3本目は
「恐怖」です。
評価:
– あれ? 高橋さん、どうしたの??【あらすじ】
太田みゆきは、自殺した父親の命日に、インターネットで知り合った男女4人とともに練炭自殺をする。彼女は死の間際に夢を見る、、、。それは脳外科医の母親が人体実験を行うというおぞましいものだった、、、。
【三幕構成】
第1幕 -> みゆきの自殺
※第1ターニングポイント -> かおりが上京してくる。
第2幕 -> みゆきの捜索と母の研究。
※第2ターニングポイント -> かおりがみゆきを発見する。
第3幕 -> 結末。
【感想】
3本目はJホラーのパイオニアにして偉大なる脚本家・高橋洋監督の「恐怖」です。
眠くなってきたのでいきなり結論を書きますが、本作はまったく怖くありません。それはもうパラノーマル・アクティビティ並に怖くありません。その理由は非常に簡単でして、要はこれは脳に電極を埋め込まれた女性がこの世ならざる者になってしまう話だからです。つまり日常と関係無いw
題材としてはいわゆるディメンジョン・スリップ(位相ズレ)ものです。例えば有名な話ですが、カタツムリは3次元立体を理解出来ません。ガラスの表と裏にそれぞれカタツムリを貼り付けて同一線上で向かい合わせると、カタツムリは正面衝突すると思ってお互いに避けます。これはカタツムリが2次元平面のみ認知して生きているためで、3次元を理解出来ないからです。本作は『通常の人間には理解出来ない第5次元という軸がこの世にはあってそれが「死者の国」なんだ』という設定の元で、脳に電気刺激を与えられるとそちらが見えるということになっています。
それ自体はとってもワクワクする良い設定だと思います。しかし、、、、
肝心の描写がまったくよろしくありません。幽体離脱を表現するのがCGで人が出てくるだけとか、目がカラコンで青くなるだけとか、、、失笑w
しかも中盤で斉藤陽一郎さんが幻覚でお化けをみるシーンで寄りによってCGで半透明になった男が歩いてくるというコントみたいな描写があります。さらには地獄が漏れ出すシーンで黄色い煙がプレステ1ってレベルのCGで表現されます。もうね、、、、これでどう怖くなれっていうんでしょう?
本作は、本気で怖く作ろうって気が無いように見えます。なにせ最後は夢オチです。正確には夢ではなく「みゆきの主観」オチなんですが、それにしても酷いです。さんざん下らない映像を見せられた上に結局それかよ、、、、っていうゲンナリする気分ですw。
一応フォローしておきますと、間違いなく高橋洋さんはJホラーのトップ・クリエイターです。重要人物の一人であり、脚本家として傑作も書いています。だからこそ、ちょっとこのクオリティはまずいです。
【まとめ】
俳優さんはどなたも素晴らしかったと思います。ですが、あまりにも演出と話が悪すぎます。Jホラーで怖くないって時点で商品価値としては限りなくゼロです。実は「鉄板に面白いだろう」ってくらい期待していた作品だけに、この落差はかなりキツイです。とっても残念です。
おもしろいよ、これ。