×ゲーム(バツゲーム)

×ゲーム(バツゲーム)

今日も今日とて1本、

×ゲーム」を見てきました。

評価:(55/100点) – 出来はイマイチだが、やっとまともなスリラーが来た!


【あらすじ】

小久保英明は大学生である。ある日、彼の元に小学生時代の同級生から担任が自殺したとのメールが届く。しかし彼らはつい3日前に同窓会で会っていたばかりだった。担任の自殺を不審に思う彼の元に、不思議なDVDが届く。そこには、担任の先生が何者かに拷問されている姿が映っていた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 英明と同窓会と先生の死。
 ※第1ターニングポイント -> 謎のDVDが届く。
第2幕 -> 黒髪の女の捜索。
 ※第2ターニングポイント -> 英明が拉致される。
第3幕 -> ×(バツ)ゲーム。
 ※第三ターニングポイント -> 英明が13番を引き罰を受ける。
第四幕 -> 逆襲。
 ※第四ターニングポイント -> 英明が小学校から抜け出す。
第五幕 -> 解決編。


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【感想】

さて、本日は一本、先日公開の「×ゲーム」です。若い子を中心にお客さんが4~5割は入っていまして、ちょっとびっくりしました。AKB48とD-BOYSのネームバリューでしょうか? あんまり山田悠介の映画って入っているイメージが無かったのでうれしい誤算です。
本作は「SAW」シリーズに近いソリッド・シチュエーション・スリラーです。SAWが2004年1月で、「×ゲーム」の原作が2004年8月ですから、テーマ的にも見せ方的にもかなり意識していると思われます。ツッコミ所はかなり多く、ストーリーにもずさんな点が目立ちますが、しかし日本で「SAW」をやってみようという気概だけはビンビン伝わってきました。だからソリッド・シチュエーション・スリラーが好きな方は絶対に見た方が良いです。
まず本作で一番好感が持てる部分は、きちんと「拉致」→「部屋に閉じ込められる」→「ゲーム開始」→「いろいろあって一人だけ生き残る」→「だけど、、、」というCUBEから脈々と続くソリッド・シチュエーション・スリラーのジャンルムービーとしてのお約束をきちんと踏襲している点です。日本で最近作られ始めた同ジャンルもどきの作品は、このお約束が全然出来ていません。このジャンルはあくまでもジャンルムービーとして続編が作り易いように、バッドエンドで終わらなければいけません。だから本作の作りはその一点において紛れもなくソリッド・シチュエーション・スリラーとして正しいんです。
肝心のゲーム部分ですが、これがまた良い湯加減です。実は結構ここに不満があるんですが、でもきちんとスプラッター的な嫌な感じを出そうという努力は見えます。ただし、この罰ゲームが思った以上にヌルイです。エグいのは「画鋲の刑」と「洗濯ばさみの刑」ぐらいで、後は「牛乳イッキ飲み」だの「髪を燃やせ」だの「ウジ虫イッキ食い」だの見た目の面白さはあってもスプラッタ方向には行かず、どうしてもギャグに見えてしまいます。しかもそのエグいものは一番先に見せてしまうんです。
本作で一番の問題はまさにこの「ヌルさ」です。ストーリーの核である罰ゲームをギャグにしてしまった結果、CGのショボさも相まってその後の展開が真面目に見られなくなってしまうんです。只でさえ滑稽な背景部分が、これにより一気に嘘臭く見えてしまいます。ここはもう少し見せる順番を考慮して欲しかったです。最初ギャグみたいな物が続いて油断していた所で「画鋲の刑」が来た方がストーリー上は絶対に自然です。
ちょっと細かいツッコミになってしまうんですが、画鋲の刑の後で英明の太腿の裏には血が付いているのにお尻にはズボンの破けた跡さえ無かったり、あれだけやられてるのにすぐにスクッと立ち上がって暴れ回ったり、極めつけは頸動脈や胸の上に焼き鏝を当てられたのにピンピンしていたり、ディティールのずさんさはかなり目立ちます。追加するなら、一応嘘でもいいのでゲームが終わる条件は設定した方が良いかなとは思いました。
ストーリー的なツッコミで言いますと、一番大きいのは「主人公が偶然と奇跡の積み重ねで生き残らないと成立しないトリック」問題です。この手の映画ではよくある問題ですが、ドンデン返しにしたつもりがその罠が成立するためのハードルが物凄い高すぎて全然罠になってません。映画なんで主人公はたまたま生き残りますが、でもそのたまたまを犯人が当てにしてはいけませんw
またこれは構成上の問題ですが、小学校を脱出した後のエピローグが長すぎます。しかも全部犯人側からベラベラとネタばらしをしてくれるため、著しく集中力と興味が低下します。こういうキャストが少ない低予算のスリラーの場合、全ての裏側を説明してしまうと世界観が薄っぺらに見えてしまいます。想像させる分には無料ですから、もっと思わせぶりにバッサリと省略してしまっても良かったと思います。ここまで喋られてしまうと、続編を作ろうにもコピー作品しか作れなくなってしまいます。
この辺りの演出は日本でこのジャンルが成熟してノウハウが蓄積すればある程度進歩していくのではないかとは思います。
ちょっと苦言が多くなってしまいましたが、でも私はこの作品は結構好きです。少なくともSAWの(超)劣化コピーまでは日本でも作れるというのが分かっただけでも儲け物だと思います。

【まとめ】

ずさんはずさんですし、B級と呼ぶにもかなり苦笑いな部分は多いです。でも先月の「KING GAME」のように表面だけなぞっているわけでは無く、きちんと作ろうという気概は感じました。ジャンル好き限定でオススメします!!!

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