土曜の2本目は
「ガフールの伝説」です。
評価:
– 話は平凡。よくある普通の冒険譚。【あらすじ】
メンフクロウの兄弟・ソーレンとクラッドは、飛行練習中に純血団なる軍団に誘拐されてしまう。それはかつて世界征服を企んだものの「ガフールのガーディアン」達によって退治されたメタルビークの新勢力であった。ふたたび世界征服を企むメタルビークに兄のクラッドは同調、純血団の戦士として生きることを決意する。一方、弟のソーレンとサボテンフクロウのジルフィーは、純血団の元から脱走することに成功する。彼らの目的地はガフールの神木。かつてメタルビークを倒した伝説の英雄・「キールのライズ」が居るガーディアンの王国である。
【三幕構成】
第1幕 -> ソーレンとクラッドが誘拐される。
※第1ターニングポイント -> 純血団からの脱出。
第2幕 -> ガフールの神木への旅。
※第2ターニングポイント -> ガフールのガーディアンが戦を決意する。
第3幕 -> 決戦。
【感想】
土曜日の二本目はザック・スナイダー監督の新作「ガフールの伝説」です。川崎で見たんですがガラガラでした。キャラがフクロウという点で子供向けと思われたのでしょうか。下手すると去年の「ウォッチメン」よりも観客が入っていませんでした。
ざっくりと結論を書きますと、本作はあまり目新しいものや特筆するような部分がありませんでした。「300」「ウォッチメン」でも多用された超スローカメラによる(といってもフルCGですが)マンガの「止め絵」/カブキの「見得」的な演出が多用され、なんかスタイリッシュに見えないこともないような、、、格好付けを多用しすぎて逆にダサイような、、、という微妙な感覚です。話自体も「勇者様ヘルプもの」の王道そのものでして、見ようによっては「スターウォーズ 新たな希望」っぽい感じもあり(特にラストの授与式)、かなり見慣れた展開なので別にどうという感じもありません。至極平凡で、正直に言うと「3Dであること」以外には今2010年にやる必要すら無いような気がします。
ストーリー上もガフールのガーディアン(勇者)達はそこまで活躍せず、どちらかというと新参者のソーレン・パーティ4羽が大活躍してしまいます。なので、そこまで盛り上がりも説得力もありません。
ただ、「キールのライズ」ことエジルリブにはかなりグッときました。「戦争の英雄」=「敵を殺しまくった者」という現実をきちんと見せた上で、空しいけれども「やる時はやるしかない」という展開に持って行くあたりはさすがのザック・スナイダーです。ここで下手に流行のヒューマニズムみたいな方向にいかず、きっちり勧善懲悪でまとめてくるところもさすがです。
こういう単純な勧善懲悪の冒険譚って最近はポリティカル・コレクトネスの視点からやりづらくなっているように思います。悪にも悪の理由があるとか、ついつい悪役のキャラも掘り下げたくなってしまいます。でもそこはグッとこらえて、あくまでも悪い奴は悪いし良い奴は前面的に良いという単純化された対比構造を最後まで通します。
ですので、大変教育上よろしい作品だとおもいます。それこそ文部省推薦マークが付いてても可笑しく無いくらいですw
平凡ではあるんですが、王道を見せてくれるため途中で飽きることもありませんでした。
積極的にオススメするような作品ではないと思いますが、可もなく不可もなくという感じの作品だったと思います。もし時間に余裕があったり、フクロウが好きで好きで仕方がないという方は見に行って損はないと思います。