ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

週末は1本、

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を見ました。

評価:(65/100点) – やる気復活のティム・バートン節


【あらすじ】

ジェイクは、いつもお爺ちゃんから不思議な話を聞かされて育った。空を飛ぶ女の子。奇妙な双子。力持ちの兄弟に、透明な男の子。そしてそんな奇妙な子どもたちの世話をするミス・ペレグリン。お爺ちゃんの話に空想を膨らませ、彼は学校でもちょっと浮いた存在になっていた。
ある日、ジェイクはお爺ちゃんから電話を受ける。心配になったジェイクがお爺ちゃんの家に駆けつけると、そこには家を荒らされ、そして裏の林で両目をくり抜かれたお爺ちゃんがいた。

「島へいけ。1943年9月3日のループへ。鳥が全てを教えてくれる」。

息を引き取ったお爺ちゃんの言葉を頼りに、ジェイクは父親と共にお爺ちゃんの昔話に出てきたケインホルム島へ向かう。

【三幕構成】

第1幕 -> お爺ちゃんが襲われ、ケインホルムへ行く。
 ※第1ターニングポイント -> ジェイクがループへ入る。
第2幕 -> ミス・ペレグリンの屋敷での交流。
 ※第2ターニングポイント -> ペレグリンがバロンに捕まる
第3幕 -> ペレグリン救出大作戦。


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【感想】

さてさて、週末はティム・バートンの最新作「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を見てきました。

最近--特に「 スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (2007)」以降のティム・バートンはちょっと中途ハンパというか、「オレに求められてるのはフリークスが出てくるサブカル受けするコメディだろ?」みたいな感じが凄いでていました。 「アリス・イン・ワンダーランド(2010)」しかり、 「ダーク・シャドウ (2012)」しかり、なんというか、思いっきり滑ってるうえにあんまり監督自身も楽しそうじゃない感じが伝わってきて、ちょいといたたまれない感じです。もうやる気なくなっちゃったのかな、、、という寂しさこみで。

本作は、その迷いが晴れたように、ものすごく全力で「ティム・バートン」をしています(笑)。

ちょいとグロテスクだけどキュートな「奇妙な子どもたち」のキャラクター造形。正統派ゴシック・ホラー調の舞台・背景。「こまけぇことはいいんだよ!」っていう言葉が聞こえてきそうなほど雑だけど勢いのある脚本と、そしてたぶんハリーハウゼンのオマージュであるカクカクしたCGドクロ兵士やモンスターたち。同じくハリーハウゼン・リスペクトのギレルモ・デル・トロとちょっとモンスター造形が似ちゃってるというところも含めて、とっても画面全体から楽しんでる様子が伝わってきます。

そう、たぶん昔からのティム・バートンのファンならばファンなほど、本作はとってもニヤニヤしながら楽しめるはずです。ジョニー・デップ/ヘレム・ボナム=カーター
の呪縛から解き放たれた無邪気なティム・バートンを楽しめる、とても愉快な作品です。

とてもストレートなジュブナイル活劇

本作はとっても古風なジュブナイルものです。私は原作の小説を読んでいないのですが、この本が2011年発表というのを聞いてちょっとびっくりしました。本作は、それこそ70~80年台に流行った一連の「少年冒険映画」そのものです。「お爺ちゃんから”宝の地図”をもらった少年が、悪党たちに追われながらも旅の仲間と共に宝を探しだす」という超王道ストーリー。このド直球な話に、ティム・バートンの為にあるんじゃないかってくらいちょいグロ・悪趣味なモンスターや異能者たちの要素を載っけていきます。ただ、この映画はたぶん昨年のスピルバーグ監督作「BFG」のように現役の子供に向けて作ったものではなく、「昔こどもだったティム・バートンファンへ作ったセルフパロディ」的な要素が強いです。それこそ目玉をくり抜いたり、小学生が見るにはちょっときつめなショッキング描写が所々に散りばめられており、あきらかに楽しんでワザとやってる感じがビンビン伝わってきます。良くも悪くもポリコレとかなんも気にしてないです(笑)。

これ、作戦としてはとても良く機能しています。いうなれば作品全体として「ダブル・スタンダード」を観客にすんなりと押し付けてきてるんですね。ストーリーが雑な部分は「だって子供向けだし」で押し切ってきて、一方悪趣味描写な部分については「だってこういうの見に来たんでしょ?」と急に大人向けになるという(笑)。でもこれこそが、ティム・バートンであり、そしてヘンリー・セリックと組んだ一連の傑作(ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993)、コララインとボタンの魔女(2009))の一番の肝だったと思います。キモかわいい的な意味でのグロテスク・ファンタジーとして成立している本作は、もうそれだけでファンならば大満足できるはずです。

逆に言うと、ティム・バートンがあんまり好きじゃないっていう人は、この映画はただのトンデモ作品に見えてしまうかと思います。話や設定が結構穴だらけですし、敵のバロンはおちゃめすぎて脇ががら空きですしね^^; 一番気になるのはループとよその世界との繋がりですよね。ループの中の「奇妙な子どもたち以外の人」はどうなってるんだろうとか、時空の穴/特異点みたいな扱いなのに意外とすんなり未来と繋がっちゃってるなとか、変に平行世界ものみたいになってる部分はうまい具合にボヤかして適当に流してたりしてます(笑)。

【まとめ】

ということで、ティム・バートンのファンの方は当然見に行ったほうがいいですし、見たらもう大満足すること請け合いです。久々に「ちゃんとティム・バートンしてる作品」が見られます(笑)。一方、もし彼にあんまりピンと来ないという方は、まずは 「チャーリーとチョコレート工場(2005)」あたりで予習したほうが良いかもしれません。個人的にはティム・バートンは「PLANET OF THE APES/猿の惑星(リメイク版/2001)」より前が最高に好きです。本作は、なんか昔の彼がちょっと戻ってきた気がしてとても楽しめました。是非是非、劇場でお楽しみください。

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