今日は一本、
「KING GAME」を見てきました。
評価:
– アイデア未満のソリッドシチュエーション【あらすじ】
見知らぬホテルで目が覚めた女性はチェーホフという名札をぶら下げていた。扉をくぐるとそこには10人の男女が居た。そして司会の白兎は10日間の王様ゲームの開始を宣言する。
【三幕構成】
第1幕 -> 王様ゲームが始まる。
※第1ターニングポイント -> ドアが開く。
第2幕 -> 王様ゲーム第二ラウンド。
※第2ターニングポイント -> 主催者が判明する。
第3幕 -> 最後の王様ゲーム。
【感想】
今日も新作一本、漫画家の江川達也が監督をした「KING GAME」です。単館の割に人が結構入っていたのはネームバリューからでしょうか? めずらしくK’sシネマで20人ぐらいは見ていました。
ソリッド・シチュエーション・スリラーというもの
さて、今春のライアーゲームあたりからテレビ局系でもソリッド・シチュエーション・スリラーが作られるようなってきました。世界的には5~6年ぐらいは遅れているんですが、それでもそういった環境が出来たのは喜ばしいことだと思います。
このブログでも何回か書いていますが、ソリッド・シチュエーション・スリラーはアイデア勝負のジャンルであり、そして出オチになりがちです。ある固定された環境とルールを設定してそこでの”ゲーム”の面白さで引っ張るわけですから、当然といえば当然です。
で、肝心の本作はどうかと言いますと、これがびっくりすることにノーアイデア戦法ですw 恐ろしい事に本作では王様ゲーム以上の事は起きません。そして王様ゲームも本当に普通の王様ゲームです。脱落したら死ぬとか、「誰々を殺せ」みたいな無茶振りをされることもありません。100%純粋な王様ゲームです。それも最後までw あの~~~~何がしたかったの?
一応最後に「幻覚の虎に襲われる」というしょうもない展開があるにはあるんですが、しかし幻覚なんで何ともしようがありません。っていうか作品自体何ともしようがありません。
残念ですが江川監督は王様ゲームの背景とかそのあたりでぶっ飛んだ設定を考えることに注力してしまったようで、肝心の王様ゲーム自体にアイデアを追加出来なかったようです。でもそこがないとストーリー自体が進んで行かないんです。結果として、その場限りの適当な王様ゲームを見せられることになります。人間関係を入り組ませようとかそういった努力も見られないため、まったくなんの面白みもない作品になってしまいました。根本的な構成ミスだと思います。
昨日の東京島もそうなんですが、こういった適当に上っ面だけ真似た作品が出てきて、その結果観客がジャンル自体に興味を失ってしまうのが一番怖いです。今度また「インシテミル」が日テレ資本で映画化されますが、このレベルにだけは収まって欲しくないと思いつつ、あまりオススメの出来ない作品でした。
芦名星と窪塚俊介が頑張っているだけに、ちょっと可哀想というか、無駄使い感が凄まじかったです。