君に届け

君に届け

本日の1作目は

「君に届け」です。

評価:(65/100点) – 緩い恋愛映画かと思ったら熱血友情物語だったの巻


【あらすじ】

高校性の黒沼爽子は長い黒髪と愛想の無さから「貞子」と呼ばれいじめられていた。彼女は入学式の朝に出会った風早翔太や、クラスのはみだし者である吉田千鶴・矢野あやねコンビらと友情を深めていく、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 爽子と翔太
 ※第1ターニングポイント -> 席替えが行われる。
第2幕 -> 千鶴・あやねとの友情と、くるみの策謀。
 ※第2ターニングポイント -> 翔太がくるみの告白を断る。
第3幕 -> 翔太の告白と大晦日


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【感想】

今日の1本目は「君に届け」です。ティーンエイジの女性を中心にかなりお客さんが入っていました。別マガ連載の人気少女コミックの映画化で、去年末から2クールで深夜アニメにもなっています。
作品としてあんまり内容がないので、ざっくりと書いてしまいますw
要は性格は物凄い良いが社交性が薄く見た目が冴えない爽子が、イケメンでクラスでも人気者の翔太に好かれるという夢のような話です。「あの人だけが私の内面を分かってくれる」というヲトメの欲望そのままな内容ですので、それだけなら「都合良すぎ」「甘えるな」でバッサリ切って捨てるんですが(苦笑)、本作にはバッサリいけない部分が一カ所だけあります。それが爽子・千鶴・あやねの「仲良し三人組」のチーム分です。
この三人組の描写がベタながら完璧なんです。三人とも「見た目で誤解されがちだけど根は超良い人」であって、お互いが足りない部分を支え合うように友情を深めていきます。不覚ながら、中盤に夜の神社前で千鶴・あやねが相談するシーンとその後の屋上のシーンで、私完全に涙腺決壊いたしましたw
あやねのヘルプコールを受けて男子陣を捨ててすぐに駆けつけるシーンであったり、千鶴がお好み焼きを泣きながらヤケ食いするシーンであったり、この3人が集まったシーンはどれも大変素晴らしいです。
ただその一方で、やはり翔太・くるみ絡みの恋愛要素は限りなく類型的で退屈です。爽子も翔太もほとんど一目惚れ状態なためそもそもエピソードの積み重ねがありませんし、くるみも用意周到というにはお粗末です。なので、中盤以降はテンションがみるみる降下していってしまいます。

【まとめ】

恋愛映画としてはお世辞にも出来が良いとは言えませんが、女同士の友情物語としては大変すばらしい出来です。「女の子ものがたり」や「パーマネント野ばら」が好きだった方には是非オススメです!!!

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記事の評価
ハナミズキ

ハナミズキ

本日の2本目は

「ハナミズキ」です。

評価:(1/100点) – テレビでやれ。


【あらすじ】

釧路に近い北海道の港町。水産高校に通う木内康平は、免許筆記試験の日、自動車教習所に向かう途中の電車が止まってしまう。そこで同じく早稲田大学の推薦試験のために急いでいた平沢紗枝を連れだって、親戚の自動車を盗んで高校に向かうが、スピード違反したあげくにハンドル操作を誤って事故を起こしてしまう。
停学を食らった康平だったが、なぜか紗枝からは感謝され急接近。紗枝は康平からの励ましで早稲田の文学部を受験する事を決める。やがてつきあい始める2人だったが、紗枝が早稲田に受かって上京することで遠距離恋愛になってしまう。紗枝は大学の写真部の北見先輩と仲良くなり、やがて康平とは疎遠になってしまう。康平は地元で漁師をするが、借金苦から父が船を手放すことになり、さらに最後の漁で父が心臓発作で死んでしまう。母と妹と借金を背負った康平は、紗枝と別れ漁師として一生暮らす事を決意する。一方の紗枝は夢を見すぎるあまりなかなか就職が決まらず、結局北見先輩の紹介でニューヨークの写真会社に潜り込むことになる。
やがて康平は幼なじみのリツ子と結婚し、紗枝も北見からプロポーズを受ける。しかし康平は借金苦から自己破産しリツ子から三行半を突きつけられ、マグロ漁船に長期勤務することにする。紗枝も北見との結婚を決意した矢先に北見が写真撮影中に死亡し、結局傷心のまま生まれた地・カナダのルーネンバーグを訪ねる。そこでたまたま康平のマグロ漁船とニアミスした紗枝は、康平にメッセージを残し北海道へと戻る。そしてメッセージを受け取った康平も北海道へと戻る。
ついに再会した2人はやがて結婚し、娘を持つ。

【五幕構成】

第1幕 -> 康平と紗枝の出会いと交通事故。
 ※第1ターニングポイント -> 康平と紗枝がつきあい始める
第2幕 -> 紗枝の受験。
 ※第2ターニングポイント -> 紗枝が上京する。
第3幕 -> 遠距離恋愛と破局。
 ※第3ターニングポイント -> 紗枝がニューヨークに行く。
第4幕 -> 康平の結婚と紗枝のニューヨーク生活。
 ※第4ターニングポイント -> 北見が死ぬ。
第5幕 -> カナダへの旅と結末。


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【感想】

さて本日2本目は「ハナミズキ」です。お客さんは若いカップルを中心に大変入っていまして、日本の未来が心配になってきますw
ここを読んでる時点で遅いかも知れませんが、今回はネタバレ100%でお送りします。っていうか上のあらすじで全部書いちゃってるんですけど、それはそれ。お察しください。

本作の概要と基本プロット

本作は一青窈の歌「ハナミズキ」をモチーフに制作され、TBSと東宝が中心に、新垣結衣の所属事務所「レプロエンタテインメント」と生田斗真のジャニーズ事務所の別働隊「ジェイ・ストーム」が出資しています。肝心の一青窈の所属事務所「大家」やフォーライフミュージックが出資していないというところがポイントですw 一青窈はあくまでダシであって、話自体には彼女は一切関係ありませんし、彼女へのリスペクトも感じられません。
基本的なプロットは単純明快です。高校時代にナンパで知りあった高卒ヤンキーと良いとこのお嬢さんが、10年間いろいろあった末、結局結婚するという話です。いや~いいですね、バカっぽくてw
このプロットとキャッチコピーの「君と好きな人が、百年続きますように」を見るとまるで純愛ラブストーリーと勘違いしてしまうかも知れませんが、本作はサイコ・スリラーです。 康平の父は最後の漁で偶然にも心臓発作で他界し、紗枝の恋人も「帰ってきたら結婚しよう」というまるでどこぞのコピペのような安い展開で死にます。でも、そんな不幸を物ともせず、2人はお互いの尻を追いかけます。
奥さんが居ようが、恋人が居ようが、そんなことは関係ありません。ただひたすらお互いを安全牌として確保しつつ、結局全てに挫折して傷の舐め合いのように最後にはくっつくんです。
そう、これ純愛じゃないですし、ハッピーエンドでもないんですよ。要は、バラ色の未来を夢見た男と女が夢のためにお互いを捨てて邁進するけれど、結局挫折してお互いに傷を舐め合う話なんです。実際に結構至る所で泣いている女性が居たんですが、よくこんなんで泣けると感心します。

映画作品としての圧倒的な不細工さ

とまぁ話としては相当いかがなものかと思うのですが、本作は映画作品としての体裁すら成していません。顔のアップが多すぎるとか、台詞で説明しすぎとか、そういう基本的な駄目さもあるんですが、それ以上に構成が酷いです。
本作は珍しく5幕構成を採用しています。あんまり聞いたことがないかと思うのですが、5幕構成はギリシャ演劇の古典スタイルの一種です。「導入」→「葛藤」→「進展」→「危機」→「解決」からなりまして、通常は「葛藤」「進展」「危機」がセットで二幕目になります。ですので、別にこれはこれで良いんです。
ところが、本作の五幕というのは明確に主役2人の関係性に寄っていまして、「出会い」→「付き合い始める」→「遠距離恋愛と破局」→「新恋人との別れ」→「寄りを戻す」となっています。このそれぞれのセクションについて、さらに起承転結が存在しているんです。だから話としては物凄い不細工です。なにせ開始1時間頃に紗枝の上京に合わせて一青窈の歌が流れ始めるんです。これでエンドロールに行くかと思ったらまだ1時間半近くあるのでゲンナリしましたw
はっきり言いましょう。これは5幕構成ではなく、全5話のドラマです。つまり、映画としてまとめることなしにテレビの企画をそのまま5話分垂れ流しているだけなんです。これは恐ろしい事です。いつかやる奴が出てくるとは思っていたんですが、こんなえげつないやり方で制作されるとは思いませんでした。それが証拠に、いちいち各セクションに起承転結があってその度にえげつないイベントがあるので、見ていて物凄い疲れるんです。しかもセクションをまたぐ前に「次週も見てね」と言わんばかりの”フック”が入るんです。これはもう、、、有料放送のテレビでやれよ。
TBSやフジテレビは昔から映画を「有料放送の一括上映システム」としか見ていない節があるんですが、ここまで開き直った作りは珍しいです。もはや映画の形すらしてないんですから。
さて、そもそも純愛じゃないという件はまだ良いでしょう。新垣結衣が偏差値57.5程度で早稲田の推薦取る気満々でしかも受験して普通に受かるとか、日本で仕事を探せないメンヘラがニューヨークで成功するとか、北海道の田舎で個人経営の子供向け英語塾が大繁盛するとか、そういう細かいディティールも1万歩譲りましょう。そもそもマグロ漁船はカナダに寄らないとか、マグロ漁であんなヒョロイ奴は役に立たないとかそういうのも1億歩譲ります。(詳しくはこちらを参照 http://www.maguro-jp.com/fishing/tuna-boat/)
一番問題で一番腹が立つのは、結局こいつら(メイン2人および脚本家)は北見先輩やリツ子さんをどう思ってるんだってことなんです。要は2人以外の全てがただの撮影セットでしかないんです。 紗枝と別れた翌日に康平がリツ子を襲うのは「愛」じゃないでしょ? 死んだ恋人の追悼をした直後に紗枝が康平の尻をワクワクして追いかけるのは変でしょ? おまえら何考えてるわけ? これでは2人がただのイカレた馬鹿にしか見えないんです。描写としておかしいんです。
だから、彼らがエンディング後に正常な生活を営めるとは思えません。紗枝は就活で1社も引っ掛からなかったわけで、康平は釧路で漁師をしていけなくなってマグロ漁船に乗ったわけでしょう? しかも康平は浮気性の甲斐性無しで親戚にあずけた扶養家族が居ます。この2人が釧路の片田舎で幸せに生計を立てられる可能性は限りなくゼロです。

【まとめ】

なんといいますか、、、胸くそ悪いメンヘラ向けテレビドラマを1,800円払って大画面で見るという素敵体験ができました。まともな神経の方には絶対にオススメしませんが、もしあなたが「恋空」とかで泣いちゃうような思考回路の持ち主ならもしかしたら刺さるかも知れません。繰り返しますが、決してまともな方は行かない方が賢明です。
ちなみにテレビ宣伝に出ずっぱりでまるで主役扱いの向井理は、扱いも出番も少ないためファンの方は要注意です。もう向井理ばっかで生田斗真が宣伝にあんまり出ない時点で、宣伝的にもお察しくださいな状態ではないでしょうか。

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特攻野郎Aチーム THE MOVIE

特攻野郎Aチーム THE MOVIE

本日は3本です。1本目は

特攻野郎Aチーム THE MOVIE」を観てみました。

評価:(75/100点) – 脚本?辻褄? こまけぇこたぁいいんだよ!!!


【あらすじ】

ハンニバル大佐率いる特殊部隊Aチームは、モリソン将軍の命令を受けイラクのゲリラが持つ偽ドル札の原版の奪取作戦を行う。見事作戦は成功したが、原版受け渡しのまさにそのとき、モリソン将軍のバンが爆破され傭兵のパイクに原版を奪われてしまう。罪を押しつけられたAチームは懲役刑を負ってしまうが、半年後にCIAのリンチ捜査官の手引きで脱獄。名誉を回復するために、パイクと原版を追う。

【三幕構成】

第1幕 -> Aチームの結成と偽ドル原版奪取作戦。
 ※第1ターニングポイント -> Aチームが懲役刑を受ける。
第2幕 -> 脱獄とパイクの追跡
 ※第2ターニングポイント -> Aチームが再び裏切りに会う。
第3幕 -> 港での決戦。


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【感想】

本日の1本目は「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」です。ご存じテレ朝での超人気シリーズ「特攻野郎Aチーム」の前日譚的な内容です。
非常に多くのお客さんが入っていたのですが、意外にも若い人が多かったように思います。オリジナル版は私も結構リアルタイムギリギリでして、途中からは覚えていますが最初の方は後からDVDで見たように思います。
本作は非常に評価しづらい部分があります。というのも、単体の映画として見た場合は話が相当雑なんです。編集的に変な所もありますし、それ以上に作戦の進め方というのが唐突だったり余計だったりという部分が多々あります。
ジェシカ・ピール演じるソーサが何がしたいかさっぱり分からなかったり、そもそも軍事法廷に掛けられるための証拠がまるでないため全然ハメられたことになってなかったり、微妙は微妙です。
とはいえ、オリジナル版にあった水戸黄門的なお約束はバッチリ入っています。銃も車も昔のままで登場しますし、コングへの睡眠薬投与やクレイジーモンキーの脱獄など愉快なシーンをきっちり踏襲してくれます。そして。男4人がお互いに助け合って悪党を懲らしめていくという「男子チームもの」としては大変よくはしゃげていると思います。
このワイワイキャッキャした感じが曲者軍団Aチームの一番の魅力であるのは間違いありません。
ただ、、、ただですね、、、今回のAチームはバリバリに敵を殺します。どうしてもハリウッドの大作アクション映画としては仕方が無いのかも知れませんが、オリジナルでは人を殺さずに「懲らしめる」というのがAチームの痛快さだったはずです。もちろん今回はテレビ版より悪党もスケールアップしていますから、なかなか懲らしめるだけで終わらせるのは難しいかも知れません。それでも、もう少し配慮が欲しかったかなとは思います。あくまでも「ならず者」ではなく「ちょっとおどけたプロ集団」というところがAチームのAチームたる所以なんですから。

【まとめ】

決して単独で出来の良い映画ではありませんが、テレビシリーズのファンであれば間違いなく一見の価値があります。ラストで例のナレーション(俺たちは、道理の通らぬ(中略)助けを借りたい時は、いつでも言ってくれ!)が流れれば嫌でもテンションが上がります。そしてエンドロールの最後の最後で流れるAチームのテーマで、もはや心は80年代にタイムスリップです。
バカが好きな方、映画は火薬の量で決まると思う方、そしてホモソーシャルが好きな方にはオススメです。

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魔法使いの弟子

魔法使いの弟子

遅くなりましたが、先週末は一本、

「魔法使いの弟子」をみました。

評価:(20/100点) – ファンタジアの何所をみるとこうなるのか。


【あらすじ】

デイヴは小学生の時、迷い込んだ怪しげな骨董屋でドラゴンの指輪をもらう。それから10年後、彼の前にかつて骨董屋で出会った魔法使いのホルヴァートが現れる。ホルヴァートは昔デイヴが路地に捨てたマトリョーシカを探していた。そのマトリョーシカの中には魔法使い達が封印されているという、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> デイヴとバルサザール
 ※第1ターニングポイント -> バルサザールが復活する。
第2幕 -> グリムホールドを巡る争い。
 ※第2ターニングポイント -> ホルヴァートがグリムホールドを手に入れる。
第3幕 -> モルガナの復活


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【感想】

遅くなりましてすみません。先週末は1本、魔法使いの弟子を見ました。夏休みって食べられるの?
本作はニコラス・ケイジがプロデューサーで、彼の主演作・ナショナルトレジャーのスタッフを集めて制作されました。それだけで強烈な「俺様映画」なわけですが、なんでこれがディズニーなのか良く分からないほどとてつもなく低いレベルの子供向け映画になっています。
一番初めにツッコまなければいけないのは、キャラクターの命名に見られる強力な中2病センスです。いわずもがなのアーサー王伝説に出てくるマーリンとモルガン、そしてアーサー王の象徴であるドラゴンをあしらった指輪。マーリンの弟子が、バルタザール(東方の三賢者)、マクシモス(証聖者)、ヴェロニカ(ゴルゴタの丘でイエスにタオルを貸した人)。さらに主役がデヴィット(ダビデ/旧約聖書の古代イスラエルの王様)、ヒロインがレベッカ(リベカ/ヤコブの母/全イスラエル人の母)。
全部アメリカなら小学校高学年~中学校ぐらいで習う格好いいキリスト教的有名人です。このすさまじく臆面の無いネーミングセンス、、、凄すぎるw
でまぁ話自体はなんてことはなく、いつも通り少年に「君は伝説の勇者だ!」ってな具合に白羽の矢があたり、別段苦労するでもなく覚醒して「俺ってサイキョー!イェーイ!!!」とはしゃぐだけの下らない話です。今回は一応気休め程度ですが師匠と弟子の特訓シーンが入ります。その意味ではハリー・なんちゃらよりはマシではあるのですが、しかし結局それ自体があんまり役に立たないというか、なぜか突然覚醒してメチャクチャ強くなってしまうため特訓の意味がありません。甘やかし過ぎ。
しかも今回の主人公は完全なナードなためあまり華がありません。このあたりはカツラでフサフサになったプロデューサー様が一番格好良く写るための絶妙なキャストです。しかもプロデューサー様の恋人役が絶世の美女/イタリアの宝石・モニカ・ベルッチで、ヒロインはほぼ無名のテレサ・パルマー。職権乱用しすぎw
とはいえ、元々本作の趣旨はファンタジアの中でミッキー激萌え展開を呼ぶ「魔法使いの弟子」パートを実写にするというものです。なので極端な話この「魔法使いの弟子」パートさえ上手く実写に出来ていればなんの問題もありません、、、、が、、、、出来てな~~~~いw
ファンタジアの「魔法使いの弟子」が素晴らしいのは、ミッキーが手抜きをしようとして魔法で掃除してたら眠っちゃって洪水になっちゃってさぁ大変という「ドジっ子萌え」にあります。そして気付いたミッキーが取り繕うために魔法でモップ達を止めようとした結果、まるで満天の星空のように泡が舞って幻想的な風景が展開されるわけです。
「魔法使いの弟子」パートの肝は、ミッキーの可愛らしい失敗と、それを収めようとした結果に起こる奇跡的に美しい光景にあるんです。
ところが本作ではそこが全く出来ていません。そもそもからして本作で起きる失敗はデイヴの力量不足によるもので、しかも手抜きではなく彼女が来てしまうから早く片付けないといけないという必要に迫られたものです。さらに、デイヴはうっかり寝てしまうのではなく、シャワーに入ってやる気満々で目を離しただけです。全然ドジじゃありません。ただの馬鹿です。しかも止めようとして魔法を追加するのではなく、単にあたふたしてるだけです。こんなので音楽だけ「魔法使いの弟子」を流されても全然乗れません。

【まとめ】

子供向けのファンタジーというにはあまりにもレベルが低く、ファンタジアのファンが期待していくにはあまりにもファンタジアへのリスペクトが足りません。残念ですが、本作を見に行くのであれば、ファンタジアを借りてきて見た方が100倍面白いです。それにしてもファンタジアの中で唯一ディズニーキャラクターが出ている「魔法使いの弟子」を使ってこれかと思うと悲しくなってきます。いっそのこと「はげ山の一夜」を使って実写のゾンビ映画にしたほうが面白かったかも知れません。

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インセプション(超ネタバレ)

インセプション(超ネタバレ)

式公開から1週間経ってるわけですが、インセプションが「良く分からん」という声が随所から聞こえてきます。そこで、えいやと思い立って超ネタバレなタイムラインを書きましたw
下記の画像が後半というか第3幕の目玉「インセプション作戦」のタイムラインになります。2回見たのでたぶんあってると思うんですが、間違ってたらすみません。
特に3層~4層は本作で一番ツッコミ所が多くかつ混乱する所ですので、人それぞれで解釈が違う可能性があります
※「インセプション」はギミックだけの映画で内容はあまりありません。そしてノーランの演出が下手なためこのような混乱が起きていますw ネタバレは著しく作品の価値を損ないますので、鑑賞後にご覧いただくか、絶対映画館で見る気が無い人だけご覧ください。
クリックすると拡大します。
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ジェニファーズ・ボディ

ジェニファーズ・ボディ

今月の映画の日は一本、

「ジェニファーズ・ボディ」を見ました。

評価:(35/100点) – ホラーなのかアイドルPVなのか中途半端。


【あらすじ】

幼なじみのニーディとジェニファーはある夜、郊外のバーで行われるインディロックバンド・ローショルダーのライブに行く。しかしライブ中に火の手が上がりバーは全焼。ニーディは助かるものの多くの死傷者を出し、さらにジェニファーはローショルダーの面々に拉致されてしまう。その夜、ニーディの家に血まみれのジェニファーが訪ねてくる。その日以来ジェニファーは性格が激変し、町では殺人事件が起きるようになる。。

【三幕構成】

第1幕 -> ニーディとジェニファーとチップ
 ※第1ターニングポイント -> バーの全焼事件
第2幕 -> 連続殺人とジェニファー
 ※第2ターニングポイント -> ジェニファーが悪魔であると気付く。
第3幕 -> 春のダンスパーティ


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【感想】

本日は「ジェニファーズ・ボディ」を有楽町みゆき座で見てきました。映画の日ということもあって併設スカラ座の「借りぐらしのアリエッティ」がとんでもない混み方でして、その煽りなのか想像以上に多くのお客さんが入っていました。予告もポスターも完全にミーガン・フォックスを見るためだけの映画なのは一目瞭然ですが(苦笑)、それにしては若い女性の友達連れが多かったのは意外でした。さぞレズのミーガンも喜んでいるでしょうw

概要

本作の基本プロットは予告を見たそのまんまです。バートリ・エルジェーベトよろしく人肉を食って美を保つ悪魔のジェニファーが親友のボーイフレンドを狙っちゃって、、、というオカルトホラーなんですが、全体的に非常に半端かつ適当ですw
実際、劇中で起こる事件というのはまったく大したことがありません。単にジェニファーをニーディが止められるかどうかというだけで、捻りも無ければ伏線もありません。第一、本作は犯罪者用精神病棟に入ったニーディの回想から始まります。もうこの時点で、この話が2ヶ月間の出来事であること、ニーディの身にも性格が変わるような何かが起きること、そしてボーイフレンドは結局死ぬこと、ニーディはジェニファーと対決して生き残る事が分かります。つまり全部分かるw じゃあどうするかというと、回想でそのことの詳細が語られるだけです。しかも全部想像を超えることのない無難なことばかり。これで面白くなるわけが無い。残念ですが構成が無茶すぎます。インセプションみたいにアクロバティックな時系列シャッフルをするならともかく、これは何の意味もありません。フックアップにすらなってないです。
というわけで話の部分はかなりボロボロです。では肝心のミーガンのPVとしてはどうかというと、これもまた大変微妙です。なぜかというと、「男を誘う悪女」というキャラしか見せてくれないからです。全編通じてミーガンは誰かとキスばっかりしてるんですが、逆に言うとそれしかしてないんです。もっといろんな幅を見せてくれないと全然魅力的に見えません。確かに顔もスタイルも良いと思いますが、ただそれだけでフィルムを持たせるのはいくらなんでも無理です。あまりにフィルム上のキャラが立たなすぎて、むしろ顔が若干微妙かつ斜視なアマンダ・サイフリッドの方が魅力的に見えてきます。企画上の問題かもしれませんが、せめてジェニファーが獲物をおびき出すときにいろんなパターンを見せてくれないとどうにもなりません。しかも暴力シーンをカメラで写さないため、ホラー・クイーンにもなれていないんです。なんかもう、、、、ね、、、、どうすっぺこれ(苦笑)

【まとめ】

とっても困った映画でしたw コンセプトだけはありがちとは言えボンクラ男子が大喝采するようなものですが、あまりにも残念な出来すぎます。突き抜け方が足りません。ホラー寄りでやるならばそれこそ井口昇作品並にゴアでやっちゃえば良いですし、PV寄りでやるなら「永遠に美しく・・・」のようなお茶目なコメディ方向に振ることもできたはずです。でもどちらも全然出来ていません。作品のトーンはやけにシリアスですし、かと思いきやダサいロック調の歌謡曲が突然流れたりして青春映画っぽいノリもあります。なんか制作した人間が真面目すぎて退屈になっちゃってる印象があります。もっとふざけたり突き抜けたりしないとこの手の作品は面白くはなりません。
ということで、決して一口にダメだと切り捨てるほどでは無いですが、全体的に赤点というか、全項目が合格点の2段階ぐらい下というなんとも言えない失敗作だと思います。どこが悪いっていうか全部悪いw
強いて言えば、エンドロールでの対位法を使ったローショルダーへの制裁だけは面白かったです。面白かったというか可笑しかったw なんでそのトーンで全編通じて出来なかったのかと不思議でなりません。 決してオススメはできませんが、ミーガンの大ファンならばとりあえず押さえておいても良いかも知れません。

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ソルト

ソルト

今日は二本です。1本目は新作映画、

ソルト」を観てきました。

評価:(35/100点) – まだそこまでの歳でもなかろうに、、、。。


【あらすじ】

イヴリン・ソルトはCIAロシア部のエージェントである。彼女の結婚記念日、仕事を上がろうとしたまさにそのとき、CIAにヴァシリ・オルロフと名乗る自称ロシアスパイが投降してくる。
尋問を早々に切り上げたいソルトだったが、オルロフによる「ソルトがロシアからの潜入スパイである」との発言から状況が一転、スパイ容疑を掛けられたソルトはCIAからの脱出を試みる。

【三幕構成】

第1幕 -> 北朝鮮からの帰還とオルロフの投降。
 ※第1ターニングポイント -> オルロフの告発。
第2幕 -> ロシア大統領暗殺計画。
 ※第2ターニングポイント -> ソルトがオルロフ一味を殲滅する。
第3幕 -> アメリカ大統領暗殺計画。


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【感想】

7月もあっという間に最終日です。本日の1本目は本日公開のソルトです。最近では「コストパフォーマンス・ワースト1位(ギャラと興収のバランスが最低)」に選ばれたり、すっかりB級アクション俳優として評価が落ち着いているアンジェリーナ・ジョリーの最新主演作です。監督は「Catch a fire」以来4年ぶりのフィリップ・ノリスです。今週はあまり大人向けの新作が無いこともあってか、アンジー主演とは思えないほど観客が入っていました。
公開前には「Angelina Jolie’s SALT」というタイトルがアナウンスされていたとおり、本作は完全にアンジェリーナ・ジョリーのための映画です。ほとんどプロモーション映像集と言っても良いでしょう。アンジーがいろんな髪型や服装に変装し、いろいろなシチュエーションでアクションを見せてくれます。このフォーマット自体は「イーオン・フラックス(主演:シャーリーズ・セロン)」や「バイオ・ハザード(主演:ミラ・ジョヴォヴィッチ)」、「アンダー・ワールド(主演:ケイト・ベッキンセイル)」など伝統的によくあります。っていうか、アンジー自身が「トゥーム・レイダー」で有名になったようなものですし、ある意味では得意ジャンルでもあります。
でも、、、本作でなにがまずいかと言いますと、そもそもの話が適当過ぎるという部分以上に、アンジーのアクションが明らかにレベルが低いんです。最後のエンドロールに「Ms Angelina’s Double」というクレジットがありましたが、本作はバリバリ吹き替えを使っています。おそらく車の屋根に飛び乗るシーンや衝突車の中のシーンだと思うんですが、それ以外のアクションシーンもものすごい手持ちのグラグラ・カメラを多用していて全然アクションが見えません。これってアクションが出来なくなったアクションスターが身体性を誤魔化すためによくやる手段なんですが、まさかアンジー、、、、まだ35歳なのに、、、、。
ハッキリ言ってストーリーに見るべき所はありません。よくあるダブルスパイものですし、終わり方が少年ジャンプの打ち切りそのものです。続編を作る気満々の半端な終わり方がちょっと引っかかります。今更東西冷戦とか言われても全然ピンと来ませんし、メッカに核を落としてイスラム教徒の敵意をアメリカに向けるって、、、そんな小学生が考えたようなアイデアを20年以上暖めないでしょ、普通。
なんか作品の根底にあるソ連に対しての妄執的な恐れというのが全くピンと来ないんです。ただ、この辺りはアメリカ人の感覚ではまだまだあるのかも知れませんのでなんとも言えません。

【まとめ】

アンジェリーナ・ジョリーのための映画ですが、あまり魅力的な感じではありませんでした。アメコミを新人女優で映画化したような感覚ですが、さすがにアンジーを使っていまさらこのフォーマットは厳しいです。アンジーもせっかく「チェンジリング」で性格俳優に転向できそうだったのに、やっぱり元の鞘に戻ってきてしまいましたw
すでに身体能力の劣化が始まっている上にこの方向性でいくのは厳しいとは思いますが、アクションをやるからにはもうちょい体を作り直して本気で臨んで欲しいものです。

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私の優しくない先輩

私の優しくない先輩

本日は一本です。密かに連休公開映画の本命、

私の優しくない先輩」を観てきました。

評価:(95/100点)– アイドル不毛の時代でカウンター・カルチャーとしての王道


【あらすじ】

西表耶麻子は女子高生。あこがれの南愛治先輩に思いを寄せるがなかなか切り出す勇気も無い。ある日耶麻子は、所属部員2名しかいないマット運動部で、先輩・不破風和に愛治宛のラブレターを見られてしまう。すると、暑苦しい不破は勝手に2人をくっつける「たこ焼き大作戦」を始めてしまうのだった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 耶麻子の部活動。
 ※第1ターニングポイント -> 不破がたこ焼き大作戦を提案する。
第2幕 -> たこ焼きの練習と喜久子との仲。
 ※第2ターニングポイント -> 耶麻子が倒れる。
第3幕 -> 祭り。


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【感想】

さて、実は密かに大本命でした、一部で局所的な盛り上がりを見せている「私の優しくない先輩」です。監督はご存じ「涼宮ハルヒ」や「らき☆すた」で知られるアニメ演出家のヤマカンこと山本寛です。正直、お客さんはオタクしか居ないだろうと思っていたんですが、予想に反してティーンエイジの女の子ばっかりでした。なんで!? お笑いはまったく分からないんですが、はんにゃのファンでしょうか?
先に書いておきますが、本作は映画としては駄目駄目です。とにかく耶麻子が性悪なゲスですし、その落とし前もロクにつけません。でもね、、、そんなことはアイドル映画にとってはどうでもいいんですよ!!! 私はここからはアイドル映画としての本作のみを言及します。映画としてはダメって書いたからね? 許してね? そりゃモノローグずっと流して演技もへったくれもないし、登場人物達は下らない一発ギャグみたいなアドリブを繰り返すし、ダメダメですよ。クソ映画すぎてマジで1桁点数です。でもそれは普通の青春映画という視点で見ているからです。本作はZ級アイドル映画なんじゃ(`・ω・´) (不破先輩風)!!!

アイドルという存在

まず「アイドル映画」という特殊な基準を持ち込むからには、それがどういうものなのかを前もって定義する必要があります。
アイドルと一口に言いましても、歌を歌う「アイドル歌手」も居れば、水着写真を撮られる「グラビアアイドル」も居ますし、「アイドル女優」や「アイドル声優」なんて単語もあります。非常に難しいんですが、アイドルを頑張って定義すると「特定のコミュニティに人気があって、ファン達の応援によって実力に見合わない立場で活動できる人」だと思います。後半に若干トゲがありますが悪意はありませんw 要は、ファンが思わず応援したくなるような存在だということです。例えば、今のAKB48は間違いなくアイドルだと思いますが、今のPerfumeはアイドルかと言われるとちょっと微妙です。それは、AKB48が実力を遙かに凌駕するファン達の熱気・投資によって支えられているのに対し、Perfumeは音楽の質が十分に認められているからです。AKB48は大人買いするオタク達なしではオリコン上位に食い込むことは不可能ですが、Perfumeは一人が何十枚も買わなくても普通に上位に入れます。別にどちらが偉いということではなく、アイドルはそういう存在だということです。たまたま極端な例を出してしまいましたが、AKB48に他意はございませんのであしからず。
そういう意味では「アイドル女優」というのが一種の悪口になり得るという問題もあったりするんですが、それを書き始めると長くなるんで止めましょうw 私の基準では新垣結衣はアイドル女優で、宮崎あおいは若手女優ですw

「アイドル映画」というもの

もう大分前になりますが、当ブログを始めた直後に「携帯彼氏」についてちょこっと書きました。あの映画は、普通の映画としてはゴミ以下で、アイドル映画としても完全にB級でした。本作を見て確信したのは、残念ながら川島海荷という素晴らしい素材を「携帯彼氏」はまったく生かせていなかったという事です。
本作は初めから終わりまで完璧なまでに「アイドル映画」として特化した演出がなされています。映画として整合性はほとんど放棄していると言っても過言ではありません。それはどういうことかと言いますと、、、
アイドル映画を撮る際に重要なのは、いかにしてそのアイドルの持つ「応援してあげたくなる力(ぢから)」を発揮させるかという事に掛かっています。前述したようにアイドルはファンからの応援によって成立しています。ですから、そのアイドルの魅力とはすなわち「応援してあげたくなる力(ぢから)」なんです。本作では、冒頭いきなりあからさまなハリボテの中で、あからさまに腰ベルトにワイヤーを着けられて浮遊”させられている”川島海荷から始まります。もうお分かりですね? 本作は完璧に「女優・川島海荷の羞恥プレイ集」なんです。

・ワイヤーで無理矢理吊されているのに笑顔で演技をしようとする
    (でも演技が下手な)川島海荷。
・アドリブ全開のはんにゃ金田を前に笑いをこらえながら一生懸命台本通りの演技をしようとする
    (でも演技が下手な)川島海荷。
・物凄い量のモノローグを必死にアフレコしている
    (でも滑舌が悪くて何を言ってるか分からない)川島海荷。
・やったこともないミュージカルを無理矢理やらされて必死に踊る
    (でもちょっと足がもつれてる)川島海荷。
・土砂降りの中で本格演技派っぽいシーンをやらされる
    (でも全然出来てない)川島海荷。
・そしてエンディングで一生懸命歌って踊ってる
    (でも音痴で踊りもつたない)川島海荷。
・おなじくエンディングで一生懸命踊ってる
    (けど途中で振り付けを忘れて適当に流し始める)高田延彦。
・最後に「MajiでKoiする5秒前」という今最高に恥ずかしく煮詰まったダサイ歌(苦笑)を歌わされる
    (でも世代的に恥ずかしさが分かって無い)川島海荷。

断言しますが、全部わざとです。
だってやろうと思えば何十回でもテイクを重ねればいいんですもん。でもこれで良いんです。というかこれが正解なんです。私は本作を見ている間中ずっと「大林宣彦っぽいな~~」と思っていました。その要因はここにあります。大林監督はロリコンとして知られていますが(苦笑)、それは彼のアイドル映画が例外なく「アイドルに羞恥プレイを強要」しているからですw。極端な話、映画を見ている私たちはロケで監督にいじめられているアイドルを想像して「頑張れ!!!」って応援しているんです。本作でもそうです。

川島海荷という最高の素材

本作がアイドル映画として傑作だと思うもう1つの要因が、川島海荷というとてつもない素材です。皆さん、下の川島海荷さんの顔を良く見て下さい。

川島海荷

気付いていただけますでしょうか?
まず、鼻が横に大きいです。次に眉毛が今時の子にしてはあり得ないほど太く濃いです。そして口が大きすぎます。これ悪口じゃないですよ(苦笑)。100%褒めてます。要は「いわゆるアイドルとしてはあんまり可愛くない」ってことなんです。その代わりものすごい小動物的な愛嬌とちょっと男の子っぽい中性的な雰囲気があります。
つまり、川島海荷さんという存在そのものが「アイドル」として成立できるギリギリの所にいる感じがするんです。これもまた「応援してあげたくなる力(ぢから)」の一種です。この子は応援してあげないとアイドルとしてすら成立しない気がしてくるんです。これは物凄い素質だと思います。本人が聞いてもあんまり褒められてる気がしないでしょうが最高に褒めてます(苦笑)。あなたは間違いなく現代日本で最高のアイドルになる素質をもっています。
余談ですが、AKB48の前田敦子さんもこのタイプの子です。あきらかに顔のパーツが真ん中に集まっていて歌も踊りも下手ですが、そこが逆に「応援してあげないとこいつはダメかも」という母性本能に似た応援を誘発します。最近仕事でアイドル関係の3Dの事をやってるんでそんな事ばっか考えてますw

【まとめ】

本作がアイドル映画として傑作なのは、この川島海荷さんの持つ素質と「羞恥プレイとしてのアイドル映画」という部分を自覚的に演出している点です。でなければ、あのワイヤーは見せません。絶対にCGで消します。とはいえ実はここに一点だけ不満があります。最後にCGで宇宙に浮遊する耶麻子と不破のシーンが出てくるんですが、ワイヤーを消しちゃってるんです。そこはワイヤーを見せないとダメです。地球はCGでもいいから、ワイヤーは残さないといけません。そうしないとこのプレイは完成しないんです。ここで「もしかしてヤマカンは自覚して演出してないのか?」とちょっと疑ってしまいました。でもそんな不満もエンディングの高田延彦が全て吹き飛ばしてくれます。
書いてて自分で自分をちょっとキモイかもとか思ってるんですが(苦笑)、本作はアイドル映画として最高でした。決して新しいことをしているわけではありませんが、アイドル不毛の時代にある種のメタ的な視点(=これがワイヤー/羞恥プレイをしているという露悪的な主張)を取り入れて王道の演出を行ったことに大きな意味があります。
今の時代でも80年代アイドル映画は再生産可能なんです。
冒頭にも書きましたが、青春映画としては耶麻子というクソアマ(失礼)が酷すぎるんでまったくダメです。でもアイドル映画としては文句なく大傑作です。
そのあたりを念頭において見る場合に限り、全力でオススメします。

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