今月の映画の日は一本、
「ジェニファーズ・ボディ」を見ました。
評価:
– ホラーなのかアイドルPVなのか中途半端。【あらすじ】
幼なじみのニーディとジェニファーはある夜、郊外のバーで行われるインディロックバンド・ローショルダーのライブに行く。しかしライブ中に火の手が上がりバーは全焼。ニーディは助かるものの多くの死傷者を出し、さらにジェニファーはローショルダーの面々に拉致されてしまう。その夜、ニーディの家に血まみれのジェニファーが訪ねてくる。その日以来ジェニファーは性格が激変し、町では殺人事件が起きるようになる。。
【三幕構成】
第1幕 -> ニーディとジェニファーとチップ
※第1ターニングポイント -> バーの全焼事件
第2幕 -> 連続殺人とジェニファー
※第2ターニングポイント -> ジェニファーが悪魔であると気付く。
第3幕 -> 春のダンスパーティ
【感想】
本日は「ジェニファーズ・ボディ」を有楽町みゆき座で見てきました。映画の日ということもあって併設スカラ座の「借りぐらしのアリエッティ」がとんでもない混み方でして、その煽りなのか想像以上に多くのお客さんが入っていました。予告もポスターも完全にミーガン・フォックスを見るためだけの映画なのは一目瞭然ですが(苦笑)、それにしては若い女性の友達連れが多かったのは意外でした。さぞレズのミーガンも喜んでいるでしょうw
概要
本作の基本プロットは予告を見たそのまんまです。バートリ・エルジェーベトよろしく人肉を食って美を保つ悪魔のジェニファーが親友のボーイフレンドを狙っちゃって、、、というオカルトホラーなんですが、全体的に非常に半端かつ適当ですw
実際、劇中で起こる事件というのはまったく大したことがありません。単にジェニファーをニーディが止められるかどうかというだけで、捻りも無ければ伏線もありません。第一、本作は犯罪者用精神病棟に入ったニーディの回想から始まります。もうこの時点で、この話が2ヶ月間の出来事であること、ニーディの身にも性格が変わるような何かが起きること、そしてボーイフレンドは結局死ぬこと、ニーディはジェニファーと対決して生き残る事が分かります。つまり全部分かるw じゃあどうするかというと、回想でそのことの詳細が語られるだけです。しかも全部想像を超えることのない無難なことばかり。これで面白くなるわけが無い。残念ですが構成が無茶すぎます。インセプションみたいにアクロバティックな時系列シャッフルをするならともかく、これは何の意味もありません。フックアップにすらなってないです。
というわけで話の部分はかなりボロボロです。では肝心のミーガンのPVとしてはどうかというと、これもまた大変微妙です。なぜかというと、「男を誘う悪女」というキャラしか見せてくれないからです。全編通じてミーガンは誰かとキスばっかりしてるんですが、逆に言うとそれしかしてないんです。もっといろんな幅を見せてくれないと全然魅力的に見えません。確かに顔もスタイルも良いと思いますが、ただそれだけでフィルムを持たせるのはいくらなんでも無理です。あまりにフィルム上のキャラが立たなすぎて、むしろ顔が若干微妙かつ斜視なアマンダ・サイフリッドの方が魅力的に見えてきます。企画上の問題かもしれませんが、せめてジェニファーが獲物をおびき出すときにいろんなパターンを見せてくれないとどうにもなりません。しかも暴力シーンをカメラで写さないため、ホラー・クイーンにもなれていないんです。なんかもう、、、、ね、、、、どうすっぺこれ(苦笑)
【まとめ】
とっても困った映画でしたw コンセプトだけはありがちとは言えボンクラ男子が大喝采するようなものですが、あまりにも残念な出来すぎます。突き抜け方が足りません。ホラー寄りでやるならばそれこそ井口昇作品並にゴアでやっちゃえば良いですし、PV寄りでやるなら「永遠に美しく・・・」のようなお茶目なコメディ方向に振ることもできたはずです。でもどちらも全然出来ていません。作品のトーンはやけにシリアスですし、かと思いきやダサいロック調の歌謡曲が突然流れたりして青春映画っぽいノリもあります。なんか制作した人間が真面目すぎて退屈になっちゃってる印象があります。もっとふざけたり突き抜けたりしないとこの手の作品は面白くはなりません。
ということで、決して一口にダメだと切り捨てるほどでは無いですが、全体的に赤点というか、全項目が合格点の2段階ぐらい下というなんとも言えない失敗作だと思います。どこが悪いっていうか全部悪いw
強いて言えば、エンドロールでの対位法を使ったローショルダーへの制裁だけは面白かったです。面白かったというか可笑しかったw なんでそのトーンで全編通じて出来なかったのかと不思議でなりません。 決してオススメはできませんが、ミーガンの大ファンならばとりあえず押さえておいても良いかも知れません。