙して下見に来ていましたが、これだけ入っていれば上等では無いでしょうか。

映画の概要

本作は制作費40億程度で主要登場人物が4人だけの非常に小規模なサスペンス映画です。
舞台は太平洋戦争直前のシャンハイ。話は主人公ポールが親友コナーの殺された事件を捜査するためシャンハイに来る所からはじまり、やがて中国人の破壊工作員と日本軍との抗争に巻き込まれていきます。
基本的にはよくある「エキゾチック・ロマンス」系の作品です。つまり、欧米人が”良く分からない未開の地”を訪れそこでなんとなくそれっぽいエキゾチックな事件に巻き込まれつつ現地の美女とイチャイチャする類の作品です。このジャンルの代表格はもちろんみんなが大好きな「007」シリーズです。今回もやってること自体は「主人公があんまり活躍しない007」です。形式上は「介入型サスペンス(※自主的に主人公が捜査をするサスペンス)」の体裁を使ってはいますが、実際にはジョン・キューザックの困り顔と相まってかなり巻き込まれているような印象を受けます。この巻き込まれる・状況に流される感じが本作に強烈なB級ロマンスっぽさを与えています。捜査官とはいえポールは最初から最後まで後手後手にまわってしまい事件は勝手に解決しますし、何より政治情勢に対してあんまり役にたっていません。というかテロリストに荷担してますけど、、、いいんでしょうか。
歴史ものとしてみると時代考証はかなり適当ですし中国政府が撮影協力してる時点で「お察し下さい」というレベルになっていますが、ロマンス作品としては丁度良い湯加減です。あくまでもロマンス要素がメインでサスペンスはとってつけたようなオマケですのであんまり細かく突っ込んでも仕方がないかなとは思います。「ロシアより愛をこめて」のソ連の描き方とか、「007は2度死ぬ」でタイガー田中はちょっと、、、というのと一緒ですので(苦笑)。まさかこれを見て「シャンハイってこんなだったのか」とか思う人はいないと思うので。興味がある方は上海租界について本がいっぱい出てますので図書館で探してみて下さい。
前半のロマンス部分を牽引していたドイツ人の女友達・レニが中盤以降まったく出て来なくなったり(スパイがバレて別れた?)、かと思いきやそもそもポールが上海に来た根本の理由もよくわからなくなっていきますし、話はどんどん甘い方向に流れていきます。でも、細かい所を気にしないで見ていればそれなりに楽しめるかと思います。このレベルならテレビドラマで十分という話もありますけどw

【まとめ】

本作は「アメリカ人がエキゾチックな国で一夏のバカンスよろしく調子に乗る話」として結構良くできているとおもいます。こういう娯楽に大きく振ったB級サスペンスは話のアレな所も含めて楽しめます。ちょくちょく歴史描写で引っ掛かる部分はあるのですが、概ね楽しい100分でした。この100分っていうのも作品内容にあった丁度良いサイズです。
とりあえず、そこまで見たい作品が無くてフラっと寄るぐらいの感覚が一番合っているのではないでしょうか。オススメです。

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