プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

本日はレイトショーで

「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」を観てきました。

評価:(75/100点) – 予定調和の爽快感と安心感と平凡感


【あらすじ】

貧民街で孤児として育ったダスタンは、ペルシャ王の目に留まり養子に迎えられた。それから15年、ダスタンは二人の兄とともに聖なる都・アラムートを攻め落とす。そこには美しいダガーと美しいタミーナ王女が居た。しかしその勝利の宴の席で、ダスタンが贈ったローブを纏った父王が毒で死んでしまう。暗殺容疑を掛けられたダスタンは命からがらタミーナ王女とともにアラムートを脱出した。ダガーに拘るタミーナと、暗殺を長兄・タスの王位簒奪と疑うダスタン。2人は、父王の葬儀に潜り込むため、再びアラムートを訪れる、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> アラムート攻城戦。
 ※第1ターニングポイント -> 父王が暗殺される。
第2幕 -> 暗殺容疑を晴らすための冒険。
 ※第2ターニングポイント -> ハッサンシンにより寺院が襲撃される。
第3幕 -> ダガーを砂の時計に戻すための冒険


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【感想】

本日の新作レイトショーは「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」です。ディズニーとジェリー・ブラッカイマー・フィルムのコンビが贈るパイレーツ・オブ・カリビアン路線の実写娯楽アクション映画です。今週末公開の中では一番の大作と言うこともあってか、結構お客さんが居ました。

作品の概要

本作は2004年発売の同名アクションゲームの映画化です。とはいえ話はかなり変わっています。ダガー・オブ・タイム(時の短剣)を巡って、暗殺容疑を晴らしたいダスタン王子と、ダガーの守護者たるタミーナ王女、そしてダガーで昔に戻って兄を出し抜きたいニザムの3者が奪い合いを行います。お宝の奪い合いという分かりやすいフォーマットにアクションとロマンス要素を詰め込んだ作品ですから、老若男女問わずリラックスして適当に見るには最適な作品です(笑)。私も相当に楽しませていただきました。
なにせ本作は歴史的ゲームシリーズの映画化ですから、いかにその飛んだり跳ねたりするゲーム要素を見せるかが鍵になってきます。これはそのままパルクール・アクションに置き換えることで見事に成功しています。少し空撮の旋回映像が多すぎる気もしますが、いかにも中東っぽい町並みをガンガン飛び越えて行く様子はかなり爽快です。シャムシールを使った剣術アクションも、カット割りが早すぎてよく分からないと言う不満を除けば、ジェイク・ギレンホールの肉体性が良くでていて大変面白いです。このあたりのアクションに関してはとても良く出来ていると思います。ところが、、、
やはり不満はストーリー部分に集中してしまいます。というのも、物語上不要な行ったり来たりが多すぎて、かなり無駄でまわりくどいエピソードが多くなっています。せっかくイケメン王子と美女の逃避行なのに、きちんと落ち合って目的が一致するまでに1時間以上かかってしまうのは結構痛いです。また、「ダガーの時間戻しは1分までしかできない」という設定が割と途中から崩れ始めます(苦笑)。時間戻しに制限がある状況ではおかしい計画や作戦がいくつか見受けられます。
そしてなんと言ってもクライマックス以降の大団円に向かう部分です。「おまえ、それ口で言うだけかい!」みたいなストーリー上それでいいのかと思うほど適当な説得でみんなが納得してしまったり、そもそも面識が無く無愛想な王女が突如結婚を承諾したり、時間戻しの設定が全然生かし切れていません。本作における時間戻しは「ダガーのスイッチを入れた者だけが記憶を保持して時間を遡れる」のですから、最後は元のサヤに戻らないとおかしいんです。そしてもう一つ、時の砂だけはたとえ時間をもどっても消耗品として失われてしまいます。だから、例えば最後のシーンは「王女がダガーの柄を見て、ダスタンが時間を逆行してきたのに気付いた」みたいな描写を入れないとさっぱり通じなくなってしまいます。タミーナ王女は無愛想なのが魅力なのに、この終わり方ではなんかナンパされたギャルみたいでイマイチです。

【まとめ】

クライマックス以降に不満はありますが、とても良く出来たエンターテイメント作品だと思います。ジェリー・ブラッカイマー・フィルムの面目躍如です。ディズニーなので当然えげつない描写は出てきませし、安心して見られる良作です。
惜しむらくは、もうちょっとタイムトラベルならではの面白さを入れて欲しかったです。

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プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」への1件のフィードバック

  1. 『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』お薦め映画

    灼熱の大地での爽快なアクション、古代ペルシャのエキゾチックな雰囲気、恐ろしい黒魔術、タイムスリップ、お家騒動、複雑な家族愛、恋、運命、戦争と平和、さまざまな要素をてんこ盛りにしたファンタジー。夢のある明快なストーリーのお薦めエンタテインメント作品だ。

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