シェルター

シェルター

今日は「シェルター」を見てきました。

評価:(45/100点) – オカルト・サイコ・スリラーとして雑。


【あらすじ】

ある日精神科医のカーラは父親からの紹介でアダムと出会う。彼はデヴィッドという第二人格をもっており、デヴィッドになると歩けなくなったり色覚異常が直ったりしてしまう。解離性同一性障害に懐疑的なカーラは、アダムのペテンを証明しようと彼の素性調査を始める。しかしカーラが見つけたのは、実在したデヴィッドという人物だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> カーラが父の紹介でアダムと出会う。
 ※第1ターニングポイント -> デヴィッドの母親に会う。
第2幕 -> カーラの調査。
 ※第2ターニングポイント -> カーラが昔のフィルムを見る。
第3幕 -> アダムからの逃亡と結末。


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【感想】

今日は「シェルター」です。予告で変な仰け反り方をするジョナサン・リース・マイヤーズがとっても面白そうに見える新作です。ところが、、、まぁなんと言いましょうか、、、類型的すぎてちょっと安心して見られてしまうぐらいのヌル~~~イ作品でした。
というのも、全編を通じて”サイコスリラー的””オカルト・ホラー的”な描写を駆け足で適当に流していくんですね。その結果として別に驚くわけでもなく、「過去作品のダイジェスト映像集」を見ているような気分になってしまいます。
さて、毎回恒例ですが、今回も多数のネタバレを含みます。多分映画館にわざわざ見に行く人も少ないと思いますが(笑)、ジョナサン・リース・マイヤーズのファンで未見の方には「早まらないで!!」という言葉と共に、以下のネタバレをお気をつけ下さるようお願いします。早まらないで!!!。

話の骨格について

話自体は非常にありがちなオカルトです。いきなり全部ネタバレしますが、要は
「信仰を利用した悪徳牧師が、信仰厚いシャーマンのババァに呪いを掛けられ、不信心者の魂を攫うシェルター(魂を隔離する殻/悪魔)になる。」という話です。それって「エクソシ(以下略)
そこだけ取り出すと結構面白い話だとおもうのですが、問題は序盤から中盤に掛けてオカルト要素をあまり描かずにあくまでもサイコパス・スリラーの描き方になっている点です。作品がオカルト方向に完全に振り切れるのは、シャーマンの女がシェルターの実演をするシーンで、時間にしておよそ1時間20分。作品の大半がサイコパス方向です。そのため、お化けの話が唐突に見えてしまいます。カーラが最初から解離性同一性障害に懐疑的だからなんですが、それがカメラにも転移してしまっていて、オカルト的な要素が散りばめられているにも関わらずどこか冷めた演出になってしまっているんです。だって、死んだ人物が乗り移った多重人格者とか、咳き込んだ人が突然死したりとか、すっごい夢(?)がある話じゃないですか。でも、そんなの嘘だと言わんばかりのカーラの態度にカメラも同調した結果、見ている方もなんか微妙な空気になってしまいます。
咳き込むといえば、劇中で背中に十字架模様の「みみず腫れ」が出来て咳き込み始めると死ぬという描写があります。でも、実はこれ、冒頭を見れば分かるようにアダムにもあるんですね。ところが最終盤でフィルムに映されるムーア牧師はジョナサン・リース・マイヤーズが演じています。ということは、アダムはムーア牧師に乗っ取られた人間ではなく、完全にオリジナルのムーア牧師とイコールです。なので背中に十字架があるのは別にアダムのターゲットになったからではありません。ということは、、、いったい何がきっかけなんでしょう?
考え得るのは、信仰を失ったものには天罰として背中に「みみず腫れ」が出来るというものです。でもこれだと咳き込んで土を吐き出す描写が説明できません。口に土が詰まるというのはムーア牧師の特徴だからです。ではやっぱりムーア牧師のマーキングなんでしょうか?でもそれだとアダムにもある理由が説明できないし、、、謎。
この辺りのディティールの甘さがとってももったいないです。せっかく良い設定なのに、適当に投げっぱなしなんです。

テーマの消化について

本作は「信じる物は救われる」っていうバリッバリの宗教映画テイストです。正確には「信じない物は悪魔に襲われる」でしょうか。いずれにせよ「信仰」というキーワードに乗れるかどうかはかなり大事です。
集中力が切れてちゃんと英語を聞いてなかったのですが、字幕で牧師となっていたので松浦美奈さんの訳が正確ならこれはプロテスタントの話です。
なんですが、本作ではきっちりとした結末で消化してくれません。前述したように、クリスチャン・ムーア牧師は「信仰を利用した悪徳牧師」であるが故に呪われました。なので、この作品の結末はムーア牧師が信仰を取り戻す以外にあり得ません。しかも最後にちゃんとカーラがお祈りを聞かせるという決定的な場面があるんです。しかし結末は100%腕力です。っていうかオバちゃんのチョーク・スリーパーを振り切れない男って(以下略)
わざわざネタ振りまでして回収しないあたりが適当です(苦笑)。
あとこれは根本的な問題なんですが、どうしても宗教観に頼る作品ではあるので、私のような無宗教の人間にはイマイチ怖くありません。

【まとめ】

まぁいいんじゃないですか(←適当)。少なくともジョナサン・リース・マイヤーズのファンであれば、彼の赤ちゃんプレイが見れる貴重な作品です(笑)。しかし、、、ちょっとジャンルムービーの中でもレベル低いです。とはいえ、「フォース・カインド」よりは面白いので、興味を持った方は是非直感に従って劇場でお楽しみ下さい。
しかしここのところジュリアン・ムーアの地雷率はハンパじゃないです。
・フリーダムランド Freedomland (2006)
・トゥモロー・ワールド Children of Men (2006)
・NEXT -ネクスト- Next (2007)
・美しすぎる母 Savage Grace (2007)
・ブラインドネス Blindness (2008)
・シェルター Shelter (2009)
・50歳の恋愛白書 The Private Lives of Pippa Lee (2009)
・シングルマン A Single Man (2009)
勝率12.5%。面白いの「シングルマン」だけですね(苦笑)。今秋公開が決まったみたいなので是非お楽しみに。

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シェルター」への3件のフィードバック

  1. まず感想にムーア牧師をアダムと書かれていたので、それで混乱が生じているのかと思いました。基本的に殺しやマーキングはムーア牧師の身体を支配した何かが直接関わり行われています。
    被害の時間軸はこうです。
    ムーア牧師
    (1918年頃に支配開始)
    ↓↓↓
    車椅子のデヴィッド
    19歳
    (1963-1982)
    ↓↓↓
    バンドマンのウェス
    29歳
    (1965-1994)
    ↓↓↓
    バスタブ死体のアダム
    30〜50歳
    (多分死後3ヶ月以内)
    といった流れです。
    ムーア牧師の背中の十字架は1981年頃に呪いをかけられた時に出来たもの、最後のチョークスリーパーは子供の人格になっている時には子供の腕力になっていると考えるのが話しの流れ的に自然かと思いますのでディテールには問題ないかと思いました。
    ムーア牧師のままでの犯行なのでサイコパスのくだりでは年齢的にも説明が出来ないのでオカルト落ちは必然だと思います。ただ描き方が唐突で不親切なところも有るので読み取りにくく低評価に繋がっているようで残念です。

  2. >>っていうかオバちゃんのチョーク・スリーパーを振り切れない男って
    このとき、アダムには娘のサミーの人格が入っていたので、腕力も娘程度の非力なものになっていたんじゃないでしょうか?

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