今日は二本です。1本目は新作映画、
「ソルト」を観てきました。
評価:
– まだそこまでの歳でもなかろうに、、、。。【あらすじ】
イヴリン・ソルトはCIAロシア部のエージェントである。彼女の結婚記念日、仕事を上がろうとしたまさにそのとき、CIAにヴァシリ・オルロフと名乗る自称ロシアスパイが投降してくる。
尋問を早々に切り上げたいソルトだったが、オルロフによる「ソルトがロシアからの潜入スパイである」との発言から状況が一転、スパイ容疑を掛けられたソルトはCIAからの脱出を試みる。
【三幕構成】
第1幕 -> 北朝鮮からの帰還とオルロフの投降。
※第1ターニングポイント -> オルロフの告発。
第2幕 -> ロシア大統領暗殺計画。
※第2ターニングポイント -> ソルトがオルロフ一味を殲滅する。
第3幕 -> アメリカ大統領暗殺計画。
【感想】
7月もあっという間に最終日です。本日の1本目は本日公開のソルトです。最近では「コストパフォーマンス・ワースト1位(ギャラと興収のバランスが最低)」に選ばれたり、すっかりB級アクション俳優として評価が落ち着いているアンジェリーナ・ジョリーの最新主演作です。監督は「Catch a fire」以来4年ぶりのフィリップ・ノリスです。今週はあまり大人向けの新作が無いこともあってか、アンジー主演とは思えないほど観客が入っていました。
公開前には「Angelina Jolie’s SALT」というタイトルがアナウンスされていたとおり、本作は完全にアンジェリーナ・ジョリーのための映画です。ほとんどプロモーション映像集と言っても良いでしょう。アンジーがいろんな髪型や服装に変装し、いろいろなシチュエーションでアクションを見せてくれます。このフォーマット自体は「イーオン・フラックス(主演:シャーリーズ・セロン)」や「バイオ・ハザード(主演:ミラ・ジョヴォヴィッチ)」、「アンダー・ワールド(主演:ケイト・ベッキンセイル)」など伝統的によくあります。っていうか、アンジー自身が「トゥーム・レイダー」で有名になったようなものですし、ある意味では得意ジャンルでもあります。
でも、、、本作でなにがまずいかと言いますと、そもそもの話が適当過ぎるという部分以上に、アンジーのアクションが明らかにレベルが低いんです。最後のエンドロールに「Ms Angelina’s Double」というクレジットがありましたが、本作はバリバリ吹き替えを使っています。おそらく車の屋根に飛び乗るシーンや衝突車の中のシーンだと思うんですが、それ以外のアクションシーンもものすごい手持ちのグラグラ・カメラを多用していて全然アクションが見えません。これってアクションが出来なくなったアクションスターが身体性を誤魔化すためによくやる手段なんですが、まさかアンジー、、、、まだ35歳なのに、、、、。
ハッキリ言ってストーリーに見るべき所はありません。よくあるダブルスパイものですし、終わり方が少年ジャンプの打ち切りそのものです。続編を作る気満々の半端な終わり方がちょっと引っかかります。今更東西冷戦とか言われても全然ピンと来ませんし、メッカに核を落としてイスラム教徒の敵意をアメリカに向けるって、、、そんな小学生が考えたようなアイデアを20年以上暖めないでしょ、普通。
なんか作品の根底にあるソ連に対しての妄執的な恐れというのが全くピンと来ないんです。ただ、この辺りはアメリカ人の感覚ではまだまだあるのかも知れませんのでなんとも言えません。
【まとめ】
アンジェリーナ・ジョリーのための映画ですが、あまり魅力的な感じではありませんでした。アメコミを新人女優で映画化したような感覚ですが、さすがにアンジーを使っていまさらこのフォーマットは厳しいです。アンジーもせっかく「チェンジリング」で性格俳優に転向できそうだったのに、やっぱり元の鞘に戻ってきてしまいましたw
すでに身体能力の劣化が始まっている上にこの方向性でいくのは厳しいとは思いますが、アクションをやるからにはもうちょい体を作り直して本気で臨んで欲しいものです。