ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

やっつけ仕事の2本目は7月3日に見た

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」です。

評価:(70/100点) – 一作目とやってること一緒じゃん。好きだけどw


【あらすじ】

前作から2年、歯科医のスチュはタイ系の美女ローレンとの結婚を決めナーバスになっていた。ローレンの父はタイでも有数の金持ちで、弟は優秀な研修医。いつもの仲良し3人組+1人でタイへの結婚式へと向かった一行は、またもや前夜祭と称して一杯だけの乾杯をしてしまう。それが、悪夢の始まりだった、、、、。


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【感想】

やっつけ仕事の2本目は「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(原題:The Hangover Part II)」です。ぶっちゃけ書くこと無いくらい1作目と同じで書くこと無いくらい面白いジャンルムービーなので見に行って下さい。オススメです!!!!




だとさすがにやっつけ過ぎるのでちょっとだけw 本作は前作を見ている前提での「天丼ギャグ」的な作品です。前作と同じパターンになるたびに「志村!うしろ!うしろ!」をやり続けるという構造ですので、前作を楽しめて、かつ本作をB級ジャンルムービーと割り切って見に行く分には大変愉快な作品だと思います。一方で、前作がいまいち乗れなかった場合、特にアクの強いアランを筆頭とした下品なギャグの数々に目を細めてしまった場合は厳しいと思います。本作ではトッド・フィリップス監督がサービス精神満点で過剰なご奉仕を連発してきますので(笑)、前作以上に軽くヒく場面が増えています。「歯を抜くぐらいならまだしもそんなの切っちゃうの!?」とか、あまりのことに普通にサスペンスホラーっぽい雰囲気すらしてきます、、、、序盤だけはw
前作がすごかったのは完全に割り切った「カーテンコール落ち」だったという事だと思うんです。つまり、ただでさえ本編は良く出来たドタバタコメディだったのにそれがエンドロールの写真達のあまりのくだらなさとお茶目さによって一気に爆発的な笑いに転換するという、完全な出オチです。本作でもきっちりとその出オチが踏襲されています。前作ファンなら楽しめるサプライズ・ビッグゲストの登場に続いて流れる不謹慎なアホ共の姿に、ニヤニヤしながら引きつつ笑うという最高に楽しい体験が出来る作品です。もう大分客入りも落ちているようなのであんまり劇場で見なくても良いかなとは思いますが、とりあえず押さえておくと楽しめる作品です。オススメです。

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デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~

デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~

2月の映画の日は

デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」です。

評価:(40/100点) – ドタバタ・ロードムービーだけど、、、。


【あらすじ】

ピーターは出張先のアトランタで妻の出産が近いことを知る。急いでロサンゼルスまで戻ろうとしたピーターだったが、空港でぶつかった男と荷物が入れ替わってしまい麻薬所持の疑いを掛けられ、さらには機内でテロリストと間違えられ搭乗拒否のブラックリストに載ってしまう。果たしてピーターは5日間で無事アメリカを横断して妻の元へとたどり着けるだろうか?


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【感想】

2月1日は「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」を見て来ました。公開から一週間経っていましたので1000円ですがほとんどお客さんは入っていませんでした。昨年公開の快作「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の監督トッド・フィリップスの最新作です。春には「ハングオーバー! パート2」の公開を控え乗りに乗っている監督です。
本作と「ハングオーバー!」で大きく違うのは、やはりキャストが格段に豪華になっているという部分です。主役をロバート・ダウニー・Jrが演じ、相方のイーサンをザック・ガリフィアナキスが演じます。「ハングオーバー!」の頃はそこまで名の知れていなかったザックも、いまや完全にコメディスターです。
ただ、、、この豪華さというのがプラスに働いているかどうかは微妙なところです。というのも、「ハングオーバー!」では役者達はアドリブ全開で「おもしろ素人」感を出しつつハチャメチャなハイテンションを叩き込んでいましたが、今作では良くも悪くもキャラクターが固まった2人がそのキャラを逸脱しない範囲で「あの○○さんならやりそうw」というラインを狙っているからです。ですからロバート・ダウニー・Jrはトニー・スタークやホームズのままの「真面目だけどちょっと抜けてて愛嬌のあるキャラクター」ですし、ザックは「下品で無神経だけど実は繊細なダメ人間」のままです。そこに意外性やリミッターを突き抜けた感じはありません。予想通りのレベルで予想通りのギャグを予想通りのタイミングで行います。
また、本作ではコメディ・パートとシリアス・パートが目まぐるしく入れ替わります。この配分はほぼイーブンで大変考えられているとは思いますが、どうしても笑いが続かないため面白さが減じてしまいます。
これはかなり難しい問題です。実際、本作で私が一番笑ったのはジェイミー・フォックスの家でのコーヒーのやりとりでした。この場面は典型的な天丼ギャグで、「ハングオーバー!」では何度もやっていた演出です。それが本作では1カ所しかありません。本作を見ていて一番の不満はこの「くだらなさ不足」です。前作のヒットを前提に人気のある俳優を使った結果、どうしてもより安全な方向の企画に逃げてしまったような印象を受けます。あのマイク・タイソンや虎を惜しげもなく使う馬鹿馬鹿しさは本作にはありません。

【まとめ】

相変わらず前半の伏線をクライマックスで一気に回収するなどの「映画的な巧さ」はありますが、いまいちコメディとしての破壊力は足りません。もちろん決してつまらないわけではありませんから、気軽に見に行くには十分な出来だとは思います。下ネタも多いのであんまり大声でオススメはしづらいですが、もし時間に余裕があれば見に行くのもいいのではないでしょうか?
もし「ハングオーバー!」が未見であれば、そちらを圧倒的にオススメします。

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ナイト&デイ

ナイト&デイ

連休初日は2本です。1本目は

ナイト&デイ」を見ました。

評価:(40 /100点) – That’s ハリウッド娯楽映画。


【あらすじ】

自動車整備士のジューンはウィチタへパーツの買い出しに来ていた。地元ボストンへと帰るまさにそのとき、ウィチタ空港で彼女はロイと名乗る男と偶然同じ飛行機に乗り合わせる。彼女が手洗いに入ったタイミングを狙って、彼は乗客とパイロットを殺してしまう。畑に飛行機を不時着させたロイは、彼女に自分が組織に追われていることと彼女も追われる可能性があることを警告する。眠り薬を飲まされた彼女が目覚めると、そこはすでにボストンの自宅だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ジューンとロイの出会い。
 ※第1ターニングポイント -> カーチェイス
第2幕 -> サイモンを探す旅。
 ※第2ターニングポイント -> ロイが撃たれる。
第3幕 -> 結末。


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【感想】

3連休初日は新作を2本見てきました。1本目は「ナイト&デイ」です。監督は去年「3時10分、決断のとき」で評価の高かったジェームズ・マンゴールド。トム・クルーズとキャメロン・ディアスの主演ということもあって、観客は中高年の夫婦を中心に結構入ってました。
実は今日見た二本ともあんまり書くことが無くって困ってるんですが(苦笑)、本作を無理矢理まとめるならば「これぞハリウッド。」って感じでしょうか。話の構造自体は「巻き込まれ型サスペンス」を非常にオーソドックスにやっています。「ゼフィー」という永久電池を巡ってロイとフィッツジェラルドとアントニオが奪い合いを展開します。もちろんゼフィーはマクガフィンですので、それ自体に意味はありませんし、なにか科学的根拠があるわけではありません。ここにロイとジューンのラブコメ的な展開が加わります。
決して高尚な事をやっているわけではありませんし、ツッコミ所も満載です。FBIがロクに調べもせずに街中でカーチェイスや銃撃戦を展開するとは考えられませんし、いまどきiPhoneでwebを使っておいて匿名性が維持できるわけがありません。ジューンはTVニュースで顔までバッチリ映って指名手配されているのに平気な顔して街中をうろつけますし、何食わぬ顔で結婚式にも出られています。ロイはロイでヘリコプターやら銃やら秘密の無人島やらやりたい放題ですし、そもそも絶対に隠れられる無人島があるなら最初からサイモンをそこに逃がせば良いわけで、、、、。とまぁ細部はボロボロですが、それでも美男美女が車やバイクで銃をぶっ放してそれっぽい感じを出していれば、これはもう十二分に「ハリウッド娯楽映画」です。
頭をカラッポにして見れば、そしていつもの「ハリウッド娯楽映画」を見るつもりであれば、「面白かった」で片付けてしまえる映画だと思います。正直に言うと、こういう映画は別に新作で映画館で見る必要は無いと思いますが、でもカップルや夫婦で当たり障りのない時間つぶしに見る分には十分な出来だと思います。ということで、オススメかと聞かれればオススメしないこともないくらいのテンションで、オススメDEATH!!!

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ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

週末は三本見ました。1本目は

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を今更見ました。

評価:(80/100点) – 下品w だけど作りはしっかり。


【あらすじ】

結婚式を2日後に控え、新郎のダグは悪友2人と花嫁の弟とともにラスベガスでバチェラーパーティーを決行する。ラスベガスのスィートルームを借りてテンションMAXな4人は、屋上に上がって酒を飲む。
目覚めると、部屋は荒れ放題、トイレにはなぜか虎、そしてクローゼットからは赤ん坊の泣き声がする。そして何より、新郎のダグがいない、、、。
残された3人は、無事新郎を見つけ出し結婚式へと送り届けられるのか!?

【三幕構成】

第1幕 -> ラスベガス旅行。
 ※第1ターニングポイント -> 目を覚ます。
第2幕 -> ダグを探す3人。
 ※第2ターニングポイント -> レスリーに身代金を要求される。
第3幕 -> 結末。


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【感想】

週末は映画三本見ました。といっても一本はインセプションの2回目なので、新作は2本です。
完全に積み残しになっていた「ハングオーバー」ですが、公開からかなり時間が経っているのにほとんど満席でした。やはり口コミで評判が広がっているのでしょうか? 一時はDVDスルーが決定していただけに、安心したというか、ワーナー広報の見る目を疑うというか、、、。
本作はなんにとも言いようがないほど良くできたコメディ映画です。伏線の張り方も絶妙ですし、キャラ立ちも完璧。なによりエンドロールで流れる記憶喪失中のデジカメ写真が本っっっっっ当に頭悪くて最高です。なので、それはそれで置いておいて、今回はちょっぴり関係無いことを書こうかと思います。
仕事柄外国資本の映画会社と良く付き合うんですが、彼らの売り上げ管理に関するメソッドは明快です。
通常、宣伝部とか販売部という部署が予算管理を行います。その際、買い付けにかかる費用に対して宣伝費・広告費、アフターサポート費(お客様窓口の運営費)や権利費(本国に払う費用)を計算し、これを600円で割ると動員目標になります。
皆さんもたまに「あれっ?」と思うかもしれませんが、例えば去年の「パブリック・エネミーズ」や「イングロリアス・バスターズ」は本国ではユニバーサルピクチャーズの作品なのに日本では東宝東和商事が買い付けています。この2作品は東宝東和がジェネオン・ユニバーサルを出し抜いて本国に直接営業を掛けた作品です。ですが、同じルートの「レポゼッション・メン」は、本国で転けたためジェネオン・ユニバーサルがDVDスルーしようとしたところを東宝東和が拾って劇場公開した作品です。なので、「ユニバーサルピクチャーズの作品なのに日本支社のジェネオン・ユニバーサルが配給しない」という面白い現象が起きたりします。
世界同時公開の作品(=ビッグバジェット大作)以外は、必ず「劇場公開するかどうか」の判断が入ります。その際の基準になるのは過去のデータだけなんです。私、一応大手所の販売部の方はある程度知っていますが、あまり映画フリークは居ません。完全にビジネスとして割り切ってやっています。なので試写をして面白いかどうかを決めるよりは、キャストや制作陣で有名な人が居るかどうか、メジャーな映画賞を獲ったかどうか、そして過去に類似の作品がヒットしたかどうかでデータを予測しようとします。彼らはこれをマーケティングといってはばかりません。
結果、スターが出てるだけでゴミみたいな内容の作品がシネコンで大規模公開されやすくなります。一方、本作の様に、「コメディ」「スター不在」というと、どれだけ評価が高くても即DVDスルーが決まってしまいます。ちなみに今日本の外資系配給が即DVDスルーにするジャンルは「コメディ」「ホラー」「アクション」「SF」「ラブコメ」です。これらは日本では売れないという絶対の自信を各配給会社が持っています。
余談ですが、ハリウッドでもこれと似た現象が起きています。ハリウッドは高騰し続ける制作費を払うことがもはや困難であるため、最近は銀行と提携して作品に「保険」を掛けています。この保険というのは、「興収がある一定額に届かなかった場合、そこまでの差額を銀行が穴埋めする」というものです。もちろん「一定額以上に届いた場合」は保険の掛け金が丸々銀行に入ります。で、この掛金(=掛け率)を決めるのが、実は制作者とキャストのネームバリューなんです。「有名な○○が監督だから掛け率このぐらい」という計算が平気でまかり通っています。すると、とりあえずちょい役で有名な人をブッキングしとこうとか、名前の通った作曲家にスコア書かせようとかいう、作品価値とは関係無い判断が入るようになっていきます。近作だと、「運命のボタン」のキャメロン・ディアスとか、「エアベンダー」のシャマラン監督なんかが典型です。「エアベンダー」なんて普通のファンタジーなんだから作品の事を考えたらシャマランは必要ないんです。でも彼は今かなりの掛け率を持っている脚本家&監督なので、転けた時の安全装置としては機能するんです。日本の制作委員会でも良くありますが、酷い話です。
話を戻しますと、本作が劇場公開されるきっかけになったのは、第67回ゴールデングローブ賞を獲ったからです。その前から2009年度全米興収6位というモンスターヒットした実績があったのですが、「どんなにアメリカでヒットしようとコメディは日本では売れない」という判断でDVDスルーが決定していました。「第9地区」もゴールデングローブにノミネートされる前はDVDスルーが決まっていましたし、「シングルマン」に至ってはノミネート前にはDVDすら怪しかったほどです。
ビジネスである以上は、過去の数字を使って裏付けっぽいことをしないといけないのは分かります。これは極端なことを言えば、担当者が責任を回避するための制度なんです。つまり「過去のデータに従って判断したから仕方が無い」というエクスキューズを得るための方法です。でも一方で、もはや名物買い付け人みたいな人がどうこうできる時代でもありません。現に独立系の配給会社はここ数年でほとんど死滅しています。映画ファンにとっては寒い時代なのは間違いありませんが、せめて、アカデミーや三大映画祭、ゴールデングローブやサンダンスにノミネート・出品される作品ぐらいは劇場公開して欲しいものです。

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クレイジー・ハート

クレイジー・ハート

ワールドカップの小休止期間にたまった分を一気に書いてしまいますw

クレイジー・ハート」をみました。

評価:(75/100点) – 溢れるジェフ・ブリッジスの人間力


【あらすじ】

カントリー歌手の“バッド”・ブレイクはかつて一世を風靡したが、今はかつての弟子トミー・スウィートに人気を大きく離されドサ回りを続けていた。そんな中、地方新聞の記者をするバツ一子持ちのジーンと出会う。やがてジーンはバッドの心の支えとなっていくが、、、。


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【感想】

まとめ書き4本の最初はクレイジー・ハートです。なんか細かい内容を半分忘れてるんですが(苦笑)、、、楽しかった印象だけはハッキリと残っています。
「かつてのスターがドサ回り」というと、どうしても昨年のミッキー・ローク主演「レスラー」を連想してしまうんですが、同じ負け犬映画でもこちらは最後にポジティブな着地を見せます。プロットも大変よく似てまして、そして題材であるカントリーソングも一聴してかなり良い感じな雰囲気が伝わってくる点でも同じです。もっとも分かりやすさで言えば、間違いなく本作の方が上です。私はプロレスオタクも兼ねてますので「レスラー」はどストライクでしたが、一般的にはどうしても「ドサ回り歌手の作詞家・作曲家への転身」の方がしっくりくると思います。
厳密には負け犬というよりは才能あるダメ人間ですが、それがジェフ・ブリッジスという「未完の帝王」の人間力によって説明がなくてもハッキリと伝わります。もう本作はジェフが全てと言ってしまってもいいかも知れません。彼の憎めない愛らし雰囲気によって、バッドを慕うコリン・ファレルまで気の良い若造に見えてくるんです。マギー・ジレンホールもまだ若いのに人生に疲れたおばちゃんの味わいがとてもよく出ていて、素晴らしかったです。
逆に言えば、役者達の力以上には話が転がらないという不満はあります。予告編で感じる以上の”何か”はありませんでした。でも、このジェフ・ブリッジスはもっと見ていたいですし、どうしようもないけど幸せになって欲しいんです。
そういった意味では文句なしでオススメ出来る作品でした。

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パリより愛をこめて

パリより愛をこめて

今日は一本です。

ピエール・モレルの「パリより愛をこめて」を観てみました。

評価:(75/100点) – ストーリー? 何ですか、それ?(笑)


【あらすじ】

ジェームズ・リースはCIAの見習いとしての顔を持つ、優秀な在仏アメリカ大使補佐官である。ある日、彼はCIAから麻薬捜査で送り込まれた来たパートナーのワックスと出会う。ワックスはそのはちゃめちゃで強引な捜査方法でリースを振り回していくが、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> リースの仕事風景
 ※第1ターニングポイント -> リースがワックスと出会う。
第2幕 -> 対麻薬組織の捜査
 ※第2ターニングポイント -> ワックスがアジトを壊滅させ、資料を提出する。
第3幕 -> 結末。


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【感想】

本日は1本。ヨーロッパ・コープ期待のピエール・モレル監督の「パリより愛をこめて」です。昨年の「96時間」がかなり分かりやすい勢い重視のアホ・アクション映画だったため、本作もかなりの期待を持っていました。昼の回でしたが観客も5割ぐらい入っていまして、アクション映画にしてはそこそこ盛況でした。
本作を一言で言ってしまうと、「いつものヨーロッパ・コープの大味アクション映画」です。しかしやはりそこはピエール・モレル。とても早いテンポでサクサク進むため、いわゆる間延びとか飽きるといったことはありません。爽快感という意味ではかなりのものがあります。その時点で細かい事を気にしなければ全く問題ありません(笑)。ドッカーン!! チュドーン!!! エンドロール。
なので、勢いに乗ったもん勝ちです。
ところが、やはりそこはリュック・ベッソン。まったく期待を裏切らない超B級で超適当な脚本が全開です(笑)。
ヨーロッパ・コープのお約束としてマフィアはみんな中国・中東系ですし、敵は目的不明のテロリストです。たぶん映画を見終わった方が真っ先にひっかかると思うんですが、そもそも敵の新興宗教っぽい奴らが何をしたいかさっぱり分からないんです。っていうか構成員が二人しか出て来ないので、団体自体がよく分かりません(笑)。まさか教祖と唯一の信者って事は無いと思うのですが、にしても雑過ぎます。早い話が、ストーリーなんてどうでもいいんです。本作でやりたいのは、格好良い超人・ジョン=トラボルタとへたれなジョナサン・リース・マイヤーズのホモ・ソーシャル的なバディ感だけです。だから脚本はものっすごい適当です(笑)。
実際に、肝心のジョン・トラボルタはメチャクチャ格好良いです。まぁ「サイエントロジー信者のトラボルタを使って敵が新興宗教ってマズくないかい?」とかちょっと思うんですがOK、OK。
一応指摘をしておけば、本作の「From Paris with Love」というタイトルは100%間違いなく007映画の二作目、「From Russia with Love」を意識しています。「ロシアより愛をこめて」は、冷戦下のロシアにおいてジェームズ・ボンドにスパイとして送り込まれたタチアナが、本気でボンドに恋をしてしまい愛国心と恋との間で揺れ動くというアクション・ラブストーリーです。未だに私は007シリーズの中で一番好きだったりしますし、ボンドガールではダニエラ・ビアンキが一番好きです。では本作はどうかと言いますと、プロット自体は違うものの、やはり恋と忠誠心で揺れ動く女性と言う意味では「ロシアより愛をこめて」を意識したテーマ設定になっています。ところが、、、やっぱり「ヨーロッパ・コープが作るとこうなる!」っていうぐらい大味であっさりとしています(笑)。全然いいんじゃないでしょうか? 本作ではどうしても恋愛部分よりもバディ・ムービーとしての要素が強く出ているため、正直な所あんまりラストはどうでもいいような気がします。あくまでも「男向けの爽快アクション映画なんで美女も出しときました」って感じの適当さでサクサクと進んで行きます(笑)。
ちなみにやはりリュック・ベッソンなので、ボンクラギャグも忘れていません。リースがスタートレック好きと分かったときのやりとり、「おまえスポックが好きなのか?」「いやウフーラだよ。」というジョン・トラボルタのゲイ疑惑を利用したメタ・ギャグは声出すギリギリで笑いました(笑)。こういう無駄なギャグを入れてくるのが、ベッソンのB級作家としての目配せです。やっぱ駄目だこの人(笑)。
余談ですが、横浜ブルグ13でワーナーブラザーズの方が鑑賞後アンケートを採っていました。アンケートの質問内容がすっごい適当で心配だったんですが、私はハッキリと断言します。ヨーロッパ・コープのアクション映画で大ヒットを狙うなら、きちんとB級であることを受け入れた上で「話は適当ですよ。でも楽しさは無類です!」という流れで宣伝するべきだと思います。だって良作のハリウッド大作だと思って変にハードル上がってたら、たぶんがっかりします(苦笑)。そうじゃない!!! 特に本作は重低音と銃声で100分間テンションを上げまくってくれる栄養ドリンクみたいな映画です。鑑賞後には爽快感以外は何にも残りません(笑)。でもそれをこそ見に行くんだから、おしゃれ押しなんて要らないと思うんです。

【まとめ】

本作は、頭をカラッポにしてみる勢い重視のバカ・アクション映画です(笑)。おそらく会社帰りでちょっと疲れていて軽くお酒が入っていれば超楽しめると思います。わりとポスターがおしゃれ系でまとめていますが、騙されてはいけません(笑)!!!
いつものヨーロッパ・コープが好きな方なら間違いなくど真ん中で楽しめますので、是非是非劇場でご覧下さい。
あ、鑑賞時にはポップ・コーンをお忘れなく(笑)。

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