アンダルシア 女神の報復

アンダルシア 女神の報復

今日は当然これしかありません。みんなが待ちに待っていた史上最強のアイドル・コメディ映画

アマルフィ2 「アンダルシア 女神の報復」でどうじゃ!

評価:(30/100点) – マネー・ロンダリングってそういうことじゃないし(´・ω・`)


【あらすじ】

財務大臣の随行でフランスに滞在中の黒田の元に、アンドラ公国行きの指令が下る。アンドラ公国のスキー場のホテルで、現役警視総監の息子・川島直樹の死体が発見されたというのだ。アンドラに着いた黒田を待っていたのは、警視庁からインターポールに出向している神足捜査官と第一発見者の邦人女性・新藤結花だった。
何かから逃げようとする結花を保護して在スペイン日本領事館へと逃げ込む黒田。しかし結花は領事館を抜け出してしまう。果たして結花は何を隠しているのか? そして神足の目的とは?


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【感想】

さて、本日はこれ以外の選択肢は考えられません。全日本人必見の最強アイドル・織田裕二最新作「アマルフィ2 ~アンダルシア 女神の報復~」です。公開初日の昼の回ですが、客入りは3~4割ぐらいでした。とはいえ、前作「アマルフィ 女神の報酬」を見たときは同じ400人入る劇場で完全貸し切りでしたので、前作比で120倍ぐらいの観客です。さすが日本が世界に誇る大娯楽大作です!!!
さて、毎度毎度お馴染みとなりました恒例のお断りです。これ以降、あまりにもオダルフィが好きすぎるあまり話の内容をすべて書いてしまう恐れがあります。未見の方はご注意下さい。また、あまりのつまらなさに気が遠くなっていましたので、特に前半は場面の繋がりが若干前後しているかも知れません。

まずは公式のあらすじに載っているストーリーをプレイバック!

映画はアンドラのスキー場からはじまります。スキーをやっていた男が突如ステッキを投げ捨て、崖から飛び降ります。そして織田裕二映画ではお約束のドコモの携帯電話を取りだし(キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゜Д゜)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゜ω゜)ノ━━━!!!)、なにやら黒木メイサと会話をします。
そんでもって色々ありつつ舞台は夜になり、花火を尻目に黒木メイサが死体のある部屋でパソコンの認証を解除しようとして諦める場面になり、さらに彼女は荷物を窓から投げ捨てて逃げ出します。
このシーンから分かるのは、黒木メイサが殺したか死体を発見しただけかはともかく、なんらかの情報をパソコンから引き出そうとして諦めてパソコンを一旦隠して逃げ出したということです。
さて、舞台はフランスに移ります。ちょっと気の利いたような雰囲気の路地裏レストランの描写がありつつ、いろいろあってサミットが始まります。ここでやっと我らがオダルフィが登場します。なんと今度のオダルフィはフランス語を喋ります。さすが日本が世界に誇る大娯楽大作!
ちなみにサミットでの村上大臣の命題は「マネー・ロンダリングを防止するために、OECDの規定を強化してタックス・ヘイブン化している国に経済制裁をしよう」というものです。これ自体は別にいいんじゃないでしょうか。実際に今回事件の舞台になるアンドラはタックスヘイブン・ブラックリストに載ってますし。ここでは今回の映画が何かマネー・ロンダリングに関わるものであることが示唆されます。
そしてオダルフィがコーヒーポッドと格闘している中、アンドラで警視総監の息子が死体で発見されたという電話が入り、オダルフィはアンドラ行きを命じられます。なんでもアンドラには日本大使館がないので、最寄りで一番暇なオダルフィに白羽の矢が当たったとか。在スペイン大使館がマドリッドにある気もしますが(゚ε゚)キニシナイ。オダルフィも暇扱いされるとか舐められたもんですw コーヒー飲むのに忙しいのに、、、。
一方、現場では髭が超似合うイケメン海難救助隊員がインターポールとして黒木メイサから事情聴取をしています。強盗殺人を疑う形式的な事情聴取ですが、横から入ってきてあまりにもうろつくオダルフィが目障りになったのか突如喧嘩を始めてしまいます。でも、そこはオダルフィ。トイレを我慢した顔で軽くいなしてみせます。芸歴がモノを言う貫禄勝ちです。
やっぱり色々あって結露が~~~とか、物盗りの犯行じゃなくねぇ~~~~とかスルーしまして、夜になります。黒木メイサは防寒着を身につけてパソコンを回収しに行こうとしますが、不自然なドアノックに危険を感じたメイサはベランダから逃げ出します。そこに監視していた伊藤英明とオダルフィも加わり、本日最初の4チーム・チェイスが始まります。ここでもオダルフィは上手いこと先回りをし、見事メイサをゲットして車でバルセロナの日本総領事館へと向かいます。外交官だから国境の検問もフリーパス。さすが世界のオダルフィです。ちなみにこの段階ではメイサはただの第一発見者ですので、オダルフィには誘拐罪こそあれ捜査妨害等の容疑は掛けられません。
さて、バルセロナについて一服した両名は領事館を拠点に別行動を始めます。オダルフィは世界的プレイボーイ・桜坂とコンタクトを取り、彼からメイサが務めるビクトル銀行の詐欺事件の情報を手に入れます。なんでも、ビクトル銀行の行員が架空の投資話で不正に資金を集めていたというのです。なんかマネー・ロンダリングっぽくなってまいりました!
そうこうしてオダルフィが桜坂といちゃついてるスキにメイサがまたしても逃げ出してしまいます。そういやこの間に戸田恵梨香も出てきた気がしますが、全然何の意味もありませんでした。もったいない、、、超可愛いのに、、、。やっぱりストーカー神足とオダルフィとメイサの3チームチェイスがありまして、オダルフィに軍配が上がってしまいます。しかし今回は正式にメイサが重要参考人となり、インターポールの証人保護マンションに移ることになります。これでもう一安心、、、、と思っていると、何の説明も無しに勝手にオダルフィもついてきてしまいます。おまえはストーカーか。っていうかオダルフィは参考人じゃないし事件の第3者なんだからそんな大事な施設の場所を教えたり、あまつさえ中に泊まらせちゃ駄目だと思うんですけど、、、。
そして退屈な日常が戻ってきたある日、保護マンションから警察に移動するタクシーが何者かに襲撃されます。ちゃっちぃカーアクションと銃撃戦があってオダルフィが左腕を負傷したりしつつ、ここでようやっと危機を切り抜けた神足とオダルフィに微妙な友情が芽生え始めます。
オダルフィは独自捜査で川島がビクトル銀行の架空投資詐欺に引っかかっていた事、そして神足がかつて日本の警察で内部告発しようとしてインターポールに左遷されたことを知ります。インターポールに左遷って凄い話です。「東京都の職員が経済産業省に左遷」みたいなw 左遷じゃなくて超エリート出世コースですけど、、、。
神足もまた、オダルフィがただの外交官ではなく「外務省邦人テロ対策室」というスパイ組織のエージェントであることを知ります。
そんなこんなでちょっとオダルフィと神足のバディ感を演出しつつ、ついにオダルフィが最終手段にでます。それは説得です。
オダルフィの「ユー、全部吐いちゃいなYO!」という説得を聞き入れ、メイサがついに川原の担当行員にして詐欺の主犯・ルカスの事をゲロっちゃいます。なんでも、ルカスはアンダルシアにて巨大テロ組織ARMの幹部と取引きをするというのです。
ようやっとタイトルになっているアンダルシアが出てきます。ここまで90分。いや~~~長かったw
しかしここで問題が出てきます。神足は警視庁より直々に今回の事件をうまいこと処理して川島がビクトル銀行に関わっていたことを揉み消すよう命令を受けます。そして一方のオダルフィも鹿賀丈史よりこの件から手を引くよう命令されます。なんでも、川島は暴力団のマネー・ロンダリングを請け負っていた会計士で、その金をビクトルの詐欺で擦ってしまったというスキャンダルが裏にはあると。しかも川島は警視総監の息子なだけでなく現総理の会計士までやってるそうです。総理直々に圧力を掛けられた鹿賀丈史は屈するほかないのです。イヤーニホンノセイジカハクサッテマスネ(棒読み)。総理もわざわざそこまで話さずにただ「何も言わず手を引け」でいいのにね。いい人w
当然のようにこれを断るオダルフィはやっぱり世界的スターです。
その夜、神足はふらっと寄った闘牛練習場でメイサと出会います。メイサに事件の真相を尋ねると、メイサは真実を語り始めます。川島はメイサの「泣き寝入るべきだ」という説得をきかず、目の前で自殺したと。そしてメイサは「自分に何かあったらビクトルと関わった証拠を隠蔽してくれ」と頼まれたと。もうすでに意味がわからないんですが、細かいことは気にしないw
そんなわけで、一行は遂にタイトルの地・アンダルシアへと向かいます、、、。

パッと見はスムーズに見えるけど実は結構適当なストーリー

さて、、、本作は適当に流してみているとなんとなくそれっぽい感じで物語が進んで行きます。ですから、な~~~んにも考えずにメイサやオダルフィにムハムハしていると、あんまり違和感が無いかも知れません。
しかし本作は根っこの部分、、、つまり話の進み方が非常に難解です。あんまり適当に書いていると説得力がなくなるので、ここからはおちょくり無しで真面目にいきますw
まず冒頭から順を追いましょう。
黒田はフランスからアンドラへと向かいます。これはアンドラで事件があったからです。何故黒田かはともかく問題はありません。次に黒田はインターポールに追われる結花を見かけます。彼女を強引に車に乗せ、一路バルセロナの領事館に向かいます。この黒田の行動も倫理的には問題がありますが、しかし彼の独断専行な性格と「邦人保護を任務とする」スパイの設定ですから物語上は問題はありません。ぐちゃぐちゃになるのはこの後、結花がインターポールに保護されてからです。
結花は2つの件で事情聴取を受けます。1つは冒頭の川島直樹殺害事件の第一発見者としての聴取。もう1つはビクトル銀行による架空投資詐欺事件におけるルカスの通訳としての聴取です。
第一発見者としての聴取についてはすでにアンドラで一通り終わっています。結花は領事館から逃げ出して捕まった際に「私を逮捕して下さい」と神足にいいますが、何の容疑で逮捕しろというんでしょう。あくまでもこの時点でも彼女は容疑者ではなく重要参考人止まりです。そしてもう一つの件、つまり架空投資詐欺の主犯と見られるルカスの捜査ですが、こちらでも結花はただの参考人です。結花はルカスと川島の通訳だったという設定のため彼女が何か知っている疑いは強いですが、逮捕できるだけの証拠は何もありません。あくまでも彼女はインターポールに参考人として保護されている形になります。
恐ろしい話なのですがインターポールに保護されて以降、インターポールは川島直輝殺害事件に関しては捜査をしません。つまり謎解きの要素がないんです。そしてひたすら「ルカスを探す」ことに躍起になります。タイトルになっているアンダルシアでのビクトル銀行とARMの会合もルカスの捜査の一貫で、川島の件とはまったく別件です。これは、神足が川島がビクトルに関わったことを揉み消すよう警視庁から依頼をうけていたためと説明されます。つまり神足としては強盗殺人で終わらせるつもりだったので捜査をしなかったというわけです。
ではルカスを探す動機はなんでしょう。国際犯罪である詐欺の容疑者を捜すのは当然ですが、一方で彼が川島の金を預かってマネー・ロンダリングをしようとしたことは揉み消さないといけません。この段にきますと、外交官である黒田は完全に部外者になります。彼は結花の人権を保護することをお題目にして首を突っ込んできましたが、この時点で結花自身がビクトル銀行から命を狙われていてインターポールに保護を求めているため、もはや黒田は不要です。
そう、本作はこの結花がインターポールに保護されたタイミングで話が変わるんです。それまでは殺人事件の話でしたが、ここからは全然話に出ていなかったルカスの詐欺事件がメインになります。川島が死んだ件はどうでもいい扱いになります。ひ、、酷い。
このあたりのルカスがらみは最後までみると分かるんですが、都度都度明らかにはされないため、見ているときには興味の持続がありません。突然殺人事件からルカスの捜索に話がかわって大混乱します。

動機が変

そんなわけで、本作ではクライマックスにアンダルシアでのルカス含めた一網打尽劇が置かれます。置かれるんですが、なんと肝心のインターポールによる突入・逮捕の瞬間は画面で見せてくれません。結花が足を引きづりながらアンダルシアを去っていくシーンの裏でちょっと銃声が聞こえて終わりです。ちなみにこの一網打尽劇の容疑ですが、ルカスと目されるハゲについては詐欺罪、ARMの連中についてはテロにまつわる諸々になります。しかしご存じのとおり、ルカスと思われたハゲはルカスでは無いわけで、そうするとハゲを取り調べると結花/ルカスにまつわる真相は全部インターポールにバれてしまうわけです。これは結花にとって限りなくマズイ事態です。結花の計画はずさんだとしか言いようがありません。
また当然このタイミングでビクトル銀行の全員を逮捕しているわけではありませんので、ビクトルによる結花への制裁が止まるとは思えません。むしろ警察に身内を売ったのですから、よりハードに狙われる危険の方が高いです。最後に結花は悠々とスペイン投資銀行に入っていきますが、ちょっと考えられません。
この結花の動機周りの部分はツッコミどころの宝庫です。
そもそも新聞で報道されている詐欺事件に対して、川島がビクトルを訴えるかどうかで悩んで自殺する意味が良く分かりません。新聞で報道されている時点で詐欺事件は明るみになっているわけで、その詐欺にあった金の出所は当然警察だって調べます。それだったら川島は普通にビクトルを訴えればいいじゃないですか。川島の持っていた金が汚い金かどうかと詐欺事件は別の話でしょう? さらに言えば、マネー・ロンダリングをするのに資金を一括で銀行に任せるのはおかしいです。それはロンダリングになっていません。普通は複数の銀行で大量の別名義口座を使います。じゃないとそもそもの金の出所は何度回したって付いてきますから。どう考えても川島はマネー・ロンダリングに関してはど素人です。
さらに、結花が詐欺をしかけた動機が無茶苦茶です。「家族に迷惑をかけても平気なボンボンが許せなかった」とか語りますが、詐欺自体が新聞で公表されるほどバレちゃってるわけで大失敗です。しかも話のつじつまを考えると他にこの詐欺の被害者が何人かいないとおかしいです。だって川島は詐欺の被害者として届けていないんですから、別のルートで詐欺が明るみになってないといけないんです。ということは、結花がウソの動機を語っているか、または詐欺自体が結花が考えたのではなくビクトル銀行として複数の銀行員がいろいろな人物に仕掛けたかのどちらかです。少なくとも銀行が架空の投資を帳簿上利用してマネー・ロンダリングをしていたわけではありません。もしそうなら川島が文句を言う意味がわかりませんから。
そうなんです。話の流れのなかではあたかもビクトル銀行がタックス・ヘイブンのアンドラ公国を利用してマネー・ロンダリングをしていた様に見えますが、すくなくとも劇中でその事実はないんです。今回の件はあくまでも結花が勝手にやったことなんです。もっとも、一応アンダルシアでの一網打尽劇でビクトル銀行とテロ組織のつながりは明らかになりそうなので、最終的にはそういうことになるんでしょうけど。

そもそもアンダルシアである意味が全く無い

これは大前提の部分ですが、本作は海外を舞台にする理由が一つもありません。「国際テロ組織」が出てくる所でスケール感を出そうとしていますが、話自体は熱海や諏訪で十分成立します。せっかくインターポールなのに国際的なネットワークを活かした捜査をしませんし、アンドラに至っては劇中ではまるでスキー場のホテルの名前のような扱いですw
フラメンコダンスと闘牛場をだしてなんとなくアンダルシアっぽい表現をする演出ですとか、やってることがステレオタイプですごく軽いです。

【まとめ】

とりとめもなく書いてしまいましたが、本作は間違いなく前作の「アマルフィ 女神の報復」よりはマシです。脚本がどうしようもなく下手で演出が限りなくダサいのは相変わらずですが、少なくともやろうとしている意図は本作では伝わってきます。
パソコン内のデータを壊したいだけ(証拠を隠滅するだけ)なのになんで燃やしたり叩いたりしないで持ち出そうとしたのかとか全く意味が分かりませんが、黒木メイサが頑張ってるので全部OKです。1800円払うのはバカらしいので、来週の映画の日なんかに見るにはいいのではないでしょうか。オススメ、、、、、したいようなしたくないような、、、、、でも一応オススメデス。

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