鉄男 THE BULLET MAN

鉄男 THE BULLET MAN

昨日の二本目は

鉄男 THE BULLET MAN」です。

評価:(60/100点) – 鉄男が自分探しって、、、。


【あらすじ】

アンソニーは目の前で”ヤツ”に息子を轢き殺されてしまう。怒り狂うアンソニーはやがて体の異変に気付く。口からオイルのようなものが漏れ、歯茎が鉄に変わっていたのだ。謎の組織からの襲撃を受けたアンソニーは「地下を調べろ」というメッセージを受け取り、実家の地下室へと潜る。するとそこには自分の出生の秘密が隠されていた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 息子が殺される。
 ※第1ターニングポイント ->アンソニーが 謎の組織の襲撃を受ける。
第2幕 -> 両親の秘密
 ※第2ターニングポイント ->”ヤツ”が勝負を仕掛ける。
第3幕 -> ”ヤツ”との決闘。


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【感想】

昨日の二本目は先週末公開の大本命、鬼才・塚本晋也の17年ぶりの「鉄男」続編です。皆さんは当然ご存じと思いますが、塚本監督は鉄男でインディカルトムービーの一時代を築き上げた大巨匠で、世界三大映画祭の1つ・ヴェネツィア国際映画祭で審査委員まで務めております。北野武が「HANA-BI」で金獅子賞を獲ったときに猛プッシュした張本人でもあります。
その塚本監督が自身のデビュー作でもあり代名詞でもある「鉄男」の続編を作るんですから、駆けつけるしかないわけです。しか~~~し、観客が少ない!!!! 日曜の夕方なのに3人ってどういうことですか!? あんまり一般受けする監督ではないんですが、にしても少なすぎます。

鉄男が、、、、あの鉄男が、、、、。

結論から言いますと、かなり (´・ω・`)ショボーンな出来です。といのも、事もあろうに鉄男が自分探しを始めてしまうんです。「鉄男」シリーズは元々勢い重視なところがありまして、その暴力的に格好良いカット割りと、ナンセンスすぎるアヴァンギャルドな設定・ストーリーが肝なんです。悪夢的といいますか、筋道立てて説明しようとすると妄言にしかならないような訳の分からない連なりが面白いんです。でも今回の「鉄男3」はあまりにも理路整然としています。見終わった後に映画秘宝のインタビューを読んだら、どうもハリウッド狙いで直しの入ったプロットだったようです。本作では、「アンソニーが何故鉄男なのか?」「”ヤツ”は何故アンソニーを付け狙うのか」というのがハッキリ言葉で説明されてしまいます。ですので、ミステリアスで気色の悪い感覚はかなり減じています。
構成にしてもいわゆるハリウッドスタイルになっていまして、中盤で全部言葉で説明してしまう場面ではやはり驚きと失望を隠せませんでした。あの「鉄男」が、、、「カルトムービー」の代表格のような「鉄男」が、、、「普通のハリウッドっぽい特撮アクション映画」になってる(涙)。
がっくし、、、、。
とはいえ、やはり鉄男だけあって、音響の使い方は大変すばらしいです。「爆圧体験」というキャッチコピーの通り、ちょっと耳鳴りするほどの音量で金属のこすれる音を観客に嫌がらせのごとく叩き付けてきます。

【まとめ】

音については、家ではどうしても環境を揃えづらい物です。本作のように、音響が重要となってくる、、、というか音環境以外に魅力が乏しい作品は、劇場で見ざるを得ません。
皆さんも是非、劇場へ足を運んで塚本ワールドを少しのぞいてみて下さい。本作公開による何よりの収穫は、遂に「鉄男」と「鉄男II」がDVDで発売されたことでした。過度な期待は禁物です。

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