英国王のスピーチ

英国王のスピーチ

東京マラソンを横目に今日も2本です。1本目は

「英国王のスピーチ」を見て来ました。

評価:(80/100点) – 正調ハリウッド式の師弟もの


【あらすじ】

キングジョージ5世の次男・ヨーク公は吃音症に悩まされていた。将来を考え治療をしなければならないと考えてはいるがどの医者もなかなか成果を上げらない。困ったヨーク公の妻・エリザベスは言語障害を専門とするライオネル・ローグを訪ねる。彼は王子であるヨーク公本人に自分を訪ねるよう要求し、対等な立場での治療を求める。不敬と思いながらも治療を一度試したヨーク公はその成果に驚き正式に治療を受けることとなる。こうして王子の特訓が始まった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ヨーク公アルバート王子の吃音症とローグとの出会い。
 ※第1ターニングポイント -> 正式にローグの治療を受けることにする。
第2幕 -> 父王の死と兄・キングエドワード8世。
 ※第2ターニングポイント -> ヨーク公がキングジョージ6世として即位する。
第3幕 -> 第2次世界大戦の開戦


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【感想】

本日の1本目は「英国王のスピーチ」です。ご存じ今年のアカデミー賞の最有力候補です。たぶんこのブログエントリーをアップした数時間後には作品賞と主演男優賞を持って行っているでしょう。個人的には「ソーシャル・ネットワーク」の方が遙かに好きだし出来も良いと思いますが、「アスペルガーの天才ナード」と「吃音症の善良王」のどっちがアカデミー会員向きかって言われたらそりゃあ、、、、ねぇw 特にアカデミー会員は映画を見もしないで投票しやがる人たちが一杯いますので、こういう「レッテル貼り」はかなり結果に響きます(苦笑)。
とはいえ、その評判と話題性からか劇場は9割方埋まっていました。

王道的な「カンフー映画」

本作は大変分かりやすく出来ています。見た直後のTwitterで「カンフー映画」と書きましたが、本作は本当にカンフー映画の「師弟もの」のフォーマットをそのまま使っています。しゃべりが下手な(=弱い)主人公が、変わり者の異端者だけどしゃべりについては天下一品な(=超強い)師匠と出会い、ユニークな修行でもって成長し、全国民への開戦ラジオスピーチ(=強敵)に打ち勝つまでのストーリ-です。きちんと途中には小ハードルも設定され、より段階を踏んで修行の成果が見えるようになっています。この喋りを空手にすれば「ベストキッド」ですし、フォースにすれば「スターウォーズEP4 新たなる希望」です。

本作は史実をそういったベタで王道的なストーリーに当てはめて描きます。

ですから、これはもうエンターテイメントのど真ん中でありキングジョージ6世とエリザベスの夫婦愛という非常に当たり障りのない感動話と相まって気品たっぷりな作品になっています。なので、あんまりツッコミを入れるのも野暮です。これは「カンフー映画」というジャンルムービーを「歴史もの」と足して一般向けにアレンジした「マッシュアップ作品」なわけですから。もちろんカンフー映画好きとしては大いに不満や物足りなさはあります。

まず第1の不満は修行シーンが明らかに短すぎることです。前半に横隔膜を鍛えたり、転がりながら発声したり、ルックス的に面白い修行がいくつか出てきます。とはいえ結構ダイジェストでさらっと流されてしまうため、いまいち修行によって強くなった感じがしません。もちろんFワードや下品な言葉を連呼するところは多いに笑わせていただきましたw コリン・ファースの堅い雰囲気で笑いを持って行くのはさすがです。

不満の2点目はライオネル・ローグの「異端っぷり」があまり描かれないことです。特に作品の冒頭で「王道的な医者」がやる治療が「ビー玉を口にほおばって喋る」という見た目が十分に変なものなので、その後のライオネルの治療がどこまで「当時の常識として変なのか」が良く分かりません。史実として難しいのかもしれませんが、やっぱりここは「正式な医者がやる治療」と「ライオネルがやる異端な治療」を明確に対比して貰わないと後半の熱血展開が半減してしまいます。ミヤギさんしかり、オビワンしかり、それこそ丹下段平しかり。私達は「そのジャンルのど真ん中から厄介払いされた変人師匠」が大好物です。ジェフリー・ラッシュの優しい顔と相まって、いまいちライオネルの変人っぷりが足りないような気がしました。とはいえ、きちんと「極度のシェイクスピア・マニア」という変態性を描いてはいますので、魅力的なのは間違いないです。ちょっと物足りないぐらいの感覚です。

不満点を書こうとしたらやっぱ面白かったっていう方が先に立っちゃってますが(苦笑)、全体的に「もう半歩足りない」という喉の引っかかりみたいな気持ち悪さはありました。いまいち突き抜けるカタルシスが無いんです。もちろんカンフー映画としての「燃え」の代わりに「感動」させに掛かってきているので仕方が無いんですが、エンタメ映画としてはもうチョイです。

【まとめ】

好きか嫌いかで言えば間違いなく好きですし、事実私は2回ほど泣いてますw 本音を言うとアカデミーは「ソーシャル・ネットワーク」にあげたいですが、本作がとっても去年みたいに「え~~~~っ」って感じにはなりません。これならアカデミーを持って行っても仕方がないです。
アカデミー賞後だと劇場が今以上に混んでしまうかも知れませんが、一見の価値があるのは間違いないですし2時間の間微笑ましく見られる良心的な作品なのもたしかです。とりあえず押さえておきましょう。オススメです。
※随所で指摘されていますが、日本の宣伝コピーの「内気な王」っていうのは変です。「内気」と「吃音症による自信喪失」はまったく別物ですのであしからず。

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