ファンタスティック Mr.FOX

ファンタスティック Mr.FOX

3連休の2本目は

ファンタスティック Mr.FOX」です。

評価:(75/100点) -面白い!!! けど、、、ファンタスティックか!?


【あらすじ】

お父さんキツネは運動神経抜群でかつてニワトリ泥棒として名を馳せた。しかし今は新聞コラムニストとして働き、暗い穴蔵のマイホームで妻と反抗期の一人息子の3人で暮らしている。
ある日、新聞の不動産情報を見たお父さんキツネは、弁護士の反対を押し切って格安の木の家をローンで買うことにする。しかし格安にはワケがある。木の前にはボギス、バンス、ビーンという3人の性悪な農場主が住んでいたのだ。
お父さんキツネはよりによってその3人の農場から盗みを働くことにする。盗みは成功したものの、お父さんキツネは命を狙われることになってしまう、、、。


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【感想】

3連休の2本目は「ファンタスティック Mr.FOX」です。アメリカでは2010年のお正月映画で、日本にやっと入ってきました。先日のアカデミー賞でも長編アニメーション部門でノミネートされています。その割にはお客さんはあまり入っていませんでした。結構話題作だっただけに意外です。
本作は1970年出版の同名の童話の映画化です。人形を使ったストップモーションアニメにしては約1時間半という結構な長さがあります。いくつかの章に分けられており、かなり小気味良く物語りが進んで行きます。ストーリーには大きく2つの柱があります。一つは「大人になって社会に適応せざるを得なくなってしまったもの達が自分たちの本能を取り戻す話」。もう一つは「家族から浮いていたお父さんが家族の絆を取り戻す話」です。そこはやはり童話なので、教育的な内容にきっちり着地します。
書くこともあんまりないくらい良く出来たお話しですし、素晴らしい努力の結晶ではあります。ただ、どうしてもイマイチな感じが拭えないのは、ひとえに結局お父さんキツネが散々周りを巻き込んで悪さしたのに一回も謝らないからです。盗みが最初から最後まで「野生の本能だ」で片付けられてしまうので、なんか喉の奥にひっかかりを感じます。基本的には「お父さんキツネが何かする」→「事件が起きてまずい事になる」→「お父さんキツネが乗り越える」というマッチポンプの繰り返しなので、ファンタスティックっていうよりは自業自得って感じしかしません。基本的な流れは本当に面白いんです。終盤のハンパもの達が自分たちの特技を持ち寄って作戦を組み立てていくところなぞ超熱血な展開ですし、「人間なんてやっちまえ!!!!」と感情移入しまくりです。なので、どうしても細かい部分が気になってしまいました。
また、ヘンリー・セリックの頭がおかしいんじゃないかと思うぐらいの狂気の人形劇「コララインとボタンの魔女」と比べてしまうと、ストップモーションアニメの技術的な部分も一枚劣ってしまいます。これは比べるのが可哀想で、ちょっと近々の相手が悪すぎました。
十分にオススメできる内容ではありますので見に行って損はありません。まだ全国で3館しかやっていませんが、子供でも楽しめますので是非連休最後の休みは親子連れでどうぞ。人形だけあって登場キャラクターは本当にみんな可愛いですよ。

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塔の上のラプンツェル

塔の上のラプンツェル

日曜は気分転換で

「塔の上のラプンツェル」を見て来ました。

評価:(90/100点) – 鉄板のお家芸


【あらすじ】

とある王国で王女が生まれた。しかし王女は生まれながらにして余命幾ばくも無い。王は怪我や老いを治すという言い伝えがある魔法の花を探し出し娘に与える。ラプンツェルと名付けられた娘は一命を取り留めた。
一方それまで魔法の花を使って永遠の若さを得ていた老女・ゴーテルは、自信の若さを保つために花の能力の宿ったラプンツェルを誘拐してしまう。ゴーテルは森の中の塔にラプンツェルを閉じ込め、自分の娘として育てていく、、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ラプンツェルの日常と盗賊・フリンライダーとの出会い
 ※第1ターニングポイント -> ラプンツェルが塔の外に出る。
第2幕 -> 「灯り」を見るための冒険。
 ※第2ターニングポイント -> 「灯り」の夜、ラプンツェルが連れ戻される。
第3幕 -> 救出。


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【感想】

映画の話しの前に、被災者の方々に謹んでお見舞い申し上げます。映画を見ていて少し後ろめたいような気分になっているのが正直なところですが、日常へのリハビリも兼ねていつも通りに書いていきたいと思います。
さて、先週の日曜日は「塔の上のラプンツェル」を見て来ました。横浜のブルク13で見ましたが、結構なお客さんが入っていました。地震直後ということもありあんまり映画を見ている気分ではありませんでしたが、人混みでいつも通りの繁華街というのも気分が紛れて結果としては良かったと思います。
あんまり論を重ねるほど頭の整理が出来ていないので、少し簡単に書かせていただきます。
本作は、ディズニーアニメの前作「プリンセスと魔法のキス」の長編セルアニメ復活からうって変わっての3Dアニメーションです。そして前作が「ディズニーの王道たるプリンセス・ストーリーの現代的再解釈」であったのに対し、本作はバリバリの「王道のプリンセス・ストーリー」です。主人公は魔女に攫われた王女様で森の中に囚われており、そこにワイルドでイケメンな盗賊が迷い込んだ所から物語が始まります。テーマは「魔女からの解放と幸せな結婚」。これ以上ないほど「白雪姫」であり、「眠れる森の美女」であり、ど真ん中のプリンセス・ストーリーです。ということで、これはもう十二分に安心して楽しむことが出来ます。いろいろ考えすぎている頭には丁度良い湯加減です。
本作では3D的な表現はあくまでも自然に見えるように使われる程度です。ですので、そこまで3D環境にこだわる必要も無いと思います。ここ数年はディズニーアニメもジョン・ラセターがプロデューサーになっていてピクサーとの差別化が難しくなっていますが、この作品は「ディズニーはやっぱりプリンセス・ストーリーだ!」という宣言のようにも見えました。「キャラクター化された白馬・マキシマス」というのがその象徴です。ピクサー映画に出てくるキャラクター化された動物は、動物的な仕草をコミカライズしてきます。あくまでも実在の動物に寄せる感じです。それに対し、本作のマキシマスは男気溢れ、まるで「みどりのマキバオー」のベアナックルのような愛すべきアホキャラです。
極めつけは90年代前半からのディズニーの象徴・アラン・メンケンによる音楽です。一聴しただけで「あ、これはディズニー映画の音楽だ」と分かるほどの”癖”が、「ディズニー復活」に花を添えます。ディズニーの第2黄金期の最後の一花を「リトル・マーメード」「美女と野獣」で咲かせたアラン・メンケンが、ヘラクレス以来13年ぶりにディズニーアニメに帰ってきたわけで、これはいよいよディズニーの第3黄金期が到来しそうな勢いです。
余談ですが、アラン・メンケンが参加した前作「魔法にかけられて」はディズニー自身による「プリンセス・ストーリーの脱構築(=自己パロディ化と破壊)」だったわけで、そこを通ってついにメンケンが王道的なストーリーに起用されたというのは大きな意味があります。
コメディ要素を入れつつも王道的なプリンセス・ストーリーをきっちりと上質なミュージカルを交えて描いてみせる。これを鉄壁と言わずしてどうしましょう。20年たっても30年たっても十分に鑑賞にたえるような普遍的なエンターテイメント、これがいわゆる「インスタント・クラシック(※)」ってやつです。とりあえず3連休は本作を押さえておきましょう。大プッシュです。
映画館はレイトがやっていなかったりそもそも閉館していたりしますので、くれぐれも無理をしないようにして是非ご鑑賞を。

※1 インスタント・クラシック(Instant Classic)
英語のスラングで、発表された瞬間に歴史年表に載ってしまうような大傑作の事。映画や音楽などの作品以外にも、語り継がれるべき超凄いスポーツ事件なんかでも使います。
例)近鉄・北川の「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン お釣りなし」はまさにインスタント・クラシックだね!
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ナルニア国物語第3章 アスラン王と魔法の島

ナルニア国物語第3章 アスラン王と魔法の島

今日は話題作が多く公開される中であえてこの2本です。1本目は

ナルニア国物語第3章 アスラン王と魔法の島」です。

評価:(35/100点) – もう3Dじゃなくていいんじゃ、、、、。


【あらすじ】

舞台は第2次世界大戦下のイギリス。ペベンシー4兄弟のうち、長男のピーターと長女のスージーはアメリカへ疎開していた。残されたエドマンドとルーシーは従兄弟の家に預けられる。嫌味な従兄弟のユースチスに悶々としながら耐えていた2人は、ある日壁に掛けてあったナルニア風の絵に誘われナルニア国へ戻ることとなる。しかし寄りによってユースチスまで付いてきてしまった。
カスピアン王の「朝びらき丸」に拾われた3人は、王の旅に同行することになる。それはかつてカスピアンの父王の側近だった「七人の偉大な領主」を探す旅だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ナルニアへの帰還と孤独の島
 ※第1ターニングポイント -> 孤独の島を抜け出す。
第2幕 -> アスランの剣を探す旅。
 ※第2ターニングポイント -> アスランのテーブルに剣を6本置く。
第3幕 -> 暗闇の島での決戦。


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【感想】

今日の1本目は「ナルニア国物語第3章 アスラン王と魔法の島」です。金曜・土曜とテレビで前作をやっていますし、結構一押し感のある大作、、、、のはずですが、正直あんまりお客さんが入っていませんでした。
え~~~~~何を書いていいか正直わからないくらいフツ~~~~につまらない子供向け映画でした(苦笑)。
というのも、物語の大半が「島を渡り歩いて領主を見つけて剣を集める」という内容であり、その「島の設定的な面白さ」で引っ張っているからです。じゃあその島がどれぐらい面白いかというと、、、、、う~~~ん。私は原作未読なのでピンと来てないだけかもしれませんが、なんか「007 ゴールドフィンガー」や「シンドバッド黄金の航海」っぽい島とか、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」で見たような机とか、あんまり目新しくグッと来るものがありませんでした。非常に淡々と物語りが進むので、あんまり盛り上がることもないままなんとな~く気付いたら映画が終わってしまいますw
本作はすごくキリスト教的な道徳に溢れた作品だと思います。早い話が、本作は「誘惑」という名のサタンのトラップを少年・少女がかいくぐって成長する「試練の話」なわけです。そして全ての試練を乗り越えると、アスランの国(=神の国)が現れてアスラン(=神様)自らが招待してくれます。「一度アスランの国(=神の国)に入ると戻ってこれない」というのも考えれば当たり前の話しです。「ナルニア国物語/第1章 ライオンと魔女」でペベンシー兄弟達は「アダムの息子」「イブの娘」と呼ばれているわけで、この辺りはかなり意図的に作っています。親御さんも安心してお子さんを連れて見に行ける鉄板の内容です。
だからこそ、盛り上がることが無く淡々と説教をされている気分になってきますw twitterでちょろっと書いたように、これはまさに小学校の道徳の授業で「NHK教育テレビ」のドキュメンタリーっぽい放送を見せられて感想文を書かされるときの憂鬱に限りなく近いです。「つまんないけど、つまんないって書くと怒られるからとりあえずお茶を濁すか、、、。」みたいな感じですw
ちなみに3Dになったとはいえ、スペクタクル度は前作と比べて大幅にダウンしています。1作目と2作目でお馴染みだった大群vs大群のモブシーンもありませんし、魔法的な演出もほとんどありません。全く3Dの価値はありませんので、どうしても字幕で見たいという私のような輩いがいは2D吹き替えで十分だと思います。
とはいえ、家族連れで行くのであればという注釈付きではオススメできます、、、、たぶん、、、、いや2の方がまだ面白いです、、、でもそれだと1の方が面白いし、、、とりあえずオススメデス。

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シュレック フォーエバー

シュレック フォーエバー

今日は

シュレック フォーエバー」を見て来ました。

評価:(60/100点) – さすがの安定感だが、予告で全部見せすぎ。


【あらすじ】

シュレックはフィオナとの間に三人の子供を作り、幸せな生活を送っていた。しかし国の人気者という立場、父親という立場にどうしても物足りなさを感じてしまう。子供の1歳の誕生パーティでシュレックは遂に癇癪を起こしてしまい、フィオナから呆れられてしまう。一人パーティ会場を飛び出したシュレックは帰宅途中に馬車に下敷きになった男を助けるが、彼こそが悪名高き魔法使い・ランプルスティルスキンであった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> シュレックの平和な日常。
 ※第1ターニングポイント -> シュレックが契約書にサインする。
第2幕 -> シュレックとパラレルワールド。
 ※第2ターニングポイント -> オーガ達が捕まる。
第3幕 -> オーガ達の救出と結末。。


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【感想】

本日は「シュレック フォーエバー」を3D吹き替えで見て来ました。お客さんはまったく入っておらず250人の箱に一桁でした。比較的子供向けなアニメのレイトショーとしてはこんなものだと思います。

「シュレック」シリーズの意義と立ち位置

おなじみ有名なおとぎ話の主人公たちをブラックジョークのパロディにするシュレックですが、今回はグリム童話の「ランプルスティルスキン」がターゲットです。日本ではあまり馴染みのない話で、こちらのウィキペディアでは元ネタのドイツ語読みで「ルンペルシュティルツヒェン」となっていました。私は童話はわりと好きなほうなんですが、この話はまったく知りませんでした。
とはいえ本作の話自体にはあまり関係がありません。あくまでもディズニーが提唱する「夢と魔法の国」に悪意を剥き出しにした「夢もへったくれもない国」というブラックジョークの一要素です。
そうです。そもそもからしてこのシュレックというシリーズ自体が、アンチ・ディズニーという思想を前面に出した大人の悪ふざけ&ちょっぴり私怨のこもった作品です。何せ、元々80年代後半から90年代前半にディズニーの第二次黄金時代を引っ張ったジェフリー・カッツェンバーグが15年来の盟友マイケル・アイズナー社長に追い出されてスピルバーグやゲフィンとドリームワークスを作ったのが始まりですから。そしてアイズナーの暴走で「美女と野獣3」だの「ライオン・キング2」だのとふざけたOVAを作ってズタボロになったディズニーにトドメをさしたのが、2001年の「シュレック」です。「ドラゴンに捕まった眠り姫を救う運命の人」というこれ以上ないほどベタで「ディズニー的な」夢と魔法のプリンセスストーリーを見事に脱構築して見せ、あまつさえ「美醜の問題」「異種族間の恋愛」にまで完璧に納得せざるを得ない回答をずばっと出して見せた結末は、まさにディズニーとは違った角度からの「良質で道徳的な長編アニメーション」そのものでした。
「シュレック」が公開される2ヶ月前ですらディズニーは「わんわん物語2」なんぞ出してるわけですから、そのレベルの差はもう歴然だったわけです。
ご存じの通りこの「シュレック」を決定打にして、ディズニーは完全に経営難に陥ります。2005年にはアイズナーが辞任、直後にピクサーを買収、ディズニーの再建はジョン・ラセターに託されます。そして一昨年2008年に完全ラセター体制で作った「ボルト」によりディズニーは完全な復活を遂げます。
つまり、「ディズニーが迷走していた時期に登場した、ディズニーアニメに匹敵するレベルの大人も見られる長編劇場アニメ」としての「シュレック」シリーズは本家ディズニーの完全復活によって一旦その役割を終えたわけです。本作はそういった環境の中で発表されたシリーズの締めくくりであり、10年続いたシリーズへの供養でもあります。
そんな今作は、よりにもよって「パラレルワールドに迷い込んだシュレックが日常を取り戻そうと奮闘する」ストーリーです。考えすぎだとは思いますが、どうしても見ている間中ずっとこの「日常」と「パラレルワールド」との対比がそのまま「ディズニー・アニメ」と「ドリームワークス・アニメ」に見えて仕方がありません。見慣れているが故に当たり前になってしまった「ディズニー・アニメ」が、おとぎ話のパラレルワールドとしての「シュレック」に取って代わられるが、結局本家のすばらしさを再認識して「ディズニー・アニメ」へと回帰していく話。この構図だと「シュレック」が悪いみたいになってしまいますが(苦笑)、どうしてもこういった「ディズニーの完全復活に対する祝辞」に見えてきます。特にカッツェンバーグからしたら、アイズナーこそ憎けれど、古巣であり自らが黄金期を作り上げたディズニーやアメリカ・アニメ業界には相応の愛着があると思います。しかも本作の最後は一作目に回帰してくるわけです。いうなれば「ライバルの完全復活を素直に祝ったうえで、改めて宣戦布告している」のが本作です。それだけで十分に熱い話では無いでしょうか? 6割ぐらいは3Dメガネの疲労感で私が見た妄想かも知れませんけれどw

宣伝に対して思うこと

本作は内容だけを見れば文句なしの良作です。そりゃ多少ドタバタとせわしない印象もありますが、過去作のファンへの感謝をこめたキャラクターものとしては十分に満足出来る内容です。ただ、私は本作を見るのにどうしても抵抗がありました。というよりも「軽い失笑感」とでも言うべき嫌な感じがするんです。その要因は間違いなく本作の宣伝手法です。「ヒックとドラゴン」を見た際に、「シュレック フォーエバー 特別予告」なるものが劇場で流れていました。こういった特別予告自体はよくあるのですが、藤原紀香が出てきて二言三言しゃべった後に流れる予告編は完全に内容をすべてダイジェストで見せていました。「クライマックスは劇場で!」と藤原某が言った瞬間に「クライマックス手前まで見せたのかよ!!!」と突っ込んだのは私だけでは無いはずです。でまぁ実際に本作を見てみると、本当にラスト2分くらいまでを全部見せているわけですw この宣伝姿勢から見える作品への敬意や愛のなさと、そして質を無視した芸能人テンコ盛りな吹き替え陣が、間違いなく本作の価値を目減りさせています。
幸い何カ所かでは字幕版も公開されていますから、もし本作の宣伝に抵抗があるかたはそちらを選ばれた方が良いかもしれません。さすがに4作目なのでもう慣れましたが、それでも主役2人含めて違和感の多い吹き替え陣です。あまりにも山寺さん一人が上手すぎてドンキーの早口長台詞が浮いちゃってますしね。

【まとめ】

本作はシュレックのフィナーレに相応しいキャラものファンサービス満載の作品です。それだけに鑑賞にあたりシリーズを全てチェックしていることは前提になっています。是非子供連れで冬休みにご覧になっては如何でしょうか? 今年の洋画系冬休み映画はチェブラーシカとこれぐらいしか子供向けがありませんから、十分に選択肢に入ってくる良作だと思います。

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怪盗グルーの月泥棒 3D

怪盗グルーの月泥棒 3D

日曜日は2本。1本目は

怪盗グルーの月泥棒 3D」をみました。

評価:(50/100点) – 安心して見れる幼児向け3Dアニメ


【あらすじ】

怪盗グルーは年齢とともに落ち目を迎えていた。そんなある日、彼はTVニュースでピラミッドが盗まれたと知る。グルーはこの偉業に遅れをとるまいとして、史上最大の大泥棒を計画する。彼のターゲットは宇宙に浮かぶ月だった、、、。


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【感想】

先週の日曜は「怪盗グルーの月泥棒 3D」を見て来ました。公開から結構たっていましたので、お客さんの入りも少なく、子供連れもいませんでした。
本作はユニバーサル初の3Dアニメと銘打っています。いますが、、、、正直に言うと、3Dという部分についてはかなりありきたりな使い方しかしていません。予告でジェットコースターの場面がありますが、まさにその場面が最も3D効果を感じます。逆に言えばそれ以外はあまり3Dの意味はありません。
本作はドリームワークス的な毒っ気もなければピクサー的な完成度もありません。非常にベタで教育的な内容の「大人が見せたい子供向けアニメ」です。ですので、決して手放しで褒めるような作品では無いと思います。序盤のピラミッドのシーンから、この作品ではどんなに酷い事がおきても人が傷つかないのはあきらかですし、なにより真の意味での「悪人」は出てきません。ベクターもあくまでコメディ内での「嫌な奴」であり、ナードで嫌味な男以上ではありません。原題は「Despicable Me」=「どうしようもない僕」ですが、グルー自身はそこまで卑劣漢という感じでは無く、むしろ若い才能に突き上げられる中年男の悲哀がメインに描かれます。
ですので、本作は非常に安心して見ることが出来ます。ワクワクできないと言っても良いんですが(苦笑)、ベタな展開を無難にこなしているという印象が強いです。もう公開規模もかなり小さくなっていますが、もし時間が空いていれば見てみても良いかも知れません。アメリカでは夏休み映画として5億ドルを越えるものすごいヒットを記録していますが、あんまりそこまで騒ぐほどでは無いように思いました。

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ハリーポッターと死の秘宝 Part1

ハリーポッターと死の秘宝 Part1

2本目は

ハリーポッターと死の秘宝 Part1」をみました。

評価:(40 /100点) – 惰性で見るには申し分ないが、新しいファンを獲得するのは無理。


【あらすじ】

セブルスの裏切りにあった魔法界はヴォルデモート一派に席巻されていた。魔法省の大臣は殺され、ホグワーツにはセブルスが校長として就任する。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはヴォルデモートを殺すため、ダンブルドアからの遺品を元に分霊箱を破壊する旅に出る、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 逃走と結婚式。
 ※第1ターニングポイント -> ハリー、ロン、ハーマイオニーが旅に出る。
第2幕 -> ロケットの奪取と破壊方法を探す旅。
 ※第2ターニングポイント -> 分霊箱を破壊する。。
第3幕 -> ヴォルデモートの屋敷からの脱出。


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【感想】

土曜の二本目は「ハリーポッターと死の秘宝 Part1」です。初日の割にはお客さんは6割~7割ぐらいの入りでした。「ハリー・ポッター」シリーズの七作目であり、原作最終刊の前編です。予告では「遂に完結」とあおってはいますが、あくまでも原作が最終刊というだけで3作目から6作目までと同様に普通に前振りだけして終わります。まったく完結ではありません。

おさらい

「ハリー・ポッター」シリーズは当初シリーズ化をにらんではいたものの、前提になっているわけではありませんでした。具体的には「賢者の石」「秘密の部屋」「アズガバンの囚人」「炎のゴブレット」は一応作品単体として成立しています。ホグワーツにある不思議な事件が起きて、その謎解きをする課程で魔法のガジェットが登場します。さらにそのガジェットに何かしらヴォルデモートに通じるエピソードが入ってきます。物語の最初は必ず学年末休み空けで、乗り物にのってホグワーツに登校、学年が上がるところから始まります。そしてその学年で色々あってハリー達が成長し、最後はその学年末に「またね!」で家に帰るところで終わります。いうなれば完全に定型化されたフォーマットであり、昔からよくある「ちびっ子学園探偵物」です。何故かホグワーツ魔法魔術学校は卒業資格が明記されていませんので、極端な話、ハリーが10年生になっても続けられるようにはなっていますw
このフォーマットが崩れるのが4作目「炎のゴブレット」です。「炎のゴブレット」の最終盤、ヴォルデモートが遂に復活します。これにより、「ハリーvsヴォルデモート」という対立構造がより明確化され、それがストーリーの全てになります。ですので、非常にざっくばらんにいってしまえば、シリーズ未見の人は「秘密の部屋」「アズガバンの囚人」「炎のゴブレット」は見なくても大丈夫ですw 一話完結で同じような話しかしていませんからw ガジェットだけは本作でも出てきますが、大した意味はありません。
言い換えれば、「炎のゴブレット」以降の作品、「不死鳥の騎士団」「混血のプリンス(謎のプリンス)」「死の秘宝」の3作は全て続き物の作品です。意地悪な言い方をすると、いまさら「死の秘宝 Part1」とか銘打たなくても、すでにこの三作が「ハリーポッターと闇の魔法使い Part1」「Part2」「Part3」なわけで、、、そういう意味では「遂に完結」というラベルですでに失笑が生まれてしまったりはします。

本作の魅力と欠点

作品を重ねる毎にどんどんオッサンになっていくラドクリフ君ですが、本作では笑顔要素ゼロでず~っとしかめっ面をしています。そう、本作は初期の和気藹々な学園探偵物のテイストは完全に消え失せ、一種のディストピアSFになっています。悪に支配された世界で、数少ない正義のレジスタンスが一発逆転のために駆けずり回ります。これ自体は非常に愉快で熱血な展開です。作品としてアクション要素はありませんが、しかし襲い来る敵をかいくぐりつつ戦うという要素はかなり良い感じです。
しかし、まず単純にハリー御一行の三人がほぼ完成されてしまっている(=修行・成長しない)点と、ものがたりの着地が示唆されない(=宛が無いまま駆けずり回る)点にかなりつらい物があります。見ていてワクワク出来ないというか、何がしたいかわからない状態が暫く続いてしまうため、興味が続きません。早い話が飽きます。
そして何より、ハーマイオニーやトビーが強すぎるため、あまりピンチらしいピンチが訪れません。極端な話、真っ正面から戦っても余裕でヴォルデモート派に勝てそうに見えてしまうんです。

3Dについて

本作には特に前半に多くの「3D演出」が登場します。例えば冒頭、セブルスがヴォルデモートの屋敷に入っていくシーンでは、奥行きのある長い庭を真っ正面から捉え手前では門が閉まる演出がされます。 さらにその直後、不死鳥の騎士団サイドの面々がハリーに変身するシーンでは、意図的に全員がカメラから見て別々のレイヤーに立ちます。つまり本来であれば”違った飛び出し方”で何人ものハリーが見られるという「マルコビッチの穴」的なギャグだったわけです。魔法省に忍び込むシーンではエレベーターを真っ正面から捉え、奥に急に引っ込んだり、手前に急に出てきたり、かなり意識して奥行きを使っています。
本作は事前のアナウンスでは普通のフィルム(コダックのVision3)で撮影した後、夜中にHDDにテレシネ(キャプチャー)して、その後で3D変換するはずでした。ところが、10月12日に3D版のお蔵入りが発表されます。公式発表では「最高の3D品質基準で観客の皆さまにお届けすることができないと判断した」となっています。
残念ながら3D変換が間に合わなかったという話は聞いていませんが、10月の頭に本国のワーナーブラザーズが各国の支社に12月払いで上納金の御触れを出したという話は聞いています。ちなみに、Part2も含めて、「ハリーポッターと死の秘宝」は2010年6月12日にクランクアップしています。ですので、そこからラッシュにしてファーストプレビューするのはおそらく7月中旬です。ちなみに2Dから3Dへの変換は2時間もので通常3ヶ月掛かります。(余談ですが「海猿」はその4分の1の超短納期やっつけ仕事でしたので質が低いのも当然ですw) 逆に言えば、通常なら多分9月下旬には3D版「死の秘宝」が出来ているはずなんです。
少なくとも、上期で不調だったワーナー・エンターテイメント・ジャパンとしてはどう考えても3Dによる入場料金アップは欲しかったはずなので、本国はともかく日本法人として3Dを中止にする理由はありません。なので、これは確かに間に合わなかったかプロデューサーOKが出なかったぐらいしか考えられません。穿った見方をすれば、もしかすると春先の「タイタンの戦い」がアメリカでそこまでヒットしなかったため、「ハリー・ポッター」という不動人気のシリーズを使って3D映画の将来性をテストしているのかなとも思います。
真相はともかく、本作を見た限りは3Dで公開する必然性はそこまで感じませんので、観客サイドとしてはどうでもいいかなとは思いますw

【まとめ】

「ハリー・ポッター」シリーズのファンであれば間違いなく行くべきですし、行かないと気になってかなり気持ち悪いと思いますw ですが、そこまで熱狂的なファンで無ければ、Part2の公開時にDVDでチェックするのも手だと思います。なにせあくまでも前編ですので、本作でなにかが起こるわけではありません。ひたすら風呂敷を広げるだけで終わります。決して手放しではオススメしませんが、エマ・ワトソンの成長っぷりを微笑ましく見ているだけでもやり過ごせますので、テンション低めでオススメします!
※ちなみに私はシリーズを全部DVDとBDで揃えています。なので一応はファンですw あしからず。

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ガフールの伝説

ガフールの伝説

土曜の2本目は

ガフールの伝説」です。

評価:(50/100点) – 話は平凡。よくある普通の冒険譚。


【あらすじ】

メンフクロウの兄弟・ソーレンとクラッドは、飛行練習中に純血団なる軍団に誘拐されてしまう。それはかつて世界征服を企んだものの「ガフールのガーディアン」達によって退治されたメタルビークの新勢力であった。ふたたび世界征服を企むメタルビークに兄のクラッドは同調、純血団の戦士として生きることを決意する。一方、弟のソーレンとサボテンフクロウのジルフィーは、純血団の元から脱走することに成功する。彼らの目的地はガフールの神木。かつてメタルビークを倒した伝説の英雄・「キールのライズ」が居るガーディアンの王国である。

【三幕構成】

第1幕 -> ソーレンとクラッドが誘拐される。
 ※第1ターニングポイント -> 純血団からの脱出。
第2幕 -> ガフールの神木への旅。
 ※第2ターニングポイント -> ガフールのガーディアンが戦を決意する。
第3幕 -> 決戦。


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【感想】

土曜日の二本目はザック・スナイダー監督の新作「ガフールの伝説」です。川崎で見たんですがガラガラでした。キャラがフクロウという点で子供向けと思われたのでしょうか。下手すると去年の「ウォッチメン」よりも観客が入っていませんでした。
ざっくりと結論を書きますと、本作はあまり目新しいものや特筆するような部分がありませんでした。「300」「ウォッチメン」でも多用された超スローカメラによる(といってもフルCGですが)マンガの「止め絵」/カブキの「見得」的な演出が多用され、なんかスタイリッシュに見えないこともないような、、、格好付けを多用しすぎて逆にダサイような、、、という微妙な感覚です。話自体も「勇者様ヘルプもの」の王道そのものでして、見ようによっては「スターウォーズ 新たな希望」っぽい感じもあり(特にラストの授与式)、かなり見慣れた展開なので別にどうという感じもありません。至極平凡で、正直に言うと「3Dであること」以外には今2010年にやる必要すら無いような気がします。
ストーリー上もガフールのガーディアン(勇者)達はそこまで活躍せず、どちらかというと新参者のソーレン・パーティ4羽が大活躍してしまいます。なので、そこまで盛り上がりも説得力もありません。
ただ、「キールのライズ」ことエジルリブにはかなりグッときました。「戦争の英雄」=「敵を殺しまくった者」という現実をきちんと見せた上で、空しいけれども「やる時はやるしかない」という展開に持って行くあたりはさすがのザック・スナイダーです。ここで下手に流行のヒューマニズムみたいな方向にいかず、きっちり勧善懲悪でまとめてくるところもさすがです。
こういう単純な勧善懲悪の冒険譚って最近はポリティカル・コレクトネスの視点からやりづらくなっているように思います。悪にも悪の理由があるとか、ついつい悪役のキャラも掘り下げたくなってしまいます。でもそこはグッとこらえて、あくまでも悪い奴は悪いし良い奴は前面的に良いという単純化された対比構造を最後まで通します。
ですので、大変教育上よろしい作品だとおもいます。それこそ文部省推薦マークが付いてても可笑しく無いくらいですw
平凡ではあるんですが、王道を見せてくれるため途中で飽きることもありませんでした。
積極的にオススメするような作品ではないと思いますが、可もなく不可もなくという感じの作品だったと思います。もし時間に余裕があったり、フクロウが好きで好きで仕方がないという方は見に行って損はないと思います。

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キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争

本日は2本です。1本目は

キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」です。

評価:(15/100点) – 犬可愛い。猫可愛い。でもそれ以上では、、、。


【あらすじ】

猫の秘密組織「ミャオ」に所属していたキティ・ガロアはミッション中に番犬に襲われて除毛液に落ち全身の毛を失ってしまう。飼い主からも捨てられたガロアは犬への復讐のため、独自の音波を作成、衛星を通じて全世界の犬を狂わせようと計画する。
キティ・ガロアの謀略を阻止するため、今、仇敵であった犬と猫が手を組む、、、。ついでに鳩も、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ディグスの失敗。
 ※第1ターニングポイント -> ディグスが全世界犬司令部に招かれエージェントになる
第2幕 -> シェイマスとガロアの捜索
 ※第2ターニングポイント -> ガロアの居所が分かる。
第3幕 -> 遊園地での決闘。


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【感想】

本日の1本目は「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」です。これもお客さんがほとんど入っていませんで、私以外は子連れ親子が2組居ただけでした。
非常に簡単に言いますと、これは動物を使ったスパイ大作戦のパロディです。のみならず、タイトルはスターウォーズのパロディ(原題の副題がThe Revenge of Kitty Galore = SW ep3の「The Revenge of Sith」)だったり、オープニングが「カジノ・ロワイヤル(2006年版)」以降のボンド映画のパロディだったり、除毛液に落ちるところは「バットマン(1989/ティムバートン版)」でジャック・ニコルソンが漂白液に落ちてジョーカーになる所のパロディです。そのほかにも「羊たちの沈黙」のレクター博士もどきの猫だったり、空中戦はちょっとロボコップorアイアンマンっぽさもあります。
ということで、本作の話自体は行き当たりばったりで下らないのですが、犬や猫が有名作品を再現してくれるという動物好きにはたまらない作品です。逆に言えば、映画として見に行くと痛い目を見ますw あくまでも犬猫が名場面を再現するだけの動画集です。
見も蓋もないことを言いますと、これ要は「親指スターウォーズ」とか「最終絶叫計画」とかと同種の映画で、それの物凄く出来が悪いものです。
なので、犬好きにのみオススメいたします。猫はかなり悪く描かれますので、猫好きには耐えきれないかも知れません。

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