二本目は
「隠された日記 母たち、娘たち」です。
評価:
– 「FLOWERS -フラワーズ-」がやりたかったはずの理想型。【あらすじ】
カナダで働くオドレイは、妊娠をきっかけに2週間の休暇を取って故郷のフランスに戻る。祖父が死んだ直後だったため母・マルティーヌはいつもぴりぴりしている。居づらくなったオドレイは、亡き祖父の家に滞在することにする。彼女はそこで、かつて母と叔父を捨てて家を飛び出した、祖母の日記を発見する、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> オドレイの帰郷
※第1ターニングポイント -> オドレイが乾燥機の裏で日記を発見する。
第2幕 -> 日記と妊娠。
※第2ターニングポイント -> 日記をマルティーヌが見る。
第3幕 -> 結末
【感想】
本日の2本目はフランス・カナダ合作映画「隠された日記 母たち、娘たち」です。文芸系作品にしてはかなりお客さんが入っていました。
本作はいわゆる「母娘もの」の正当な作りをしています。同性の親子3代でまったく同じ悩みを持ち、同じような結末に向かおうとしていきます。本作では祖母の日記と幻と対話することにより、オドレイが祖母に強烈な共感を感じていきます。そして描かれる悩みは「近代的な女性」についてです。いわゆる”働く女性”、結婚をせずやりたいことをやる女性です。かつての保守的なフランス社会の体現者たる祖父に抑圧されていた祖母が残した教えにしたがい、マルティーヌもオドレイも仕事一筋で生きていきます。ここに「ボルベール〈帰郷〉」のようなサスペンス要素が入ります。
っていうか、この作品はまんま「ボルベール〈帰郷〉」です。ボルベールはカンヌの女優賞と脚本賞を取ってアカデミーにもノミネートされた作品ですので、さすがにジュリーロペス=クルヴァル監督が知らないわけは無いです。とはいえ、この形式自体が一種のジャンルムービーですので、そこまで騒ぐことではないとは思います。
面白いのは、こういった「母娘もの」は海外ではわりと定期的にそこそこのものが作られるにも関わらず、日本ではからっきし作れないという所です。 たぶん「FLOWERS -フラワーズ-」だって仲間由紀恵と小雪でコレがやりたかったはずなんです。全然出来てませんでしたがw
ということで、OLの方々にはオススメです!!!!