日曜日は一本、
「TSUNAMI -ツナミ-」を見ました。
評価:
– 災害の意味が無い災害映画。【あらすじ】
韓国のヘウンデで漁師をするマンシクは死んだ恩師の娘・ヨニの面倒を見ていた。バツイチ子持ちのマンシクに思いを寄せるヨニだったが、マンシクはなしのつぶて。やがて意を決したヨニはマンシクを父の墓参りに誘う。
一方、学者のキムは日本海で大規模な地震と津波が起こると予測し、対策を訴えていた。
【感想】
日曜日は一本、韓国映画の「TSUNAMI -ツナミ-」を見ました。観客は中年女性を中心にそこそこ入っていました。コリアタウンの近くで見たので、現地の方かも知れません。週末成績を見ると興行的にはかなり失敗しているようです。
あんまり気合いが入らない感じのどうでもいい駄作だったので、要点だけざっと書きます。
本作はいわゆる「災害映画(ディザスタームービー)」のフォーマットからはかなり外れています。通常のフォーマットでは災害は第一ターニングポイントかミッドポイントで発生し、逃げ惑う人々とそこからの復興がストーリーのメインになります。
ところが、本作では災害は最後の最後、まさにクライマックスとして発生します。つまり、それまでは完全なネタフリです。70分くらいかけてラブストーリーやら離婚した男と娘の再会やらをネタフリして、そのすべてを災害によって洗い流すと言う形式になっています。
ところが、、、ここが本作の最大にしてもっともやらかしている所ですが、、、、本作の災害は「理不尽性」をあまり発揮しません。というのも、マンシクやヨニやオといった主要キャラは不死身の力でまったく危なげなく生き残るからです。このフォーマットでやるのであれば、徹底的にキャラに思い入れを持たせた上で、あっさり災害で殺さないといけません。そうしないと災害の持つ突発的で理不尽な特性は描写できないんです。
ところが本作では一般的なドラマのように、主人公達は主人公であるが故に生き残ります。それだと、たた単に災害が「ちょっとした盛り上がり」以上のものにはならないんです。ですから、本作は厳密な意味での災害映画ではありません。ラブストーリーのちょっとしたスパイスとして大津波がくるだけです。
実は本作を見ていて感じたのは、日本のテレビ屋映画的なセンスです。強引すぎるお涙頂戴で逆に引いてしまう感じですとか、あまりのご都合主義にテーマ自体が破綻してしまっている感じですとか、本当にそっくりです(苦笑)。恐ろしい事に、本作は韓国国内では観客動員1100万人の大ヒットみたいなんです。4人に1人は見ている計算なので日本でいえば興収300億レベル、つまり「タイタニック」や「千と千尋の神隠し」ぐらいの感覚です。ものすごい事になっています。人気俳優が出ているだけで内容の無い映画が宣伝力でヒットするっていうのも似ていますw
結論としては、これを見るくらいなら「The Last Message 海猿」を2Dで見るか、おとなしく「十三人の刺客」に行きましょう。
余談ですが、「超日本語吹替版」という言葉を使っておきながら「日本海」のことを「トンヘ」とか言う時点で配給会社のCJとパラマウントはまったく日本語で見せる気がありません。(2chネラーのニュー速民はともかく)普通は「トンヘ」って言って「日本海」だってすぐ分からないですから。こんなことなら例え韓国語が分からなくても僕らの永遠のアイドル翻訳家・なっちを使って欲しかったです。それならまだ笑えたかも知れません。
あと、12点中10点はこんな映画にまで顔を出すAKB48の商魂逞しさへのプレゼントです。なので実質2点でお願いしますw