昨日の3本目は
「NECK」です。
評価:
– 涼しいどころが寒気を感じるホラーコメディ(?)。【あらすじ】
真山杉奈は大学院生にして天才科学者である。彼女はおばけを生み出すのは人間の恐怖であるという仮説を元に、頭の上だけ外に出す箱「ネックマシーン」を開発する。杉奈に告白してきたアメフト部の首藤友和を実験台にするが、実験は失敗してしまう。怖さが足りないと考えた杉奈は首藤の知り合いのホラー作家・越前魔太郎を紹介される。しかし魔太郎の正体は杉奈の幼なじみの古里崇史だった。
魔太郎は杉奈を心底から怖がらせるために死んだ人形師の別荘へと向かう。
【三幕構成】
第1幕 -> 幼少期の思い出。。
※第1ターニングポイント -> 杉奈と首藤の実験開始。
第2幕 -> 魔太郎と人形師の別荘。
※第2ターニングポイント -> NECKマシーンからおばけが出てくる。
第3幕 -> おばけ退治。
【感想】
土曜の3本目はNECKです。公開初日で舞台挨拶直後のブルグ13で見ました。驚くほど人が入っておらず、87席で7人しか見ていませんでした。初日にこれは相当です。
あんまり詳しく書くのもバカらしいぐらいの出来なんで、さらっと流したいと思いますw 本気の怒りはこの後の作品に取っておきますw
すごく端的にいいますと、本作はコメディとしてのホラーを完全にバカにしています。このブログでも「ホラーとコメディは紙一重」という事を散々書いていますが、それは本気で怖がらせようとしたり登場人物達が本気でテンパった時に出てくる変な脳汁みたいなものなんです。要は「ほら、面白いでしょ~?ホラー風のコメディだよぉ~。」ってすっごい舐めきった中途半端な物を出されても、それは笑えないどころか薄ら寒くしかならないってことです。
そもそもからして、この「NECKマシーン」というギミック自体が非常にコント的な小道具でしかないのが最悪です。ここは何でもいいからこじつけみたいな理屈を付けてガジェットとして説得力と胡散臭さを持たさなければ駄目です。それなのに、理屈もグラグラなら勢いも無いため、言うなればコントの小道具を紹介されたようにしか見えないんです。この時点で完全にアウトです。
さらには出演者全員のとてもわざとらしいオーバーリアクションがリアリティラインをグダグダにします。別に杉奈が天才であることを表すのに教授が頭を下げて研究の手伝いを求めてくるというエピソードは良いと思うんです。でもそれが、教授の部下20人ぐらいがそれぞれ定食を貢ぎに来るという光景だけで、「この映画は細身の女性が20人前の定食を平らげるリアリティなんだ」としか見えないんです。この時点でもうお化けが出ようが何が来ようがどうでも良くなってきます。
要は、この作品は「怖さ」に対してとても無頓着で雑で舐めきってるんです。「もとから怖がらせる気はなくてドタバタコメディだからいいんだよ」と言われてしまうかも知れませんが、だったら何故出来損ないの怪談話を30分近くモノローグで語らせるんでしょう? それをやるなら監督も脚本家も稲川淳二のDVDを100万回見直してこい!!! 適当にモノローグで語らせれば怪談になると思ったら大間違いです。
そして後半の心底下らない展開には、本当に開いた口がふさがりませんでした。これが面白いと思っている関係者は二度と映画の企画をやらない方が賢明だと思います。センスがなさ過ぎるし、まったくコメディになっていません。
結局、本作に関してはこの「目的の無さ」がある意味一番の恐怖です。「なんで杉奈さんはお化けを作りたいんですか?」「ん~、なんとなく。」という糞みたいな会話が全てを物語っています。
「どうしてこの映画を作ったんですか?」「ん~、なんとなく。」、、、、
もうね、、、こんなもん拡大公開するなって、、、。
残念ですが、なんの価値もありませんので、100円レンタルでさえ回避するのがオススメです。
全くです。
二点という評価さえも高すぎるくらいです。
『NECK ネック』お薦め映画
タイプの違う美男美女4人が、怖がりながらもお化け実験に真面目に取り組む様子と、彼らの実験への思い入れ、恋模様までが、サラリと無駄なく描かれる。思いっきり笑えてちゃーんと怖い、真夏の夜にお似合いのさわやかなお薦め胸キュン青春ホラー。