成人の日は
「デッドクリフ」を見てきました。
評価:
– 細かい所で意味が分からないが、勢いで押し切る!【あらすじ】
クロエは友人のフレッドとカリーヌのカップル、恋人のルイック、元彼のギョームの5人でクロアチアにクライミングに来ていた。山頂に到達した後にケーブル滑空で降りてくる半日ほどの行程を選んだ一行だったが、途中、立ち入り禁止の行き止まりに会ってしまう。クライミング経験豊富なフレッドは看板の上の崖をよじ登り、注意書きを無視して道を拓いていく。しかしその山には、恐怖が待っていた、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> 一行とクライミング
※第1ターニングポイント -> フレッドが行方不明になる。
第2幕 -> フレッドの捜索。
※第2ターニングポイント -> 山小屋に着く。
第3幕 -> アントンとの決着。
【感想】
月曜の成人の日はシネパトスで「デッドクリフ」を見て来ました。完全に単館の上映でしかも2009年の作品ですが、かなりお客さんが入っていました。こういう誰がどう見てもB級なタイトル&ポスターでここまで入るというのは、大変素晴らしいことだと思います。
恥ずかしながらgoogleで検索してはじめて気付いたのですが、タイトルが「レッドクリフ」のパロディになってたんですね。非常にパチモノ臭くて完璧な邦題だと思います。フランスでの原題は「vertige」で「空間識失調」=「高いところでの極度の目眩い」のことです。本作では前半から高いところが苦手なルイックがずっーっと掛かってしまった症状です。とはいえ、もちろん本作の主役はクロエです。何せ5人の人間関係がクロエを橋渡しにして繋がっていますから。
さて、本作はいわゆるシリアルキラーものです。クロアチアの断崖に囲まれた山の頂で、五人は謎のハンターに狙われ、一人また一人と襲われていきます。いきますが、、、、、、本作は本当に割り切ったジャンルムービーでして、このハンターがいったい何なのかですとか、普段何してるのかとか、そういったことは全く分かりませんw ちょっとだけエンドロール直前にテロップで説明が出ますが特別どうという意味もありません。発想としては、ワイワイキャッキャな若者がシリアルキラーに襲われてギャーーーーッという「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」でお馴染みの例のフォーマットを山の上に移しただけですw
割り切るというと聞こえは良いですが、実際には結構雑です。前半はクライミング本来の部分での落下するスリルを重点的に見せておいて、二幕目と同時に急にシリアルキラーものに展開します。その展開のしかたがびっくりするほどやっつけ仕事でして(苦笑)、場面がまったく繋がらないというか、シリアルキラーものになった途端に”崖”要素が消えますw 山の上という体裁のだだっぴろい林&野原に場面が変わってしまうため、クリフハンガー的なスリルは一切ありません。タイトルに偽りありですw
そして唐突にでてくるシリアルキラー・アントンも、見た目が完全にロブ・ゾンビ版の「ハロウィン」に出てくるマイケル・マイヤーズです。
そうです。この映画は楽しそうな要素をごった煮にして適当に並べた、正しい意味での娯楽B級映画ですw 細かい所にツッコミは無用。その場面その場面を頭をカラッポにして楽しむ映画です。ですから、「あれ?おかしくね?まぁいいや。ウヒョー!!」みたいな感じで、観客の見ている態度まで雑になってきますw とはいえ間違いなく面白いですし、見ている間は勢いだけでノリノリになれます。
オススメはオススメですが、真面目な態度で見に行くのだけは絶対に止めた方が良いです。ちょっと半笑いな感じで劇場の席に座れれば、きっと楽しい100分が待っているはずです。