バーレスク

バーレスク

土曜に見たのは

「バーレスク」です。

評価:(40/100点) – クリスティーナ・アギレラのPVそのもの


【あらすじ】

アリは田舎の鬱屈に耐えかねアイオワからロスへの片道切符を買った。彼女は歌手の仕事を探していろいろなバーを訪れる。ある日、偶然入ったクラブ・バーレスクで彼女はセクシーな女性達が往年の名曲に合わせてダンスパフォーマンスを行う光景に釘付けになる。なんとかバーレスクで働こうとする彼女は経営者のテスにあしらわれながらも何とかウェイトレスとして潜り込むことに成功した、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> アリがウェイトレスとしてバーレスクで働く。
 ※第1ターニングポイント -> アリがニッキーの代役でステージに立つ
第2幕 -> アリの大躍進とマーカス。
 ※第2ターニングポイント -> アリがジャックの家を出る。
第3幕 -> 結末


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【感想】

昨日は1本、バーレスクを見て来ました。クリスティーナ・アギレラの初主演作という触れ込みですが、意外と客席は中年女性ばかりでした。とはいえそこまで混んではおらず、お客さんを他作品に取られているようです。
非常に簡単にいってしまえば、本作はクリスティーナ・アギレラというアイドルのPV以上のものではありません。とはいえ、アギレラはきちんと実力のある歌手ですので少なくとも日本に入ってきている情報だけ見ればあまりアイドルっぽい感じではありません。よく1歳違いのブリトニー・スピアーズと比べて優等生扱いされることの多いアギレラですが、本作でもアイオワ出身の垢抜けない隙だらけな感じを存分に出しています。それだけで「アイドル映画としては満点!」と言いたくはなります。
ただ映画としてはとても雑です。まずはBECKでもある「歌っただけでみんな感動」というまたもや生まれつき天才パターンです。とはいえ、きちんと歌唱力に説得力はありますから、そこまで目くじらを立てるほどではありません。あくまでも話としてどうかというぐらいのレベルです。
話の筋自体は大きく2つ、「ジャックとの恋愛話」と「バーレスクの身売り話」です。しかしどちらも大変唐突に決着がつきます。伏線らしい伏線もほとんど無く思いつきとひらめきで解決してしまうためまったくワクワクがありません。
そして肝心の音楽シーンも基本的には劇中で本当に舞台で歌っているシーンですので、いわゆるミュージカルの演出ではありません。つまり音楽シーンの度にストーリーが完全に止まります。ですので、ストーリー部分だけならこの映画はおそらく20分くらいにまとめられるはずですw そしてこの音楽シーン達は「クリスティーナ・アギレラ7変化」という類のまさにPVそのものです。音楽シーンに限っては、「アイオワから出てきた田舎者のアリ」では無く、完全に「世界的ポップスター・クリスティーナ・アギレラ」です。まったく役作り等はしていません。
ですのでミュージカル映画を期待して見に行くと大変がっかりすることになると思います。下手をすれば「NINE」以上にがっかり感が強いかも知れません。しかし、クリスティーナ・アギレラのファンであれば、これはもう絶対に見に行くべきです。約1時間程度の彼女のディナーショーを大音響の映画館でたっぷり見ることが出来ます。本末転倒な気がしないでもないですが(苦笑)、映画初主演という触れ込みに嘘偽りなく、これは彼女のファンのためだけに作られた映画です。
個人的にはオススメしたいのですが、あくまでもアギレラのファン限定という部分と、映画としては退屈という部分だけは念頭に置いておいた方が良いと思いますw
また、最近は「女主人の良き相方」としてのキャラが定着してきたスタンリー・トゥッチが本作でもとても良い味をだしていますので、コチラもオススメポイントです。

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記事の評価
ラスト・ソング

ラスト・ソング

本日は二本です。
一本目は

マイリー・サイラスの「ラスト・ソング」を見てきました。

評価:(50/100点) – 良くも悪くも普通のアイドル映画


【あらすじ】

ロニーは弟と共に夏休みを利用して離婚した父に会いにやってきた。多感な反抗期を迎えるロニーはすぐに地元のヤンキー娘と親しくなり、ほとんど家には戻らない。やがてロニーは知り合ったウィルと恋仲になっていくが、彼は父の起こした教会火事に関与していた、、、。


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【感想】

本日の1本目は「ラスト・ソング」です。主演は「ハンナ・モンタナ」でお馴染みのマイリー・サイラス、、、なんですが、なんといいましょうか、、、、栄養満点というか、、、成長したというか、、、太ったふくよかになりました。
話としてはなんてことはありませんで、要は「一夏の思い出に、金持ちでナイーブだけど押しの強い理想のイケメンに言い寄られちゃってどうしよう」という身も蓋もない言い方をすればマイリーを可愛く撮るためだけの薄~~~いアイドル映画です(笑)。劇中のイベントというのも本当にくだらないどうでもいいことばかりなので、別に貶す気も起きません。水族館でデートとか、彼氏の親にちょっと変な子って思われたけど彼がフォローしてくれて超ハッピーとか、まるで「女子向けギャルゲー(?)」のように直接繋がらない単発イベントの連続なので、成長とかそういうストーリーも特にありません。
原作は未読なんですが、公式HPを見る限りだと原作も主演マイリーを想定して書いたライトノベルみたいです。ですから、はっきり言えばマイリー・サイラスさえ可愛く撮れていればそれで目的達成というか十分なんです。
ところがですね、、、、肝心のマイリーが、、、、いや、仕草は可愛いんだけど、、、太った栄養とりすぎというかむくんでるはち切れんばかりの若さというか、、、、まぁ微妙なんですわ、正直(苦笑)。
余談ですが、あまりにもゴシップネタが多すぎて、あんまりマイリーを清純派女優で売るのは無理なんじゃないかと思います。
やっぱり白人の子役って劣化が凄いなと改めて思いました。そういった意味でも、ダコタ・ファニングは半端じゃないです。

【まとめ】

劇場にもほとんど人が入っていませんでしたので改めて言わんでも大丈夫だと思いますが、本作はマイリー・サイラスを見るためだけの映画です。もちろん、イケメンの王子様を見に若い女性が、、、という「花より男子」的な見方も可能でしょうが、もしそれを期待して見に行くと、マイリーの自己主張が強すぎて相当反感を抱くと思います。
完全にマイリーのためだけのアイドル映画ですので、マイリーのファンに限って大プッシュいたします!!!
ちょっと7月11日から始まる「ハンナ・モンタナ シーズン4」が不安になってきました(笑)。

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NINE

NINE

本日は二本観てきました。一本目は

NINE」です。

評価:(25/100点) – ドキッ。セレブだらけのカラオケ大会、ポロリもあるよ(※ただし後ろ姿)


【あらすじ】

かつて傑作をいくつも生み出した映画監督のグイドは、近作でスランプに陥っていた。彼は地元のイタリアで再起をかけた映画「イタリア」の撮影を決める。しかしアイデアが浮かんでこず、チネチッタの撮影セットや衣装だけが決まっていく。耐えかねた彼は愛人を呼んで現実逃避をするが、愛人の旦那に見つかり、妻にも愛想を尽かれて逃げられてしまう。さらには脚本が無いことを理由に主演女優にも逃げられ、彼はやむなく「イタリア」の制作を断念する。それから二年後、再会した衣装デザイナーにハッパをかけられ、彼は惨めな自身をモデルにして「愛の復活」を描く「NINE」を撮り始める。


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【感想】

さて巨大バジェットで有名女優をかき集めたある意味大作映画の「NINE」です。ご存じ1950年代を代表する巨匠・フェデリコ=フェリーニのキャリア転換点になった「8 1/2」を原作としたブロードウェイミュージカルをさらに再映画化したという屈折した背景の作品です。監督は傑作・シカゴで一躍映画界に躍り出たロブ・マーシャル。「シカゴ(2002)」と同じく定番ミュージカルの映画化で夢よもう一度といったところでしょうか?

ストーリーについて

このストーリーという部分が相当酷いです。なにせ上記のあらすじが完璧に全てです。「8 1/2」を元ネタにしておいてどうしてここまで駄作が作れるのかちょっと信じられません。実は今確認のためDVDで「シカゴ(2002)」を見ながら書いているのですが、やはり本作であきらかにロブ・マーシャルが失敗している事があります。それはミュージカル・パートの使い方です。

昔のミュージカル映画が好きな方には常識だと思いますが、ミュージカルにおける歌というのは台詞と同じです。例えば会話のシーンであれば二人の掛け合いの歌が流れ、法廷のシーンであれば弁護士がメインで歌って判事や傍聴席が合いの手を入れます。あくまでも台詞の代わりとしての歌なので、間奏で通常の会話が挟まったりします。これがミュージカル映画です。

ところが、、、本作ではミュージカル・パートが単なる歌の機能しか持っておらず、話に何にも寄与していません。歌が始まるとストーリーが止まってしまうんです。そのため、極端な話をすれば、ミュージカル・パートを全てカットしても物語に何の影響もありません。これは大問題です。要はミュージカル映画の体をなしていないんです。とはいえ舞台が専門のロブ・マーシャルがこんな基本を分からないはずが無いと思いシカゴを見直しているんですが、やはりシカゴではきちんとその点は出来ていました。むしろ歌で物語が綺麗にサクサクと進んで行く、ミュージカル映画の理想型でした。ということは、、、ロブ・マーシャルが劣化した!?、、、、というのは冗談として、やはりカラオケ大会的な部分を重視したということなんだと思います。また、ミュージカルパートで物語が進まないせいで、歌がただのキャラクター・ソングになっているように見えます。有名女優が出てきてキャラソンを歌うだけの映画。しかも結構みんな歌が下手。悪夢のようです(苦笑)。

そして今更なんですが、「8 1/2」が何故傑作たり得ていたのかという大きな要因に、「8 1/2」がメタ構造を取っていたという点があります。要は劇中で苦悩するグイドがそのまんまフェリーニの苦悩になっていて、一種の精神治療というか、独白になっていたわけです。しかし本作にその構造はありません。まぁ当たり前ちゃあ当たり前です。だってフェリーニの独白をリメイクしてるのに、ロブ・マーシャルの独白に変えられるわけがないですから。なので、そもそもリメイク企画自体がたぶん失敗なんだと思います。

【まとめ】

残念ですが、「有名人を大勢使えば良い映画になるとは限らない」という見本になってしまっています。見ると分かりますがソフィア・ローレンもケイト・ハドソンもファーギーもニコール・キッドマンも大して物語に絡んできません(苦笑)。せっかく題材がすばらしいのに、ただのカラオケ大会になってしまっていました。
強いて良いところをあげればペネロペ・クルスとマリオン・コティヤール が格好良いってことでしょうか。さすがはゲイの監督だけあって、女性に下品さや色っぽさが無く、格好良さが前面に出てきます。
まぁ、、、映画館で見る価値はないですよ。気になった方はDVDを待つかサントラを買って下さい。私も映画としては最低レベルだと思いますが、たぶんサントラを買います。
劇中でグイドに「みんな脚本脚本って五月蠅い!!!脚本がそんなに大事か!!!」という台詞があるのですが、私は大事だと思います(笑)。ちゃんとしたメタ構造を撮れないのに、本作がつまらない件の言い訳だけ劇中でやられても、、、、(苦笑)。

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保護中: アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~

保護中: アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~

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