今日も2本見て来ました。1本目は
「ハンナ」です。
評価:
– ニキータっぽいのかとおもいきや意外と淡々。【あらすじ】
ハンナは人里離れた雪の森で父親に育てられた。世間から隔離された環境の中で彼女は父から格闘術や暗殺術をしこまれる。ある日、父は無線機を出して「このスイッチをいれればここから出て行ける。そのかわりマリッサを殺すかマリッサに殺されるかしなければ自由はなくなる。」と告げられる。迷った末にスイッチを入れるハンナだったが、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> ハンナの森での暮らし。
※第1ターニングポイント -> ハンナがCIAに捕まる。
第2幕 -> ハンナのベルリンへの旅。
※第2ターニングポイント -> ハンナがベルリンへ到着する。
第3幕 -> ハンナの出生の秘密
【感想】
今日も今日とて2本見てきました。1本目は少女暗殺者ものの「ハンナ」です。ジャンルとしてはアクション映画だと思うんですが、小箱ながら客席は完全に満員でした。学生の夏休み最後の土日だからなのか作品人気だからなのか、ちょっとビックリしました。
本作品は少女がなんらかの組織に暗殺者として育てられる、、、というある種のジャンル映画です。このジャンルのパイオニアはリュック・ベッソンの「ニキータ(1990)」で、その後似たような設定の作品が映画のみならずアニメや漫画でも溢れかえりました。このジャンルでは「世間知らずだけれども暗殺術・格闘術に関しては超一級」という少女と普通の少年・少女とのカルチャーギャップコメディを混ぜつつも最終的には普通の少女になったりやっぱり暗殺者に戻ったりします。
では本作はどうかといいますと、、、シアーシャ・ローナンもエリック・バナもケイト・ブランシェットも魅力的ではあるんですが、どうにもいまいち淡々とした印象をうけます。一番の理由はハンナがあんまり「普通の女の子」になろうとしないことです。この手のジャンルものですと通常は途中で「普通の女の子」としての楽しみを知ってそれに憧れる過程があるのですが、本作ではずっと無表情でいまいち笑いません。唯一出てくるのが道中で出会うソフィーとの友情物語です。ですが、肝心の場面でハンナが助けにいかなかったりするので、ハンナにとってどこまで重要なのかあんまりわかりません。そうすると、ハンナが本当に不思議ちゃんにしか見えなくなってしまうので微妙に盛り上がりに欠けます。
一応本作のストーリー構造上は、「何も知らなかったハンナがソフィーと出会って友情を知るけど出生の秘密を知ることで再び暗殺者の顔にもどる」という形にはなっています。もっと思い切って中盤でハンナがキャピキャピしちゃっても良かったかなと思います。
そして肝心のアクションシーンですが、こちらはエリック・バナが面白さの大部分を牽引しています。とにかくエリック・バナ演じる父ちゃんが最高に渋くて最高に格好いいです。細身のスーツでビシっと決めながら相手をぶち殺していく姿は本当にキマっています。一方のシアーシャ・ローナンも負けじとかなり頑張っています。1対1で正面きっての戦いこそないものの、結構あいてを”こねる”動きが出来ていてかなり素質を感じました。
ただ、このアクションシーンでも実は一点だけどうしても惜しいところがあります。鉄砲にしても矢にしてもナイフにしても拷問にしても、肝心の「死ぬ瞬間」が映らないんです。相手に当たるところはカメラが別の方向を向いていてその後に死んでいる人だったりが「結果」として映ります。おそらく年齢制限を回避するためだとおもいますが、せっかくのアクション映画で肝心の所を隠してしまうのはちょっと残念でした。これもやっぱり全編通して淡々とした印象をあたえてしまう一因だとおもいます。
とかなんとかいいつつも、Wデートのシーンは本当に最高です。このシーンの腰払いだけで100点!!! そこだけって話もありますけど、、、、。
【まとめ】
シアーシャ・ローナンのアイドル性がいまいち伝わらなかった大変惜しい作品だと思います。でもシアーシャとケイト・ブランシェットが役者のタイプとして本当にそっくりというのは良い発見でした。
あんまり積極的にオススメするほどでもないかなとはおもいますが、ジャンルムービーとしては十分に及第点の出来です。やっぱり最後に天丼ギャグで”ドーン”ってタイトルが出るとテンション上がりますしね。何を見るか迷ったらおすすめです。