ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント

土曜日は

「ザ・コンサルタント」を見ました。

評価:(35/100点) – あんま爽快感が無い、、、


【あらすじ】

クリスチャン・ウルフは高機能自閉症の会計士である。中華料理屋と洗濯屋の並びの長屋に居を構えた小さな個人会計事務所で、今日も地元のお年寄りの税理業務を手伝っている。

ある日、クリスはリビング・ロボティクス社の横領疑惑の会計監査を頼まれる。得意の驚異的数学力で過去15年分の書類を一晩で洗った結果、クリスは横領と支払い還流に気付く。しかし、それが表沙汰になる直前になって横領犯と目されるCFOのエドが自殺をしてしまう。社長のラマー・ブラックバーンから一方的に事件の幕引きを言い渡されたクリスは、自分の気質と相まって猛烈なフラストレーションを溜めていく。そんなおり、突如クリスは命を狙われる、、、。


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【感想】

さて、土曜日はベン・アフレック主演の最新作「ザ・コンサルタント」を見てきました。今年はこの「ザ・コンサルタント」と「夜に生きる(5月公開)」が立て続けに公開され、さらにはバットマン単独映画も撮影しつつジャスティス・リーグの脚本にも手を入れていると、大車輪のベン・アフレックです。今作はついないだ公開された「ジェーン」の監督・ギャビン・オコナーと組んでおり、俳優のみでの参戦です。

実は私、体調不良の中で無理やり見ていたものですから、あんまりこの映画にテンションが高くありません^^; ちょいと辛口になるのをご容赦下さい。

どうしてこうなった、、、

本作は物凄い変な映画です。

予告を見たときにはてっきり「ユーロコープ映画」のノリだと思ったんですね。舐めてたヤツが実はスーパー殺し屋だった!大変だ!!悪役全員ぶっ倒せ!的な。確かに大筋はそうなんですが、この映画は大きく3つの話が並行で動いており、そのどれもがかなり雑に回収されていきます。

1つはFinCEN(※Financial Crimes Enforcement Network:アメリカ財務省のマネーロンダリング専門対策チーム)が行うマフィアのマネロンを請け負っていると思われる会計士の捜査です。こちらは長官のレイ・キングと脛に傷持つ新人のメリーベス・メディナが主役です。メリーベスはマフィア皆殺し事件の現場テープと偽名の数々を手がかりとして、捜査を行っていきます。

もう1つは会計士クリスの過去トラウマ話です。高機能自閉症と診断されたクリスは、一人でも生き残る術を学ぶため、実の弟ブラクストンと共に元大佐のゴリゴリ体育会系親父からインドネシアの格闘技・シラットを叩き込まれます。そしていじめられっ子たちを物ともしない立派なオトナへ成長していきます。

最後に、本作の中心となるリビング・ロボティクス社の不正会計事件の監査と、そこで出会う経理職員のデイナとの交流、さらに巻き込まれる陰謀の話です。

この3つがロクに整理もされない状態で、すっちゃかめっちゃかグッチャグッチャに混ざって展開されます。もうね、、、せめて整理してくれないかなっていうくらいテンポもヘッタクレも無い叩き込み方をしてくるので、なんかどんどん興味がなくなってくるんですよね。

結論を行ってしまえば、3つめのリビング・ロボティクス社の話以外は全部カットでいいです。蛇足も蛇足。要らない。直接本題と関係ないですから^^;

本作には最後に2つほど”あるオチ”が待っておりまして、そのための布石が1つ目と2つ目のストーリーなんですね。ですが、このオチ自体が「続編に色気だしてるのかな?」っていうくらいふつーーーの内容なため、バレバレな上にもったいぶり方も回収の仕方も本当に酷い(笑)。ということで、結構面白いメインストーリーを全て台無しにしてくれます。

こういうのって見せ方の問題だと思うんですね。話のボリュームと映画の上映時間ってある程度比例していてしかるべきです。当たり前ですけど、アクション映画には長めな2時間10分も引っ張るなら当然2時間10分相当のオチを持ってきてもらわないと困るんです。それが、フタを開けたら連続30分ドラマの第1話みたいなのが待ってるわけです。

これだと全然納得出来ないです。

爽快感もないし、無駄に長いし、そのうえ話は雑だし、ほんとにどうしてこうなったんでしょう。さすがにこの規模の作品じゃベン・アフレックが直接台本を直したりはしないですよね^^;

良い所:ベン・アフそのもの。悪い所:そこに頼りすぎ。

今回の白眉といいましょうか一番良かった所は、やっぱりベン・アフそのもののアイドル要素になります。ムキムキの筋肉ダルマなのに怯えた子犬みたいな高機能自閉症の天才を演じていて、しかもそれがスイッチが入ると手がつけられない殺人マシーンで、それも何故か東洋の神秘・シラットの達人という、この盛り込み方(笑)。詰め込みすぎだろってくらい詰め込みまくったこのクリスというキャラと、ちょっと間の抜けた愛されキャラのベン・アフ本人のシンクロ性が、本作の唯一の拠り所です。というかですね、この映画を作った人たちはベン・アフレックに頼りすぎ。さすがのベン・アフも130分をアイドル要素だけでもたせたるのは荷が重いです。ちょっとこれは可哀想。

「ベン・アフレックが天才会計士だなんてステキ!」とかいってみても、そもそも外見のムキムキっぷりが既に普通の計算オタクじゃないですから(笑)、「ギャップ萌え」ってよりは総ツッコミ待ち状態なんです。「なんだこの会計士!ただものじゃないぞ!」って、そりゃおまえ、見りゃ分かるだろと。身長191センチ体重100kgで体脂肪率1ケタの会計士が”ただもの”なわけがない(笑)。完全に余談ですが、毎年1月4日に秋葉原のヨドバシカメラ周辺にいくと、東京ドーム大会が終わった直後の新日本プロレスのレスラーの打ち上げによく遭遇します。見た瞬間に体格にビビりますよ^^; 同じ人間と思えないくらいデカイですから。

ですからですね、このベン・アフが普通に「内向的なオタク」みたいな扱いを受けている世界観自体がちょっとコントっぽいというか、もうそれだけであんま真面目に見るのもな~~~っていう感じなんです。「ゴーン・ガール(2014)」なんかでは分かりやすく「キレたら怖そう」っていう部分をちゃんと出してたじゃないですか。それが本作ではまったく無いんですね。あくまでも「普段おとなしいのに実はヤバイ人だったのだ!!!」っていうベースラインでくるため「イヤイヤそれは無いんじゃね。」っと軽く白けてしまいます。

【まとめ】

本作については、たぶん頑張って褒めるにしても「ベンアフ格好いい!」みたいな部分しか無理なんじゃないかと思います。じゃあアイドル映画として良い出来なのかと言われると、それはそれで見せ場が少なすぎるなというのがあり、結局とても中途ハンパです。どうせやるならジェイソン・ステイサムの映画みたいに開き直って完全アイドル映画にしちゃえばイイのにと思わずにはいられません。

話の設定や大筋は面白くなりそうな要素がテンコ盛りなだけに、ちょっと勿体無いなという作品でした。

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