三連休の初日は二本、
まずは「スプライス」をみてきました。
評価:
– ジャンルっちゃそれまでだけど、スピーシーズ過ぎ。【あらすじ】
ベンチャー製薬会社で働く研究員のクライヴとエルサは遺伝子結合(=スプライス)の実験を進めていた。異なる性別のハイブリッド二体を誕生させることに成功した二人は、人間と動物とのハイブリッドを計画する。経営と倫理の両面から会社に却下された二人だったが、エルサは好奇心を抑えられず実験を行い、遂に新種のハイブリッドを誕生させてしまう。ドレンと名付けられたハイブリッドは急激に成長していった、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> スプライス実験
※第1ターニングポイント -> ドレンの誕生
第2幕 -> ドレンの成長と会社
※第2ターニングポイント -> クライヴがドレンと関係を持つ。
第3幕 -> 結末。
【感想】
今日の1本目は「スプライス」です。「CUBE」で鮮烈なメジャーデビューを飾りソリッド・シチュエーション・スリラーというジャンル自体にスポットライトを当てさせたヴィンチェンゾ・ナタリ監督の最新作です。
この手の映画にしては珍しく、結構人が入っていました。アメリカでは(転けたけど)拡大公開作品でしたので、関東2館というのが結構効いているのかもしれません。カップルもちらほら居まして、ちょっと不思議な客層でした。
予告に出てくるエイリアンを見るだに「スピーシーズ 種の起源」なわけですが、実際に見てみると似ているのはアイデアの出だしとクライマックス以降ぐらいで、中盤は結構違います。初めと終わりが一緒なら一緒じゃないかと言われればそれまでですが(苦笑)そこは「そういうジャンルなんだ」って事で出来るだけ気にしないようにしましょうw
(余談ですが昔「ライオンキング」がでた時に、「ジャングル大帝レオのパクリ」なのか「ジャングル・サバンナもの」というジャンルムービーなのかで友人と揉めたことがあります。 結論としては最初にパクッた作品は”パクリ”。パクリが2作以上出てきた場合は「そういうジャンル」に昇格するというものですw だからマトリックスやエヴァンゲリオンは既にジャンル。)
本作をどのジャンルに入れるかと言われれば、おそらく「SF・ホラー」に入ってしまいます。いわゆるエイリアンものですね。しかし今回のエイリアン・ドレンがモンスターかするのは最終盤です。それまではひたすら飼育観察の話が続きます。そのダルさたるや、、、。
本作で一番きついなと感じたのはエルサのキャラクター描写です。基本的に作品の進み方は一本調子で、エルサのワガママとヒステリーにクライヴが押し切られて転がっていきます。個人的な趣味で恐縮ですが、私、ヒステリー女が喚く映画があまり好きではありませんw 特にちゃんと報いを受けないでヒステリーしたもんがちになってる映画は苦手です。
結局本作はエルサで始まりエルサで終わります。エイドリアン・ブロディの秀逸な困り顔も相まって、エルサのワガママっぷりだけが際だってきます。もちろん表現していること自体はCUBEもカンパニー・マンもNOTHINGも同じで、「特定のシチュエーションにおかれた人間があたふた」することによって業を表現していきます。ただ、それ自体もそこまでオリジナリティのあるものではないため微妙なB級感だけが印象に残っています。
【まとめ】
ナタリ監督にしてはかなり”普通な”作品です。私もこの監督はかなり好きなので相当期待を持っていましたが、ちょっと今作は微妙な感じでした。あくまでもB級であるという前提で見に行くにはお勧め出来ますが、予告にあるようなモンスターホラーを期待するのは止めた方が良いです。