ザ・ライト -エクソシストの真実-

ザ・ライト -エクソシストの真実-

今日は一本、

ザ・ライト -エクソシストの真実-」を観てみました。

評価:(25/100点) – クライマックスの手前で終わるエクソシスト。


【あらすじ】

マイケルは家業が嫌で全寮制の神学校への進学を決める。それから4年、卒業を間近に控えたマイケルは信仰の少なさから司祭になることを辞退しようとする。そんな矢先、先生であるマシュー神父からバチカンへの短期留学を勧められる。それはエクソシストを養成するための特別講座だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> マイケルの留学。
 ※第1ターニングポイント -> マイケルとルーカス神父との出会い。
第2幕 -> エクソシズム。
 ※第2ターニングポイント -> ルーカス神父が取り憑かれる。
第3幕 -> マイケルと信仰。


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【感想】

今日は公開が延び延びになっていた「ザ・ライト -エクソシストの真実-」を見て来ました。アンソニー・ホプキンスが物知りでちょっとマッドなメンター役という企画の時点ですでに面白いに決まっているワケですが、、、オカルトっていうよりは青年の成長物語でした。
所々のテイストは「エクソシスト(1973)」ですし、劇中でも「頭が回ったり黄色い反吐を出さなくて拍子抜けか?」という明らかに「エクソシスト」を意識したセリフが出てきます。主人公は「エクソシスト」と同じく悪魔を信じない(見習い)神父で、その彼がベテランのエクソシストと共に悪魔と戦うことで信仰と決意を深めます。
ということで、基本的なプロットはエクソシストとほぼ同じです。
両作品の決定的な違いは話しの趣旨です。「エクソシスト」は悪魔憑きに否定的だったカラス神父がいろいろあって悪魔払いを決意し、そして悪魔の長年のライバル・メリン神父とともに戦います。しかし、、、というのがエクソシストがカルト的な人気を誇る理由です。対して本作「ザ・ライト」は神父見習いのマイケルがいろいろあって信仰を取り戻し悪魔と戦って終わってしまいます。本作のメインはマイケルという不信心者が信仰を取り戻す話しであって、悪魔払いはその手段でしかありません。明らかに「エクソシスト」の一歩手前で話しが終わっています。約40年前の映画に影響を受けながらそれより温くなるってのは本末転倒です。
少なくとも劇中ではいきなり最初の悪魔払いでクライアントが口から釘を4つも出しているので、マイケルがそれを見ながらもなお悪魔の存在に懐疑的であるというのが説得力に欠けます。「証拠を目の前で見せられてもなお信じたくない」ほどの理由があればまだしもなんですが、本作で示されるのはそこまでの理由ではありません。彼が信仰を失ったのはある事件によって「神様は無力だ」「こんなことが起きるなんて神様は居ないのか」と思ったからです。
しかも、よりによって、本作でマイケルが信仰を取り戻すのは、信仰を失うきっかけになった出来事を乗り越えたからではないんです。もうどうしようもなく悪魔の存在を認めざるをえなくなって、彼は信仰を取り戻します。これはさすがに無いです。信仰を失ってから取り戻すまでの話しなのに、その2つが対応していないんです。そうすると「成長した」というよりも「観念した」という風に見えてしまいます。これによってマイケルがただの甘えたお坊ちゃんに見えます。結構台無しです。
本作ではこの「信じること」「信じないこと」をキーワードに話しが組み立てられています。不気味で胡散臭いルーカス神父を信じることができるかどうか。不可思議な事が目の前で起きているとき、それが超常現象ではないと断言出来るかどうか。つまりは、本作ではオカルト的な要素は直接話しとは関係なく、あくまでも「信仰」がメインなんです。これは劇中でもさらっとセリフで説明されます。ルーカス神父の「不信心者はすぐに科学的な証拠を求める。」「信仰とは胸の内にあるものだ。」というものです。はからずも全体を通して宗教の持つ危険性(=盲目的な信仰の詐欺性)が見えちゃってるわけですが、たぶん制作者の意図ではありません。
さらに、オカルト的な面でも悪魔払いの描写が結構微妙です。本作の悪魔は腕力に頼りすぎです。エクソシズムというのはエクソシストが悪魔を「言葉で追い払う」んですね。ですので、悪魔側も暴力に頼っちゃいけないんです。基本的には悪魔はエクソシストに対して「信仰を揺るがす言葉」をつかって「罪を行うように誘惑」し、それに対してエクソシストは「揺るぎない信仰」でもって対抗するんです。でも本作ではすごい勢いで悪魔が暴力を振るってきます。これだとアクション映画になってしまいます。これが相当がっかりです。

【まとめ】

決してつまらない作品ではないんですが、ちょいちょいテンションが落ちる箇所が出てきます。結果としては今一歩な感じが否めません。もちろんアンソニー・ホプキンスはいつもどおり最高にマッドですし、コリン・オドナヒューもちょっと何を考えているか分からない不思議なイケメンが雰囲気を盛り上げています。オカルト・ホラー好きにはちょっと微妙ですが、描写がかなりソフトなハリウッドエンタテイメントですのでとりあえずそこそこ楽しめるとは思います。

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