久々に雑談

々に雑談です。
というのも、、、誉田哲也さんの「武士道シックスティーン」原作が面白すぎる!!!
どのくらい面白いかというと、10年くらい前に「マリア様がみてる」を初めて読んだときぐらい面白いです(笑)。あの頃は学生だったな~とか思い出しつつ、ここまでこそばゆい「男の妄想ド・ストライク」な女子校青春ラノベは久々です。
一晩で一気に読んじゃいました(笑)。
原作ファンの方は怒らないで欲しいんですが、これは別に貶しているわけではなく、この「武士道シックスティーン」は小説じゃなくライトノベルだと思います。理由は単純で、細かい描写が全然無くてほぼ全てが会話文と独り言で構成されているからです。これって小説では「出来が悪い」と言われてしまう典型です。でも、特に青春ドラマを群像劇スタイル(っていっても2人ですが)で描く場合、この「会話と独り言で延々転がす」っていう手法は”有り”だと思うんです。
そんでもって肝心の原作を読み終わった感想なんですが、映画よりも全っ然良く出来てると思います。間違いなく映画より面白い!
私自身、映画もかなり楽しんだんですが、原作を読んだ後だとなんで映画であんな変更の仕方をしたのか理解しかねる所が多々でてきました。そもそも磯山香織は原作のがよっぽど人間味溢れてて魅力的ですよ。西荻早苗もちゃんとお人好しで天然ボケの天才として描かれてますし。
話の展開自体は映画にする上で必要な省略なり変更だと思います。きちんと二幕でミッドポイントを作るためには、香織のケガはあのタイミングしかありませんから。でもそのせいで香織の悩みが原作とは別になっちゃってるんですね。
原作の香織も親子関係で悩んでるんですが、それは愛に飢えた子なわけで、父親も娘を影ながら応援している描写があります。だから別に険悪なわけではないし、父親もちゃんと人間なんです。
ところが映画版だと母親が死んだ後、父親が不器用に折檻スレスレの剣道教育をするのを「愛が故に耐える」のが香織なんですね。「もっと褒めて欲しい」「もっと笑って欲しい」という思いで、彼女は過酷な父の練習に耐えるんです。
これ、違い過ぎるでしょう。原作はまさに「反抗期の娘」そのものの一般論として通用する「ティーンエイジャー像」です。でも映画版は特殊な家庭状況で価値観が変に固定してしまった少女が他の「普通の子」とのギャップに苦悩しているように見えます。どちらも「親の愛」を欲しているんですが、本質的に別問題でしょう。
別にどっちが良いとかではないんですが、個人的には原作の等身大のティーンエイジャーの方が好きです。
映画が面白くて原作を読むと、たまにこういう事が起きます。原作の方がはるかに出来が良くて、昨日まで楽しいと思えた映画版の評価が崩落したり(苦笑)。
是非とも「武士道セブンティーン」と「武士道エイティーン」も映画化することを祈っています。早く撮らないと成海さんも北乃さんも年取っちゃうよ(笑)。アイドル映画は勢いと鮮度が大事だから!!!
ということで映画を観てない方は、原作を読むことを是非是非オススメします。めっちゃ面白いですよ、本当。

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