ホースメン

ホースメン

本日のハシゴ一本目は「ホースメン」にしてみました。
評価:(5/100点) – スタッフの皆様、役者の皆様、ご愁傷様です。


<あらすじ>
ある日、フックで宙づりにされ殺害された女性の死体が発見される。担当刑事のブレスリンを前に、殺された女性の養女・クリスティンは自分が母を殺したことを告げる。しかしそれは連続猟奇事件の始まりでしかなかった。
<三幕構成>
第1幕 -> ブレスリンと家族の関係
 ※第1ターニングポイント -> クリスティンが自供、逮捕される。
第2幕 -> 猟奇的な事件が連続で起こる
 ※第2ターニングポイント -> 容疑者達の共通点の発見。
第3幕 -> 解決編


<感想>
CMで羊たちの沈黙やソウを引き合いに出していますが、、、なぜこの出来でそれらマスターピースに匹敵すると思ってしまったのでしょうか?見終わって率直な感想は拍子抜けも良いところです。早い話が、セブン風味の「笑い男事件」なのですが、全ての要素が10年遅いです。
予告編を見ると、連続殺人犯のチャン・ツィイーが、獄中から外の事件を操るかの様な印象を受けます。実際にはまったくそんなことはありません。せっかく黙示録のホースメンを持ち出したにもかかわらず、キャッチフレーズにもなっている「COME AND SEE」がただの「かまって」だったり、スケールがみるみる内にショボくなっていきます。期待が持続するのはせいぜい30分程度で、第二幕からは心底どうでも良い描写ばかり。最後に「あれは実は伏線だったのだ」みたいな大仰な演出をされても全く盛り上がりません。非常に申し訳ないですが、ただひたすらショボい印象だけが残ります。
そもそも、2009年にもなって「インターネットってよくわからなくて怖いよね」なんて誰が納得しますか?それこそセブン以降はサイコ・ホラーが量産されましたが、それを今更、しかもまるでパチモノの様な内容で作ってどうしようって言うのでしょう。具体的なネタバレは避けますが、全ての事件に対していわゆる「猟奇的であること」の説得力が全くないんですね。容疑者がそこまで狂っている描写もないですし、物語上の必然がありません。単に制作者サイドの「チャン・ツィイー使ってセブン風味にしたら受けるんじゃない?」っていうビジネス的な意図以外の必然がなくて、何とも言いようがありません。結局なんなのか? 被害者を吊ってどうしたかったのか? さっぱり分かりません。
<まとめ>
正直なところ、駄作と呼ぶのすらためらうほどの酷い出来です。タダ券をもらったのでも無い限り見る価値は限りなく薄いです。ちなみにアイドル映画としてもアウトです。なにせ、チャン・ツィイーがまったく可愛く見えないです。あまりに酷い出来で文句すら言う気が失せる映画がたまにありますが、まさにそのカテゴリーの作品でした。興行収益すら調べる気がしないですが、これ観客はおろかスタッフや制作会社や役者に至るまで、誰も得をしない映画なのでは無いでしょうか?ご愁傷様です。
この作品の予告編を見て少しでも興味を持った方は、いますぐレンタルショップでセブンを借りることをオススメします。そしてこの作品の事は忘れましょう。きっと来年になればジョナス・アカーランド監督のフィルモグラフィからも消えるでしょう。

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ホワイトアウト

ホワイトアウト

レイトで「ホワイトアウト」を見てきました。
今日の二本ハシゴははずれかな、、、。
評価:(30/100点) – 予告だけなら80点。蓋を開けたら、、、(溜め息)。


<あらすじ>
南極で働く女性保安官キャリー・ステッコは2年の任を終えアメリカ本土への帰国と退職を考えていた。アメリカ帰国まであと3日に迫った日、アイスピックで刺された一つの死体が見つかる。殺人事件を捜査するうちに、彼女は五〇年前のロシアの墜落機に秘密があることに気づく。
<三幕構成>
第1幕 -> ステッコの日常と死体発見。
 ※第1ターニングポイント -> ボストーク基地でムーニーが殺される。
第2幕 -> 墜落機の発見と犯人の逮捕。
 ※第2ターニングポイント -> アメリカ行き飛行機の離陸。
第3幕 -> 解決編。そして真犯人の捜査。


<感想>
予告編の出来がすばらしいです。そのため、私は勝手にSF・ホラーだと思い込んでいました。だって南極の隕石調査隊員が謎の死を遂げるんですよ? だって隕石調査隊員が墜落機を見つけるんですよ? どう考えたってエイリアンが人を襲ってるか、宇宙からきた寄生虫みたいな奴に感染した人間が凶行に及んでるに決まってるじゃないですか!



でも、、、そんな事ないんですよ、、、、、これ。
序盤も序盤、開始30分程度でゴーグルつけてモコモコのジャケット着た男がアイスピッケルで襲ってくるんです。この時点でエイリアンではなくモロに人間です。じゃあ寄生虫か?とか思ったら、墜落機はただのロシアの輸送機で、なにかのお宝を調査隊が盗っちゃってそれを奪い合ってるとか言い出すんですよ、、、。ただの内輪揉めかよ、、、、。一気にしょぼくなっちゃって、、、。南極でマクガフィン奪い合ってるだけ。しかも外は吹雪なのでアクションが非常にスローかつ見にくい(失笑)。あの~この手のスリラーってそれこそレンタルDVDショップ行けば山ほどあるんですけど、、、。
<まとめ>
あんまり一般に知られていませんが、ダークキャッスル・エンターテインメントは好事家の間ではある種の一流ブランドです。さもありなん。バック・トゥ・ザ・フューチャーで有名なロバート・ゼメギス監督の作った映画マニア向けの制作会社なんですね。ホラーやサスペンスの専門ブランドで良質なB級映画をたくさん生み出しています。あくまでB級っていう所がポイントです。
そこでホワイトアウトなのですが、ダークキャッスル制作であの予告編を見たら、誰だって期待するわけですよ。ところが蓋を開けたら超ショボイ。ケイト・ベッキンセイルが格好良いだけで、あと何にも見所ありません。BOX OFFICEの興行収入みたら案の定赤字です。ここは是非ダークキャッスルに投資する目的で、映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。だってせっかく良質な作品が出来ても日本未公開なんて嫌じゃないですか。だから、ホワイトアウト、オススメです!

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携帯彼氏

携帯彼氏

ふと気の迷いから、「携帯彼氏」を見てきました。
評価:(35/100点) – D級ホラーだと思ったらB級アイドル映画だったの巻


<あらすじ>
女の子の間で話題沸騰の携帯彼氏(=ポストペット?)。ただの擬似恋愛ゲームだが、恋愛ゲージが0か100になると死ぬという噂が流れる。そんな中、実際に里美の周りでも不可解な死亡事故が次々と起こる。里見は真相を探るべく捜査を開始するが、、、。
<三幕構成>
第一幕 -> 里見の周りで携帯彼氏が原因と見られる死亡事故が連続で起こる。
第二幕 -> 里見がふとしたきっかけで高原直人の携帯彼氏を手に入れる。そして由香関連の色々。
第三幕 -> 解決編。
<感想>
もう何も言えません。いちいち真面目にツッコんだ方がよいのか、ただ呆れた方がよいのか、、、悩ましいです。そもそもこれはホラーではありません。それどころか怖いと思う(思わせようとする)描写が一つもありません。ひとえに「ホラーの文法」が全くできていないからですが、かといって劇映画として見るには物語が破綻しています。今回はどこが破綻したのかを考えながらグチりたいと思います。なので、携帯彼氏を夜も眠れないくらい楽しみにしている諸君はいますぐブラウザを閉じてください。マジ無理。
ストーリー(=劇中設定)について、根本的な破綻が二つあります。それは見た人なら一発でわかるように「携帯彼氏サービスの運用方式」と「携帯彼氏のメカニズム」です。
いきなりネタバレしますが、携帯彼氏サービスは「配信サーバで人物データを管理」し、ユーザは会員登録することでサーバから携帯彼氏プログラムをダウンロードします。つまり買切型ないし月額課金型のゲームで、基本はクライアントのローカルで動くプログラムです。さて劇中で流行っている携帯彼氏ですが、物語のラストで特に管理者がいない廃墟ビルのなかのサーバラックで運営されていることが明らかになります。運営会社が実在するかどうかまでは語られませんが、少なくとも設置ビルは完全に閉鎖されています。
「ハード保守は?」とか「DBのメンテは?」とか「回線や電気の維持費用は誰が出してるの?」とか色々ありますが、一番のツッコミは何で警察が運営会社を調べたときに分からなかったのかです。もはやグダグダ。だいいち、ゲームで人が死ぬみたいな美味しいゴシップネタがあれば、どこかのタブロイド系雑誌が速攻で運営会社を調べると思うんですが、、、。つまり根本的に「ミステリアス」にすらなってないんです。だって現場に行けば分かるんですもの。駄目だこりゃ。
さらに輪をかけて酷いのが、携帯彼氏のメカニズムです。携帯彼氏の「呪い」は、かつて雑居ビルでレイプサークルが被害者の女子もろとも焼死した際に上の階の携帯彼氏サーバに「死んだ人間の魂が入った」ために発生したと説明されます。つまり怨念です。劇中でもバッテリーの切れた携帯電話上で携帯彼氏が突然起動するなど、その「呪いパワー」は描かれます。さらには、携帯彼氏の入った携帯電話に他人が電話をかけると、携帯彼氏が妨害したりするんです。つまり非科学的存在で携帯電話を操れる訳です。呪いなんだから当たり前ですけどね。ところが映画のラスト、呪いを止めるために里見は「携帯彼氏サーバからデータの消去プログラム(=修正パッチ)を配信する」んですね。なんでその通信は邪魔しないんでしょうか?というかプログラムで消えたら非科学的存在じゃないわけで、、、。一応、「目には目を」「呪いには呪いを」ということでレイプ被害者・女子のデータを配信することで最後は呪われた携帯彼氏を消滅させて着地しますが、なんだかなぁ。しかも他のデータが消えてるのに高原直人だけが夜明けまで粘れたり、、、基準がよく分かりません。
結局、話の展開が全部行き当たりばったりで、その瞬間・そのシーンのことしか考えていないんです。だから通しで見ると無茶苦茶で収拾がつかなくなってるんです。また一つ携帯小説とやらのレベルのすさまじさが浮かび上がってしまいました。読んだこと無いのであくまで推察ですが、たぶん原作の携帯小説は、暇なときにちょっとづつ携帯電話で読むことを想定してるために通しでスクリプトのチェックをしてないんだと思います。
もう、携帯小説を映画化するの辞めませんか?




と、ここまでボロカス書いてみたんですが、その割に35/100点とはどういうことかというと、、、、




この映画はアイドル映画として見た瞬間に評価が急上昇します!まさに綾瀬はるか主演「僕の彼女はサイボーグ」状態!
とにかく川島海荷が超可愛い。話が酷かろうが、演出が酷かろうが、そんなことはどうでも良いくらい可愛い。
アイドル映画の水準としては「BALLAD 名もなき恋のうた」なんて遥かに超えています。
と言うことで、アイドル映画が好きな男の子と、ストーリーとか気にしない頭の軽い女の子にはオススメです!!!

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