インビクタス‐負けざる者たち‐

インビクタス‐負けざる者たち‐

本日も二本立てです。一本目は「インビクタス‐負けざる者たち‐」。

評価:(65/100点) – 人間ドラマはなかなか。 試合はちょっと、、、。


【あらすじ】

ネルソン・マンデラはロペン島の刑務所から釈放されANC議長につく。その勢いのまま大統領に就任したマンデラだが、黒人と白人の対立構造は変わらなかった。ANCが政権を執ったとはいえ経済力や学力は白人の方が圧倒的に上である以上、国家の分裂は南アフリカの黒人にとっても得策ではない。そこでマンデラは白人達のスポーツであったラグビーを通じて、黒人達の愛国心を喚起しようとする。


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【感想】

昨年は「チェンジリング」と「グラン・トリノ」で未だ衰えない構成力を披露してくれたクリント・イーストウッド監督の最新作、「インビクタス」です。何はともあれイーストウッドの新作が出たら映画館に駆けつけるのは映画ファンの義務です。ということで、私もいそいそと出かけましたが、、、観客が入ってない!
300名のキャパで100名も居なかったでしょうか。マット・デイモンなのに、、、。スポーツ物なのに、、、。

ストーリー部分

本作はマンデラ役のモーガン・フリーマンのほぼ一人舞台です。その台詞もほとんどがアジテーションのようで、タクシー内での秘書との駄話しですらどんどん演説調になっていきます。これが結構くどくてどうかなと思ってしまいます。
もちろん話の根幹になるマンデラの考えはかなりのものですし、マンデラ自身には大いに頭が下がります。政治犯として27年も刑務所に入れられた上で、それでもなお白人と黒人の共生というところに向かう達観には恐怖すら覚えます。実際のマンデラの人柄に詳しい訳ではないので何とも言えませんが、本作では極度の絶望の果てに解脱してしまった聖人のように見えます。それでいて自身の家族については急に人間臭い面を見せるなど、大変魅力的に描かれます。
一方、本作のダブル主演といっても過言ではないマット・デイモン演ずるピナールについては正直なところだいぶ陰が薄いです。マンデラの信奉者として以外にはキャプテンとしての能力やチームでの立ち位置はあまり描かれません。あくまでも観客の感情移入先として、「マンデラを仰ぎ見る好青年」としての役割を果たします。実際に本作が微妙な印象になる原因は、多分にラグビーの描き方です。
スプリングボクスはアパルトヘイトの関係で国際試合に出られなかっただけで、90年代前半の時点でも十分に強豪でした。しかし本作の序盤であたかも弱小チームであるように描かれます。「評論家の予想では良くて準決勝どまりです」みたいなセリフ回しがあったりして「そうか、弱いのか」と一瞬思ってしまうんですが、でも当時は優勝候補だったんです。あまりにも無理に「弱小国が連帯感を持ってついに優勝!」という物語に当てはめようとしたために、むしろ何で強くなったかが良く分からないという弊害が生まれてしまいました。これでスプリングボクスの成長物語りも併せられればものすごい傑作だったと思うのですが、ラグビーの使い方が少し中途半端になってしまった印象を受けます。

【まとめ】

さすがはイーストウッドという感じで、凄くデリケートな題材を上手く軟着陸させています。もちろんいくらでも深読みは出来ます。イーストウッド自身も共和党員ですし、「なんでもかんでもチェンジすることが良いわけではない」と意味深なことを言いますし(笑)。
傑作というほどではありませんが、良作なのは間違いありません。
オススメはオススメなんですが、できればyoutubeで95年のワールドカップ決勝の映像を見ておいた方が良いかもしれません。再現性の高さに驚くこと請け合いです。

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