FLOWERS -フラワーズ-

FLOWERS -フラワーズ-

日曜の1本目は

「FLOWERS -フラワーズ-」です。

素直に「TSUBAKI」で良かったんじゃ、、、。

評価:(7/100点) – ドラマが無い、雰囲気キャラものオムニバス。


【あらすじ】

ある一家の3代に渡る親子物語を、イイ感じの雰囲気でまったり語る。


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【感想】

日曜の一本目は「FLOWERS -フラワーズ-」です。初日の舞台挨拶がヤフオクで100円だったそうですが、さもありなん。収容人数500人の箱で観客は10数名でした。公式サイトで「作品紹介」のボタンを押しますと、「日本中の女性を元気にしたい。」とかでっかい字で出てきますが、どっちかというと、「日本中の男女を虚無感で脱力させたい。」って感じですw。
とにかく、内容が酷すぎるんです。ドラマが一切無く、ただひたすら有名女優達が「なんかそれっぽい」感じの記号的セリフを繰り返すだけです。まさしく「資生堂CM」そのもので、まるで企業のイメージ映像を1800円払って見に行った気分です。
それもそのはずで、本作は資生堂の全面監修の元、ROBOTがCGバリバリの「ファンタジー・ノスタルジー」を見せるという地獄絵図のような体制で作られています。今月二本目のROBOT制作ですが、RAILWAYS以上に悪質な「ALWAYS 3丁目の夕日」テイストになっています。
とにかく、そのノスタルジーの出し方が本当に反吐がでるんです。
だって、田中麗奈のパート(昭和44年)では減色処理をした上で背景の全てをCGで書いているんですが、空とか街灯が一切動かないんです。完全に「書き割り」ですよ、これ。「オープン・ユア・アイズ(1997)」「バニラ・スカイ(2001)」で「The Freewheelin’ Bob Dylan」のジャケット写真をトレースするというシーンがありますが、アレです。「オープン・ユア・アイズ」では作中でも「妄想の世界」として気持ち悪い「書き割り」を意図的にやっていたわけですが、本作では本気でこれが良いと思ってやっているんです。おそろしいほどのセンスの無さです。
もっと腹が立つのは冒頭の蒼井優のパート(昭和11年)です。白黒映画の雰囲気を出したいんでしょうが、全然白黒映画になっていません。白黒映画ってのはですね、「色の階調」が少ないからこそ「ライティング」とそれによって生まれる「陰影」「物の輪郭」が大事なんです。昔の白黒映画を見れば分かりますが、全てにおいて「いかに影を出すか」「どこを黒で隠すか」が監督の腕の見せ所なんです。本作の蒼井優のパートはハッキリ言って「白黒映画」ではなく「グレースケール映画」です。白黒のクセして階調がありすぎるし明るすぎるんですよ。そのくせ居間のシーンや蒼井優が母親に髪をとかしてもらうシーンでは、画面のど真ん中にこれ見よがしに電灯を置いてくるんです。昔の映画の雰囲気を出したいなら、表面を適当に真似するんじゃなく、きちんと分析して実践して下さい。ダサ過ぎる。
さらに言うと、いちいち時代が変わる度に「その時代っぽい曲」が流れるわけです。これは本当にイライラしました。
この映画の企画は良いと思うんです。すなわち、有名女優(あえて名優とは言いません。)を山程集めて、ある一家の年代記にするという発想です。でも、せっかく年代記にするなら、きちんと世代を越えた共通点=業(カルマ)を見せる必要があります。今年の2月に見た「50歳の恋愛白書」なんかはまさにそこ(=嫌いな母に否応なく似てきてしまう娘)を丁寧に描いているわけです。ところが、本作は特に親子である意味がありません。完全に各人のパートが分裂してしまっているんです。唯一仲間由紀恵と鈴木京香のパートが出産をキーワードに少しオーバーラップしかかるんですが、しかし立場も状況もまったく別で、すれ違ってしまいます。、
また、コレはわざとだと思うんですが、出てくる男性人がことごとくブサイク揃いですw。資生堂としては「日本女性は綺麗だ」というメッセージを打ち出したいはずなわけで、わざわざ男のレベルを落として相対的に女性を持ち上げる必要はないとおもうんですけど、、、。

【まとめ】

本作はある一点を除いてまったく実になることのない作品でした。糞映画というよりは空虚な映画です。雰囲気以外にはな~にもありません。
もちろん実になる一点というのは、田中麗奈の鼻の穴の大きさが次長課長・河本とほぼ同じってことです。
田中さんをいじりすぎですが、他の俳優の方々も誰一人得していません。
まったくお勧めいたしませんが、もしチケットショップで前売りが50円で売っていたなら見て損はありません。二時間の安眠をお約束いたしますw。

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