恋とニュースのつくり方

恋とニュースのつくり方

今日の2本目は

恋とニュースのつくり方」です。

評価:(12/100点) – (自称)負け犬天才美女がみんなにチヤホヤされる話。


【あらすじ】

28歳彼氏無し。ベッキー・フルラーは仕事一筋で生きてきた。しかし地方TV局の緊縮財政の折、ベッキーはリストラされてしまう。それでも夢を追うベッキーは全国局に履歴書を送りまくる。
彼女の新しい仕事は40年以上続いた老舗の全国ネット早朝番組「デイブレイク」のエクゼクティブ・プロデューサー。しかし番組は視聴率が低迷し打ち切りの危機に瀕していた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ベッキーのリストラと新しい仕事。
 ※第1ターニングポイント -> プロデューサー業開始。
第2幕 -> マイクへの懐柔と視聴率獲得作戦。
 ※第2ターニングポイント -> 「デイブレイク」が打ち切りの危機を脱する。
第3幕 -> ベッキーへのオファー。


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【感想】

今日の2本目は「恋とニュースのつくり方」です。「”プラダを着た悪魔”の脚本家」「”ノッティングヒルの恋人”の監督」という宣伝をしているように、配給としては完全にOLに狙いを絞っている、、、、はずなんですが、観客は少々の女子高生と年配の女性のみでした。400人の箱で20人も入っていませんから、初日としては相当マズい感じです。
ちなみに、公式Twitterへのリツイートで褒めてくれた人にオリジナルグッズプレゼントとか、ブログで褒めてくれた人にオリジナルグッズプレゼントとか、作品同様に腐った性根のキャンペーンをやっています。
ですが、私はそんな物で懐柔なんぞされません。甘い!!!!!
レイチェル・マクアダムスの自筆サインポスタープレゼントでも絶対無理。ハリソン・フォードとのディナーにご招待でギリギリ懐柔できるぐらいの作品の出来です。プライベートのハリソン・フォードに突撃して「F○ck Off!!」と叫ばれるという「ブルーノごっこにご招待」なら絶賛してみせますけどねw
とまぁおふざけは置いておきまして、本作で何がショックだったかというと、これはもう「誰かが私にキスをした」レベルの調子こいた万能美女の話をハリウッドメイクで見せられるということに他ありません。本作は「恋に仕事に頑張る冴えない女の子の話」みたいな雰囲気を被った「天才で、美人で、イケメン・エリートの彼氏がいて、誰からもチヤホヤしてもらえる女性の話」です。これを見た本当に冴えないOLの方々は激怒して良いレベルです。
だって、本作ではベッキーが努力するという直接的な描写が一切ないんです。彼氏の家にお泊まりしながらも夜中にニュース番組をチェックしたりする描写はあるんですが、そもそも彼女の受け持つ「デイブレイク」は報道番組ではなく情報番組ですし、直接この勉強が役に立つ場面が一切ありません。なにせ彼女が視聴率を立て直す切り札は「デイブレイク」を下世話なバラエティーにすることなんですから。でも、それってどうなんでしょう? 下世話な番組にしたらすぐに視聴率がV字回復するってちょっとTV視聴者を舐め過ぎじゃないですか? 早い話、本作ではベッキーは最初から最後まで、超優秀で人当たりも良くていろんな男性が声を掛けて好意を寄せてくれる完璧人間なんです。そんな完璧人間が個性的なキャスター2人を懐柔する話しなんです。
私、実は「プラダを着た悪魔」は大好きです。今でもちょくちょくDVDで見返すぐらい好きです。アン・ハサウェイとメリル・ストリープが大好きだというのも多分にあるんですが(苦笑)、あの映画ではきちんとアンディが「上司の無茶振りに根性で耐える」という「修行シーン」があったんです。ところが、本作では同じ脚本家が書いたとは思えないほど、主役のベッキーは最初から才能を持っているんです。それは開始直後の「デイブレイクのプロデューサ就任初の事前ミーテイング」ですぐに発揮されます。聖徳太子よろしく一斉に発せられる複数の要望をすべて完璧に裁いて見せるんです。しかも最後には余裕のアメリカン・ジョークまで付けてきます。この時点でどっちらけです。こいつはもう我々とは違う世界の天才なんだと。これは「冴えない女」では断じてないと。そう思ってしまうわけです。そうすると、後はもう感情移入も応援もすることなく客観的に天才の天才的でイケイケな行動を死んだ目で見るしかないんです。
本作にはテレビ業界特有の苦労や過酷な労働条件で働く女性の苦労は語られません。あくまでも記号としてのTV業界です。
なんか全体的に作り手の愛情や熱意が伝わらない作品でした。別に調子に乗っている天才の話ならそれはそれで良いんですが、だったら天才なりの苦労とか、天才だけどブチ当たる壁とか、そういった物を設定して欲しかったです。なんの障害もなくスルスルと実績を上げて行くベッキーを見て、本当に心底どうでも良いと思ってしまいました。
OLの方には一切オススメしません。もし「自分は天才なのに周りが分かってくれないから不当な扱いを受けている」と日頃から思っている方には、是非見て欲しい作品です。そんな方にはオススメします!!!

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