第9地区

第9地区

本日はSF映画2本立てです。

1本目は「第9地区」です。

評価:(95/100点) – ヘタレ小役人よ、いまこそ立ち上がれ!!!


【あらすじ】

今から20年前、南アフリカのヨハネスブルグに宇宙船が飛来してきた。そのまま居着いてしまったエイリアンは、その容姿とゴミ漁りの意味を込めて「エビ」と呼ばれ第9地区に隔離されていた。そして現代、軍事組織MNU(マルチ・ナショナル・ユナイテッド=多国籍連合)はエビ達をヨハネスブルグの郊外に移住させる計画を発動する。計画の総指揮は、エイリアン課の真面目な職員・ヴィカスに任された。軍人達の暴走を横目に、ヴィカスは第9地区に向かい移住同意書へのサインを集めるが、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> UFOの出現からこれまでの概要。移住計画の発令。
 ※第1ターニングポイント -> ヴィカスの左腕がエビ化する。
第2幕 -> ヴィカスの逃走と黒い液体の奪還作戦。
 ※第2ターニングポイント -> 司令船が撃墜される。
第3幕 -> 第9地区での最終決戦。


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【感想】

やっと、、、やっと日本公開されました。昨年の夏休み映画にして全米で大ヒットした昨年のSF最高傑作、30億というCG映画にしては安い制作費ながら205億円の興収を叩きだしたモンスター映画、「District9」です。
すでにDVDが出てますので映画ファンならばチェック済みの方も多いと思いますが、ようやく9ヶ月遅れでの公開です。去年の秋頃はDVDスルーすら怪しかった冷遇のされ方でしたが、なんとかかんとか公開されたことに安堵しつつ、やっぱり日本の配給会社の方針に疑問を感じずにはおれません。
本作のストーリーは劇場でご堪能いただくとして、やはりずば抜けているのは観客感情の操り方です。
序盤はエビが完全に卑しい低脳なエイリアンにしか見えないんですが、あるポイントからエビ同士の会話シーンが入るようになります。そしてヴィカスがエビ化するにつれ徐々にエビの事情が見えてきて、観客もエビに親近感が湧くようになります。それと同時に、エビにだってインテリで良い奴がいるということが明らかになります。そして極めつけは地下ラボであるものを発見するシーンです。ここで完全に人間側が悪になります。そして人間どもの非道さが観客に浸透してフラストレーションがピークに達した所で、遂にヘタレのヴィカスが熱血ヒーローモードに入るわけです。それこそ「ガンダム大地に立つ!!」のようなロボットものの第1話よろしく、いままでヘタレだった男が意を決して強大な力を手に入れて己の正義のために立ち上がるわけです。これが嫌いな男の子は一人もいないと断言できます。熱血ってやっぱり万国共通なんですね。
とはいえ、プロットは結構雑だったりします。黒い液体でエビ化する原理が説明無しだったり、司令船から母艦をリモートコントロール出来る原理の制約事項の説明が無かったり(=制約無しなら司令船が飛ぶ必要がない。)、どうしてもチグハグな感じが否めません。しかしそれを差し引いても、キャラクターの追い込み方は本当に見事です。「こうなったら、こうするしかない」という追い込まれ型の行動原理が全編続いていて、物語の推進力は最後まで衰えることがありません。だから、2時間近くがあっという間に過ぎてしまいます。
もちろん、本作はご存じの通り「ケープタウン第6地区」と「居着いちゃった宇宙難民」のアイデアを混ぜたものです。ですから黒人のメタファーとしてエビを見ることは可能ですし、それこそアパルトヘイトに対する怒り(人間/白人共をぶっ殺せ)と捉えることも可能です。
しかし、そういった政治的な目線の好みを脇に置いても、第1級のすばらしいSF作品であることは間違いありません。
本作がコケでもした日には金輪際SFは輸入されないんじゃないかというぐらい危機感があったりしますので、是非是非、気になった方は劇場に足を運んでみて下さい。GAGAに儲けさせるのは癪ですが(苦笑)、映画ファンなら必見の作品です。
いや噂に違わぬ素晴らしい出来でした。

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