2月の映画の日は
「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」です。
評価:
– ドタバタ・ロードムービーだけど、、、。【あらすじ】
ピーターは出張先のアトランタで妻の出産が近いことを知る。急いでロサンゼルスまで戻ろうとしたピーターだったが、空港でぶつかった男と荷物が入れ替わってしまい麻薬所持の疑いを掛けられ、さらには機内でテロリストと間違えられ搭乗拒否のブラックリストに載ってしまう。果たしてピーターは5日間で無事アメリカを横断して妻の元へとたどり着けるだろうか?
【感想】
2月1日は「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」を見て来ました。公開から一週間経っていましたので1000円ですがほとんどお客さんは入っていませんでした。昨年公開の快作「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の監督トッド・フィリップスの最新作です。春には「ハングオーバー! パート2」の公開を控え乗りに乗っている監督です。
本作と「ハングオーバー!」で大きく違うのは、やはりキャストが格段に豪華になっているという部分です。主役をロバート・ダウニー・Jrが演じ、相方のイーサンをザック・ガリフィアナキスが演じます。「ハングオーバー!」の頃はそこまで名の知れていなかったザックも、いまや完全にコメディスターです。
ただ、、、この豪華さというのがプラスに働いているかどうかは微妙なところです。というのも、「ハングオーバー!」では役者達はアドリブ全開で「おもしろ素人」感を出しつつハチャメチャなハイテンションを叩き込んでいましたが、今作では良くも悪くもキャラクターが固まった2人がそのキャラを逸脱しない範囲で「あの○○さんならやりそうw」というラインを狙っているからです。ですからロバート・ダウニー・Jrはトニー・スタークやホームズのままの「真面目だけどちょっと抜けてて愛嬌のあるキャラクター」ですし、ザックは「下品で無神経だけど実は繊細なダメ人間」のままです。そこに意外性やリミッターを突き抜けた感じはありません。予想通りのレベルで予想通りのギャグを予想通りのタイミングで行います。
また、本作ではコメディ・パートとシリアス・パートが目まぐるしく入れ替わります。この配分はほぼイーブンで大変考えられているとは思いますが、どうしても笑いが続かないため面白さが減じてしまいます。
これはかなり難しい問題です。実際、本作で私が一番笑ったのはジェイミー・フォックスの家でのコーヒーのやりとりでした。この場面は典型的な天丼ギャグで、「ハングオーバー!」では何度もやっていた演出です。それが本作では1カ所しかありません。本作を見ていて一番の不満はこの「くだらなさ不足」です。前作のヒットを前提に人気のある俳優を使った結果、どうしてもより安全な方向の企画に逃げてしまったような印象を受けます。あのマイク・タイソンや虎を惜しげもなく使う馬鹿馬鹿しさは本作にはありません。
【まとめ】
相変わらず前半の伏線をクライマックスで一気に回収するなどの「映画的な巧さ」はありますが、いまいちコメディとしての破壊力は足りません。もちろん決してつまらないわけではありませんから、気軽に見に行くには十分な出来だとは思います。下ネタも多いのであんまり大声でオススメはしづらいですが、もし時間に余裕があれば見に行くのもいいのではないでしょうか?
もし「ハングオーバー!」が未見であれば、そちらを圧倒的にオススメします。