2本目はこちら、
「咲 -saki-」です。
評価:
– 意味がわからんけどテンションが高い!【あらすじ】
麻雀がスポーツとして成立している世界。宮永咲を擁する清澄高校は、インターハイの長野県大会決勝まで上り詰めた。対するは最恐の天江衣(あまえ・ころも)擁する龍門渕高校、昨年天江に負けた雪辱に燃える池田華菜(いけだ・かな)擁する風越高校、そして影が超薄いステルスモモこと東横桃子(とうよこ・ももこ)擁する鶴賀学園。いま、長野代表を掛けた麻雀団体戦が幕を開ける!
【感想】
今日のもう1本は「咲 -saki-」です。アニメの存在はしっていたのですが未見な上に漫画も読んだことが無く、完全に前知識なしの初見でした。いきなりダイジェストが流れて県大会が始まったので「すごい割り切り方だな(笑)」と思って見てたんですが、これ、前日譚でドラマもやってたんですね^^; いきなり連ドラの最終回だけ見ちゃったみたいなもんだったみたいです(笑)
実際、前知識がまったくないので最初よくわからなかったんですが、最初の10分ぐらいでだーーっと舞台を説明してくれて、しかも決勝がはじまるとちゃんとキャラ紹介の回想が挟まるので、終わったときにはもう「池田最高ーーー!!!!」ってぐらいテンションが上がってました^^;
そう、この映画、いわゆる「ドラマ」に関してはスッカスカなんですね。だけれども、フィルム全体から監督の「情熱」というか「愛」がめちゃくちゃ伝わってくるんです。それもこれも、ちゃーんと限られた時間の中で特定のキャラだけがきっちり”立つ”ようになってるからなんですね。猛烈に甘ったるくてただただホモソーシャルなところでイチャイチャしているだけに見えて、そこにちゃんと説得力があって、キャラごとの行動原理がわかるようになってるんです。だから私のようにまったく元がわからなくても、いきなりこの映画だけでも話が通じるんです。
作品のフォーマット自体はいわゆる「超能力スポ根もの」です。私の世代ですと「キャプテン翼」ですし、ちょっと下の世代だと「テニスの王子様」とか「黒子のバスケ」みたいなやつですね。スポーツを題材にしてるんだけどやってることはファンタジックな「必殺技」の応酬で「超能力バトル」が展開されるジャンルです。一見するとバカバカしくも見えますし、実際一時期は「シュート!」とか「スラムダンク」みたいなリアル路線のスポ根のほうが流行ってました。
本作では主要キャラがあり得ないような超能力を駆使して麻雀で戦っていきます。主人公・咲はカンからのリンシャンカイホウで必ずツモってきて超連鎖を起こしますし、ラスボス・天江衣はリーチからのハイテイを確実に決めてきます。劇中でも「2人の魔物」と称されていますが、とんでもないイカサマ級の超能力です(笑)。
この2人と戦う池田・加治木の両名は全然必殺技をもっていないわけで、こんなのに勝てるわけがありません。だけど、ちゃーんとこの作品はそんな「一般人」の2人に熱い見せ場を用意してくれます。池田の起死回生の数え役満からの「そろそろまぜろよ」で、私、涙がとまりませんでした。加治木も実は虎視眈々とオーラスで國士舞双を狙っていたり、もうね、こういう脇の描き方に親指が上がりっぱなしです。
ということで、遅ればせながら漫画に手をだそうと思います(笑)。いやね、本当によかった。
これ、原作ファンの方にはいつもの漫画映像化な感じで不評なんでしょうか? 個人的にはめちゃめちゃ面白かったですし、実際に原作漫画に手を出しそうな男がここにいますので大成功だと思います(笑)。テラフォーマーズとか映画はそれなりに楽しくても別に原作読みたくはならないですからね^^;