シャネル&ストラヴィンスキー

シャネル&ストラヴィンスキー

本日は「シャネル&ストラヴィンスキー」を見てきました。

見てる途中で熱が出てきて猛烈に寒気がしましてハァハァ言ってました。ガラガラだったから良かったですが、近くに人が居たら完全に変態と思われたでしょう(笑)。

評価:(60/100点) – これぞフランス映画!!!


【三幕構成】

第1幕 -> ストラヴィンスキーが「春の祭典」をパリで初演する。
 ※第1ターニングポイント -> ストラヴィンスキー一家がシャネルの別荘へ引っ越す。
第2幕 -> シャネルとストラヴィンスキーの不倫関係
 ※第2ターニングポイント ->エカテリーナが子供を連れて出て行く。
第3幕 -> 「春の祭典」の再演。


【あらすじ】

1913年、パリのシャンゼリゼ劇場で「春の祭典」が初演される。しかし当時のバレエの枠を越えた前衛的な光景は観客のヒステリックな反応を招いてしまう。客席でこれを見ていたシャネルはストラヴィンスキーの才能に惚れ込む。その7年後、第1次世界大戦とロシア革命からパリへと逃げてきたストラヴィンスキーは、シャネルから経済的援助を申し入れられる。それは彼女がパリ郊外のガルシュに持つ別荘の提供であった。居候となったストラヴィンスキーは、シャネルと不倫関係を持ち始める、、、。


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【感想】

さて、今日はここ数ヶ月の間で3本目のシャネル映画です。
1本目はアメリカTV映画の「ココ・シャネル」。アカデミー女優・シャーリー=マクレーン扮する晩年のシャネルが若き日を思い起こしながら復活を遂げるストーリーで、彼女が修道院を出てからスイス亡命後のカムバックまでをざっと一通り語ります。
2本目はフランス映画の「ココ・アヴァン・シャネル」です。「アメリ」のオドレイ・トトゥ扮する若きシャネルが、エチエンヌ・バルサンの恋人として社交界を学び、その後アーサー・カペルに乗り換えて帽子屋を開業、そしてカペルが事故死するまでを描きます。25歳~35歳ぐらいまでの「成り上がり期」における彼女のラブストーリーが中心です。
そして3本目の本作です。本作は、ちょうど「ココ・アヴァン・シャネル」のラストから続くような話となっています。両作品ともシャネル社が監修していますので、おそらく意図的なものと思われます。
冒頭でアーサー・カペルが事故死をし、悲嘆に暮れるシャネルがストラヴィンスキーと出会います。このストラヴィンスキーとの出会いと別れが本作のストーリーの全てです。

本作の見所について

本作は、なんと言ってもそのデザインが全てです。フランス映画を見慣れている人にはおなじみですが、多くのフランス映画と同様に本作もストーリーは非常に淡々としていてあまり盛り上がりません。言うなれば究極的な「雰囲気映画」です。
シャネルを演じるアナ・ムラグリスの衣装はまさにシャネルそのものですし、ガルシュの別荘も「これぞシャネル!」としか言いようのない幾何学的でモノクロな要素がそこかしこに散らばっています。それもそのはず。エンディングテロップで驚きましたが、監修でカール・ラガーフェルド本人がクレジットされているんです。もう80歳近いおじいちゃんですが、ファッション界の巨魁が参加してる時点で抜かりはありません。おそらくシャネルの雰囲気を出すのにこれ以上の適役は居ないでしょう。よく参加してもらえたと思います。
そして、その雰囲気を邪魔しない程度のうすっぺらいストーリー(笑)。これは伝記物の宿命ですが、いくらカリスマ的な人間でも、全ての期間がドラマティックなわけではありません。ココ・シャネルで面白いのは、25歳~35歳のバルサンとカペルの「成り上がり期」と、そして70歳~75歳のスイスからフランスに戻って力尽くで復活する「再生期」です。あとは強いて言えば50代後半にナチス高官の愛人をやってた「売国奴期」でしょうか。いずれにしても、ストラヴィンスキーとシャネルの不倫はいくらなんでも地味すぎます(笑)。

【まとめ】

これぞフランス映画!!!としか言いようがありません。すばらしく高レベルな雰囲気作りと内容の無いストーリーはお約束です(笑)。
シャネルブランドが大好きな人にはたまらない物があると思います。シャネル服ファンの女性に強くオススメします!
余談ですがマッツ・ミケルセンは「007 カジノ・ロワイヤル(2006年版)」のル・シッフル役が印象に残りすぎていて、変態にしか見えませんでした(笑
また、シャネル関連の近作3作の内では、シャーリー・マクレーンの「ココ・シャネル」が一番映画として面白かったです。「ココ・アヴァン・シャネル」もいかにもフランス映画っていうテイストでしたが、本作よりはまだストーリーに起伏がありました。本作はデザインではまちがいなく一番ですが、映画としてのバランスがちょっと悪すぎるように思います。とはいえ見て損はありませんので、是非レンタルDVDででもご鑑賞ください。その際は「ココ・シャネル」→「ココ・アヴァン・シャネル」→「シャネル&ストラヴィンスキー」の順がオススメです!!!

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