続いては「ハンナ・モンタナ ザ・ムービー」です。
評価:
– リアル・アメリカン・アイドルムービー【あらすじ】
高校生マイリー・スチュワートはテネシー出身の普通の女の子である。しかし金髪のカツラをつけて化粧をして衣装を身につけると、全米ナンバー1トップアイドルの「ハンナ・モンタナ」に変身する。ハンナとしてハメを外しすぎたマイリーは、父親によってテネシーの田舎へと連れ戻される。父は彼女にハンナを続けるか否かを決めさせようとする。
そんな中、彼女は幼なじみのトラヴィスに再会する。
【感想】
知っている人はみんな大好き、知らない人は名前すら聞いたことがない(笑)でおなじみの、「ハンナ・モンタナ」劇場版です。オリジナルは2006年にディズニー・チャンネルで放送してまして、日本ではテレ東でも抜粋版をやっていました。現在第3シリーズを放送中で、放送開始時には無名だったマイリー・サイラスを一躍全米トップアイドルまで押し上げた超人気シリーズです。
いわゆるディズニー・ミュージカル作品では近年一番のヒット作で、ジョナス・ブラザーズ(米オタク女子に大人気の3人組アイドル)と並んでディズニーには無くてはならない存在です。
その要因の一つが、マイリー・サイラスが「マイリー・スチュワート」役を演じ、実の父ビリー・レイ・サイラスが「ロビー・レイ・スチュワート」役を演じるという、実世界と混同するような設定です。マイリー自体がディズニー・チャンネルに子役で出演していましたから、まさに彼女のためのドラマシリーズといった様相です。
そして平凡な女子高生が実はアイドルという、日本でも昔からある「変身アイドルもの」の現在型です。
そんな超人気ドラマの劇場版なんですが、どちらかというとクラシカルなシチュエーション・コメディ色の強いドラマシリーズとは対称的に、ティーンエイジャーの青春の悩みをストレートに描いてきます。こういった無害なドラマを作らせるとディズニーは本当にハイレベルです。出てくる悪役も全然悪くないですし、みんな道徳的で話せば分かってくれる人ばかりです。そして超楽しいミュージカル・ダンスシーンの数々。決して映画的に上手いとか良くできているというわけではないのですが、ただただ楽しいという意味では無類です。
ど田舎のテネシーで近代的ショッピングモール建設に反対するというこれ以上なく道徳的で情緒的な展開と優しい視線の家族描写は、完全に安心して見ていられます。悪く言えばハラハラが無いのですが、どちらかというと安心という言葉の方がしっくり来ます。
また、マイリーも決して美人ではないんですが(←失礼)ハンナに変身したときのハジけっぷりがとても魅力的です。そしてイケメンで超いい人の父親。これまたイケメンでさわやか系ナイスガイのテネシー・カウボーイのトラヴィス。もう文句のつけようがないくらい平和で優しい、まさにディズニー的な世界です。
いや~スプラッタとかホラーとかサスペンスとかカンフー映画ばっかり見ている人間としては、本当に心が洗われます(笑)。
唯一難点があるとすれば、字幕版をやっていないことです。もちろんディズニーですから変な素人芸人を起用して作品価値を急落させるような愚行はしていませんが、ミュージカル映画で会話シーンと音楽シーンで声が明らかに変わるのはやっぱり違和感があります。私が幼稚園生の時に吹き替えでオズの魔法使いを見たときから思ってます(笑)。やっぱジュディ・ガーランドじゃないと。一応断っておきますが、白石さんには何の他意もございません。普通に上手いですし、仕事ですれ違っても挨拶してくれるとても良い人ですんで(笑)。
ということで、本作は文句なくオススメです! お子様連れでもまったく問題無く楽しめますので、是非どうぞ。ただしその場合、特に小学校低学年以下のお子様は、途中の「Hoedown Throwdown」で踊り狂ってしまう危険性があることだけは明記しておきます(笑)。
私のiPodでも絶賛ヘビーローテーション中です。
※ちなみにコレ → 「Hannah Montana- Hoedown Throwdown Music Video (Youtube)」