今日は二本見てきました。一本目は
「(500)日のサマー」です。
評価:
– トムに感情移入出来るかどうかが全て【あらすじ】
グリーディングカード会社でコピーライターとして働くトムは、ある日新入社員のサマーに一目惚れする。これはトムがサマーに恋をし、付き合い始め、破局し、そして立ち直るまでの500日を綴った物語である。
【感想】
正直見る前は結構不安でした。というのも予告の時点で上記のあらすじは公開されていましたので、どこまでトムに乗れるかが心配だったんです。
そしてやはり不安は的中し、いまいちトムに感情移入出来ませんでした。サマー役のゾーイ・デシャネルがあんまり可愛くないというのもあるんですが(←失礼)、見せ方の問題でちょっと置いてきぼりを食らってしまいました。本作はストーリーもへったくれもありません。ひたすらいちゃいちゃするバカップルとその破局後にウジウジする奥手の男の姿が描かれるのみです。ですので、構造的にトムに移入しない限りは面白くなりません。私の場合はこの移入がうまくいかなかったため、退屈に感じてしまいました。たぶん過去に苦い恋愛経験をしていれば移入できるんでしょうが、、、。
移入ポイントについて
おそらく本作でトムにいまいち感情移入できない一番の理由は、トム側の事情があまり良く分からないからです。トムがなぜサマーに惚れたのか?トムがなぜサマーとつきあえるようになったのか?そしてトムが破局後にどういう要因でヤケになったのか?
全く描かれていないわけではないのですが、あんまり共感出来るような説明がありません。結果としてトムのヘタレっぷりとサマーの悪女っぷりが際立ってしまっています。
ネタバレもないとおもいますが、これ要は
「その気になった男が一人で盛り上がって運命の人だと舞い上がったが、単に悪女に二股を掛けられただけで、結局は振り回されて捨てられた。でも開き直って新しい恋に積極的になった。」
という話です。だからトムというジェットコースターに観客は乗る必要があります。
この映画の場合、トムへの移入は観客自信の過去の経験を投影できるかどうかに全てかかっています。
時系列シャッフルがその典型で、恋愛の記憶を走馬灯のようにして断片で振り返らせるんですね。ただそういう「運命の恋」みたいな記憶が無い私の場合、いきなり振られるところを見せられても何とも思えませんし、振られた後に出会いを見せられてもポカ~ンって感じです。
【まとめ】
話自体はまったく酷くはありません。私は結構ラブストーリーが好きでして、そういった意味では中盤のひたすらバカップルがいちゃついてる所もなんとか耐えられます。でもやはり「耐えられる」という表現になってしまいます。あんまり小細工せずに、思い切って奥手のトムの成長物語に特化してくれた方が見やすかったと思います。