土曜の2本目は
「アンストッパブル」です。
評価:
– 再現映像風味ながらテンションが超高い!【あらすじ】
ペンシルベニアの操車場で、鉄道会社AWVRの貨物列車777号がブレーキの操作ミスにより無人で暴走を始めてしまった。ペンシルベニアからオハイオへと向かう時速100K越えで向かう777号は化学燃料を山程積んでおり、まさに暴走する弾薬庫であった、、、。
【感想】
土曜の二本目は「アンストッパブル」です。そこそこお客さんは入っていましたがスプライスほどではありませんでした。なんとなく予告でもある程度見せてしまってますので、そこまで引きが無かったのかも知れません。
実際の事件「CSX8888号暴走事故」と本作
本作は2001年にオハイオで発生したCSX8888号暴走事故を元にしています。実際の事故は機関士がブレーキを掛け間違った状態で列車を降りてしまったことにより暴走したもので、オハイオ州トレドから南部ケントンまでの106kmを走りました。途中脱線器の設置や燃料放出バルブの射撃等の手を尽くしましたが止めるまでにはいたらず、最終的には別の貨物車が後ろに取り付いて逆方向へのアクセルを掛けることで減速し、機関士が先頭車両まで渡っていって止めました。この事件が起きたオハイオ州の路線は基本的には一直線で、またCSX8888号自体も時速80km程度だったためこのような対応が可能でした。
さて、これをアレンジした本作では、この事件の全てがスケールアップしています。暴走する貨物車777号は時速100マイル(=時速160Km!!!)を越え、さらにロケーションも直線ではなくクライマックス用に大曲のスタントンカーブが用意されています。そして極めつけはデンゼル・ワシントン扮するベテラン機関士フランクの動機です。実際の事故では会社側からの命令で機関士が行動しましたが、本作では自ら進んで英雄的行動をとります。
本作の基本フォーマット自体は「CSX8888号暴走事故」をほぼ踏襲しています。しかし本作は、徹底的に類型的なキャラクター達を王道に沿って丁寧に配置することで、これ以上ない盛り上がりを生み出しています。人命軽視で会社の利益しか考えないガルビン運行部長、人命重視の作戦を訴えながらも上司に逆らえないドーソン、早期退職でリストラ寸前のベテラン機関士・フランク、浮気を疑ったことから妻子と離れて暮らさざるを得なくなった新米車掌のウィル。この4人を中心に、コテコテながらも超熱血なヒーローものが展開されます。所々で挟まれるテレビニュースの画面でちょいちょいテンションが落ちるのですが、しかしハイビートのBGMと暴走列車のエンジン音で化学調味料のように無理矢理テンションを上げてきますw
本作はこの演出力が全てです。内容は大したことありませんし、ある意味結末はみんな知ってるわけですから驚くような何かもありません。しかし、よくあるキャラクター達を適切に配置するとこんなに面白いんだという驚きはあります。
お正月からあまり大作・話題作がありませんが、本作は十分にお勧め出来ます。ポップコーンをボリボリ食べながら拳を握りしめて見ればテンションは最高潮です。きっと劇場の帰りには無駄に大股で歩いていることでしょうw
オススメです!!!