日曜の2本目は
「孤高のメス」です。
評価:
– 手術描写は頑張ってるが、話としては退屈。【あらすじ】
さざなみ市民病院はロクな外科医がおらず、近隣の大学病院に頼り切っていた。そこにピッツバーグ大学出身の当麻が赴任する。彼は急患で運ばれてきた料亭のオヤジを緊急オペで見事に救って見せ、市民病院でもオペが可能であることを見せつける。やがて停滞していた看護師達もやる気を見せ始め、市民病院には活気が戻ってくる。
一方、大学から派遣されてきていた医師達は当麻を快く思っていなかった、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> 弘平と母。
※第1ターニングポイント -> 当麻先生が赴任してくる。
第2幕 -> 当麻先生の活躍。
※第2ターニングポイント -> 脳死肝移植手術を決意する。
第3幕 -> 脳死肝移植手術
【感想】
日曜の二本目は「孤高のメス」です。先週公開の作品でスルーしてたんですが、結構評判が良かったので見てみました。お客さんは中高年を中心にかなり入っていました。
確かに、本作での手術描写はかなり頑張っているように見えます。きちんとオッサンの肝臓は汚く、若者の肝臓は綺麗なピンク色で描いています。私も実物は分かりませんが、なんか「本物っぽい」感じはとても伝わってきました。ところが、、、肝心のストーリー部分がかなり雑です。類型的なスーパー外科医に、類型的な感じ悪いエリートが突っかかるという構図。そしてその中で起こるのは、典型的な足の引っ張り合いです。倫理的な問題を脇においても、決定的に盛り上がりません。
相変わらず日記で始まるのに浪子が見られないシーンが一杯出てくるのですが、そこはそれほど気になりません。やはりどちらかというと、手術のシーンに力をかけ過ぎてしまいそれ以外がおざなりになってしまっている点が問題だと思います。
特に後半、脳死の話になってからは、もはや登場人物の誰一人冷静な判断をせず、みんなが泣き方向に行ってしまいます。あまりに無茶苦茶な事をみんなで言い始めるため、物語の整合性以上に予定調和的な展開になることが丸わかりで急激に冷めてしまいました。
作品全体がストーリーよりも泣き脅しの方向に向かう傾向にあるため仕方がないのかもしれませんが、もうちょいドラマ側でなにかイベントが欲しかったです。結局当麻先生は欠点がないんです。じゃあなんでさざなみ市民病院に来る前に各地を転々としていたんだって話はあるんですが、あまりにも欠点がなさ過ぎて、サスペンス的なハラハラがまったくありません。安心して見られてしまうので、成功率は5分5分と言われても全然気になりません。本当に惜しいです。
【まとめ】
さながら2時間ドラマのような地味さと記号表現でした。ですが、手術シーンは間違いなくワクワク出来ます。もし時間が余っているようであれば、見て損はないと思います。
『孤高のメス』お薦め映画
本作は20年前の臓器移植手術がテーマだが、先駆者たちが抱える危険と信念を真摯に描いたタイムリーな題材。臓器移植の他にも、医師不足、手術ミス、地域医療など、20年前にあった問題は今も解決できていないことがわかる。