ディセント2

ディセント2

「ディセント2(DESCENT PART 2)」を見てきました。
評価:(55/100点) – ファン専用のおまけムービー


<あらすじ>
前作でただ一人生き残ったサラ。しかし彼女はあまりのショックに記憶喪失に陥っていた。六人の捜索を行っていたヴェインズ保安官は、彼女を案内役に洞窟に入る事を決める。再び洞窟での惨劇がはじまった、、、。
<三幕構成>
第1幕 -> サラの救出。救助隊が洞窟に降りる。
 ※第1ターニングポイント -> 洞窟にて死体を発見する。
第2幕 -> 複数の組に分断されて洞窟をさまよう
 ※第2ターニングポイント -> ジュノの登場。
第3幕 -> サラ組とジュノ組が合流し出口を目指す。


<感想>
この物語は前作「ディセント」のエンディング直後から始まります。話の流れは至ってシンプルで、メインパートの洞窟探索に関してはほぼ前作を踏襲しています。よく言えば前作ファンへの「おまけムービー」ですが悪く言えば「焼き直し」であり非常に評価が難しくなっています。
前作のエンディング直後から始まる続編としては、先日見た「REC/レック2」の方が正直なところ良くできています。あちらは前作の謎を回収しつつ話を広げていましたが、本作は良くも悪くも前作に非常に忠実です。つまり前作の世界観を一歩も出ません。「続編を作る」ことの構造は「バタフライエフェクト3/最後の選択」の時にちょろっと書きましたが、あれはあくまでもシリーズものとして各作品が独立している時に使う手法です。本作のように時間軸が完全に連続している場合、同じ事を繰り返すことにどれだけの意味があるのかと問われると何とも言えません。ファンは間違いなく喜びますし、現に僕も十分楽しめました。でもそれだけというか、だからどうしたというか、どうにも発展しないわけです。
同じく本日公開のソリッド・スリラーで「SAW6」がありますが、あちらもシリーズ2作目以降は完全に繰り返しなので見るの辞めちゃいました。でもファンは間違いなく見てると思うんですね。たぶん興味半分・義務感半分で(笑)。「ここまで付き合ったんだから最後まで付き合ってやるか」ってなもんです。この「ディセント2」もある意味そういう長期シリーズになる可能性があります。「ディセント・ゼロ」とか言っちゃったりするかも知れません。第一作目を結構楽しく見た身として切実に思うのは、「ディセント2が興行的に失敗して続編はここで止めといて欲しい(笑)」ってことです。これについて、次項でちょっと考えてみようと思います。
■ ソリッド・シチュエーション・スリラーについて
「ソリッド・シチュエーション・スリラー」は主に日本でよく使われるジャンル区分です。外国では全然聞きません。和製英語ってやつです。読んで字の如く「固定された状況でのスリラー」と言うことで、一般的には場面転換やロケ地の移動が極端に少ない、そして設定・目的が途中で変わらないホラー・スリラー映画を指します。本作も冒頭の導入部分を除いて全編洞窟が舞台ですし、そこから脱出するだけの映画です。ですから典型的な「ソリッド~」です。このジャンルはロケ地やセットが少なくて済みますので低予算・短期撮影という利点があります。そんなわけで、「CUBE」や「SAW」の大ヒット以降はまさに粗製濫造されて来ました。今では単館系のホラー・スリラーは殆ど全部これと言っても差し支えありません。近々公開される物だけでも「THE WAVE ウェイヴ」「実験室KR-13」なんかがあります。もちろん「SAW6」や「REC/レック2」もです。このジャンルの映画は、スケールの小ささを補うためにシチュエーションの独創性や奇抜さを競います。要は「出オチ」「一発アイデアもの」なんです。そんなわけで、このジャンルは腕に自信のある無名の監督には格好の踏み台になり、実際に多くの監督が名声を得てハリウッド・エンターテインメントにのし上がっていきました。もちろん代表格はサム・ライミです。またのし上がるきっかけにはなりませんでしたが、ジョージ・ルーカスの処女作「THX-1138」も実はこのジャンルの先駆的作品です。
こういった制作側に大変魅力的な事情がある一方で、このジャンル特有のデメリットもあります。それが少し前述した「続編のむずかしさ」です。あくまでもアイデア勝負のジャンルなので、続編を作ってセルフコピーをすればするほど陳腐で安っぽく見えてしまい内容は単純化されてしまいます。せっかく第一作目が傑作だったとしても、続編が作られるに従ってどんどん価値が落ちてしまい、結果として第一作目ですらレンタル屋で手に取ってもらえないなんてことが当たり前に起きてしまいます。レッテルを貼られてしまうんですね。「CUBE=グロいだけ」「ランボー=筋肉馬鹿が暴れるだけ」といった感じです。両シリーズとも第一作目はまったくそんなこと無い大傑作なんです。
「ディセント」も「狭い洞窟で盲目のモンスターが襲ってくる」というアイデアは本当に良かったんです。モンスターが盲目なので「静かにする」事が重要になってきますし、これは観客をスクリーンに集中させるのに非常に効果的です。だから本作の様なセルフコピーはここいらで止めてほしいです。「ディセント3」とかやってしまうと単なるモンスター映画になっちゃいそうで、、、それだけは勘弁してください。実は本作でも単純化の兆候は見られます。一部の場面で結構大声で会話しちゃうんです。前作ではそれだけは御法度だったのに、、、残念です。
<まとめ>
色々と書いてきましたが、本作はあくまでも第一作目のファンへのオマケです。なので第一作目を見た方はとりあえず見に行きましょう。第一作目を未見の方は是非DVDで見てみてください。ただ相変わらず低予算のモンスター・スラッシャーなのでグロいのが苦手な人は無かったことにしてください。映画としては一作目がオススメです!

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