夏休み映画1発目はこちら
「ペット」です。
評価:
– トイ・ストーリーのフォロワーとしてはあんまり…【あらすじ】
マックスは、かつて捨て犬だった所をケイティに拾われ、今は幸せな生活を送っていた。ある日、ケイティは保健所から新しい犬―デュークを引き取ってきた。しかしこのデュークは乱暴者。自分の居場所が無くなることを恐れたマックスは、デュークと一触即発の関係になってしまう。そんなおり、いつものようにペットシッターにドッグランで放されている隙に、デュークはマックスを遠くの路地裏へほっぽり出そうとする。それが大冒険の始まりだった、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> デュークの登場とマックスとの冷戦
※第1ターニングポイント -> デュークが路地裏でマックスを捨てようとする
第2幕 -> スノーボール一派との行動と脱出
※第2ターニングポイント -> デュークが保健所に連れ去られる
第3幕 -> デューク救出作戦
【感想】
皆さん夏休みはいかがお過ごしでしょうか?今年の夏休みは珍しく大本命ファミリー映画が無く、「ファインディング・ドリー(ピクサー)」「ペット(ユニバーサル)」「ジャングル・ブック(ディズニー)」あたりの三つ巴となっているかと思います。個人的には「X-MEN アポカリプス」のほうが気になっており、こちらは近々で見に行ってきます、、、仕事帰りにでも、、、夏休みって本当にあるんでしょうか?(錯乱)
そんなこんなで昨日は「ペット」を見てきました。怪盗グルーシリーズで一躍3Dアニメの新興勢力に踊り出たイルミネーションの最新作です。お子さん連れを中心に結構お客さんが入ってまして、ファミリー映画としては大成功な雰囲気が出ていました。
この後、元も子も無いことを書きますが(笑)、安心して見られる作品なのは間違いありませんので涼みがてらお子さんと見るには丁度いい湯加減の映画だと思います。
ディズニーとドリームワークスとイルミネーション
90年代後半より、3Dアニメといえば王者ピクサー・ディズニー連合がど真ん中。それに対抗できるのはドリームワークスぐらいでした。ドリームワークスはアンチ・ディズニーというのを全面に出してきてまして、とにかく「ちょっと大人向けのほろ苦い&皮肉の効いた3Dアニメ」を作り続けてきました。初期ではディズニーのお伽話を盛大にパロったシュレック・シリーズですとか、マダガスカル/カンフー・パンダとかですね。そしてドリームワークス最高傑作はもちろん「ヒックとドラゴン」。極めてディズニー的な成長物語りでありながら、ディズニーが意図的に避けてきたちょっとエグいシーンや民族対立までちゃんと見せる。3Dアニメ映画市場はディズニー/ドリームワークスの2強体制といっても過言ではありません。
そんな中で、出てきた新興勢力がイルミネーション・エンターテイメントです。イルミネーションはクリストファー・メレダンドリが20世紀フォックスからスピンアウトして作った会社なのですが、このメレダンドリさん、もともとディズニー・ピクチャーズ出身の方なんですね。でまぁデビュー作の「怪盗グルーの月泥棒」とかその次の「イースターラビットのキャンディ工場」を見ていただくとわかるように、もろに「ザ・ディズニー」なメソッドそのまんまの作品が好きな人なんです。しかも80年台のディズニー第2黄金期世代のフォロワーです。おそらく当時若手としてディズニー・ピクチャーズに居たからだと思うんですが、それこそ「イースター~」は「ロジャー・ラビット」と「メリー・ポピンズ」のハイブリッド映画です。ドリームワークスがアンチ・ディズニーで差別化を図っているのに対して、イルミネーションはそのまんまディズニーの後追いをしています。
ただ、やはり毒のないキャラクター:ミニオンは安心して見れますし人気が出るわけで、ここ最近はむしろイルミネーションの方がドリームワークスよりも勢いがあるんじゃないかという所まで来ています。
本題の元も子もない話
あんまり長く書いても仕方がないのでいきなり書いてしまいますが、本作「ペット」は「トイ・ストーリー1~3」「わんわん物語」のハイブリッド映画です。このディズニーを代表するような超有名作品4本を、ぜーんぶゴッタ煮にして、それを40倍ぐらい薄めたのが本作です。なので、正直本作を見るならこの4本をレンタルで借りてきたほうが遥かに楽しめます。軸は、ウッディとバズが扮する犬2匹の対立と友情の物語。ストーリーの大枠は、家から遠くはなれたところで迷子になった二匹の犬が一生懸命ご主人の元に帰る話。途中、下水道で暮らす野良猫/兎達との対立を挟みながら、最終的にはペット達は幸せな我が家へと帰って行き、ロッツォ・ハグベア扮する敵の親玉スノーボールも新しいご主人の元でペットの幸せを再確認する旅に出ます。
これですね、もしかするとディズニー映画公開の隙間をついていれば良かったのかもしれません。でもいま、まさに”本物”の「ファイティング・ドリー」が同じシネコンで上映されているわけで、これで対抗しようっていうのはちょっと、、、どうなんでしょう(苦笑)。
映画単体としてもちょっと行き当たりばったり感が強く、あんまり上手くまとまっているとは言えません。
動物のデフォルメもどちらかというとペンギンズに近いもので、動物の可愛さを強調する方向よりは擬人化を優先しており、結構顔がノッペリとしています。
【まとめ】
あっさり書いてしまいましたが、結論としては、「わざわざ映画館で見るほどでもないけどまぁ安心して見れるかな」というぐらいの微妙な温度感です。
やっぱりイルミネーションはミニオンみたいなオリジナル・キャラを作ってドタバタコメディをやっていたほうが良いと思います。実際、本編上映前の「ミニオンズ:アルバイト大作戦」の方が遥かに面白かったですしね。私はちょい夏バテ気味、映画も製作者側の熱気が低い、ということで、今日はこんな適当さ加減でご勘弁(笑)。